福山哲郎幹事長記者会見
2021年7月27日(火)16時01分~16時49分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/xJtuqCTGeg8
■冒頭発言
■質疑
- 本多議員の離党について(1)
- 川内議員のSNS発信について
- 本多議員の離党について(2)
- 「中小企業の過剰債務増加」「横浜市長選」について
- 本多議員の離党について(3)
- 次期総選挙について(1)
- 参院選挙制度改革について
- 次期総選挙について(2)
- 本多議員の離党について(4)
- 東京五輪・パラについて
- 次期総選挙について(3)
- 本多議員の離党について(5)
- 次期総選挙について(4)
- 本多議員の離党について(6)
- 新型コロナ 感染拡大について
- 本多議員の離党について(7)
■冒頭発言
○第29回常任幹事会を開催
【幹事長】
ご苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。
まず常幹のご報告をさせていただきます。
代表の挨拶はご案内のとおりでございます。
私からは、もう皆さんご案内のとおり、7月15日に締結をしました連合との政策協定について、改めて常幹でご報告をさせていただきました。加えて、国民民主党との覚書について、平野代行が交渉に当たっておられますので、そのことについても平野代行から報告をいただきました。我々はこれをもって、立憲民主党、国民民主党、それぞれの地域での相互推薦はないと、連合を介してお互いが一体となって戦っていく状況をつくるということを確認しておりますので、そういう認識で国民民主党さんとも地域の中で連携して衆議院選挙を戦っていきたいと考えております。平野代行からは、あわせて報告として、覚書について、岸本選対委員長と協議をしながら、我々は平野代行に一任しておりますが、早くまとめてほしいということを申し上げています。我々としては、もう岸本選対委員長がサインをしているものですので、そんなに大きな違和感があるとは感じておりませんので、早く決めていただければと考えております。
それから、台風8号の大雨警戒情報連絡室を党に設置をしたことの報告をさせていただきました。
それから、党本部職員が3名、(新型)コロナ陽性という形になりましたので、その経過報告。2人はもう症状もなく勤務に復帰されていますが、1人はまだ勤務には戻っておられませんので、内容について報告をさせていただきました。
国対委員長からは、国会での内閣委員会の閉中審査の問題、それから今後の国会の対応について報告がありました。
参議院国対委員長からは、参議院改革協が28日、そして29日に内閣委員会があるということで、その報告がありました。
政務調査会長からは、いろいろな団体からの要望を受けて、選挙の政策に反映をしたいということの報告がありました。また、若い地方自治体議員、それから学生部、若い方からの政策要望等も受けて選挙政策に反映をしたいという話がありました。
選対委員長からは、自治体議員選挙の結果についての報告がありました。それから、自治体議員選挙の公認・推薦についても報告がありまして、承認をさせていただきました。
組織委員長からは、離党、神奈川県で1名ですが離党ということで、これは横浜市議会で、横浜市長選に立候補されるという方だそうで、我々山中候補を応援することになるので離党という形になったと報告を受けました。
その後、「倫理委員会の答申について」というところも含めて、本多議員の対応について私から常任幹事会に報告をさせていただきました。その件について、私から丁寧に記者の皆さんにご報告させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
一連の本多議員の発言については、常任幹事会の先生方を初め、党内外の関係者、それから被害当事者の皆様に、執行部の対応を含めご迷惑をおかけしましたことを、心からおわびを申し上げます。
