立憲民主党所属自治体議員の議員団である立憲民主党自治体議員ネットワーク(以下、自治体議員NW)では、10月26日に栃木県宇都宮市にて運営委員会を開催し、さらに26日、27日に栃木県宇都宮市にて研修視察を行いました。

自治体議員ネットワーク

 運営委員会では各地の現状や課題などの情報共有のほか、自治体議員NWの規約の検討、ブロック研修会の開催、冬季の総会の開催について協議しました。

 26日は宇都宮ブランド戦略、27日は本年8月に開業したLRT(次世代型路面電車システム)を活かしたまちづくりについて研修し、27日は実際にLRTに乗車する時間も設けました。両日の参加者はのべ43名で北は北海道から南は香川県までの自治体議員が参加しました。

 両日の視察研修について、自治体議員NW副代表の梶谷大志・北海道議、同NW幹事の富野和憲・香川県議からご報告いたします。

【26日研修報告】「住めば 愉快だ 宇都宮」 北海道議会議員 梶谷大志

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 宇都宮市で人口対策・移住定住対策を推進している青柳室長から、宇都宮ブランド戦略(=移住・定住対策)についての取り組みを伺いました。

 今では「宇都宮=餃子」の認知度の高さが定着していますが(北海道の私も知っています)、宇都宮餃子はそもそも無名で、市民と行政が一体となったブランディングの成果であるとのことでした。それらを網羅する都市ブランド戦略を推進しながら、「移住・定住」に繋げていくことを目的にしています。

 宇都宮ブランドを市内・市外に向け「認知」→「信頼」→「愛着」の3ステップで高めることを目指しており、それぞれ段階でいくつもの具体な取り組みを重ねていることわかりました。

 コロナの影響もあり、市外から宇都宮への「認知」度はあまり上がっていないことを課題としつつも、宇都宮を「好き」及び「街の魅力を感じている」住民は7年連続で90%を超えており「愛着」を持つ市民がとても多くいることが特徴的でした。そこに住む住民がその街を好きでいることは、移住・定住を進める為に大切で大きな強みです。移住・定住(場合によっては「住み替え」とも言うそう)は30代子育て世代をターゲットとし、さらに生活しやすさを磨きあげ女性の視点で住みやすい街を目指しています。

 宇都宮ブランドをさまざまな取り組みで浸透させる事で住民の宇都宮への愛着度がさらに高まり、その結果、移住・定住が促進する事を期待させる取り組みでした。

【27日研修報告】「LRTを活かしたまちづくり」報告 香川県議会議員 富野和憲

自治体議員ネットワーク 富野和憲

 宇都宮市での自治体議員ネットワーク研修会2日目のテーマは「LRTを活かしたまちづくり」について宇都宮市建設部LRT整備課協働広報室で統轄をされている渡邉智行さんからお話を伺いました。 私自身、高松市議時代の2015年10月、「ネットワーク型コンパクトシティ形成の推進について」をテーマにした会派行政視察で宇都宮市に伺った事があったのですが、その時はLRT着工前で、反対運動もあり大変だろうという程度の認識でした。

 研修会の冒頭、LRT建設に反対・慎重の立場であった、栃木県議の松井正一さん、宇都宮市議の中塚英範さんから旧民主党時代から現在までの奮闘(県議会での修正予算提出、市議会での様々な提言)をお聴きし、気づきがあったと同時に、仲間の政策立案レベルの高さに誇らしくもありました。

 研修会終了後、参加者そろって、国内で75年ぶりの新設路面電車として8月26日に開業した芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」に乗車しました。バリアフリー対応の車両で、地域の高齢者も含めた多くの乗客が利用している開業1カ月の現状を肌で感じる事ができました。

 ただ、他都市へのLRT導入となると難しい面もあると感じました。私の地元高松市との比較では、宇都宮市やその周辺には関東最大の工業団地があること、線引き(市街化調整区域)が残っていて都市機能の集積が行いやすいことなど、LRT導入に際して解決すべき課題も多いと思った次第です。ただ、未来を感じさせるLRT「ライトライン」でした。

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