泉健太代表は6月14日、国会内で会見を開き(1)政治改革関連法案(2)今国会の法案対応(3)ジェンダーギャップ指数――等について発言しました。

(1)参議院で審議中の政治改革関連法案について、泉代表は「立憲民主党は企業団体献金の廃止、政治資金パーティーの禁止、連座制の徹底、政策活動費の廃止を訴えてきた。これが日本の政治そのものを改善していく」と訴えました。現状では、「政治活動ができる人は限られてしまう。恵まれた環境の人だけの政治になってしまう。さまざまな世界から多くの人が参入できるように変えていく。新しい世代の人に入ってもらえるように変えていく」と強調しました。

(2)泉代表は「立憲民主党は政治改革のみならず、さまざまな立法活動をしている。例えば、政府は子ども・子育て支援金という名の負担を課そうとしているが、支援金の新たな負担は不要であって、その分はETFの分配金1兆以上を使って財源にする法案を国会に提出した」と紹介し、「立憲は政策を提案し、法案を提出している」と強調しました。

 さらに、政府提出法案に対しても、立憲民主党は「内閣提出法案の8割には賛成している。おかしなものに限定して反対している」「権力者が一方的に強くなって国民が縛られるのには反対」「無駄遣いの予算には反対。こうした基準で判断し8割くらいは賛成になる。本当におかしいものは反対している。提案もするし、賛成もする」と是々非々の立憲民主党の姿勢を改めて示しました。

 本日、法案提出する能登半島の震災公費解体をより迅速に進めるための法案について、泉代表は「自治体が当事者から訴訟を受けるリスクがあった。さまざまな形を明確にしていくことで公費解体を促進していく法案」「ぎりぎりまで他党に受け入れてもらえるように努力する」と述べました。

(3)公表されたジェンダーギャップ指数について泉代表は「政治、経済分野において世界から遅れている。G7では最下位が続いている。国会に女性を増やす。各界でも女性が進出しやすいようにする。選択的夫婦別姓は人権の問題だと思っている。経団連の会長が発言したが、経済的損失も出ている。岸田総理にやるのかどうか問わなければならない」と述べました。

 泉代表は、りっけん政治塾に約500人の申し込みがあったことに触れ、感謝の言葉を述べました。


泉健太代表記者会見

2024年6月14日(金)10時30分~11時07分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/pu-0ubfWJfA


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○政治改革 参議院での審議について

【代表】
 おはようございます。
 まずは政治改革関連ですね。
 参議院でも、審議時間が短いと思いますが、自民党はそのまま審議を進めて採決をしてこようとしているというような状況でありますけれども、我々としては、改めて立憲民主党は、企業・団体献金の廃止、政治資金パーティーの禁止、また、連座制の徹底、政策活動費を廃止、こういうものをずっと訴えてきました。これが日本の政治そのものを改善していくものであるという思いで我々は訴えてきましたから、それは今も変わっておりません。
 金をかける競争をして、金を集める競争もして、そうして政治活動している限りは、本当にこの政治の世界で活動できる人はごくごく少数に限られてしまいます。そういった恵まれた環境の人だけが政治はできるという世界から、多くの方が参入できるような政治に変えていく。そして、政界全体をやはり新しい感覚や世代の方々に入っていただくということをこれからもやっていきたいと、訴えていきたいと考えております。
 そういう中で、今、少し注目を集めているのが、維新さんの動きですね。本当に、馬場代表、かわいそうだなと正直思いますね。馬場代表がある意味裏話を、水面下の話を公表したというのは、それだけの怒りもあったでしょうし、本当に信義則違反だと。こういう自民党の表の顔ではなく裏の顔を明らかにしたというのは、国民の皆さんにとっても垣間見られたのではないかと思います。こういうことを普段自民党はやっているんだよということの象徴ではないでしょうか。
 岸田総理が表で火の玉だ何だと言っても、裏では、他党との約束をはぐらかす、うやむやにする、こういうことをやり続けてきたということですよね。そうではないならば自民党が何らかの動きをするということになるでしょうし、今回のこの参議院での維新が最終どういうような判断をしていくかということにも注目をしております。

