蓮舫参院議員は6月2日、東京都知事選挙への立候補表明以後初となる街頭演説をJR有楽町駅まで行いました。前代表の枝野幸男衆院議員が応援に駆け付け、大雨の中多くの人が足を止め、耳を傾けました。

 蓮舫議員は、8年前、自民党国会議員でありながら都議会自民党を伏魔殿と言って闘うと宣言した小池都知事が、昨年12月には自民党の前衆院議員とともに公職選挙法違反で起訴された前区長の辞職に伴う江東区選挙で、今年1月は自民党の裏金議員の1人で東京都連会長、萩生田衆院議員の地元・八王子市長選挙で自民党の候補を応援したこと等に触れ、「いつから変わってしまったのか。よりによって今なぜ政治とカネの問題で厳しい声が国民から出ている政党に近づくのか。この感覚とは私は違う」と指摘。「これは批判ではなくてファクトだ」と強調しました。

 その上で、「国政と都政はなかなか線引きが難しい。一番分かりやすい評価は公約だ」として、2016年の選挙で小池都知事が掲げた「7つのゼロ」(待機児童、介護離職、残業、都道の電柱、満員電車、多摩格差、ペット殺処分)に言及。「すべて賛同するし素晴らしいが、8年経っても達成していない。だったら『目標値』だと言えだけばいいものを、ゼロと言ったからどうなったのかと問うたら、『蓮舫は批判』と言われる。それはおかしいと堂々問わせてもらう」と述べました。

 蓮舫議員は「この20年間行政改革に力を入れてきた。全ては次世代のために。次の世代に負担のない未来を残したい。政官業の癒着、お金の使い方に間違いがあるのであれば、潤う人たちが違うのであれば、それをただす唯一の手段が行革だと確信している」と表明。東京都の予算は一般会計だけで8.5兆円あることに「洗い甲斐がある」「当たり前のことをやってきた力を都知事として皆さんに使っていただきたい」と訴えました。

 東京都が2月から始めたプロジェクトマッピングについては、「こういう事業があってもいいが、問題は情報が小出しにされること。都は2年で関連事業を含めて48億円計上しているが、議員が聞かないと情報公開されなかった」と指摘。国の子どもの貧困拡充対策予算年間34億円とも比較し、「1年間365日やり続ける意味があるのか分からない。観光政策として経済効果は否定しないがもっと効率的なやり方を模索したい。期間限定でやれば費用対効果高まる。予算が縮減できたら財源が生まれる。それを何に使うかを決めるのが私の提案力」だと述べました。1日には都庁の足元で行われている生活困窮者に向けた食料支援の活動を視察した蓮舫議員。「こうした問題を根本から解決するために知事になりたいと強く思った。行革は手段であり、削る、切るだけではない。作った財源を本当に今必要な人たちに振り分けていくのが政治だ。東京から行財政改革をしたい」と訴えました。

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 枝野幸男衆院議員は冒頭、「日本の人口の1割を占め、世界に開かれた日本の窓口でもある、この東京の政治がまっとうなものにならなければ、日本全体まっとうなものになるはずがない」と呼びかけました。

 民主党政権時代に、共に事業仕分けや行政刷新を担当した立場から特に、本来現場にいくべきお金が中抜きされて必要な現場にいかないことから、こうした利権に回る構造を壊したくて事業仕分けをし、行政刷新を進めてきたとして、その後の自民党政権ではむしろ流れが逆になったと批判。その象徴的な例として、プロジェクトマッピングや東京オリンピック、あるいは大阪万博を挙げ、「間に何層入ってどれぐらいの人たちが金を抜いていっているのか。一方で、医療や介護、保育など、現場でサービスを担う人たちは非正規で低賃金といった厳しい環境のなか使命感だけで頑張っている。政治がこうした状況をさらに加速させていることに大変忸怩たる思いだ。国全体でこの構造を変えて、まっとうな政治を支え合える社会を私たちは作っていきたい」と力を込めました。

 こうしたサービスを提供する、その9割は地方自治体であるとして、中抜き構造で困っている人のところお金や支援がいかない構造を変えていくことが重要だと強調。これまで国会で行革に取り組んできた実績がある蓮舫議員であれば、税金がおかしなことに伝われていないかを自分の目で調べ、チェックをし、そこにメスを入れていくことができる力があると述べました。

 その上で、「中抜きする利権政治ではなく、現場で苦しんでいる、困っている、あるいはそれを支えている人たちのところに限られた予算、税金がしっかりと当てられ、みんなが安心して住める東京、そして日本を作っていきましょう」と訴えました。

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