安住淳国会対策委員長は27日、東京・江戸川区を訪れ、東京16区から国政に挑戦する水野もとこ(みずの・もとこ)候補と街頭演説をおこないました。会場には連合東京の杉浦賢次会長も駆け付け、水野候補の支援を訴えました。
■水野もとこ候補
シングルマザーで2人の子どもを育てながら働いてきた水野候補は、現在の政治には働く人の思い、生活を守る人の思いが伝わっていないと訴えます。子育てや介護の悩みと程遠い生活を送っている人ばかりが政治家になっている現状を変え、生活者、国民自身が政治を新しく作る必要があると考え、立候補に至ったと説明しました。
また、安倍政権下で相次いだ森友加計問題、桜を見る会などの疑惑について、「自民党一強の中で、日本の政治は緩み歪んでしまった」と述べ、このままの政治では、暮らしも子どもたちの未来も大変なことになると考え、野党から国政に挑戦することを決めたと述べました。
水野候補は、政治経験も後ろ盾もしがらみもない中、野党から、働きながら家庭を守ってきた一人の国民が、政治に挑戦するハードルの高さを身をもって体感していると述べつつも、「働く人の苦労を、生活を守る人の悩みをしっかりと受け止めて、改善するために全力を尽くす、愛のある政治を取り戻しましょう。いま、自民党の政治に私たち国民への愛は感じられません」と国政への意欲を力強く語りました。
■杉浦賢次連合東京会長
水野候補の応援に駆け付けた連合東京の杉浦会長は「自民党に緊張感がない。野党の力が弱いということだ」と述べ、衆院選挙では野党にもっと議席を持ってもらいたいと力を込めました。
杉浦会長は、10月24日の参院静岡補選での野党統一候補の勝利について「立憲民主党、国民民主党が一丸となって勝った。大変大きな勝利だと思います。ぜひここでも同様に、立憲民主党公認・水野もとこの勝利を目指していきたい」と述べました。
また杉浦会長は、「安住国対委員長からは『連合東京は特殊でリアルパワーがない』と言われていますけども、連合東京のリアルパワーをしっかり発揮して、水野もとこさんを国会に押し上げて行きたいと思います」と述べ、集まった有権者らにも水野候補の支援を訴えました。
■安住淳国会対策委員長
安住国対委員長は、大学の先輩でもある岸田総理について、自民党総裁選で「選択的夫婦別姓」や、株で利益を上げた人から税金をもらって格差のひずみの手当てに使う「金融所得課税」の導入を訴えていたことから、当初、「安倍さんに比べたらよっぽどリベラルかつ穏健」であると期待をしていたと語ります。しかし、総理大臣になって最初の1週間で、党内の有力者の声を気にして、岸田総理がこれらの政策を引っ込めたことから、一事が万事この姿勢になるだろうと、失望を示しました。
今回の衆院選について、安住国会対策委員長は、野党を強くして、有権者にその都度どちらかを選んでもらうような、アメリカのような二大政党体制を作りたいと強調。アメリカで政権交代が頻繁に起こるようになった結果、ウォーターゲート事件のような大規模な政治の腐敗が減少したと指摘しました。
他方、日本では、「減反される農家も自民党、漁業規制されても自民党、リクルート事件があっても自民党、ロッキード事件があっても、森友加計問題があっても自民党」と言えるほど、滅多に政権交代が起こりません。そのため、不祥事が続いたり、説明を求める野党に対して黒塗りのペーパーを出すなど、与党や役所の不誠実な姿勢に歯止めがかかりにくくなっていると指摘。 安住国対委員長は、「皆さんの1票が政治家の背筋をピンとさせる」と述べ、与党や官僚に緊張感を持たせる投票行動を訴えました。
現在の国会は「300kgの横綱に50kgの小兵が挑む」ようなもの。今回の衆院選では「(与野党が)伯仲することで政治の構図を変える」という考え方の下、「多少考えは違っても、小異を残して大同につく」という姿勢で選挙に臨んでいると説明。自身の希望であると述べつつ、「私が一番問題を起こしているのかもしれませんが、ぜひまた参院までの間に、野党をもう一回りも二回りも大きくして、何とか自民党に食らいつきたい」と述べました。
安住国対委員長はJAXA(宇宙航空研究開発機構)で長年活躍してきた水野候補について、「こういう人が野党から出てくれたってだけでも私は本当にうれしいですよ。できれば、今まだ党は立憲と国民が分かれていますが、また近々一緒になって、さあ行くぞっていう体制になるためにも、お互い勝たせてもらいたい」「勢いをつけて、アメリカみたいに民主党、時に共和党と。皆さま方が右手と左手を器用にお使いになるように、政治を使ってみませんか」と集まった有権者らに、政権交代可能な政治状況を作ろうと訴えました。