泉健太代表は6月21日、国会内で会見を開き(1)通常国会の閉会にあたり(2)過労死防止対策推進法成立から10年(3)都知事選(4)自民党との違い――等について発言しました。

(1)国会の実質的最終日にあたり、泉代表は昨日立憲民主党が提出した内閣不信任案について、「自民から良識派が出ると期待したが、誰一人いなかった」、一方で各野党が賛成したことに謝意を述べました。

 「閉会中も、政権準備を急ぎ、いつでも総選挙で戦える状況にしたい」、明日開講するりっけん政治塾等を通しても候補者の上積みをし、「有為な人材を集めていきたい」と発言しました。

(2)過労死防止対策推進法成立から10年を受けて、泉代表は、自身の取り組みを紹介し、各産業での対策を作り、「徐々に進んできている」と述べました。

(3)昨日、告示があった都知事選について、泉代表は「いろいろな民主主義のあり方について考えさせられるポスターの掲示、大量の立候補などがある」「蓮舫さんにはがんばってもらい、人への投資に振り向けてほしい」と述べました。

(4)泉代表は「党首討論を通じて自民党との違いが明確になってきた」と述べ、「自民党は、金を集めなければ政治はできないし、政治資金パーティーを容認。これを変えていかなければならない」「麻生さんや岸田さんは金をたくさん集める政治家なので、彼らはいつまでも権勢をふるえる」「これが自民党との違い」と強調し、「そういう政治を変えないといけない」「新しい若い世代が政治にチャレンジできるようにしたい」と訴えました。


泉健太代表記者会見

2024年6月21日(金)10時36分~11時23分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/SFBUc_tEH8E


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○通常国会の閉会を迎えるに当たって

【代表】
 おはようございます。
 きょうが事実上の国会の最終日とも言われます。23日が国会の会期ですが、週末ということで、この金曜日、きょうが実質的な最終日となります。
 改めて、きのう内閣不信任案を提出させてもらって、自民党から誰かしら良識派が出てくるということも期待をしましたが、誰一人として改革派はいなかったということであります。日頃自民党の中で今の政治では駄目だ何だと言っている人たちもいるのかどうかわかりませんが、結局、あの中身のない今回の政治資金規正法改正案を自民党の力で可決し、そして、きのうの内閣不信任案も一糸乱れぬ現状維持ということで、代議士会で何か言った人物はいたということは報道で伝わっていますが、代議士会で言ったことも、この場に総理がいないのはおかしいという話だけであって、全然本質論ではないですね。ですから、あんな政治改革案はおかしいと言ってほしかったし、そして、総理にはリーダーシップがないと、もっとはっきり言っていただきたいと思いますが、今の自民党にはそれくらい期待できる人物はいないということも国民の皆さんに見えたのではないかと思います。
 一方で、野党各党一致をして、この立憲民主党提出の不信任案に賛成をしてくださいました。このことには心から感謝を申し上げたいと思いますし、これから閉会中も、立憲民主党としてはとにかく政権準備を急ぎます。次期総選挙に向けて政権準備を急いで、そして、いつでも総選挙を戦える状況というのを更につくっていきます。
 これは、(衆院小選挙区の)候補者をことしの党大会で200名という数に上積みをして、これを決めていきたいという話をしています。現在181名までやってまいりました。ですので、「りっけん政治塾」もあしたから始まります。500名ほどの塾生が集まってくださったわけですから、この皆さんに国政へのチャレンジをする意思を確認しながら、ぜひ有為な人材を更に集めていきたいと考えているところでもあります。
 何とか早期に、この候補者200名に向かって、それを達成していきたいという決意を持っていますし、もちろん200名がゴールではありませんので、ここから更に、200名を達成すればまた更に次の目標と、233という過半数の目標にも向かっていきたいと考えているところであります。