先般7月13日の常任幹事会で党員資格停止1年間の処分についてご承認をいただいた以降の経過を報告させていただきたいと思います。7月13日の常任幹事会の翌日14日に私から倫理委員会の荒井委員長に諮問させていただきました。その後、荒井委員長初め倫理委員会では精力的に連休も使って議論を重ねていただきました。そして結果として、昨日、7月26日午後5時、倫理委員会荒井委員長から私が答申を受けました。答申を受けた後、代表にその内容を報告した上で、倫理規則第5条第3項に基づき幹事長が本人の弁明を聴取する機会を設ける旨を本多議員にお伝えして承諾を得ました。その弁明を聴取する機会を、けさ9時から弁明聴取の場をセットしたところ、約束の時間に本多議員が来られまして、弁明聴取ではなくその場で離党届を提出されました。
ご本人が離党届を提出した理由等については会見等でみずからご説明されると言われていますので、きょう私は詳しくは申し上げませんが、私に申し出られた点についてだけご報告をさせていただきます。その内容は、自分としては思いを貫く方向で何とか打開したいと思っていたが、党や第三者の皆様にご迷惑をおかけし、この場で大きな判断として離党届を提出し離党させていただきたいと私には言われました。
離党届の提出を受けて、本日11時からの執行役員会で本多議員からの離党届の提出について報告し、本多議員が党員資格停止1年よりも重たい離党という判断をされたことを重く受けとめ、処分は行わず離党届を受理することを役員会で確認させていただきました。
今回の事案は、決して本多議員一人だけの問題ではないと認識しなければならないと考えています。ハラスメント防止対策委員会の報告書にも示されたとおり、性犯罪の実態やその背景にある日本社会が抱えるジェンダー差別の本質などについて党として十分な共通認識を得られていないとの指摘を重く受けとめなければならないと考えています。ジェンダー平等に関する党内研修の実施を初め、早急にジェンダー平等に向け専門家とも相談をして党内プログラムを確立し実施に移していきたいと考えています。私たちは綱領において「性別を問わずその個性と能力を十分に発揮することができるジェンダー平等を確立する」と宣言をしています。にもかかわらずこのような状況を招いたことは甚だ残念であり、性犯罪被害者の皆さんを初めジェンダー平等の確立にご期待をいただいている皆さんに深くおわびを申し上げたいと思います。
結びに、ハラスメント防止対策委員会の調査報告書並びに倫理委員会の答申ともに、党の危機管理対応、ワーキングチームの運営とガバナンスに問題ありとの指摘も受けました。執行部としてこのことも真摯に受けとめ改善を図っていきたいと考えております。
このことを常任幹事会で一連の経緯としてご報告をさせていただき、また、答申の内容についても若干口頭で私から報告をさせていただいた上で、枝野代表から、本多議員の離党届の扱いについて、処分は行わず離党届を受理したいと、そのことで常任幹事会にご了解をいただきたいという枝野代表からのお諮りに、常任幹事会の皆さんとしては了としていただきました。若干の質問・意見等はございましたが、結果としては常任幹事会で本多議員の離党届を受理するということできょうの常任幹事会を終えました。
この一連の期間にわたって、記者の皆さんもそうですし、本当に多くの支持者の皆さん、そしてジェンダーの問題について、本当に今回皆さんに、期待を裏切ったことになったことについては心からおわびを申し上げたいと思いますし、改めて党としてはジェンダー平等についてしっかりと歩みを進めたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
■質疑
○本多議員の離党について(1)
【NHK・金澤記者】
何点か事実確認をさせていただきたい。この常任幹事会の受理をもって離党したということになるのかどうかということと、改めて離党について幹事長はどのように受けとめられているか。加えて、北海道4区について、次の衆院選での対応はどのようにお考えなのか伺いたい。
【幹事長】
1点目は、常任幹事会で承認をいただいたので、これで離党届を受理し離党が決まったということになります。
2点目でございますが、本多議員とは長いおつき合いですし、今回の一連のことについては大変本人も苦しまれたと思いますし、つらい状況もあったと思います。しかし、一方で、今回このような形で政治判断をされた。そして、いろいろなところにご迷惑をおかけしたということも言われておりましたので、その本多議員の判断をしっかり受けとめていきたいと思います。
