「一連の本多議員の発言については、常任幹事会の先生方をはじめ、党内部の関係者、それから被害当事者の皆さまに、執行部の対応を含め、ご迷惑おかけしましたこと、心からお詫びを申し上げます。私たちは、ジェンダー平等を確立すると宣言をしている。私たちは綱領において『性別を問わず、その個性と能力を十分に発揮することができる、ジェンダー平等を確立する』と宣言をしている。にもかかわらず、このような状況を招いたことは甚だ残念であり、性犯罪被害者の皆さんをはじめ、ジェンダー平等の確立にご期待を頂いている皆さんにも、深くお詫びを申し上げたい」(福山哲郎幹事長)。

27日、福山幹事長が国会内で定例会見を行いました。

■本多平直衆院議員の離党届の受理について

 福山幹事長は、会見に先立っておこなわれた常任幹事会についての報告の中で、本多平直衆院議員の離党について触れました。この日、本多議員本人が離党届を提出し、常任幹事会がそれを受理した旨を報告した上で「一連の本多議員の発言については、常任幹事会の先生方をはじめ、党内部の関係者、それから被害当事者の皆さまに、執行部の対応を含め、ご迷惑おかけしましたこと、心からお詫びを申し上げます」と謝罪しました。そして本多議員の離党届提出に至るまでの経緯について触れた後に「本多議員が党員資格停止1年よりも重たい『離党』という判断をされたことを重く受け止め、処分は行わず、離党届を受理することを役員会で確認をさせて頂いた」と説明しました。

 また福山幹事長は「今回の事案は決して本多議員1人の問題ではないと認識しなければならないと考えている」と述べるとともに、「ハラスメント防止対策委員会の報告書にも示された通り、性犯罪の実態や、その背景にある日本社会が抱えるジェンダー差別の本質などについて『党として十分な共通認識を得られていない』との指摘を重く受け止めなければならない。ジェンダー平等に関する党内研修の実施をはじめ、早急にジェンダー平等に向け、専門家とも相談をして、党内プログラムを確立し、実施に移していきたい」との考えを明らかにしました。さらに「私たちは綱領において『性別を問わず、その個性と能力を十分に発揮することができる、ジェンダー平等を確立する』と宣言をしている。にもかかわらず、このような状況を招いたことは甚だ残念であり、性犯罪被害者の皆さんをはじめ、ジェンダー平等の確立にご期待を頂いている皆さんに深くお詫びを申し上げたい」と再度、陳謝の意を表明しました。結びに「ハラスメント防止対策委員会の調査報告書、並びに倫理委員会の答申ともに党の危機管理対応、ワーキングチームの運営とガバナンスに『問題あり』との指摘も受けた。執行部として、このことも真摯に受け止め、改善を図っていきたい」と党運営の改善にも努める意向を表明しました。

 また記者から今回の処分決定に至るまで長引いた理由を質されると「党内の議論の中の事実関係の確認が必要だったし、議員の身分という非常に重たいものに対しての対応だった。ましてやフラワーデモや性暴力被害の当事者等、傷つけてしまうような対象の方もいらっしゃった。そのことを含め、慎重に対応しなければいけなかった。時間がかかったというご批判は甘受しなければならないが、それぐらい慎重に、党内の手続きに則って進めさせて頂いた」と説明しました。

■東京都における新型コロナの新規患者数が過去最多となったことについて

 東京都における新規感染者数が27日に2,500人を超え、過去最多となったことへの受け止めを記者から問われました。「2,500を超える?そうですか…」と一瞬、驚きを隠せなかった福山幹事長は「まさに緊急事態宣言、感染拡大下のオリンピックということになる。病院のひっ迫状況が極めて心配だ。『命の選別』がおこなわれるようなことがないように、東京都も医療関係者の皆さんにもご奮闘頂きたい。緊急事態宣言からちょうど2週間ぐらいだと思うので、本来ならば感染拡大ではなくて、感染が下降していくような状況の時に、これまでの『最多』というのは、非常に衝撃的な数字だ」と自身の受け止めを語りました。さらに「この4連休で人出があり、さらにはオリンピックで国立競技場の周辺、沢山人が出てると聞いている。8月の上旬に向けてどのような形で感染が広がるのか、本当に極めて心配。最近なかなか聞かないが、政府は専門家会議等をちゃんと開くべきだ。オリンピックをやっているから政府は感染対策を何もしないでいいわけではない。オリンピックと感染症対策は別だ。ですからそのことについて、専門家会議を開くとか、政府としてどう考えていくのか、国民に対し一定のメッセージや説明が必要だ。感染症対策について政府に強く求めていきたい」と述べました。

■東京五輪で活躍する日本人選手への応援について

 立憲民主党が東京五輪の中止ないしは延期を訴えていたことと、東京五輪で現在活躍する日本人選手への応援の整合性について記者団から問われると、「日本人の選手がそれぞれの場面で活躍されていることは大変喜ばしいし、私もテレビを見ながら応援をしている。種目によっては私の大好きな種目もあるし、スケートボードのように、新しい種目で若い選手が金メダルを取られたということは、素晴らしいなと思う。私は京都府のバスケットボール協会の会長をやっているので、昨日、40数年ぶりにオリンピックで日本の選手がバスケットボールの試合に出て、八村選手をはじめとした日本チームが世界一のチームに大健闘されたことは、バスケットボールの関係者としては大変嬉しく思っている。日本人選手の活躍を喜ぶのは当たり前のことだ」と答えました。その上で「オリンピックの開催の是非についてわれわれが問うたのは、感染拡大が広がっているからだ。私は何度もこの場でも、これまで鍛錬をしてきたアスリートの皆さまには、存分に力を発揮していただきたいということは申し上げてきた。その話と、感染が東京でこれだけ広がっている中で、本当に国民の皆さんの命がどうなるかという状況の中で、大会を開くに至ったことの政府の責任とは全く別のものだ。日本人の選手のみならず、他国の選手にしても大健闘された方々に対して賞賛をするのは当然のことだと思うし、日本の選手が活躍することを喜ばないわけがない」と述べました。