○過労死等防止対策推進法の成立から10年に当たって

【代表】
 きのう少し代議士会でも話をしたのですが、きのうで過労死等防止対策推進法が成立して10年ということで、私自身がずっと取り組んできた法律でもあるし、また、取組でもあります。
 当時まだ、国会の中で長く活動していた被害者の皆さん、ご遺族の皆さんが、どうしていってよいものかという中で、私との出会いがあって、超党派の議連をすぐつくろうと言って、私もその事務局長をやってきました。今、石川県の知事をやっている馳さんに議連の会長に就任してもらって、与党からも協力を得てこの過労死等防止対策推進法というのをつくって、そこからようやく、医療の世界やエンジニアの世界、運送・運輸業の世界など、特に心疾患、あるいは脳疾患というものが比率として高い産業分野、そういったところの対策というものをつくり続けてきました。そういったところは「働き方改革」も含めて徐々に進んできているというところですし、労災認定も進んできていると思っております。
 何とかこの過労死が起きないような社会づくりに向けて、また努力をしていきたいと思います。

○東京都知事選 選挙戦のスタートに当たって

【代表】
 そして、今、東京都知事選ですね。こちらもいよいよ、きのうからスタートしました。
 いろいろな、民主主義を考えさせられる、その他の話題もあって、ポスターの掲示板の問題だとか、大量の立候補というものの問題、これも言われていまして、そういったことも気になるところではありますが、この都知事そのものを選ぶということにおいて、蓮舫さんにぜひ頑張っていただきたいし、今の東京都政の予算をもっと人に投資をするほうに振り向けていくということをぜひ蓮舫さんには頑張っていただきたいと思っていますので、立憲民主党の仲間たちもそれぞれに全力で応援をしていきたいと考えているところであります。

○政治改革 新しい世代が参画しやすい政治の実現に向けて

【代表】
 話は前後しますが、きのうの不信任案もそうですが、この間、党首討論も通じて、自民党との違いというのが明確になってきたなという点は、特に自民党の側は、金を集めないと政治はできないし、若者が金を集められるようにパーティーを容認すべきだという考え方ですね。しかし、今も、ずっと政治資金パーティーは容認された時代が続いてきましたが、そういうものがむしろ、若い世代、新しい人たちが政治の世界に入る大きな障壁になっているということを立憲民主党としては訴えてきたわけです。
 そういう政界全体の資金集め競争を縮小していかなければいけない、ダウンサイズしていかなければいけないということをずっと言い続けて我々は改革案をつくってきたわけですが、そういうことの考え方が真っ向違うと思うし、それは麻生さんや岸田さんは金をたくさん集める政治家ですから、他の追随を許さないというのはまさにこのことでして、そんなまねは国会議員であってもなかなかできる人は少ないわけですから、そうすると彼らはいつまでも権勢を振るえるということになるわけですよね。
 そういう政治を変えなければいけないのではないかということを立憲民主党としては言っているわけでして、いつまでもお金を持っている者が権力を持つという政治を変える。そして、多くの有為な能力のある若い世代、新しい世代、国民が政治にチャレンジをできるようにするということが、立憲民主党、そして私が考えている政治ですから、これからもこの違いを明確にして我々は訴えをしていきたいと考えております。


■質疑

○通常国会の振り返りについて(1)

【日本テレビ】
 事実上の最終日ということで、今国会の振り返りを伺いたい。昨日、不信任案も提出され、そこで安住委員長が、政治と金の問題が重苦しい雲のように覆って、大切な法案、大切な議論ができなかったというような評価をされた。やはり政治と金の問題はとても大事なテーマではあるが、それにたくさん時間を費やさざるを得なくなってしまって、大切なテーマが議論できなかったという側面はあったと思う。泉代表がこの国会を振り返って、特にこの課題に対してちょっと議論が足りなかったのではないかというようなテーマがあれば伺いたい。

【代表】
 立憲民主党としては、党内の議論は活発だったし、充実をしていました。少子化対策も、教育の無償化も、エネルギー改革も。しかし、そういうことが確かに注目を浴びる場面というのは本当に少なかったですね。それはもう連日報道は「裏金」「裏金」「裏金」ということになってしまっていたし、委員会で、例えばセキュリティ・クリアランスが、立憲民主党が現実をしっかり見据えて対案も出し、また、前向きな姿勢で取り組んできたということについても、本当はもっと伝わってよいのかなと思うものもたくさんありました。
 とにかく、本来自民党が自ら解明すべき、党の中で決着させるべき裏金問題を、こうもここまで自民党が自分たちで自浄作用を働かせずに、そして、国会でないと解明できないかのような状況がつくり出され、延々と他の政党から質問をさせられるという、本当に自民党に大迷惑を被ったというのが今国会です。
 その意味では本当に、少子化対策も、教育の無償化も、当然ながら我が国の国際的な対外政策についても、農業についても、もっと議論をしたかったですね。

