東京都議会議員選挙が25日告示され、枝野幸男代表は武蔵野市選挙区の五十嵐えり(いがらし・えり)候補者の応援のため吉祥寺駅北口ロータリーで街頭演説をおこないました。
街頭演説では、地元の菅直人衆院議員(党顧問)が司会進行を務め、松下玲子・東京都武蔵野市長も五十嵐えり候補者の応援に駆けつけました。
冒頭、松下市長は五十嵐えり候補者への応援を表明し、「都議会議員選挙で、市民の皆さまの投票行動で示しいただきたいのは、まずは命を大切にする、命を守る都政にこの都議選で転換をしていただきたい」と集まった聴衆に呼びかけました。
■五十嵐えり候補者
「やっとこの日を迎えることができました」と集まった聴衆に呼びかけ、菅議員、松下市長、ボランティアのみなさんと初めてチラシを配った寒い日を感慨深く振り返りました。
立候補を決意した理由について、「コロナで苦しんでいる人を見過ごすことはできない。若い時の自分を見捨てることはできない」と強く訴えました。
中卒で働いていたアルバイト先で不当解雇された時に「法律を知らないと社会に搾取されてしまう」と危機感を覚え、22歳で高卒認定資格を取得し、法律を学ぼうと夜間大学に通い、弁護士になった経歴を紹介。
東京オリンピックの開催について、「一体だれのためにやるのでしょうか。東京都議会に条例の執行案を提出せずに、都知事が1人で勝手に決めている。その額も1兆円以上。こんな都政をこのまま続けていいのでしょうか」と聴衆に問いかけました。
そのうえで、「コロナで命の危険にさらされている、社会から取り残されていると感じている人たちに政治がしっかりと手を差し伸べる。それが今必要なのではないでしょうか。『命を守る東京、暮らしを守る東京』をつくっていきたい。是々非々で議論のできる都議会議員を目指したい。この武蔵野から誰も取り残さない仕事をさせてください」と意気込みを力強く訴えました。
■枝野幸男代表
新型コロナウイルス感染症の拡大が1年半続いている中、いまだに保健所や救急車に電話をしてもつながらず、多くの国民が苦しんでいる現状を語り、国会で野党が強く求めた持続化給付金や家賃補助の給付が十分になされていないと菅政権のコロナ対策を痛烈に批判しました。
「政治は何のためにあるのか」と問いかけ、昭和から平成にかけて、改革や自己責任を追及した結果、医療、介護などの公共サービスが削減されてしまったと振り返りました。
一方、日本の医療は世界的に最高水準、東京都は世界有数の都市であるにもかかわらず、なぜ入院できず、生活に困っている人がでているのかと警鐘を鳴らしました。
そのうえで、「自分の力ではどうにもならない時がある。1年前までのあたりまえの日々を取り戻すために『いざという時の政治』が必要だ」と訴えました。
また、民主党・菅(かん)政権で東日本大震災が起こった時に「国会を閉じるな」と菅(すが)総理に呼びかけられ、延長に応じたというエピソードを紹介しました。
「有権者のみなさんが、国の政治を変える。みなさんの生活を守るチャンスが今日から始まる。武蔵野市の医療、生活、事業支援の多くの権限は東京都にある」と呼びかけました。
五十嵐えり候補者について、同じく弁護士である枝野代表は「ルールをつくるのが政治の仕事で、国会では法律をつくる。東京都議会では条例をつくる。五十嵐さんは基本的な知識をもっている。中学を卒業して社会に出て、非正規雇用の場でつらい思いをしてきて、今どき夜間の大学から弁護士になった。政治が目を向けなければいけない生活の現実、政治が発揮すべき、いざという時を知っている。その経験と弁護士としての力、そして松下市長と連携していけるポジショニングを使わない手はない。ぜひ、あなたの生活と命を守るために力を貸してください」と強く呼びかけました。