○立法活動 法案2本の提出について

【代表】
 我々、この政治改革のみならず、立憲民主党としてはさまざまな立法活動を行っています。
 きのうは、「支援金」。これだけ今、子育て世帯を初め国民生活が厳しい中で、自民党・岸田政権は更に「支援金」の負担を国民に課そうとしているという状況なわけですが、我々はその「支援金」の新たな負担は不要であると。子育て予算、「支援金」の分に関しては、ほかから財源が調達できるということを言ってきておりまして、今、我々が考えているのは(日銀が保有する)ETFの分配金を使うという方法ですね。1兆円以上ということを言ってきましたが、足下でいうと2兆円にも上る額が国庫に入っているわけですから、これは今回いわゆる「支援金」で想定している額をこのETFの分配金から調達をしてもなお余るというくらいの規模になっていますから、当然財源として使えると考えています。そうしたことの法案(日銀保有ETF活用法案)を国会に提出させていただきました。
 立憲民主党は常に法案を提出し、政策を提案し、我々の考え方を示しているということを改めてお伝えしたいと思います。
 確かに、先ほど維新の馬場さんの話をしましたが、馬場さんのきのうの会見の中で、反対ばかりの野党では我々はないがという話がありましたが、実は反対ばかりの野党というのはほぼ国会にないのではないかというのがそもそもの事実でして、例えば立憲民主党でいうと大体年間の法案の8割くらいは賛成していて、おかしなものということに限定して反対をしているわけです。
 その意味では、はなから是々非々なのは当たり前の話でありまして、立憲民主党としては、権力者や政府が一方的に強くなって、国民が厳しくなる、あるいは国民が縛られる、そういうものに対しては反対をする。当然そういう姿勢を持っていますし、法案の中で予算の無駄遣いだと思うものがあればそれは当然反対をする。こういう反対の基準を持って一本一本の法案を審査している。その中で、8割くらいは賛成になる、これは当然のことかなと思っていまして、しかし、本当におかしいものは反対をしているというのが今の立憲民主党ですから、提案もするし、そして、当然賛成もするし反対もするという中でやってきています。
 今回さらに、きょう法案提出予定ですが、能登半島の震災に関して、公費解体、これをより迅速に進めていくための法案を提出させていただきます。これまでも公費解体については現地で相当苦労していて、あまり進めようと思うと自治体が当事者から訴訟を受けるというリスクがあった。この問題に対して、しっかりと法律にさまざまな形を明確にしていくことで(災害で損壊した)建物の除去というものを円滑にしていく法案、「公費解体促進法案」を提出させていただきます。
 こういったことは、ぎりぎりまで我々としてこの考え方を他党に受け入れてもらえるように努力をしてまいりたいと思います。

○ジェンダーギャップ指数の改善に向けて

【代表】
 ジェンダーギャップ指数が先日公表されました。ランキングが出て、多少改善をしたと言っていますが、まだまだ、政治の分野、そして経済の分野において、日本のジェンダーギャップ、世界から遅れている。G7では最下位という状況が続いていますから、立憲民主党としては、国会に女性を増やす、そして各界にも女性の方々が進出しやすいようにするということは当然のことであります。
 その中でいうと、選択的夫婦別姓ですね。これは経団連の会長もお話しになられましたが、今や、私はこれは人権の問題であると思っていますが、加えて、経済損失がかなり顕在化しているということも経団連十倉会長もお話ししていました。
 改めて、岸田総理、これをやるんですかと、やらないんですかと、無視するんですかということはやはり問わねばならない。このようにも思っているところであります。

○国立大学の学費値上げの動きについて

【代表】
 きょうはこの後12時から、いわゆる東京大学の学費値上げについて、国会内で集会が行われるということで、私も参加をして東大の学生の皆さんからもお話を伺いたいと思っています。
 これは、東京大学が突如というか、学費を10万円ほど引き上げるというような構想を考えているということが明らかになって、ここは学生の皆さんとすればかなり大変なことでありますので、ぜひ、まさに当事者の方々の話を伺って、我々としては対応してまいりたいと考えております。

