東日本大震災復興本部(本部長:小川淳也幹事長)は1月22日、福島県大熊町、双葉町の中間貯蔵施設や福島第一原子力発電所や福島市内にある福島県庁を訪れ、2011年3月11日に起きた東日本大震災や原子力発電所事故からの復旧・復興状況の視察や福島県知事との意見交換等を行いました。視察には小川幹事長のほか、階猛衆院議員、小熊慎司衆院議員、田名部匡代参院議員、金子恵美衆院議員、馬場雄基衆院議員、斎藤裕喜衆院議員、石原洋三郎参院総支部長が参加しました。
■中間貯蔵施設
中間貯蔵施設は、福島県内の除染で発生した土壌や廃棄物を最終処分するまでの間、安全かつ集中的に貯蔵するための施設です。中間貯蔵工事情報センターで説明を受けたのち、バスで受入・分別施設(福島県内各地の仮置場等から輸送された除去土壌が入った袋(大型土のう袋)を破り、大型のふるい機で可燃物(袋、草木・根)等の異物を取り除くための施設)、土壌貯蔵施設(受入・分別施設で分別した土壌を安全に貯蔵するための施設)等を車窓や特別養護老人ホームサンライトおおくまの敷地内の見晴らし台から視察しました。
■富岡ホテル
2017年にオープンした富岡駅前にある富岡ホテルで渡辺信一代表取締役と意見交換しました。渡辺代表は、オープン後の7年間で困っていることとして人材不足をあげ、震災前と比べ時給が上がっているのに人が集まらない悩み等を話しました。
■福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所では、1~4号機の状況を視察。使用済み燃料プールからの燃料取り出し状況等についてヒアリングしました。他に、港湾内外の放射性物質濃度の変化、汚染水対策、ALPS処理水等の海洋放出、安全確保のための設備、労働環境、中長期実行プラン等について意見交換しました。
■福島県知事との意見交換
小川幹事長は、今日の視察を振り返り、「与野党を問わず国政の立場から、 最終的にはやはり国の責任において、福島の皆さま、日本の全国の皆さまに安心と信頼をして見届けていただけるように努力をせねばということを感じた。地元では風化や風評とかいろいろな悩みがあることも承った。いただいたご指導を国政に反映したい」と内堀雅雄福島県知事に話しました。
■福島県議との意見交換
立憲民主党の福島県議団からは(1)引き続き国が前面に立って最後まで福島復興に取り組むこと(2)各種助成や補助を継続し、当県の現状を把握した上で迅速かつ的確に対応すること(3)令和8年度以降の支援の在り方についても、第2期復興・創生期間と遜色のないようにすること(4)原子力発電所事故はいまだに継続中の災害として集中した国会での審議が求められる中、能登半島での地震・豪雨災害対応にも集中した審議が求められており、それぞれに特別委員会が設けられていたところ、これが1つにまとめられて東日本大震災復興・防災・災害対策に関する特別委員会となったが、被災地に寄り添い、それぞれに山積する課題に対応し、国会が役割を果たしていくため、元の2つの特別委員会に戻すこと――が要請されました。県議団は、瓜生信一郎福島県議、宮下雅志福島県議、高野光二福島県議が参加しました。
■記者団からの取材
全日程終了後に記者団からの取材に応じました。小川幹事長は視察や意見交換を振り返り「大変長い道のりかつ困難な工程過程に政治として向き合わなければならない。党派は関係ない。そのことを痛感した」と話し、内堀知事からは東日本大震災や原発災害が風化することに懸念が示されたことを明かしました。昨年衆院において東日本大震災復興特別委員会と災害対策特別委員会が統合されたことについて被災地では懸念が示されていることに触れ、「可及的速やかに被災地、被災者の皆様に衆議院として、国会として寄り添う姿を改めて取り戻したいと思っており、 具体的に行動していきたい」と述べました。