岡田克也幹事長は6月18日、国会内で会見を開き(1)東京都知事選(2)政治改革――等について発言しました。
(1)離党した蓮舫参院議員が7つの約束の公約を発表したことについて、岡田幹事長は「会見を見ていたが、広く記者から質問がでて答えていた。午前中の小池都知事の5名の質疑しか受け付けなかった姿とは対照的だった。小池さんは、聞かれたら困ることがあるのかなと思えるような逃げの姿勢はいかがなものか」と述べました。
蓮舫議員の7つの約束の「現役世代の手取りを増やす」を「本物の少子化対策」と強調していることについて「わが党の従来の政策と共通。未婚化非婚化が原因。非正規の正規化、家賃補助等が打ち出されている」「しっかりとした政策を打ち出したと思った」と述べました。
7つの約束のうちの1つである行革については、岡田幹事長は「彼女らしい。東京版の行政事業レビューの導入を打ちだした」「行政事業レビューを東京都で導入すれば、ベースになるデータとして有用と考える」と評価しました。
(2)参院特別委員会で審議が行われている政治改革関連法案に関連して、自民党の支持率もかなり落ちていることに触れ、「岸田総理がダメだから支持率が落ちている面もあるが、自民党がだめだから支持率が落ちている面もある。政治改革は極めて不十分。顔を変えたら自民党の支持率が急に回復するものではない」と指摘しました。
岡田克也幹事長記者会見
2024年6月18日(火)15時38分~16時06分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/ZIYb9sWFO1s
■冒頭発言
■質疑
- 政治改革について(1)
- 東京都知事選について
- 国会最終盤の対応について(1)
- 次期衆院総選挙に向けて(1)
- 国会最終盤の対応について(2)
- 次期衆院総選挙に向けて(2)
- 政治改革について(2)
- 裏金問題 安倍派事務局長の公判での証言について
- 次期衆院総選挙に向けて(3)
- 沖縄県議選の結果について
- 国会最終盤の対応について(3)
■冒頭発言
○第104回常任幹事会を開催
【幹事長】
私からは、まず、常任幹事会のご報告です。
まず、蓮舫議員の離党が承認されました。先般党本部に離党届をお持ちになりましたが、これは常幹マターでありますので、きょう正式にそのことが承認されたということです。
それから、沖縄の県議選。非常に残念なことになりましたが、選対委員長のほうからご報告をいただきました。
それから、公認候補者として、神奈川3区、中村武人さん。49歳、県議の方です。それから、大分3区、小林華弥子さん。56歳、元市議の方。このお二人が公認(内定)されました。衆議院の候補者は、これで181名。女性が39名、男性142名ということになりました。なお引き続き候補者の数を、しっかりと戦える候補者という前提の中で増やしていきたいと考えております。
参議院の北海道選挙区、勝部さんも候補者として承認をされました。現職です。
以上が常任幹事会のご報告です。
○東京都知事選 蓮舫氏「7つの約束」発表について
【幹事長】
蓮舫さんの件ですが、先ほど記者会見で「7つの約束」を発表されました。
私も途中までしかやり取りは見ておりませんが、広く記者の皆さんから質問が出て、それに答えられていたということで、午前中の小池さんの、たしか5名だったと思いますが、非常に限られた方の質疑しか受けつけなかった、リモートでやったという、それとは非常に対照的だったなと思います。小池さんのやり取り、先般のものも含めて、何か聞かれたら困ることがあるのかなというふうにも思えるような、そういう逃げの姿勢というのはいかがなものかと思います。
蓮舫さんの「7つの約束」ということで、かなり具体的な公約を述べられました。その中で、「現役世代の手取りを増やす」ということを強調されて、それを「本物の少子化対策」と位置づけられました。これは我が党の従来の考え方とも共通するわけで、出生率が下がっている大きな理由の一つが未婚化・非既婚化であると。そういう中で、都の非正規(雇用)職員の正規化。それから、家賃補助制度などを具体策として述べられたわけであります。やはり小泉政権・安倍政権で、非正規、不安定な働き方が非常に増えてしまったことが、結婚の意欲はありながら経済的理由でできなくなっている、そういう現実を招いておりますので、そこに対してしっかりとした政策を打ち出されたなと思っております。もちろん都でできることと国がやらなければいけないことがありますので、国としてもしっかりと取り組んでいかなければいけないと改めて思ったところであります。
7本のうちのもう一つの大きな柱は行革で、ここは非常に彼女らしい、東京版の行政事業レビューシートの導入ということを言われました。これは今はだいぶ自民党政権の中で位置づけが変わってきてしまっているかもしれませんが、個々の予算の項目について、そのお金が最終的にどういう形で使われているかということが一目でわかるような、そういうレビューのためのシートをつくるということで、これを東京都で導入すれば行革のベースのデータとして非常に有用ではないかと思います。非常に具体的な政策をしっかり述べられたと思います。