3点目の問題は、北海道連ともしっかりと相談をして対応については協議をしていきたいと考えています。
【フリーランス・安積記者】
先ほどの幹事長の声明の中で、被害者の方というふうな言葉があったが、この被害者の方というのは具体的にどういう方々を指すのか。
【幹事長】
性暴力被害者の方です。
○川内議員のSNS発信について
【夕刊フジ・村上記者】
東京オリンピックが始まる直前の今月21日、川内博史調会長代行がご自身のツイッターで、天皇陛下が開会式で大会の中止を宣言されるしか五輪をとめる手立てはないというふうな投稿をされた。これについて、天皇の政治利用ではないかということでネット上で炎上し問題になり物議を醸しているわけだが、こうした憲法違反が疑われる発信、立憲主義に反するのではないかと思われる発信について、党として問題視はされないのかどうか、幹事長としての見解をお聞かせいただきたいのと、川内氏は今回の発信については削除しているが、削除することによってなかったことになると幹事長はお考えになるか。この2点についてお聞きしたい。
【幹事長】
ツイートは削除されて、ご本人のそのことの意思についても、おわびも含めて発せられていると私は認識しておりますので、今はそれ以上でもそれ以下でもありません。
【夕刊フジ・村上記者】
党としては問題視されないと。処分などは。
【幹事長】
処分などは今のところ考えておりません。
【夕刊フジ・村上記者】
それはなぜか。
【幹事長】
本人がそのことを理解した上で、削除して、本人は本人の意思を、その削除したことの理由も含めてツイートされているからです。
○本多議員の離党について(2)
【共同通信・小野塚記者】
本多さんの件で2点確認だが、本多さんから離党届の提出を受けられたのはどこで受けられたのかという点が一点と、そもそも荒井さんたち倫理委員会からきのう答申があったと思うが、答申の中身は原案と一緒だったのか。また、どういった中身だったのか伺いたい。
【幹事長】
まずは、私は先ほど申し上げましたように本人の弁明を聴取する機会を設けるということで、けさの9時から弁明聴取の場を党本部でセットしておりまして、そのことをきのう本多さんにお伝えをして9時にセットしました。ですから、本多さんが来られたのは党本部で、党本部でお目にかかって、結果としては弁明聴取の場ではなく離党届を私が受け取る場になったということでございます。
倫理委員会の答申内容を、もう本人が離党届を出されましたのであえてここで開示する必要はないと思いますが、若干口頭でだけ申し上げると、本多議員のワーキングチームにおける言動は党に対する信頼を著しく傷つけるものであると言わざるを得ない、と言及をされています。その上、処分等の見解については、党員資格停止の処分は妥当であるが党員資格停止の期間については常任幹事会で再考すべきである、となっております。また、付言としては、党内でのジェンダー平等の徹底を図るなど意識改革に努めるべき等々の言及もされています。大まかにはこういった内容です。
○「中小企業の過剰債務増加」「横浜市長選」について
【「フランス10」・及川記者】
2点伺いたい。1点目が過剰債務について。多くの中小企業が緊急融資を受けて延命しているが、4月中旬に東京商工リサーチが行ったアンケートで、過剰債務を抱えていると回答した中小企業は35%に上った。この過剰債務の問題をどう解消するのか、お考えをお聞きしたい。
2点目は、横浜市長選挙について。立憲民主党が推す山中竹春さんは、昨年8月に吉村大阪府知事がイソジンがコロナに効くと発表した会見のデータを解析された方で、フリップにも山中さんの名前は明示されていた。出馬会見で山中さんは、勝手に名前を使われたと、被害者だとおっしゃったが、大阪府に抗議したのは1年もたった今ごろで、しかも「ニュースソクラ」が大阪府に問い合わせたところ、府側はデータ解析をしたのが山中さんだと答えた。こんなイソジンがコロナに効くというデマを流した山中さんをなぜ応援するのか伺いたい。
【幹事長】
