枝野幸男代表は9日、神奈川県小田原市を訪れ、鴨宮駅前で神山洋介(かみやま・ようすけ)17区総支部長とともに街頭演説をおこないました。
神山総支部長は2009年に初当選してから当落を繰り返したことを振り返り「今回で5回目の選挙。何とかして国政に返り咲きをした上で、皆さんお一人ひとりの心の中にある思いを、願いを形に変えていくという仕事をするため、スタートを切ってまいりたい」と決意を述べました。
政治家として最終的に作り出したいものは将来の安心、将来の見込みだと語り、「目先のことばっかり損得勘定でずっとやってきたの間の政治が、結局のところ準備不足のまま、何か問題が起こったら後から後手後手で対応し、間に合わない。私たちはずっとこのことを目撃をしてきた。今回のコロナは全くその典型だ」と憤慨しました。
「自分以外の者に対して自分なりの責任を果たすことができる、そんな世の中が本当は望ましいと思いませんか」と問いかけると聴取から拍手が上がり、「すぐに到達できないけれども、その果てしないゴールを目指すのだということを政治が大きな意志として一つひとつ前に進めていく、私はその歩みを改めてはじめていきたい」と力強く訴えました。
1年10カ月以上続いているコロナ禍への政府の対応について「6月から今に至るまで国会もやらない、必要な準備もしない、法改正もしない、制度も作らない。総選挙が先で、終わって11月から着手するのでは順序が逆だ。ずっとこんな繰り返しだ」と批判しました。その上で、コロナを早く終わらせなければ、本来この国の政治が着手しなければならない人口減少社会、子どもにかかる問題、国際競争にさらされる経済の問題などへの対応に踏み出すことができないと語り、「だから優先順位が大事だ。多くの方の日常の安心感を作った上で、将来の課題に本格的着手することができるという政治の姿を目指していきたい」と訴えました。
枝野代表は、神山総支部長について「分かりやすく、歯切れよく本人からお訴えさせていただいた。話が下手でも仕事ができる政治家はいるが、話は上手い政治家は訴えたい中身があり、頭の中で整理ができている。そして訴えて、実行したいという強い思いがある。まさに神山洋介さんはそれが備わっている。政治に緊張感を取り戻し、そして政治を変えるために無くてはならない男だ」と支持を訴えました。
前日におこなわれた岸田文雄新総理の所信表明演説について「残念ながら、抽象的な言葉だけ。介護士さんや看護師さん、保育士さんの賃金をよくしないといけないと書いてあるが、これから会議を作って、これから検討するのだと。もう何年前からこの話をしているのか」と無策ぶりを批判しました。
また、経済について「成長の果実を分配すると言うが、成長していないから問題なのではないか。9年近くのアベノミクスで株価は上がり、大きな企業だけは儲かって内部留保がどんどん膨らんでいる。しかし、大企業の正社員でもそんなに賃金は上がっていない」「上がったのは株価だけで、実際に日本の経済はよくなっていない。実質経済成長率は、民主党政権の3年3カ月よりも安倍政権の8年の方が低い」と批判しました。
そして「日本の現実は消費をしない。その原因は、日本の豊かさが1カ所に偏ってしまっていること。ここを変えない限りは成長はしない。そのことを全く分かっていないということが、昨日の所信表明演説で明らかになった」と述べました。
枝野代表は、消費を取り戻すためには、賃金引上げなどにより可処分所得を増やし、高齢者の年金、介護、医療などの不安や子育て世代の子育てや教育費の不安を取り除くことが必要だと訴えました。
最後に、「昭和の時代の先輩たちが豊かな時代の日本を目指してくれて、まだ豊さは残っているが、1カ所に固まっているから皆さんが実感できない。それをみんなで分かち合って、みんなが豊かさを実感できる社会をつくるのは今なら間に合う。だからそのために変えよう。変えようではありませんか、皆さん」「今の政治を立て直す、安心して暮らせる日本を作るためにはあなたの力が必要です。あなたの力が必要です。どうぞ神山洋介を通して、その力を結集して一緒に変えよう。変えようではありませんか」と訴え、演説を終えました。
演説会では佐々木直美神奈川県議会議員が司会を務め、多くの地元自治体議員が参加しました。