私個人も含めて、しっかりといろいろな形での応援ということをしていきたいと思っております。
○政治改革(1) 参議院特別委審議について
【幹事長】
参議院特別委員会、これから行われるようですが、維新の動きもあって、直近の状況を私はちょっと承知をしておりません。
改めて、私も特別委員会で最初に聞いたのが、この旧文通費の扱いだったわけですね。総理はこの国会でということを約束したのかということに対して、非常に、そういったことを総理が言うべきではないということで、ちゃんとお答えにならなかったわけです。
維新は、だまされたということを言われています。真実がどうだったのかというのは、よくわかりません。それは当事者間でのやり取りですから。ただ、(合意文書に)書いていないけれども、この国会でということがきちんと約束されていたというふうに主張するのであれば、それは当然、総理の直接の発言というものを、代表・総裁でサインまでしたわけですから、その場で「ここには書いていないけれども、これはこの国会ですね」という確認が取れたはずで、もしそれが取れていないとすると、果たしてだまされたということになるのかどうかですね。
いずれにしても、非常にやり方として丁寧さを欠いたというか、同床異夢というか、非常に問題があったのではないかと思います。明確に党首同士で口頭で約束していたのにやっていないとすれば、それはうそをついたということにはなるわけで、その辺の事実関係は私にはわかりませんので、どちらがどうというふうにははっきりとは申し上げられませんが、まあ、どっちもどっちだなと思います。
○政治改革(2) 世論調査の結果について
【幹事長】
それから、自民党の支持率もかなり落ちたという、そういう調査もあったりして、岸田総理に対する厳しい意見も自民党の議員からも出たりしております。
ただ、私、勘違いしているというふうに思うのは、岸田総理が駄目だから自民党の支持率が落ちている、そういう面もあると思いますが、同時に、やはり自民党が駄目だから自民党の支持率が落ちているということだと思います。
政治改革、極めて不十分な、そういう法案が出てきた。しかし、その不十分なものに対して、麻生さんや、聞くところによると幹事長も含めて、不満の声が出ているという。そういう今の自民党に対して国民は、岸田さんにも不十分なものを出して怒っているのですが、さらにそれでも駄目だといって足を引っ張っている自民党に対して国民は怒っているのであって、ですから、岸田総理は私は退陣すべきだと思いますが、それで顔を替えたからといって何か自民党の支持率が急に回復するとか、そういうものではないだろうと思っております。
まず、そこの根本のところからしっかりと反省するということが必要ではないかと思います。
■質疑
○政治改革について(1)
【NHK】
政治改革の関連で一点伺いたい。きのうの参議院の国対委員長会談のときに採決の提案があったと聞いている。きょうも、もしかしたら今あるのかもしれないが、現時点での審議の熟度というか、採決に応じられる状態なのかどうか、幹事長のお考えをお聞きしたい。
【幹事長】
基本的には、極めて不十分な状況、しかも衆議院で賛成した当事者同士でもめているわけですから、採決できる状況ではないと思います。
○東京都知事選について
【NHK】
冒頭蓮舫さんのお話があったが、長い間在籍していたところを正式に離党することになったが、改めて期待とかそういうところはあるか。
【幹事長】
蓮舫さんは私が最初に代表をやったときの初当選で、私も、たしか仙谷さんと一緒だったかな、面談をして、仙谷さんは前からご存じだったと思うのですが、最終的に候補者として決めた、そういう思い出があります。
以来、非常に活躍をされて、政権時代には行革担当としてしっかりと力量を発揮されたと思います。その後、野党に戻った後も、やはり予算委員会などの場で、非常に緻密に調査した上で、その事実に基づいて論理的に時の総理をただす、大変な力量の持ち主だと思っています。
東京都といっても、これはヨーロッパの一国に相当するような、大きな、巨大な自治体でありますし、日本を引っ張るような存在でもありますので、その場で彼女がトップになって活躍してもらうということが、日本全体を引っ張ることになっていくということを期待しています。
○国会最終盤の対応について(1)
【NHK】
冒頭の発言に関連して、維新の動きについて、どっちがどっちだかわからないということもあったが、問責を出されることを検討しているということだが、これについてはどのようにお感じか。
【幹事長】
党の中で協議したいと思います。
【NHK】
その対応について、立憲民主党の中でも対応したいということか。
【幹事長】
党の中で協議します。
○次期衆院総選挙に向けて(1)
