「日本の低成長はバブルがはじけてから30年近くです。この間、宇都宮の街も、皆さんの暮らしも、どんどんどんどん苦しくなっていませんか」「私たちには、もう一つの選択肢があります。まずは公平・公正な分配をしましょう。分配するから成長する。そして暮らしの安心を高めましょう」(枝野幸男代表)。
「しかしどうでしょう、今のこの町の現状。皆さまの声、本当に国に届いていると思いますか。『届いていない』、そんな声を、私はたくさん聞いてきました。そろそろ、この栃木1区、変えていかなければいけない、そんな時代です」(栃木1区・渡辺のりよし候補)。
枝野幸男代表は27日、選挙応援のため 「 #立憲大作戦2021 in 宇都宮 」に参加。自身が生まれ育った栃木県宇都宮市の陽東地区を訪れ、渡辺のりよし候補(栃木1区)の応援演説をおこないました。同演説会では、連合栃木の吉成剛会長が演壇に立ち、渡辺候補にエールを送りました。また、立憲民主党の中塚英範宇都宮市議の他、山田みやこ県議、今井恭男、福田ちえ、郷間康久、保坂栄次各宇都宮市議など、他会派の自治体議員も多数参加しました。司会は小池篤史県議が務めました。
■渡辺のりよし候補
私は4年前、地元であるこの宇都宮に戻って参りました。この地域に根を張り、必至に活動をしてきた4年間でした。そして本当に、さまざまな声を頂きながらの選挙戦でございました。
先日、とある場所で演説をしていたところ、聞いていたカップルが近寄ってきて声をかけていかれました。「期日前投票で渡辺さんに入れてきました。その理由は、選択的夫婦別姓。栃木1区から立候補している候補者で、それを実現できるのは渡辺さんだけだと思ったので」。そんなことを言って頂きました。
この問題に悩んでいる方は、ある意味で、数は多くないのかもしれません。しかし当事者にとっては、本当に大切な問題です。こうした小さな声も、立憲民主党そして私、渡辺のりよしは、大切にしていきたいと思っております。
この1年9カ月、コロナ禍で本当に多くの皆さまが大変な思いをされていたと思います。私、渡辺のりよしも、新型コロナお困りごと相談ということで、500件を超えるさまざまなお悩みを聴き、そして支援策の紹介、さまざまなお手伝いなどもしてきました。
そんな中で特に紹介していたのが、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金という制度でございます。これは非正規雇用の方が勤めている企業に休業があった時に、会社の方で雇用調整助成金の申請ができない、してくれない、そういった場合、働いている方がご自身で申請できる制度でございます。しかし非正規で働いている方は日頃、政治とは縁が遠い方が多いこともあり、私はユーチューブでそれを紹介する動画を流しました。また制度を紹介するチラシも少なくとも30万枚はこの栃木1区内で撒いてきました。
ご相談を受けた方の中にお一人、複雑な理由で住所がないため、休業支援金を受け取ることができない方がいらっしゃいました。私は、私なりに役所に電話したり、政治家の方にもお願いしました。しかし結局、その現実を変えることはできませんでした。
もし自分が現職の国会議員だったら、もっとできたことがあった。そう強く感じました。確かにそういう方の数は少ないのかもしれません。しかし制度の趣旨を考えれば、当然救われなければいけない方が救われていない。そんな現実がありました。そうした制度のはざまに落ちた方々の声も大事にしていく。そういう国会議員がこの危機の時代には必要であると考えております。
この栃木1区は長い間、同じ方が議員を務めている、そんな場所です。しかしどうでしょう、今のこの町の現状。皆さまの声、本当に国に届いていると思いますか。「届いていない」、そんな声を私はたくさん聞いてきました。そろそろ、この栃木1区、変えていかなければいけない。そんな時代です。私は今回、この栃木1区の世代交代ということを打ち出しております。本当に厚い厚い壁でございます。しかし次の時代のための選択肢をつくるためには、乗り越えなければいけない、そんな壁でございます。