【東京新聞】
 冒頭のご発言にも関連するが、今国会は政治改革が大きな争点となり、期間中に行われた大型選挙でも立憲民主党が自民党との戦いを制する場面が目立った。改めてになるが、政権交代を目指す上で今国会がどういう位置づけになったかというのを振り返っていかがか。

【代表】
 大きなステップになっているし、この流れをより強めていかなければいけないと考えています。
 4月の補欠選挙で勝利をしたというのは本当に大きい。政治改革に向けても後押しになった。これは、とはいえ我々はまだ少数ですが、あの三つの補欠選挙で勝ったことによって、衆議院の政倫審の議席が増えて、この政治倫理審査会で参議院と同様の議決ができるようになって、自民党の裏金議員を政治倫理審査会に呼ぶということが決定できたわけですね。これは大きな進歩だった。そして、最終的に自民党の議員がそれに応じなかったということも白日の下にさらされたわけですから。
 自民党の、今はその前回の総選挙で決まった議席数全体をひっくり返すということはできないわけだけれども、少なくとも、しかし、自民党がこの改革を妨げている、真相究明に後ろ向きだということは世の中に知っていただくという補欠選挙になったのは間違いないことなので、やはり動けば変わりますよと。有権者の皆さんが動けば、国民の皆さんが怒りを持って行動すれば政治は一歩一歩前に進んでいくということを実感した今回の通常国会、補欠選挙でしたので、立憲民主党として、この政治塾も通じて、更に候補者を擁立して、総選挙に向かって準備をしていきたい。
 そして、これは補欠選挙のときも言ったのですが、裏金問題に対する大きな怒りとともに、人口減少と地方の衰退ということに多くの国民の皆さんが不安を感じていて、それに対して立憲民主党が取り組む姿勢を見せ続けていますから、こういったことも閉会中も私も全国各地に視察に行ったり地方の実情をお伺いして、こういった政策に厚みを増して、総選挙に向かっていきたいですね。

○党代表選挙について(1)

【東京新聞】
 こういった立憲の攻勢もあり、総理は会期末の解散をほぼ断念したと伝えられている。結果的に次期衆院選よりも前に、自民党は総裁選、御党は代表選を行われる公算が極めて高まっている。改めてだが、代表選へ向けた対応や抱負などがあればお願いしたい。

【代表】
 まずは、私は総選挙に向けて全力を尽くします。先ほど話をしたように、150という数字からのスタートではありましたが、今は180まで行って、しかし、まだ過半数の候補者を立てている状況ではないので、とにかく我が党の代表選よりも前にもっとやらなければいけないことがあると思っていますから、候補者擁立を最優先に、党の基盤強化を最優先に、そして、いわゆる選挙政策づくりを最優先にして取組をしていきます。
 代表選については、今、まず日程が、これは私が決めるのではなく、代表選管、立憲民主党の中の別組織である党の代表選挙管理委員会が決定をすることですし、その日程にもよってくる部分がかなり大きいと思いますから、今、現時点で私がこの代表選について何かを考えているということはございません。

【東京新聞】
 確認だが、代表選への態度を正式に表明されるのは、その代表選管が日程等を固めた後になるということか。

【代表】
 わかりません。それを何か、今、決めているという状況にはないです。

○通常国会の振り返りについて(2)