○党首討論に向けて

【代表】
 来週の党首討論も決定いたしました。
 当然、この党首討論に向けて我々として準備を、私として準備をさせていただいています。
 どんな論点になっていくかというのは、これはもう最後の最後まで、当然ながら前日まで総理の発言等々もありますから、そういったものを踏まえて対応していきますが、当然ながら、この岸田政権の数年間、経済、あるいは政治改革ということについて問わせていただくのは、これは当然のことであると考えております。

○「りっけん政治塾」開講に向けて

【代表】
 今週の月曜日、10日で(受講生募集を)締め切りました、「りっけん政治塾」です。
 幹事長からも話がありましたが、改めて、約500名がこの申込みをしていただいて、大変数多く来ていただいたなと思っております。
 私の第1回の講義が6月22日ということでありますので、国会のまさに最終盤の中での、その直後のこの「りっけん政治塾」になりますが、この中で一人でも多くの塾生の皆さんが物言う国民になっていただいて、おかしなことにはおかしいと声を上げる、そして自ら行動する、そういう方々になっていただいて、共に戦う仲間になってもらえると大変うれしいなという思いで、この塾を開講させていただきたいと考えております。

○東京都知事選 蓮舫議員の離党手続について

【代表】
 あと一点だけ、東京都知事選のことで言いますと、蓮舫参議院議員からは今週離党届が出されて、党内の手続上でいいましたら、明けて18日、来週火曜日の党の常任幹事会で手続が行われると。このこともご報告したいですね。


■質疑

○東京都知事選について(1)

【東京新聞】
 最後に言及いただいた都知事選の関連でお尋ねしたい。立憲民主党として、離党届を先日出された蓮舫さんを具体的にどのように支援されていくのか。改めてになるが、推薦や支持の有無、自主支援なのかそうではないのかといった対応状況をお聞きしたい。

【代表】
 現在のところ、こうして立憲民主党を離れてオール東京でやっていきたいという蓮舫さんの考え方からするとというか、我々が伺っているのは、政党に対して推薦依頼等々は行うことにはならないということを聞いています。ですので、政党の手続というのは依頼があって対応するということになりますから、立憲民主党として推薦や支持というのは現在考えておりません。
 ただ、当然ながら大切な仲間として、これまで共に歩んできた仲間であり、そして、今回の蓮舫さんの都政のチャレンジというのは多くの仲間たちにも勇気を与え、また、仲間たちも共に戦いたいという思いを持っていますので、それぞれ自主的に応援をするということになりますし、党としても、都内の各総支部に特に拠点をやはり我々としては構築して、そこを軸に、各地域地域、都内全域で立憲民主党としても自主的な応援をしていきたいと考えています。

○党首討論について(1)

【読売新聞】
 冒頭言及のあった党首討論について、岸田政権になって初めての開催となる。このことの受け止めと、代表ご自身も初めて党首討論に臨まれると思うが、改めての意気込みというか、どういった心境で臨まれるかお願いしたい。

【代表】
 私にとっては、代表質問、これは国会冒頭の代表質問もそうだし予算委員会もそうです、ある意味、常に党首討論という、私自身はそのつもりで総理に「やはりここは政治家同士、しっかり言葉と言葉で答えを見つけていこうではないか」というふうに臨んできましたが、残念ながら、少なくとも代表質問や予算委員会、総理はひたすら答弁書を読むだけ。これでは生産的な議論とは言えないですね。誰が読んでも一緒という話になってしまうわけですから。
 その意味で、今回の党首討論というのは、ようやく役所のつくった答弁書がないというふうに思いたいわけでして、ぜひ総理には、政治家としての言葉、これを語っていただきたい。しゃべっていただきたい。そのやり取りをしたいですね。

【読売新聞】
 3年間、岸田さんになられて開催がなかったこと自体、これ自体についてはどのように受け止めているか。

【代表】
 本来であれば党首討論が開かれるべきという中で、そもそも、あまり国会で総理を出したがらないという流れがこの数年間あって、党首討論が開かれなかったというのは残念だし、楽しみにはしていますが、もっと早くやるべきだったと思っています。

