党常任幹事会議長の田名部匡代参院議員は10日岡山県入りし、津山市内各所で森本栄(もりもと・さかえ)第3区総支部長と街頭演説。「私たちは、誰にでもチャンスがある世の中をつくり、多様性を認め合い、お互いが支え合い、一人ひとりの暮らしを豊かにする政治を実現させていく。森本さんとともにこの地域を元気にしていきたい。暮らしを豊かにしていきたい」と聴衆に呼びかけました。

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 「たしかな日本を、子や孫の世代へ残していかなければならない。その思いから、次期衆院選挙へのチャレンジを決めました。生まれ育った地元から、団塊の世代の最後の仕事として、未来への架け橋の役割を担っていきます」と決意表明する森本栄総支部長。街頭演説では冒頭、「安倍、菅政権がコロナ対策で失敗し、八方ふさがりで政権を投げ出したことにより誕生したのが岸田新政権だ。本の表紙を変えただけで何も変わっていないことを分かってほしい」と訴えました。

 その上で、日本のあるべき姿として、「アメリカ型の費用対効果を重視した効率一辺倒の物の考え方を全面的に改めなければいけない。この30年間で全国の保健所が約45%も縮小され、その結果がコロナ禍での医療のひっ迫、崩壊の危機につながっている。小さすぎる政府によって国会、地方議会にまでこの考え方がまん延してしまった。いろいろな格差が拡大している中、一人ひとりの生活が、仕事が、人権が、尊厳が保障される社会を作っていかなければいけない」「少子高齢化による人口減少にどう対応するか。一極集中の弊害ができている。この岡山3区も中山間地域だが、持続可能な地域社会、日本の社会をどう作っていくかだ」と提起。その実現に向けた具体策として、(1)デイサービスの拡充をはじめ平均寿命ではなく健康寿命を延ばすための高齢者福祉・医療政策(2)放課後児童クラブなどをはじめ社会全体での子育て世代に対する支援(3)自主防災組織の設立と活用など地域の支え合い・助け合い、絆を深める施策(4)戸別所得補償制度などにより食べていける農林水産業の実現――の4つを挙げ、「大胆に政策を転換するチャンスがやってきた。岡山3区に立憲主義に基づく政治風土の種をまき、花を咲かせ、たしかな日本にして子どもや孫にバトンをつなぎたい」と力を込めました。

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 田名部議員は、森本さんの演説を受け、「今すぐにも国会に来ていただきたい。そんな思いで頼もしく聞いていた。日本が苦しい時代を支えてきた、広い視野で物事を判断できる森本さんに即戦力として地域の発展のために働いていただきたい」と激励。民主党政権時には農林大臣政務官を務め、現在は党の農林水産部会長の立場でもある田名部議長は農業政策に言及し、米需給をめぐり岸田総理が、総裁選挙中には「市場隔離を含めた十分な支援を検討」すると表明したにもかかわらず、総理になった途端この件に触れていないと問題視しました。

 「コロナ禍の影響によるコメの需要減少で米価が2、3割も下落し、全国の生産者は『これではやっていけない』と悲痛な声を上げている。立憲民主党は、政府が買い入れをして、農家の経営安定を図るべき、生産調整は国主導に戻して、国が責任をもって食料安全保障の確立に努めるべきだと求めている。政府は民主党政権時代の戸別所得補償制度を廃止し、競争や効率化、輸出の拡大ばかりを言うが、輸入に頼ってきたものを国産に置き換えて経営安定を図り、地域の産業として守っていかなければいけない」と主張。「これまで農家が田畑を維持し、守ってきたことで地域のコミュニティが維持されてきた。例えば農家の皆さんが農業をやめ、地域から人がいなくなったら防災機能の維持、環境保全はできるのか。私たち国民は農家の皆さんが生産活動を続けてくださることで安全を享受してきた。戸別所得補償制度をもう一回復活させて日本の食料自給率を高め、いざというときの食料自給力を高め、食料安全保障を確立していきたい」と述べました。

 田名部議員はまた、新型コロナウイルス感染症対策について、立憲民主党など野党はこれまでに関連法案約20本を国会に提出、臨時国会を開会して審議するよう求めてきたにもかかわらず政府・与党はこれを無視してきたとして、「それをやりもしないで、今になって生活困窮者支援などと言っているが遅い。『聞く力』と言うが誰の話を聞くのか」と批判。地域を歩くと、「助けてほしい」「苦しいんだ」「やっていけない」「生き残れない」「仕事を続けられない」「倒産してしまう」「子育てできない」といった声があふれていると述べ、「ここに手を差し伸べないで何が政治か。今こそ政治が責任を果たすとき。それができないのなら私たちに政権を変わっていただきたい。私たちこそが命と暮らしを守る。その責任を果たしていける」と力強く宣言しました。