【フリーランス】
 ほかの野党との連携に関して、今国会の振り返りと、次の選挙に関して伺いたい。まず、今回、トリガー条項に関して自民・公明・国民民主党の協議体が12月に発足したが、大体1月下旬の時点で国民民主党は完全にほごにされたのだと思う。そして、6月、維新と自民の2党首合意に基づいて調査研究広報滞在費を改革するということに関して、これも完全にほごにされたと考えていいかと思う。両方とも木原誠二幹事長代理が実務者だったが、岸田総理としては解散してしまって維新や国民を連立に取り込もうという考えはあまりないのだろうという感じはする。今回、両党はきのうの不信任案には一緒に行動したが、両党のこの動きに関して、自民党の不誠実さに関して、どのように振り返られるか。

【代表】
 政党の規模が小さいとはいえ、公党間の合意をいとも簡単にほごにするというのは失礼だし、きのう私の趣旨弁明でも言ったのですが、そんな自民党のトップって、これまで見たことないんですよね。
 党と党で結んだことについては約束を守る。しかも、それは大きなほう、あるいは政権政党ですからね。それくらいの矜持、良識はあって当然にもかかわらず、口ではいいことを言って、表では誘い水をまいて、しかし、釣った魚には餌はやらない。こんな姿勢で信頼は得られませんよね。
 岸田さんというのはそういう交渉の仕方をする人なのかということも、随分と、自民党の中でもこういう姿勢に対する批判や疑問の声というのは多いのではないかと思います。こういう岸田さんの姿勢は随分と、今国会、広く伝わったのかなと。こういうことでは、おそらく、これから総理からさまざまな誘いを受けても、乗る人物というのはあまりいないだろうなと。そういう意味で「四面楚歌」ということにつながっていくのではないかとも思います。

○次期衆院総選挙に向けて(1)

【フリーランス】
 選挙のことを2問目で伺いたい。289の選挙区で、自民の現職、立憲の元職、維新の新人、参政の新人、実質三つ巴というか4人という選挙区がもう半数以上になってきたのではないかと思う。今後、立憲と維新の間での野党一本化というのは、幹事長の過去の発言では数選挙区にとどまるのではないかというようなことだったが、立憲と維新が野党の一本化で、これは150くらいしなければいけない話になってくるが、今後一本化のほうに行くか。それとも、同じ穴のムジナ批判とか、万博の件もあるが、ちょっと維新とは、エッジを利かして、維新はちょっと自民党のほうに寄っているのではないかというような感じで、今後、党全体として政策も含めてどういうふうにやっていかれるか。

【代表】
 立憲民主党が、まず、自民党に代わる新しい政権をつくる。そこに向かって、今、全国で活動を展開しています。
 そして、私自身も、その我々の考え方にどう思うかということで、「ミッション型内閣」と。もしかすると連立政権かもしれないから、国民の声が自民党ではない政権を望むならば、そこは各政党準備しなければいけないのではないかという問いかけをしています。
 それにどう応じるかだと思うのですね。結局、両にらみで行きますよという姿勢なのか。自民党にも立憲民主党にも両にらみで行きますよという姿勢なのか。明確に、自民党では駄目だ、一緒に戦おうという姿勢になるのか。それはもうまさに各党のご判断だと思うのですね。
 ですから、その判断が不明な状況をただ我々待っているわけにはいきませんから、立憲民主党としては、とにかく自民党ではない政権をつくる。立憲民主党が特に大きな責任を担っていますから、そこに向かって自分たちの努力はひとときも緩めることなく努力をし続けなければいけないと思っていますので、明確にそういう意思があるということをおっしゃっていただく政党があって、やはり一緒に戦おうではないかという政党があれば、やはりそれは我々としてぜひ一緒に考えましょうという話をしていきたいと思いますが、もし中途半端な姿勢であれば、そこをずっと待ち続けるというわけにはいかないわけですね。
 なので、立憲民主党は立憲民主党としての努力を、最善の努力を、まず党としてやり続けていきたいと考えています。

【フリーランス】
 関連で、一つだけ短く教えていただきたい。核融合に関して議員連盟ができて、代表は会員にはなられていないが、この核融合議連の幹事長は、国民民主党の竹詰さん、東京電力出身の竹詰さんがされている。「ミッション型内閣」としては、核融合のほうに、若干エネルギーは国民民主党と仮に連立を組むならば棚上げみたいなのが、この「ミッション型内閣」というものの考え方か。