【毎日新聞】
 党首討論の関係で伺いたい。先日、安住国対委員長が、党首討論を終えた後に不信任案の提出などについて検討すると、他党ともそれについて話し合うという話をなさっているが、現時点で、まだ党首討論が始まってはいないが、これまでの趨勢、経緯を踏まえて、どのように考えていらっしゃるか。また、党首討論の議論はどのような切り口で臨まれるか。今のお考えを教えていただきたい。

【代表】
 あくまで、党首討論、先ほど話をしたように切り口としてはこれはもうぎりぎり前日まで我々は総理の行動というものを見た上で決めていきます。ただ、先ほど言ったように、政治改革しかり、物価対策しかりという話はさせていただきました。
 あとは、もうこれも先ほど言っていただいたとおり、安住国対委員長の言うとおりですよ、それは。我々として党首討論の結果を見て行動するということに尽きます。

【毎日新聞】
 党首討論では岸田さんに自分の言葉で語ってほしいという言葉があったが、どんな態度を期待するか。不信任を提出するかどうかの判断に当たって、どのような点に強く注目されるかなど、具体的にもしあればお願いしたい。

【代表】
 総理の発言全てに注目をしますよ、それは。具体的にどうこうなんて予想できませんからね。

○東京都知事選について(2)

【産経新聞】
 東京都知事選について伺いたい。先ほど、蓮舫さんに対して党としての推薦や支持は考えていないが全力で応援したいということだった。一方で、小池都知事に関しては自民党が支援すると表明しており、事実上の与野党対決と言えると思う。この都知事選の位置づけや、国政に与える影響について、どのようにお考えか。

【代表】
 それは首都東京ですからね、国政にも影響はやはりあると考えますし、蓮舫さんが最初の出馬の会見のときに、やはりここまでの自民党の政治ということも取り上げましたね。それをまた都政においてアシストしてきているのが小池都知事だということを、そのものをやはり変えなければならないと。もちろん東京自身のさまざまな課題についても取り上げましたが。
 改めて、小池さんは8年前になぜ受かったかといえば、伏魔殿、ブラックボックスと言われる、この自民党の支配する東京都政に立ち向かうんだということで小池さんが当選してきた経緯ということがあるわけで、しかし、それがいつの間にか自民党と共に手を携えて、手を握って歩むという都政に変わってしまったということについては、やはりこれは変えていかねばならないと。そういう思いを強く持っていると思いますので、立憲民主党としても、そこは私たちとしても思いを同じくしているということです。

【産経新聞】
 蓮舫氏はオール東京を掲げているが、国民民主党は、共産党から蓮舫氏が支援を受けていることもあり、玉木代表が応援できないと発言するなどしている。また、連合東京も、きょう一部報道で、小池氏への支持を決定するとの報道があった。こういった国民民主党や連合との連携や関係の現状について、どのようにお考えか。

【代表】
 いや、特段、これは蓮舫さんの陣営が考えることだと思います。ですから、蓮舫さんとしては、所属した立憲民主党の推薦ということも、そういう形ではなく、あくまでオール東京で行きたいということですから、他の政党が応援するとかしないとか、そういうことではない枠組みで自分自身戦いたいということを言っておりますから、それぞれの政党の主張はそれぞれの政党の主張ということでしかないかなと思っています。

○政治改革について

【NHK】
 政治改革をめぐり、自民党は参議院では審議時間が短いが採決しようとしてくるというふうに冒頭おっしゃっていたが、こうしたそもそもの自民党の姿勢について、改めてどのように評価しているか教えていただきたい。

【代表】
 膨大な裏金議員の数。そして、一部の処分。さらに、政治改革案の提出の遅れ。また、中身のなさ。こういうものですからね。到底我々として、国民の願いや期待、怒りに応える政治改革案にはなっていないということは明確であるし、しかも、立憲民主党から正しい道である案は出していますからね、そこに真摯に向き合うべきだったと思いますよ。そこに向き合わずに、結局、自分たちにとって腹の痛まない改革案を今つくろうとしていると。この姿勢はやはり国民に問われるべきです。

【NHK】
 続いて、維新についてだが、党首会談で政治改革についても合意していて、今まさに参議院で審議をしている中で、旧文通費の関係で、その審議が影響を受けかねない状況になっている。こうしたことはどう見ていらっしゃるか。

