泉健太代表記者会見

2021年12月17日(金)10時32分~10時55分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/ELXli7C7kzg


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○予算審議について

【代表】
 きょうは参議院で予算基本的質疑ということで、(予算委員会を通して)我が党からは衆議院で10名、そして参議院で4名、質疑に立っています。役割分担をしながら、当然政府のおかしいところはただし、そして立憲民主党が何を考えているのか、どんな訴えを持っているのかというところをやはりちゃんとお伝えしていかなければいけないということで、バランスを持って質疑をさせていただいています。
 私はこれまでも代表選の中で、これは立憲民主党として総選挙の政権政策の中でも「『批判ばかり』とは言わせません」というページがありましたが、批判ばかりというふうに捉えられてはいけないということは常々言ってまいりました。ですので、さまざまな問題というのは政府から、あるいは与党から出てくるわけですね。でも、その問題だけをもし扱っていれば結局国民の皆様には立憲民主党の政策は届かなくなってしまいますので、自社製品、これをしっかり国民の皆様に提案をし続けるということは極めて大事なことだと思っております。
 引き続きこの姿勢で、政府の問題点をただし、そして同時に我々の考え方をアピールしていくということを続けていきたいと思います。

○党活動について

【代表】
 党のほうは、次第に役員も各部局ごとに決まってきまして、執行役員会・常任幹事会ともに非常に今活発に意見が出ています。ジェンダー平等ということも執行役員会で達成したということが一つありますが、その中でもやはり意見が非常に出て活気のある議論ができているなということを実感しています。
 また、今週末は、あした、私は高知県連、小川政調会長は沖縄県連、西村幹事長は群馬県連と、全国に行きます。全部の県でではないですが、週末で言うと、小川政調会長は18日に沖縄で青空対話集会。私のほうは19日に地元京都で青空対話集会、これをやってみたいなと。地方開催はある意味初めてですので、東京・有楽町ということについては一定これまでやってきた小川淳也さんのおかげで第1回目を実施できたということですが、さあ、これからその青空対話集会、全国でどうなっていくのかというところに今なっています。

○「国交省統計書き換え問題」「森友公文書改ざん問題」について

【代表】
 国交省の統計の改ざんの問題は、これは極めて問題なことであって、あれだけ統計疑惑が取り沙汰されていて再発防止を言っていたにもかかわらず、その一方で他省庁・国交省がこういった書き換えを行っていたというのは非常にけしからん話です。ですので、我々としてはこの問題、しかも19年11月に会計検査院から指摘もあったという中で、なぜそういったことをちゃんと公開しなかったのかということ、また実態も明らかにすべきだということで、引き続きこの問題は扱っていきたいと思っています。
 また、森友問題に関しての政府側・財務省側の認諾という(国賠訴訟における)裁判手続。これは本当に唐突でありましたし、訴えの趣旨を全く理解せず、訴えの趣旨に反するような行為であると思います。真相を闇に葬る、これはあってはならないことだと思っておりますので、この今回の政府の決定、いつどのように協議をされて、また、岸田総理も含めてこれをなぜ了承したのかということについても問いただしていかなければいけないと思っています。
 改めて、この森友問題、再調査ということを我々訴えてきていますし、そして我が党としては「公文書改ざん防止法案」、この提出を検討していきたいと思っています。

○議員立法「領域警備法案」「コロナ困窮労働者給付金法案」を提出

【代表】
 きょう、先ほど、我が党、政策立案政党として法案を提出させていただきました。既にこの国会は3本の法律(案)を提案していますが、本日さらに2本、これを提出するということになっています。
 まず一つ目は、「領域警備法案」。尖閣、非常に緊迫している状況でありますが、海上保安庁を強化していくということも含めて、我々としてこの「領域警備法案」を訴えていきたいと、提出をしてまいります。
 そして、「コロナ困窮労働者給付金法案」。こちらのほうは、やはり困窮者向けの給付が住民税非課税世帯に限定されているということでは給付対象者が狭過ぎるということで、いわゆるワーキングプア層、こういったところにも給付の枠が現状よりも広がるようにという趣旨で、我々は予備費を活用して、この法案を提出させていただくということあります。
 ぜひこういった我々の政策を国民の皆様にも訴えていけるように、引き続き努力をしていきたいと思っております。