【代表】
 いや、まだ全くそんな話をしたことはないです。

○党代表選挙について(2)

【読売新聞】
 先ほど質問のあった代表選関連で、重ねて質問だが、3補選であったり県知事選であったり、各種世論調査の次期衆院選の投票先でも立憲は今かなり上昇傾向が続いているかと思う。先ほど代表が今国会の振り返りで、この流れを続けないといけないというようなご発言もあったと思うが、ご自身の再選ということについて、今、それ自体は排除せず考えているということでよろしいか。

【代表】
 もう一回お願いします。

【読売新聞】
 この流れを継続すべきだというようなご発言が先ほど今国会の振り返りであったが、代表ご自身は、こういう立憲へのいい傾向の流れを継続するために、ご自身の続投という考えも排除せずに今考えていらっしゃるか。

【代表】
 はい、そうですね。

【読売新聞】
 関連で。同時期に自民党総裁選も予定されていると思うが、仮に代表選自体が無投票だと、なかなか一般の方の関心が集まりにくいかと思う。ご自身が出るか否かは別として、やはり党代表選というのは選挙戦になるべきというか、なったほうがいいのではないかとか、その辺りはどのようにお考えか。

【代表】
 いや、特段、何の考えも今はありません。どうあったらいいとか、ないとか、そういうことではないですね。今はとにかく総選挙に向かって努力をしているさなかにあります。

○次期衆院総選挙に向けて(2)

【時事通信・大塚記者】
 先ほど質問にも出た他党との関係性について、関連の質問だが、先日、連合の芳野会長と国民民主党の玉木代表が定期的にやっている政策の懇談会を行い、そこで、連合出身議員懇談会を通じて、立憲民主党と国民民主党と連合の間で、国の根幹に関わる基本的な政策について議論を進めていきたいという考えを芳野さんは示された。「ミッション型内閣」というお話もあったが、泉代表としてこういった動きに対して期待するものはあるか。

【代表】
 これは連合と、あるいは国民民主党と、都度都度やり取りをしていて、その流れの中にあるということですね。ですから、我が党としてもその流れの中でさまざまなやり取りをしています。
 当然、これは両党が何らか連合を間に置きながら連携なりを進めていくとすれば、両党が納得する形でやっていくということになると思いますから、そういう方向で進んでいると認識しています。

【時事通信】
 代表はかねて、インターネット番組でしたか、政策協議を行うのはいいのだけれども、そのテーマの選定においてちゃんと立憲民主党の意見も入れてほしいという考えを示されていたと思う。連合としては、衆院選に向けた基本方針では、経済、財政、金融、外交・安全保障、エネルギー、憲法といった国の根幹に関わる政策について両党が合意してほしいという話だが、こういった項目について政策協議を行うのはやぶさかではないということか。

【代表】
 まさにそういうことに基づきながら、どういう話合いができるのかということだと思います。それは連合さんの書いている文章はそうなっているということで、それを踏まえて、また我々もどう議論していくべきかということを話し合っていくと。

○党代表選挙について(3)

【日本経済新聞】
 代表選に関連して伺いたい。先ほど特にお考えはないとおっしゃっていたので伺いづらいが、先日、野田元総理は、ことし自民党総裁選と立憲の代表選挙が同時期にある可能性が高いということを踏まえ、埋没しないような形で立憲民主党の代表選をすべきだとおっしゃっていた。つまり、同時期に自民党よりも注目される代表選をすべきだという主張だったと思うが、こういう日程感、あとは自民党との比較も含めて、ご自身先ほど出馬されるような意欲を見せられたと思うが、改めてどういう代表選にしていきたいか教えていただきたい。

【代表】
 これは代表選管が決めることであって、党の代表が決めることではないものですから、何とも言いようがないですね。
 とにかく、党の一構成員とすればやはり、代表選があるのであれば、それが世の中に伝わるような代表選であればいいなとは思っています。

○「りっけん政治塾」について

【日本経済新聞】
 話題変わって、あしたから始まる「りっけん政治塾」について伺いたい。塾ということなので受講者の方々にいろいろなことを学んでもらいたいという目的もある上で、衆院選の候補者を発掘したいということだと思うが、代表として5回を通じて具体的にどういうことを受講生に得てもらいたいかというところを、まず狙いを教えていただきたい。