【代表】
 確かに、馬場代表と岸田総理が会談をして、その後に、たしか100点でしたか、満点でしたか、そういう言い方をしていて、それは(旧)文通費と政策活動費について受け入れられたからということだったわけで、それが今、両方ともはしごを外されてしまうという状況ですよね。
 もう惨憺たる結果ということで、これは当然維新のほうとしても納得しないし、我々も自民党は本当に極めて不誠実だと思いますし、やはり文通費のことも、これは本来であれば昨年の国会で結論を出すという話になっていたものですからね。自民党だけがそれをずるずると遅らせて、引っ張って、いまだに結論を出していないということですから、これはもう批判されて当然です。

【NHK】
 維新は、この政治改革の法案に衆議院では賛成していて、今回、参議院の論戦の中では、このままでは同じ対応は取れないと維新の側も繰り返し質疑している。どういう判断になるかも注目ということだが、衆議院と参議院で賛否が分かれることになることについては、どう感じられるか。

【代表】
 極めて珍しいケースというか、普通であれば、その一貫性が問われかねないわけですよね。それでもなお賛否がもし衆参で維新は分かれるとしたら、やはり衆議院段階でのすり合わせが不十分であったということでもあるし、また、本来裏で約束していたことすら自民党が守らなかったということの証明でもあるということです。

【NHK】
 最後に、そうすると今回華々しく両党で合意した党首会談とか合意文書というのは、どんなものだったと代表は評価されているか。

【代表】
 茶番だった。儀式だった。普通では考えられないですね、こんなことは。
 総理である自民党総裁と公党の代表が文書を交わして合意したにもかかわらず、中身が全然詰まっていなくて、しかも、ほごにされるということは、もう自民党の信頼は地に落ちたということだし、そこに乗ってしまった維新自身も本当に後悔しているのではないですかね。

○東京都知事選について(3)

【日本経済新聞】
 先ほどの質問に関連して、都知事選について伺いたい。連合東京は来週の執行委員会で小池さんの支持を決める方針だが、連合本部としての決定ではないというところで、大きくは衆院選に向けた支援組織の一つだと思うが、改めて、オール東京を目指している蓮舫さんに対して連合に求める対応というか、そこについて教えていただきたい。

【代表】
 いや、もうこれはどこに何かを求めるということではなく、とにかく蓮舫さんはオール東京で、全ての都民の皆さんに直接声を届けたい、政策を届けたいという姿勢ですから、その姿勢が全てだと思います。別にどの組織がどうこうということではなく、それ以上にやはり、どの組織に所属していても、何なら与党支持層、小池さんを応援してきたという方々にも蓮舫さんとして訴えたいと。その強い熱い思いがあるということで十分ではないですか。

○政権交代に向けて

【日本経済新聞】
 別の話題で、玉木雄一郎代表がかねてから訴えている、立憲民主党との政策協議の呼びかけ。最近、政権交代を目指すべきだとして、野党として受け皿を立憲・国民中心にやっていくべきだという発言のトーンを強めているようにも私は感じているが、まず、その呼びかけに対する受け止めと、玉木さんから提案されている、ずっとおっしゃっているが、原発を含めたエネルギー政策、安全保障、憲法、そこの議題の設定については代表としてどのように感じているか。

【代表】
 それは玉木さん側の主張というのは当然あるのだろうなと思います。
 一方で、私のほうからは「ミッション型内閣」ということで、党が違うという、これはもう前提はありますから、例えば連立を組むに当たって違う政党の綱領を一致させるとか、党のそれぞれの基本政策を書き換えるとか、じゃあ自民党と公明党がそんなことをしていますかといったら、そんなことはしないわけでして、あくまで政権の枠組みを構成していくことに必要な政策合意を行うということが通常の考え方かなと思いますので、そういう、何について一致させるのかということ自身、両党でよく話し合うべきことだなと考えています。
 私はそれは十分可能だと思うし、国民の皆様が求めている一致させる項目というのは、それは私たち立憲民主党が言っていることでも私は十分政権は構成できると考えています。