過剰債務については、報道にあるとおりですが、現場の中小企業では当初安倍政権のときから、「緊急事態宣言」で事業はするな、借金はしろというような方向で、ずっと借金がかさむような事態が続いておりました。私も実際安倍総理に、借金を奨励しても実際に商売をしなければ厳しくなるよということは何度も、政府が借金ばかりを奨励しているというようなことも含めてお話ししましたが、実態としてコロナの感染が長引いた上で中小企業は厳しい状況になっていると思います。自粛と補償はセットだとずっと言ってきたことが、まだなかなか実現されていないということだと思いますし、今も「緊急事態宣言」で商売が成り立たない飲食店を初めたくさんの方が苦労しておりますので、ここについては我々としては、もちろん金利の減免とか金利の据え置きとかは当然やらなければいけませんが、補償と休業要請はセットだというようなことも含めて、我々の言っている持続化給付金の再給付も含めて、早く選挙で政権を担ってそういうプログラムをつくっていきたいと、メニューをつくっていきたいと考えています。
2点目ですが、この大阪のイソジンの問題については山中候補自身が会見等でもご説明されていますので、私どもはそこを信頼して、今、推薦をして戦っています。
【フリーランス・堀田記者】
横浜市長選挙だが、山中さんは「ニュースソクラ」を訴えると言っていたが、訴えていない。これについてどう思うか。というのは、かつての都知事選で民進党が担いだ鳥越俊太郎さんが、就活の女子大学の学生にセクハラ・パワハラをやって、それが「週刊文春」「週刊新潮」に書かれたときに訴えると言ったが、実際は訴えなかったということがある。物事をきちんとしておかないと選挙にも影響するので、そのことをどう思うか伺いたい。
2点目は、本多さんに関して、途中、西村さんと津村さんの、常任幹事会メンバーの皆様へということが出たと思うが、これに関して、このように意見を言うのは自由なのか。要するに執行部としては何も別にとがめることはないのか伺いたい。
【幹事長】
1点目は、私はつまびらかではないので、こういうご質問があったので神奈川県連の担当にちょっと聞いてみます。
2点目は、自由かどうかと言われると何とも言いようがありませんが、そういった形での活動をされたのは承っております。それ以上でもそれ以下でもありません。
【フリーランス・堀田記者】
これについてペナルティがあるとか、そういったことは別に何もないか。
【幹事長】
今のところペナルティとかは考えておりません。
○本多議員の離党について(3)
【朝日新聞・三輪記者】
本多さんに関して3点。一つ目が、今回の本多さんの発言は外部の方がいたとはいえ党内のクローズの場の議論でもあった。そうした中での発言を、こういう形で処分、結局離党ということになったが、こういう決定に対して党内の一部からは今後党内議論が萎縮してしまうのではないかとか、そもそも1年という処分が重過ぎるのではないかという意見も聞こえてくる。これについては福山さんとしてどのようにお考えか。
もう一つ、これは簡単な質問だが、先ほど本多さんにお会いしたときに、福山さんとしては離党を促してはいないのか。
3点目。北海道4区の擁立の可能性について先ほど言及があったが、もう一度伺いたいが、もし本多さんが無所属なりの形で出たとしても立憲民主党として別の公認候補を立てる可能性はあると考えてよろしいか。
【幹事長】
簡単なほうから答えます。3番目の話は全く仮説の仮定の話なので、北海道連と現状を踏まえて相談したいと思いますので、答えようがありません。
それから、離党を促したか。私はきょう離党を促したわけではありません。
それから、クローズの場面だということで、処分の話は処分を結局していませんのでそこについては言及しませんが、クローズドとは言いながら、外の専門家の方を呼んでお話を聞いているやりとりというのは、クローズドと言えるのかという議論は当然あって、その専門家の先生、特にお二人やられていますから、それが中の議論だというふうには一概に言えるものだとは私は思いませんし、最近のいろいろな状況を見れば、公職者がクローズの中で言った発言についてもいろいろなことを問われる、そういう時代になってきていると思っていますので、そこは厳しく我々としては重く受けとめなければいけないと考えています。
○次期総選挙について(1)
【日本経済新聞・依田記者】
選挙のことだが、先日幹事長は立憲民主党単独で過半数の候補者を立てたいとおっしゃっていたが、あと20人ぐらい上積みが必要かと思うが、小選挙区・比例代表単独、そこら辺の人数の内訳のイメージみたいなものがあったら教えていただきたい。
【幹事長】