【代表】
 立憲民主党を知っていただく。そして、やはり他の政党との違いということも学んでいただきたいし、そして、我が国の抱えている問題ですよね。そこに共に向かっていこうという、勇気も持っていただけるような塾にしたいですね。

【日本経済新聞】
 政治と金の問題とか、政治家の姿勢が有権者からも見られているような情勢だと思うが、どういうような人材を衆院選に向けて発掘していきたいとお考えか。

【代表】
 本当に、自民党さんのように、各議員がというか、パーティーを開いてたくさん金を集めて、あるいは献金をたくさん集めて活動するということは、特に新人の場合は想定しにくいと考えますので、立憲民主党としては候補者として決まれば党からも応援をするし、そして、お金のない中で、地域の方々と共に対話しながら歩んでいく政治を続けて、政権交代に向かおうと。それは可能だと、こういうことを示していきたいですね。

【日本経済新聞】
 伺い方が悪かったが、どういう人物像の人を探したいか。

【代表】
 同じ人物像だったら困りますからね。正義感があって、やはり今の政治を変えたいという勇気を持っている方であれば、さまざまな属性の方々に集まっていただきたいですね。

【日本経済新聞】
 最後、意気込みで結構だが、どれくらいの規模を政治塾から候補者として発掘していきたいか。

【代表】
 それはわかりません。

○政治資金パーティーの開催自粛について

【産経新聞】
 別件で、政治資金パーティーの執行役員の当面自粛の件について伺いたい。先月、岡田幹事長が執行役員会の後に、政治資金(規正法)改正のめどがつくまでの間は執行部は自粛するということを発表されたが、この政治資金規正法改正が成立したが、これをもって今後はパーティーが解禁ということになるのか。

【代表】
 いえ、現状はまだ何も変わっていないです。継続中です。

【産経新聞】
 それはまた何かしら執行役員会などを開いて方針を確認するということになるか。

【代表】
 もし何かあれば、そういうことになるのだと思います。

○次期衆院総選挙に向けて(3)

【朝日新聞】
 自民党の中では主に地方から岸田総理の責任を問う声が上がってきているかと思う。実際、次の総裁選で、もしかしたら岸田総理とは別の顔にすげ替えて、挑んでくるというか戦ってくることも考えられる。その自民党の対応について立憲としてどう向き合いたいか伺いたい。

【代表】
 冒頭お話ししましたが、あの中身のない政治改革案に自民党の議員たちが一糸乱れず賛成をしたわけですから、政治改革の志、政治改革の意思、これはないということは、それは上川さんであろうが、石破さんであろうが、加藤勝信さんであろうが、茂木さんであろうが、皆、今の現状追認の政治資金規正法、自民党の議員たちがほっと胸をなでおろす政治資金規正法に賛成をしたということでいえば、自らの身を正す、律するという考え方がないということです。
 そういうことは、世の中、国民の皆さんに伝えていかねばならないと思うし、誰がなろうとも、自民党は今までとにかく頭を替えて一気に人気が出たところ、しかも、頭を替えたときにいろいろなそのパーソナルなヒストリーをいっぱい持ってきて、その人の人となりのほうに話をそらして、そして、ショーアップ、プレーアップをして総選挙に臨むというやり方を何度もやってきていますから、これは国民の皆様に、我々としては、そこにだまされないように一緒に戦っていきましょうねと、裏金議員をいっぱい通すわけにいきませんよねということをやはり訴えていきたいですね。

【朝日新聞】
 ちょっと話題変わるが、先ほどのご発言の中で、今後、解散・総選挙に向けて政権準備を急ぐというご発言があった。具体的に国民に何を訴えて立憲が政権を担うのかというのを伝えるか、どう今お考えか。