【日本経済新聞】
 つまり、そのテーマ設定の段階からというところで、協議については前向きな姿勢ということか。

【代表】
 そうですね。はい。

【日本経済新聞】
 最後に一点、全く別件だが、きのう玄葉NC外務大臣がBS放送の中で、泉代表について、総理に向けて修行を積まれている最中という趣旨のご発言があった。泉代表ご自身として、政権交代を掲げられる中で、ご自身の現在地の自己評価について教えていただきたい。

【代表】
 これは、どの方も皆、岸田総理以外はということで言うと、修行を積んでいるのではないですかね。経験者だから有資格者だといったら、過去総理を経験した人しか経験できなくなってしまいますから。決してそんなことはなく、それはマクロン大統領だって、ゼレンスキー大統領だって、メローニさんだって、皆、過去総理大臣とか大統領になったわけではない中でトップになっているわけですから。スナク氏もそうですけれども。皆、それはそうですよね。誰にだって初めてというのはあるわけで。そういう中で、しっかりと政権運営ができればいいということに尽きると思います。

【日本経済新聞】
 自民党は今こういう状況だが、総裁を目指している中にはいろいろ経験を積まれている方も豊富だと思うし、立憲の中にもほかに総理として期待されている方もいらっしゃると思うが、その方々と比較してご自身の優れている点と、これからもっと努力していきたい点を伺いたい。

【代表】
 そもそも誰と比較するのかがよくはっきりしませんからね。何も言いようがないですよね。
 私自身は、やはり前向きで建設的であり、また、日本を伸ばす、国民生活を豊かにする、そして、平和を守る政治家でありたいと。やはり私がこの政治家として存在している時代は平和であり豊かな時代にしたいと。その熱い思い一本です。

○教育の無償化について

【朝日新聞】
 先ほど政策の他党との連携についてお話があったかと思うが、昨日、日本維新の会と教育無償化を実現する会が、教育無償化を推進する法案を衆議院に提出した。まず、立憲としても教育無償化を重視していると思うが、この維新や教育無償化を実現する会が法案を出したことへの受け止めをお聞きしたい。

【代表】
 教育無償化は立憲民主党としても、全体パッケージとしては、子どもたちの小中学校の教育から高等教育、大学に至るまで、奨学金の負担軽減も含めて、多種多様です。そして、もっと言えば、いわゆるリカレント教育、リスキリングですね。こういう社会人がもう一度学び直すということについても、立憲民主党はこれを包含して政策を出していますから、全体的な方向性としては同じ思いを持っているのかなと思います。
 その中で、今回出された法案を私もつぶさには見ていませんが、どういったことを優先に取り組んでいくべきなのか。また、それが新しい政権、今まで自民党がやってこなかったということを考えると、新しい政権で何を優先させるべきなのかということについては、ぜひいろいろな意見交換ができればよいなと思っています。

【朝日新聞】
 まさに今おっしゃった意見交換というのは、今後政権交代を目指していく上で、この教育無償化が野党共通の一致点になるというふうにお考えか。

【代表】
 私は、「ミッション型内閣」を訴えるときには、必ずこれは、教育の無償化というのはかなり優先度の高い政策として共通政策になり得るのではないかと、そう主張しています。

【朝日新聞】
 今、具体的な動きとして、教育無償化に向けて他の野党との連携、話合いの状況というのはいかがか。

【代表】
 いや、まだ政権まで視野に入れながらという話合いは特段している状況ではないですね。各党が掲げていると。

○憲法論議について

【「FACTA」】
 竹を割ったような性格の馬場さんが、うそつき内閣と。これは罵倒という言葉に等しいのだと思う。藤田さんも同感だと言っている。だけど、立憲とはどうなんだというと、無理だと言う。それは何だというと、結局、サル発言を含めた、憲法のところが一番引っかかっているわけで、きのうもはっきり言っていたが、立憲は「論憲」「論憲」と言っているが閉中審査にも応じないと、言っていることとやっていることが違うではないかと。そこからもう第1党と第2党とが全然動かない。これは原因をつくったのは僕はやはり立憲だと思っているが、この期に及んで野党第1党と第2党の党首がちゃんと話をできないような政局というのは、私は野党って駄目なのではないかと思うが、何で閉中審査を含めても馬場さんが議論しようと言っているのに議論しない立憲って何なんだろうということについては、泉さんはどう考えているのか伺いたい。

