枝野幸男代表は25日、衆院選の応援で愛媛県を訪れ、1区の友近としろう(ともちか・としろう)候補とともに街頭演説をおこないました。
■友近としろう候補
友近候補は、Jリーグのサッカー選手を経て参院議員を1期務め、会社経営の経験があります。選挙戦7日目に入り「サッカーなら後半戦のホイッスルが鳴った瞬間。これからまだドラマが起きる」「私にとって3回目の選挙だが、今までにくらべて疲れない。元気モリモリでいられるのは、多くの方が私に力を下さっているから。前に『山が動いた』という有名なフレーズがあったが、『松山が動こうとしている』と感じている」と手応えを明かしました。
新政権でも結局補正予算を編成しなかったことを取り上げ、「国は4月から、もう11月になろうとしているが、1度も補正予算を組まなかった。愛媛県議会は中村知事を先頭に6カ月の間に4回の補正予算を組んだ。県が4回もできることを国が1回もなぜできないんだろうか」と疑問を呈し、コロナ禍で国民が苦しみ、第6波の備えをしなければいけないのに「与党は補正予算を組まずに選挙をする選択をした」と批判しました。
昔の逸話でシラサギが痛めた足を道後の湯で癒したように、今はコロナ禍で国民が負った傷を癒すことが必要だと話し、立憲民主党の経済対策では所得税の免除でだいたい2割から3割手取りが増え、事業者に対する業種を問わず財政支援をおこなうことで企業とそこで働く人の雇用、家族の生活が守れると説明しました。コロナ禍でGDPの落ち込み幅は戦後72年のうちで最大であり、「まさに100年に一度の経済的ダメージを受けている。この時に政治が皆さんの命と暮らしを支えきれずして、一体いつ政治の出番があるのでしょうか」と訴えました。
友近候補は「生涯、自分は政治の道を進もうと決めた。そしてもう1つの選択肢をこの愛媛に作っていこうと決めた。国会では野党から始まり、政権与党も経験した。国を預かり、1年生議員ではあったが政権を動かしていくこと、そしてそこでの反省と教訓もある。いろいろな立場の経験をしてきて、私たちには今、準備ができている。その時の教訓を生かし、枝野代表をトップにして、私たちには準備ができている。私たちは変えられる」「政治は皆さんの声を繋いで届けて行くもの。皆さんの声を届けていくために、そして参院選挙で暖かいご支援をいただいた皆さんにもう一度答えるために、タイムアップの瞬間まで力の限り尽くしてまいりたい」と支持を訴えました。
■枝野幸男代表
枝野代表は友近候補の演説について「俺よりうまくしゃべるなよと思うほどだ」「思いがあるから、伝えたいことがあるから、変えたいことがあるから、言葉に魂が乗っているから、素晴らしい訴えを皆さんにさせていただいた」と評しました。
コロナ禍について「道後温泉という全国有数の観光地を抱えているだけにその打撃はひとしお。命をおとされた方までいる。私は忸怩たる思いだ。私たちにもう少し力があれば、感染症の被害そのものをゼロにできなかったにしても、もっともっとできたことがある。実際に私たちはこの間、提案を繰り返してきた」と語り、政府の水際対策、検査体制、事業者支援の不備とそれに対して立憲民主党が提案してきた対策を説明しました。与党が野党は対案もなく反対ばかりと批判を繰り返していることについて「私たちは先手先手と法案まで出して提案をしてきている。持続化給付金等の審議拒否をしてきたのは与党の皆さんだということを、ぜひ皆さん知ってください」と訴えました。
経済について「日本の実質経済成長率、まさに経済の総合成績は、3年3カ月の非自民政権と比べて、安倍政権になったら年平均で5分の1くらいに下がっている。むしろ経済成長しなくなったというのが客観的事実。株を持っている人、一部の長大企業、東京等の大都市の一部の繁華街――ここだげが良くなった」「成長していないのに、べらぼうに良くなっているということは、他の人たちの犠牲の上に、この人たちは潤っているということだ。成長していないのだから」と強調しました。そして、日本の経済の6割は国内で物が売れるかどうかで、国内で物が売れないから景気が悪いのだと言及し、「そこを立て直す、私たちには具体的なビジョンがある。具体的なプランがあるということをぜひ知っていただきたい」と訴えました。
いろいろなことを変えたいやりたいが、「変えるためには、今の政治を変えなければ政策の中身を変えることができない。隠す、ごまかす、公文書まで改ざんする。こんなことを許してきてしまったのは、私たち野党に力がないから。やるべきコロナ対策を実行させられなかったのは、私たち野党に力がないから。だから私たちに力を貸していただきたい」「政治は一票があれば変わる。一票の積み重ねでなければ変わらない。まっとうな政治にするために、命と暮らしを守るコロナ対策を進めるために、一握りの人が豊かになり経済が伸びない。こんな偏った社会のあり方を、支え合い、分かち合うことによって、みんなが豊かさを実感できる、そんなまっとうな社会に変えていくために、私たちと一緒に変えよう。変えようではありませんか」と支持を訴えました。