【代表】
 変えること。そして、続けること。これをよく国民の皆さんにお伝えしていきたいと思っています。
 変えることというのは、今回の政治改革、自民党ができなかったことをやはり実現していく新しい内閣であると。そして、教育の無償化や異次元の少子化(対策)も岸田政権では不発ですから、こういった「人への投資」について我々として新しい政権は取り組むということを国民にお伝えしていきたい。特にここは変える部分ですね。
 一方で、継続する部分というのは、当然、外交関係。ここを継続していくということ。そして、我が国の防衛政策や、あるいは日米安保条約ということについても、安定を旨として、そして継続性を大事にしながら、一方で、国民の皆様の不安や要求が強いことについて誠実な話合いをしていく環境をつくっていくということをやっていきたいと考えています。
 そういった継続と変革ということの両方を伝えていけるように、国民の皆様が立憲民主党の政権をイメージしたときに、経済も大混乱するとか、あるいは外交が混乱するとか、そんなことはないよというふうに思ってもらえるように、特にそこを強調していきたいですね。

【朝日新聞】
 最後に、泉さんは解散・総選挙はいつあると思うか。

【代表】
 わかりません。これはわかりませんね。
 なので、野党の側というのは本当に常に、これまでもずっとそう思ってやってきましたが、いつ選挙があってもいいようにというか、いつ選挙があっても戦わなければいけないという立場ですから、そのときそのときの全力を尽くすしかないということですよね。

○憲法論議について

【毎日新聞】
 憲法の関連について伺いたい。さきの党首討論でも岸田総裁から憲法についての議論を進めたいという逆質問のような趣旨があり、先ほどの憲法審の幹事会でも与党の筆頭理事から閉中審査の提案があったということだ。この会期中の憲法をめぐる議論を振り返って、立憲として、閉会中審査を含めて、どういうふうに議論に関与していきたいか。また、憲法をめぐる議論の岸田政権の姿勢、取り組み方についてもご見解をお願いしたい。

【代表】
 総理が党首討論で憲法のことをこちらに問うてくるというのは予想もしていたし、それは全然構わないことなのですね。ただ、ちょっと時間が長過ぎたなと。総理の発言時間が長くて、結局26分のうち半分以上総理がしゃべっていたという討論になってしまったので、それはちょっとやり過ぎでしょうというのは今もう国会内では結構与野党共通の話題になっていて、これはもう何としたものだろうなと。総理も、初めてとはいえ、もうちょっと場なれしてもらわないとというふうには思いますね。
 その中で、問われたことでいえば、やはり憲法改正というのは解散・総選挙と同規模で大変な手続が伴う、国民投票が伴うものですから、生煮えで憲法改正案を出すわけにもいかないし、そして、これはオーストラリアなんかでもよく言われるのですが、与野党が対決・対立したまま無理矢理憲法改正を図ったときというのは大体頓挫しているケースがあって、では、何を論題にして、どういうふうに与野党合意をつくり、そして700億円くらいかけて国民投票に入っていくかということについては、本当によくよく議論をしていかなければいけない中でいうと、まだまだ、よく何時間やったから議論が煮詰まったという言い方をする方があるのですが、そうではなく、議論が煮詰まったかどうかというのは時間の問題というよりも本当に煮詰まったかどうかなので。
 その意味では、緊急事態条項だとかということについても、実は参議院のほうでは立憲民主党が反対しているだけとは言えない状況もかなりあって、自民党や公明党の参議院の皆さんからもかなり、衆議院側だけ任期を延長だ何だと勝手に議論して参議院の緊急集会の位置づけを落とそうとしているけれども果たしてそれはどうなんだという声はかなり実は聞いています。ですから、あのとき私も総理に、それはおたくの党の参議院の側に聞いたらどうですかということを言ってもいいかなと思ったくらいだったのですが、それくらいに実はまだまだ生煮え状態です。
 ですから、議論するときには我々出席をして議論をやっていますが、閉会中審査云々というのは、これは国会の中で決めることだし、本来であれば党首同士が「この委員会は閉会中審査をやりましょう」とか「この委員会はやりません」とかということを決めるわけもなく、それは大体国会の常識に基づいて国会内で決められることですから、むしろ党首が口を出すような話ではないし、党首討論で扱うような大きな話でもないですよということは言わなければいけないです。あくまで国会の中で、審査会長と幹事、この中で合意されていくことだと考えています。