【代表】
 まず、野党第1党と第2党の党首同士は話合いはできています。特段仲が悪いこともなく、そこはもちろんそれぞれの政党で主張することは違えど、会話ということ、対話、これはやっています。ですから、いろいろなことをやはりこの政治の世界は想定したり、それぞれの政党の考え方を知っておかなければいけないと思っています。
 それはそれとして、今言っていただいたのは維新さんのご主張でもあって、我々は、例えば憲法審査会でいえば、それは当然国民に国民投票をしてまで憲法改正を諮るということであれば、国会において論点が詰まり切っていない中で「えいやっ」でやるものではないと考えていますから、まだまだ論点はありますよと、ここは解決していないのではないですかということについて、やはり提案をし続けています。例えば国会議員の任期延長などでいえば、公選法でやるのか、それとも憲法改正でやるのかという辺りをもっと議論してもいいと。
 ただ、閉会中審査というのはあくまで閉会中の審査ですし、それはほかの委員会でも毎回毎回やっていますかといえば、それはそんなことないわけで、それをやったほうが正しいという考え方に単純に立つわけにはやはりいかなくて、国会が開会しているときに議論をして、けじめをつけて一回閉会をして、また開会をするということで、やはり議論というのは、いつでも、どこでも、ただとにかくやればいいというものではないという考え方ではありますから。
 そういうことを含めて、それぞれ維新さんの主張はあると思いますが、私たちとしては、この今の憲法については議論は当然やっていくべきだと考えていますし、変えるべきことというのが果たして本当に国民に問う段階にまでしっかりと積み上がってきているのかということは、これからもやはりやっていかなければいけない、議論していかなければいけないと考えています。

○「りっけん政治塾」について

【「FACTA」】
 「りっけん政治塾」は、やはり私は泉代表のホームランだと思う。なかなか、何かやらないのかなと思ったら、補選三つ勝ってから上げ潮で、とにかく500人来たというのはすごいと思うが、1回目が泉先生で、2回目、3回目、4回目以降、どういう形でやっていくのか。それから、2回は現場でやって、あと3回はどういう形で、要するに誰が出てくるのか、枝野さんが出てくるのかとおっしゃっているが、その辺はある程度詰まっているのだったら伺いたい。

【代表】
 まだ公表されていないのかな。したか。公表していますね。
 ですから、最初が私で、その後、西村智奈美代行や長妻政調会長や枝野前代表という形になっていて、5回のうち一番最初と一番最後はリアル開催も行います。あとは、全国からそうそう皆さんが毎回来られるわけではありませんので、全ての回はオンラインでも対応できるようにして、しかし、先ほど言ったように最初と最後はオンラインに加えて党本部5階でもその講義を聞けるようになっているということで行いたいと思っています。

【「FACTA」】
 500人の人となりみたいのは、少し代表は読んだか。

【代表】
 はい。

【「FACTA」】
 どんな人がいたか、少し紹介してください。

【代表】
 いや、もう、500人ですからね、かなりさまざまですね。企業にお勤めの方も当然あるし、個人事業主の方もあるし、若い方もおられますし、全国的にも本当にさまざまですね。でも、「おっ、これはぜひ国政でやってみませんか」という問いかけをしたいなと思う方もおります。

【「FACTA」】
 政治家になりたいという人は、3割くらいはいるのか。

【代表】
 もっと多かったですね。

【司会(事務局)】
 政治家志望の方は7割です。

【代表】
 何らかの形で、国政・地方問わずですが、そういうことを考えますかという中では、何と7割くらいの方が答えるという、非常に楽しみな塾になっています。

○党首討論について(2)

【「フランス10」】
 内閣不信任案について伺いたい。時期としては、やはり党首討論の後をお考えなのか。そして、もしお出しになるのだったら、どの点を強調されるのか、伺いたい。

【代表】
 党首討論を見て、やはり判断をしたいですね。ですから、党首討論の後ということになります。これはどんな討論になるかはまだ不明ですから、そこにおいて現時点では何か言えることはありません。ただ、とにかくこれまでの岸田総理のやってきたことを改めて振り返って、そして、総理がどう答弁するのか。ここで判断していきたいですね。

(以上)