【フリーランス】
二つ伺いたいが、まず一点は、維新の話が続くが、次の選挙、小選挙区の半数以上が、自公の現職、立憲の元職、維新の新人というような、三つ巴の構図がもう半数を超えてきた。現在の情勢分析とかされているようだが、維新の新人は自民の現職の票を削るのか、野党・立憲の票を削るのか。維新はどちらのほうを削りそうな感じか。
【幹事長】
それは一概には言えません。候補者にもよると思います。
ただ、一方的に立憲とぶつかるということではないということは、前から申し上げているところです。自民党の票も削り取っていくと。
それから、大阪中心に関西エリア以外は、やはり多くの選挙区で、圧倒的に多くの選挙区で、自民の候補と立憲の候補者が選挙区で競っているのであって、維新の候補者も出てきますが、我が党の候補者や自民党の候補者以上に小選挙区で勝つことができる選挙区というのは、現時点では非常に限られているのではないかと思っています。
○国会最終盤の対応について(2)
【フリーランス】
冒頭のご発言の中で、あすの党首討論と内閣不信任決議案に全く言及されなかったが、天皇陛下が土曜日からイギリスに行かれ、国事行為は秋篠宮皇嗣殿下と先週金曜日の閣議で決まっている。憲法7条の国事行為を過去そのときの天皇陛下ではない代行がされたという例はたぶんゼロだと思うが、土曜日には陛下が日本を発たれるということも考えた上でやるのか。金曜日の午後1時の本会議に出して、総理が7条解散というふうになると、陛下もだいぶ遅くまで残らなければいけないが、7条解散を求めていくことについて、今、代表とどこまで話ができているか。
【幹事長】
いろいろな仮定を置いた質問にはお答えしないほうがいいと思います。
【フリーランス】
次の選挙に向けて、立憲と維新で全て共同の、立維共闘といった形で、泉代表と馬場代表が党首合意をしてから今の国会の任期は始まっているが、全部同じ行動というのはなかなか取れそうもないか。
【幹事長】
全部同じ行動というのは、どこの話。
【フリーランス】
きょうの政治改革特別委員会の仮に採決があったりとか、参議院の問責とか、そして、衆議院不信任決議案の提出や賛否、そういった全部一緒にはできそうもないか。◎
【幹事長】
野党として共同歩調が取れるものはなるべく取っていきたいと思いますが、それぞれの状況がありますので、一概には申し上げられません。
○次期衆院総選挙に向けて(2)
【神奈川新聞】
冒頭ご発言あった、衆議院選の神奈川3区の公認候補となった神奈川県議の中村武人さんへの期待を教えていただきたい。
【幹事長】
県議として実績のある、しっかりとした方ですので、選挙区において結果を出していただける、そういう人だと思っています。
【神奈川新聞】
神奈川県では、菅前総理、河野太郎デジタル大臣、小泉進次郎元環境大臣、牧島かれん前デジタル大臣などの選挙区ではまだ擁立が決まっていない。こうした状況の中で、神奈川での今後の擁立状況について教えていただきたい。
【幹事長】
強い人のところは、なかなか手を挙げる人がいないという状況はあります。だけど、そういったところもチャンスが私は十分にあると思っております。それから、今おっしゃった中で、既に手続に入っているところもありますので、なるべくこれからも努力していきたいと思います。
○政治改革について(2)
【中国新聞】
政治改革で、議論にはなっていないが、歳費のことについて伺いたい。選挙違反等で当選無効となった議員、この歳費返還を義務づける法整備について、広島での大規模買収事件を機に与野党で議論が始まったが、実現はしていない。この度、自民党の裏金議員でも衆議院議員が逮捕・起訴される事態となっているが、例えば当選無効ではなくても有罪となった場合の歳費返還、こういった法整備についてのお考えをお聞きしたい。
【幹事長】
かつて我々はそういう法案を準備したこともあります。ただ、今回、政治改革、あまり球を散らしてしまうと、できるものもできなくなると思って、ある程度絞り込んだということです。もう一度議論の俎上に上げたいと思いますが、それは少し先の話になります。
○裏金問題 安倍派事務局長の公判での証言について
【朝日新聞】
裏金事件の関係で、本日、東京地裁で安倍派の松本事務局長の公判があり、その中で松本さんが、例の2022年8月の安倍派の幹部会合について、その場でキックバックの継続が決まったと証言された。この点について、さきの衆議院の政治倫理審査会でもかなりうやむやのまま終わったという経緯があるが、改めてこうした経緯の真相究明の必要性について伺いたい。
【幹事長】
政倫審では誰も明確なことを言わなかったわけですね。しかし、当事者がはっきりと(幹部会合で再開を決定したと)言われたということになると、政倫審において述べなかった幹部の皆さん、もう一回しっかり聞かなければいけないということにもなると思います。