まだありません。具体的なイメージはありませんが、なるべく過半数を立てていきたい。それは比例区も含めてということでございます。
【読売新聞・田村記者】
冒頭に言及があった国民民主党との覚書の件だが、平野さんと岸本選対委員長で協議されているとおっしゃったが、これは立憲として何か修正する余地はあると、現状そうお考えか。
【幹事長】
それも平野代行にお任せしております。
【読売新聞・田村記者】
修正しないかもしれないと。
【幹事長】
平野代行にお任せしています。相手のお考えがよくわからないので、だって一旦サインしているわけですから、ですから大幅な変更というのは当然ないとは思いますが、そこはそんなに、何というか、がみがみした対応をする必要はないので。お互いがよくなるためにどうするかということなので、一度サインしているものなので大幅変更はないと思っておりますが、そこは代行にお任せしています。
○参院選挙制度改革について
【読売新聞・田村記者】
冒頭でご発言のあった、あしたの参院改革協について伺いたい。新立憲になってから参院の選挙制度改革について現状何かお考えがあるか。旧立憲のときは、2018年に希望の党と一緒に公職選挙法を出されているが、あの考えが新立憲にも引き継がれているという考えでよろしいか。
【幹事長】
そこは今のところ参議院に僕はお任せしていますので、参議院側に聞いていただければと思います。たぶん参議院側の会派の中での議論は進んでいるとは思いますが、私、ちょっとつまびらかではないので、参議院の執行部に聞いてください。
○次期総選挙について(2)
【上毛新聞・関口記者】
衆院群馬1区の公認に関して伺いたい。群馬県連は先週、現在党本部に公認申請中の斎藤さんを県連単独で支援することを決めた。県連が組織的な支援をするという対応について、党本部としてどのような見解でいらっしゃるか。無効であるとかないとか、幹事長はどのようにお考えか。
【幹事長】
その決定をしたということは聞いているので、県連としては単独で応援したいという意思のあらわれだと思いますが、党本部としては、現状について言えば、その事実を群馬県連からおそらく平野代行は聞かれていると思いますので、それを聞いて対応しているところだと思いますが、党本部は今のところまだ群馬1区について正式に公認しないみたいな話にはなっておりません。
【上毛新聞・関口記者】
地元の意向を尊重するというふうにお考えか。
【幹事長】
そこは代行にお任せしているので、代行に聞いてください。
【上毛新聞・関口記者】
党本部に昨年12月に公認を申請して以来、なかなか党本部で結論が出ない中での今回の対応のようだが、今後のスケジュール感とか、何が改めて懸念材料だとお考えか。
【幹事長】
先ほどから申し上げましたように、党本部としてはなかなか群馬1区についてはいろいろ厳しい状況があると思っておりますので、そのことは党本部としてはあまり状況が変わっていないつもりです。
○本多議員の離党について(4)
【産経新聞・田中記者】
本多さんは、厳重注意した6月7日の時点で、記者会見で真意を説明したいと申し上げたが福山幹事長に強くとめられ、おわび撤回のコメントを出すことを提案されてやむを得ず了承したと訴えているが、この事実関係及び記者会見を強くとめたとするならその理由を伺いたい。
【幹事長】
もう離党されたので、私がその細かいことを言及する必要がありますでしょうか。
【産経新聞・田中記者】
当時記者会見をとめた理由を。
【幹事長】
もう離党届をきょう出された本多さんの意見書の一つ一つのやりとりに対して、私が何かここであえて説明をしたり反論をしたりすることが必要でしょうか。
【産経新聞・田中記者】
党の執行部としての対応とか説明のあり方を考える上で。
【幹事長】
そのことの事実もどうかということも含めて、今さらその話をすることが適切かどうか私はよくわかりません。
【産経新聞・田中記者】
もう離党されたので、今までの対応の経緯については説明する必要はないと。
【幹事長】
説明する必要はないと申し上げるわけではありませんが、その時点で本多さんの意向を、私がそこで「いや、あのときはこうだ」とか「あのときはそうは言わなかった」と言っても意味がないので、それは本多さんが本多さんの今の認識として書かれたことだと思います。
○東京五輪・パラについて
【産経新聞・田中記者】