【毎日新聞】
 憲法と、他の野党との連携についても伺いたい。憲法審の中では国民民主党の玉木代表も憲法改正に向けてかなり積極的な主張を続けてこられたと思うが、国民民主党との政策の一致ということを目指していくときに、やはりちょっとまだ溝はあるのかなという感じがあるが、どのように取り組んでいかれるか。

【代表】
 国民民主党と合意を目指すときに溝があるということを逆に言えば、国民民主党が立憲民主党と合意を目指そうとするならば溝があるということでしょうから、それは両党がそれを埋める努力をするかどうかではないでしょうか。ですから、両党にまた責任があるでしょうし、片一方の意見だけが通るものでもないだろうと考えています。

○「沖縄県議選の結果」「東京都議補選」等について

【フリーランス】
 まず、沖縄県議選の敗北は、なぜ負けたのか伺いたい。

【代表】
 沖縄の県議選は、立憲民主党は4あったところで残念ながら2になったということで、これは敗北です。
 あるいは、県政与党ということでいけば、県民の皆様に希望を持っていただけるようなテーマ、争点。そういうものをつくってやはり訴えていくということがもっとあったほうがよかったかなと、そのようには思います。その部分、もちろんこれからまた更に選挙の分析などをして考えていかなければいけないけれども、足りないところがあったのではないかと考えています。

【フリーランス】
 それから、きのうの不信任案で、れいわさんが棄権した。これについてどう思うか。

【代表】
 それはもうその政党のご判断ですね。

【フリーランス】
 それから、来週、都議の補選が行われる。足立選挙区だが、連合東京から推薦を受けた銀川さんが出る。連合東京から推薦を受けていない蓮舫さんが一緒にやるということはあると思うが、これは別に差し支えないか。

【代表】
 一緒にやるのかどうかも私はまだ聞いていませんし、そこはもう東京の中のお話ですね。党本部に何かというのは聞いていないです。

【フリーランス】
 補選が8選挙区あるが、たった2人しか出ない。これは立憲民主党の現在の力というものを表しているか。

【代表】
 はい。

○「能登半島地震対応の与野党党首会談」等について

【フリーランス】
 1月5日に能登半島の件で(総理に)呼び出されて皆さんで話合いをしたと思うが、その後の記者会見がすごく印象に残っていて、やはり泉さんがトーンダウンしているように私には見えた。今回、能登半島の災害関連死が熊本の関連死を抜くという状況になり、立憲のほうはまた申入れに動かれているかと思うが、1月5日の話合い、呼び出されて、そのときどういう気持ちだったのか、もう一回お聞きしたい。

【代表】
 これは各政党、それぞれ党が違うとはいえ、年がら年中ただ単に戦っているということではなく、互いに賛成する法案もあるし、そして、共に立ち向かわなければいけない事象もあります。
 能登半島の地震が起きて、直後、総理から問いかけがあって、それは私は応じるべきだと判断をしたし、そして、まず総理側が何を考えているのかということを知ることも大事だと思いましたから、これは間違っていなかったと思っていますし、そこで何かトーンダウンとかトーンアップとか、そういうことではないと思います。被災者の方々がおられて、いかに国として救うかということが問われる場でしたから、そのために何ができるかということを考えただけです。

【フリーランス】
 やはり情報力の差として、こうべを垂れてしまうというところはあるのか。

【代表】
 いや、全く、本当にこうべを垂れているどころか、かなり総理に言いましたよ。もうあのときに第1次要望を出して、支援物資のことから、被災者の方々の救出のことから、あるいは避難所のトイレ、もういろいろなことを政府側に求めて、それをむしろ聞いてもらった場です。
 ですから、呼ばれたというのは、それは呼びかけに応じてもらったということの意味合いもあるし、必ずしも何か総理の言うことを聞くために集まった場ではないです。我々として30項目くらいの要望を出していますので。

【フリーランス】
 では、もしトーンダウンして見えたとしたら、ちょっとのれんに腕押し感があったと、そんなことで元気がなかったというような感じか。

【代表】
 そこはいろいろな方の見方があろうかと。

(以上)