それから、事務局長から総理・総裁は聞いていなかったのかという問題もありますね。裁判の場で述べるくらいですから、そういうお話は聞けばちゃんと答えていたかもしれません。そうだとすると、それを前提にして処分とかそういうものも変わってくるわけですから、ちゃんと聞かなかったとしたら問題だし、聞いていて無視したとしたらこれまた問題で、そういう意味でも岸田総裁の責任が問われるということになると思います。
【朝日新聞】
もう一点、関連で。政倫審をめぐっては、安倍派、衆議院では44人に対して弁明するように求めているが、国会も会期末がかなり迫ってきていて、今国会中にその弁明が行われる可能性は極めて低い状況になっている。この44人についての説明の必要性も含めていかがか。
【幹事長】
これで国会が仮に終わったとすると、やはり世論が大事だと思いますね。
この問題、つまり、真相究明も全然ないままに、あるいは、森元総理に対しても極めて中途半端な形でしか聞けないままで、そして、幹部の発言が矛盾していることが今回わかったということです。
やはり事実関係を明らかにするということは、これは全ての前提ですので、そのことはこれからも強く求めていきたいし、次の国会でも引き続きそういう話になるのだろうと思っています。
○次期衆院総選挙に向けて(3)
【朝日新聞】
別件で、もう一点伺いたい。冒頭の発言にもあった世論調査の結果について伺いたい。政党の支持率で自民党が下がっているというのは弊社の調査でも出て、それとあわせて、衆院選の比例区の投票先について聞いたところ、自民党24ポイントに対して立憲19ポイントで、5ポイント差になっている。前回調査は9ポイント差だったので、かなり迫ってきているような状況になっているが、この勢いについての受け止めをお願いしたい。
【幹事長】
大変ありがたい話だと思います。
ただ、我々の地力かどうかという問題はありますので、なおしっかり努力してもらいたいと思います。
比例のところだけではなく、選挙区で、自民の例えば現職と、我が党の同じ現職でも選挙区で勝てていない人とか、あるいは総支部長とか、こう聞いたときの差も比例以上に私は縮まってきていると実感しています。そういうことになると自民党以上の議席を取るということも不可能ではない。ますます私は確信を強めているところです。
この勢いをぜひ、総選挙もたぶん秋にはあると思いますので、そこまで持続していく。知事選が7月7日ですが、7、8、9、この3カ月の過ごし方が極めて大事だと思っています。
【朝日新聞】
その関係で、きょうの公認発表で180人を超えたかと思うが、毎回記者会見でも出ているが、改めて今後の擁立のペースをどのように進めていくのか。こうした世論調査の追い風とか都知事選が与える影響も含めてお願いしたい。
【幹事長】
何度も言っていますように、立てればいいというものではありません。やはり立てることで自民党と競える候補者、それを我々は選んでいますので、若干歩みが遅いと言われるかもしれませんが、200名を目指して、しっかりやっていきたいと思います。
それから、都市部だと、まだ空いているところが若干あります。そういうところは落下傘で候補者を擁立するというやり方も十分に可能なので、そういうことも含めて、しっかり汗をかいていきたいと思います。
○沖縄県議選の結果について
【フリーランス】
沖縄県議選は、立憲も負け、共産党も負けた。自民党は公認した全員が当選した。玉城県政は、反対派が28人、賛成派が20人ということになったが、立憲と共産党が負けた原因は、立憲のほうからは今の常任幹事会等で出たか。どうして負けたのかと。
【幹事長】
まず、常任幹事会では議論は出ていません。ただ、選対としてはその分析をしっかりしていかなければいけないと思います。
やはり県民の生活というところにより重点を置かなければいけないのではないかというふうには思います。それから、辺野古の問題が、強行してどんどん進んでいきますので、それから裁判も次々と判断が下っていく中で、やはりこの問題、非常に重要ですが、それだけではなくて、今言った、県民の生活、あるいは経済、そういう問題も含めて幅広くやっていかなければいけないと思います。
あとは、オール沖縄と県連の関係を、よりきずなを強くしていかなければいけないと思っています。
【フリーランス】
受かった立憲の2人の女性は生活等を訴えていたと、落ちた人はそういったのを訴えていることがすごく少なかったというが、それは幹事長の耳に入っているか。
【幹事長】
それは私は沖縄に行っておりませんので承知しておりません。辻元さん、大串さん、福山さん、そういった方から意見を聞いてみたいと思います。
○国会最終盤の対応について(3)
【フリーランス】
ちょっとわからないので教えていただきたいが、あす維新が参議院で総理問責を出して、その処理が終わるまでは立憲が内閣不信任決議案の提出を待つというような可能性はあるのか。
【幹事長】
仮定に仮定の議論ですから、私たちは別に内閣不信任案を出すと決めたわけでもないし、これから協議していく話ですので、お答えは控えたいと思います。
(以上)