オリンピックで日本人のメダルラッシュが続き、私には盛り上がっているように見えるが、そのことに対する受けとめと、私の承知している限りでは蓮舫さんを除く多くの立憲の幹部の人たちはツイッターとかでも日本人の活躍に対する言及をなるべくしていないような印象を受けるが、それはやはり五輪の再延期か中止を求めてきたという立場があるからか。一つは日本人の活躍の受けとめ、もう一つは福山さんを含めて日本人の活躍に対してツイッターなどで言及されていないのは今まで再延期か中止を求めてきた立場があるからかなと私は推測しているが、そういったことはあるのか。
【幹事長】
1点目を申し上げます。日本人の選手がそれぞれの場面で活躍されていることは大変喜ばしいし、私はテレビを見ながら応援をしています。種目によっては私の大好きな種目もありますし、スケートボードのように新しい種目で日本の若い選手が金メダルをとられたということはもうすばらしいなと思いますし、そんなことを言い出すと個々の選手に言及しなければいけないのですが、私は京都府のバスケットボール協会の会長をやっていますので、きのう四十数年ぶりにオリンピックで日本の選手がバスケットで出て、八村選手を初め、世界一のチームに大健闘されたことはバスケットボールの関係者としては大変うれしく思っています。当たり前のことだと思います。
オリンピックの開催の是非について我々が問うたのは、感染拡大が広がっているからです。私は何度もこの場でも、これまで鍛錬をしてきたアスリートの皆様には存分に力を発揮していただきたいということは何度もこの場でも会見でも申し上げてきました。その話と、感染が東京でこれだけ広がっている中で、本当に国民の皆さんの命がどうなるかという状況の中で大会を開くに至ったことの政府の責任とは全く別のものだと思っていますので、日本人の選手のみならず他国の選手にしても大健闘された方々に対して賞賛をするのは当然のことだと思いますし、日本の選手が活躍することを喜ばないわけがないし、僕は人一倍喜んでいると思っています。
○次期総選挙について(3)
【朝日新聞・鬼原記者】
国民民主党との覚書について伺いたい。原案というか、今現在あるものの中で、4点目に、小選挙区の候補者のいる政党を比例運動は原則としてやるんだという趣旨のことが書いてあると思う。国民民主党はご存じのとおり小選挙区議員はそんなに多くないので、あの原案のまま締結してしまうと小選挙区の候補が少ない国民民主党はなかなか比例の票がとりづらくなってしまうのではないかという懸念もあるやに聞いているが、まずその懸念が当たるのかどうか。幹事長は選挙の責任者ですのでお考えを伺いたい。
【幹事長】
あの4項目目は、今、議論になっているので、そこで私が何か言うのはあまり適切ではないと思いますが、今言われたような考え方もありますが、たぶん違う深い考え方もあって、岸本委員長はサインされていると。もっと別の、お互いがうまくいくことを考えておられると。私は岸本委員長はそう考えてサインされたと思っています。
【朝日新聞・鬼原記者】
今、議論になっているとおっしゃったが、今後の過程で、4項目にある考え方を、立憲民主党としては国民民主党と覚書を交わす際にこれがどうしても必須なものだとお考えになっているのか。それとも議論の余地がある項目だとお考えになっているのか。
【幹事長】
先ほど申し上げたように、今、議論中ですし、お互いの選対委員長がサインしているものですから、大幅な変更はもうないものだと思っていますが、相手が党内手続があるみたいなので、それは平野代行と岸本委員長にお任せして、そこはある意味でいうと我々としてはあまりぎすぎすしないで平野委員長にお任せしているということです。
○本多議員の離党について(5)
【新潟日報・渡辺記者】
本多平直議員の関係で事実確認をしたいが、一部議員から出された嘆願書だが、この嘆願書は党本部として受け取ったのか。嘆願書というか、寛大な処分を求めると、前回の常幹のときに配られたという。
【幹事長】
常幹では配っていません。
【新潟日報・渡辺記者】
では、党としては書面を受け取ったり何か対応というのは特にされていないのか。
【幹事長】