是非とも私、渡辺のりよし、38歳に、その壁を乗り越えるお力をお貸し下さい。皆さまとともに、皆さまと共に、希望の持てる、明るい未来をつくっていきたい、その想いでございます。そのためには皆さまお一人おひとりの力が私には必要でございます。どうかそのお力を私、渡辺のりよし、渡辺のりよしへお貸しください。宜しくお願い致します。
■吉成剛・連合栃木会長
今日はたくさんの方にお越しを頂き、誠に有難うございます。こうして働く仲間の想いを伝えることができる渡辺のりよしさんが、この宇都宮から立候補頂いたということで、本当に感謝を申し上げたいと思います。
今日はお子さんを抱っこされた主婦の皆さんもいらっしゃいますし、若干お年を召された方もいらっしゃいます。私たち、働く皆さんの給料が上がっていません。私たち労働組合は、企業と共に発展的なことを協議しながら、賃金を上げて参りました。
しかしながら今、4割を超える方が、どちらかというとアルバイトだったり、パートだったり、派遣という形で働いていらっしゃる。いわゆる非正規と言われる方が4割でございます。私たち労働組合は、正社員だけということではなくて、全ての働く皆さんの賃金が上がり、しっかり税金を納めて、そして老後、皆さんがゆとりを持って暮らして頂ける、そうした社会を目指しております。
賃金が上がらなければ、税金も納まりません。そして今回、立憲民主党は消費税を5%にする。今、コロナで大変困っている方が多いんです。財政も厳しいですが、困っている人に手を差し伸べる。弱いもの、困っている人に光を届けるのが政治なんですよ。富めるものが富める、貧しいものがさらに貧しくなるような、こんな社会は許せないんです。皆さんが安心して働き、暮らせる社会、連合はそこを目指しております。
渡辺のりよし、この宇都宮からしっかり声を上げ、日本を変えます。政治を変えます。正しい方向に政治を持っていきましょう。
■枝野幸男代表
私は45年前に、すぐ近所の宇都宮市立陽東小学校を出た、初代の卒業生です。その時、卒業文集に「将来の夢」を書く欄がありました。「総理大臣か歌手」と書きました。おかげさまで総理大臣を選ぶ「政権選択選挙」の一方のリーダーとして、その選挙に臨ませて頂いているところまで来させて頂きました。
私の夢はどうでもよいのですが、今の日本の状況を考えると、やはりここで政治を変えなければいけない。政治を変えよう。そのために私たちに力を貸して頂きたい。そしてこの栃木1区で渡辺君に是非力を貸して頂きたい。そのことをお願いしたくて、ここまでやって参りました。
私たちの暮らし、この宇都宮の街はコロナ前からどうですか。今日は、自分が生まれ育ったこの陽東地区で演説させて頂いております。宇都宮に来ると駅前でよく演説をします。そしてオリオン通りを見て、大変寂しく思います。40年前の宇都宮の賑やかさと全然違う。でも宇都宮だけではありません。全国どこに行っても、ほとんど同じような状況です。
皆さんの暮らし、よくなっていますか。アベノミクスと言ったって、働く皆さんの実質賃金はこの間、どんどん、どんどん下がってきている。だから景気が悪いんです。岸田さんは「成長と分配の好循環」――まず成長したら、その果実を分配する。安倍さんと言っていることが一緒です。本当にこれ、続けますか皆さん。成長していないから分配されていないんでしょう、皆さんのところに。日本の低成長はバブルがはじけてから30年近くです。この間、宇都宮の街も、皆さんの暮らしも、どんどんどんどん苦しくなっていませんか。「新しい資本主義」などと言っても、何が新しいのか何も言っていないじゃないですか。
私たちには、もう一つの選択肢があります。まずは公平・公正な分配をしましょう。分配するから成長する。そして暮らしの安心を高めましょう。安心こそが成長の第一歩。これまでとは発想が逆です。これまで30年近く、規制緩和とか競争とか、こういうことを言って、結局はうまく行かなかったじゃないですか。
■ぶら下がり会見
応援演説終了後、記者団の取材に応じた枝野代表は「大変厳しい状況ですが、(渡辺のりよし候補は)かなり頑張って伸びてきている。残りの期間、短いですけれども、この流れに何とか加速をつけて背中をとらえてもらいたい、そういう思いで今日参りました」と語りました。