それは私のところにも手元には来ています。来ていますが、それ以上でもそれ以下でもないし、本多議員だって意見書もいろいろなことを言われているし、寺田議員だって意見書が出てきていますし、それぞれが動いておられますが、それは何というか、もちろん頭の中には入っていますが、この先ほど申し上げたプロセスだということです。
【北海道新聞・袖山記者】
前回もお伺いしたので恐縮だが、きょう結果が出たので改めて。幹事長は当初、撤回したからいいのではないかというご発言があり、その後フラワーデモの方からもご意見があり、その後、党員資格停止1年という決定を党としてなされ、倫理委員会にかけて、最終的に離党ということになったが、今もって最初の幹事長の判断があのときの時点では正しかったとお思いになられるかという点と、6月初旬に明らかになったので約2カ月かかったかと思うが、ここまで長引いた理由についてどのようにお考えか伺いたい。
【幹事長】
政治ですから、その場その場の判断をしています。正しいかどうかは、有権者も含めて世間が評価をしていただけることだと思いますので、自分から正しいか正しくないかと申し上げるのはちょっと不遜かなと思いますので、私は申し上げません。しかし、その場その場で、本多議員、そして党のことも考えて動いたことは間違いありません。
長引いたのは、党内の議論の中の事実関係の確認が必要だったこと。それから、議員の身分という非常に重たいものに対しての対応だったからこそ、ましてやフラワーデモや性暴力被害の当事者の方や、非常に、何というのか、傷つけてしまうような対象の方々もいらっしゃったわけですから、この問題は。そのことも含めて慎重に対応しなければいけなかったので、議員の身分という重たいことも含めて、これだけの時間がかかったということで、時間がかかったというご批判は我々は甘受しなければいけないと思いますが、それぐらい慎重にやらせていただいたと、それから党内の手続きに沿ってやらせていただいたということです。
【北海道新聞・袖山記者】
特に若い議員の方から、いわゆるインナーの発言がこういうふうに外に漏れてしまって問題になってしまうのかということを捉えて、今後議論がしにくくなるという声があるようだが、今回は、インナー、インナーではないということではなく、本多議員のどのような発言を党として問題視したのかというところを改めて整理していただきたいと思う。言った言わないの話にもなっているので、最終的にはどこをどう判断したのか。
【幹事長】
ごめんなさい、発言を言ったからというふうなダイレクトな話ではないと僕は思います。もちろん発言は重要な要素だったと思います、それが問題となった発言だということも理解していますが、発言の一言一句がどうだこうだということを言っているわけではないので、それは報告書を読んでいただければおわかりいただけると思いますし、今回の、皆さんにはお見せしませんが、倫理委員会の答申を受けてもそのような形ですので、そういったことの中で今回本多議員も重い判断をされたということです。
○次期総選挙について(4)
【共同通信・小野塚記者】
衆院選の選挙区調整について伺いたい。共産党が最近およそ1カ月で小選挙区に新人6人を相次いで擁立した。立憲民主党は小選挙区で共倒れを防ぐために共産側に候補者取り下げを求める考えかと思うが、最近の相次ぐ共産党の擁立についてどのように分析・評価されているか。
【幹事長】
政党のご判断ですから、それを私どもが何か申し上げることはない。ただし、我々は候補者を一本化して戦えばそれだけ自公政権に対してしっかり向き合えるという認識ではありますので、そのことについては努力をしていくということだと思います。
○本多議員の離党について(6)
【フリーランス・堀田記者】
きょうの午前9時に本多さんを呼んで聴聞するということは、きょう本多さんが来るまでに離党届を持ってくる可能性というのは幹事長は感じていたか。
【幹事長】
いや、なかなか。
【フリーランス・堀田記者】
たらればで失礼だが、本多さんが離党届を出さないで主張をされた場合、きょうの常任幹事会で除籍ということになったのか。
【幹事長】
全くそんな仮定の話を言われても全くわかりません。だって、除籍なんてそもそもないですから、倫理委員会に諮問した話も除籍なんていうのも全くありませんから。
【フリーランス・堀田記者】
高井崇志さんと同じ結果になったわけか。
【幹事長】
それは常任幹事会でどういう状況になっているかは、倫理委員会の答申も含めての判断になるので、ここで一概には申し上げられませんし、その議論は全くしていません。
【フリーランス・堀田記者】
もし本多さんがけさの9時に三宅坂ビルに来て、党本部というのは三宅坂ビルのことですよね、離党届を出さなかった場合は、まだこの時点で本多さんは離党させられていないわけでしょうか。
【幹事長】
ちょっと言われている意味がわかりません。離党って、そもそも我々は議論していませんから。党員資格停止1年を諮問したわけですから。
【フリーランス・堀田記者】
党員資格停止がここで決まったわけでしょうか。
【幹事長】
いや、それはわかりません。
【フリーランス・堀田記者】
出さなかった場合だが。
【幹事長】
そんな仮定の話をしてもあまり意味がないです。実際に離党届が出てきているわけですから。
【フリーランス・堀田記者】
フラワーデモの北原さんたちに対しては、こういった結果になりましたということを伝える方向か。
【幹事長】
自然に伝わるとは思いますが、我々のワーキンググループに出席をしていただいた島岡先生には、まず私からご報告しなければいけないなと思っています。おわびとともにですね。
○新型コロナ 感染拡大について
【NHK・金澤記者】
きょう東京都の感染者が2500人を大きく超えて過去最多となる見通しになった。このことについての受けとめをお願いしたい。
【幹事長】
えっ、2500を超える。そうですか。
まさに「緊急事態宣言」感染拡大下のオリンピックということになると思います。病院の逼迫状況が極めて心配です。命の選択が行われるようなことがないように、東京都も医療関係者の皆さんにもご奮闘いただきたいと思います。「緊急事態宣言」からちょうど2週間ぐらいだと思いますので、本来ならば感染拡大ではなくて感染がどこか下降していくような状況のときに、これまでの最多というのは、非常に衝撃的な数字だと思いますし、この4連休で人の出があり、さらにはオリンピックで国立競技場の周辺にたくさん人が出ていると聞いておりますので、8月の上旬に向けてどのような形で感染が広がるのか。本当に極めて心配をします。
政府のほうでは、なかなか最近聞きませんが、専門家会議等をちゃんと開くべきだと思います。オリンピックをやっているから政府は感染対策を何もしないでいいわけではありません。オリンピックと感染対策は別です。ですから、そのことについては専門家会議を開くとか、政府としてどう考えていくのか。そのことについては国民に一定のメッセージや説明が必要だと思います。
今、ちょっとびっくりしたので、あまりとりとめのないことを申し上げましたが、今週も含めて来週も含めて、今後の感染拡大が本当に心配ですし、沖縄もふえています、首都圏は全部ふえています。本当に政府については、オリンピックと感染拡大対策は別なので、そこについてしっかりと対応いただくように強く求めたいと思います。
○本多議員の離党について(7)
【毎日新聞・宮原記者】
先ほど産経さんの質問でもあったが、本多さんと記者会見するのかどうかという話もあったが、党内取材しているともっと早めに記者会見を開いてしっかりと本人が謝罪したらここまで大きな話にならなかったのではないかと、ここまで問題を引きずらなかったのではないかという声もある。ハラスメント委員会でも倫理委員会でも党のガバナンスの問題が指摘されているわけだが、今回の問題の党としての対処としてガバナンスの点をどのように反省されているか伺いたい。
【幹事長】
まずは、ワーキングチームの中でこのような形の議論が続いていたことについて、ワーキングチーム内だけで議論が進み、調査報告書にもあるように雰囲気の非常に悪い中でワーキングチームの議論が進んでいたことについて、政調や党として把握して何らかの修正ができなかったことがまず出発点だと思います。その後は、ご本人の発言が外に出たことも含めて、非常に残念な状況が続いたということだと思います。
党としては、先ほど申し上げたように非常にセンシティブな問題なので、性暴力被害者もいらっしゃるので、乱暴な対応をするよりかは丁寧な対応をしたいと考えて、ましてや議員の身分にかかわるので、党の諸規則に応じてしっかりと手続を間違えないようにやってきたというのが現状でして、それによって時間がかかったということについては党のガバナンスとしては反省しなければいけないかなと思います。