○国会運営について

【代表】
 憲法審査会については、まさにきのう審査会の自由討議が行われたわけでありまして、これも立憲民主党の一つの姿勢というふうにとっていただいてよいかと思います。
 ただ、毎週開くことが当然かのような論調づくりはやめていただきたいと思います。じゃあ国会において決算行政監視委員会、毎週開いてくれるんですかと。じゃあ国会において拉致問題特別委員会、毎週開いてくれるんですかと。なぜ急に憲法審査会だけに焦点を当てて、それだけは毎週開け開けと大合唱をするのか。国会のルール、これを無視するやり方はいけないと思いますし、憲法審査会だけを動かせというのは、これは国民をだます行為だと思います。
 例えば厚生労働委員会にせよ環境委員会にせよ国土交通委員会にせよ、政府の法案の審査が終わった後、日程が空くことがあります。定例日が決まっていても、野党の議員立法が提出されているにもかかわらず、野党の議員立法について審査をしない。こういうこともこれまで何度も繰り返されてきました。
 そういった意味では、繰り返しになりますが、憲法審査会だけなぜ毎週開催、それをしなければ国会の仕事とは言えないんだという言い方をするのかということは、極めておかしい話でありまして、ぜひマスコミの皆さんもそこは注意をしていただきたいと思います。あらゆる委員会が定例日があり、そして毎週開こうと思えば開けるはずでありますので、どこかだけを特出しをして切り取りをして毎週開けというのはおかしな話であるということはぜひ伝えていただきたいと思います。


■質疑

○文通費に関する法案について

【時事通信・友江記者】
 文通費についてお聞きしたい。立憲民主党はいわゆる3点セット(日割り、差額国庫返納、使途報告・公開)を今国会で主張していたが、一方で今国会では3点セットはもちろん日割りを先行させる法案の成立も困難な情勢になっている。このことに対する受けとめ、国民からどう見られるのかどうか含めてお考えをお聞きしたいのと、通常国会ではどのような姿勢でこの問題に臨むのか、あわせてお聞きしたい。

【代表】
 日割りのみのという法案はないんですよね。

【時事通信・友江記者】
 法案の成立は困難な。

【代表】
 というところですね。
 本当に自民党は何を考えているのかと思います。国民がこれだけ3点セットを成立させるべきだというふうに声を上げているときに、自民党が後ろ向き。最大勢力ですね、国会の。これは大問題だと思います。自民党の側に改革のやる気がないというふうに言わざるを得ないと思います。
 日割りだけということでも前進なのかということをよく言われますが、やはり今、自民党には逃げ切りの姿勢が見えるのではないでしょうか。日割りさえして、あとはごまかそうと。そういうことではやはり野党は納得しないと思います。
 ですから、改めてですが、問題が発覚をして、1日任期を務めただけで100万円をもらえる、やはりこれはおかしいと多くの国民は今もそう思っていますし、そして、その中で問題点を整理したときに、使途の公開、返還、これは当然必要だということで我々は立憲民主党として法案を出し、そして、その法案が評価されて各政党が立憲民主党の案に乗るという構図までできている。これが世論だと自民党には思ってもらわなければいけませんし、当然その世論に自民党が歯向かうのか抵抗するのかというところが、今、目下の課題であると思いますので、私はすぐにでも岸田総理は決断すべきだと、総裁としても決断すべきだと思いますし、国会の議論に委ねるだとか生ぬるいことを言っている、そんなことは許されないと思います。
 自民党はもう何か今国会は諦めるようなことを言っていますが、けしからん話だと思いますし、本来、次の通常国会に先送りする話ではないわけですが、どうしても自民党がやらないということであれば、我々としては世論をさらに高めて、通常国会でもできるだけ早期に実現を図っていきたいと思います。

○国会審議について

【毎日新聞・宮原記者】
 冒頭でも予算委員会についての発言があったが、今回立憲としては新体制のもとで、そして岸田さんのほうも新しい総理で初めての予算委員会に臨んだわけだが、一方で、立憲さんが提案重視になり、岸田政権としては少し柔軟な姿勢、例えば第三者委員会の設置といったものも示す中で、なかなかやりにくいという声があったり、迫力不足なのではないかという評価もあったりした。そういう中で改めて今回の予算委員会をどう捉えているかと、次の通常国会での予算委員会にどのように臨んでいくか、その課題等はあるのかというところを伺いたい。

【代表】
 いや、非常にいいのではないですか。(国交省統計書き換え問題に関する)第三者委員会についても、それは前進ですよ。やはり野党の役割、存在感が発揮されたわけで、大きい声を出さなかったから迫力不足とか、むしろそんな話のほうがおかしいと私は明確に思います。
 国民の皆様に、野党の役割、これだけ少数でありながら立憲民主党が、選挙では残念ながら議席を少なくしながら、いわゆるクーポン券、あの10万円給付については現金一括給付というところの方針転換を呼び起こし、そして、その第三者委員会等々も含めて、政府の考え方を変えていくことができる。これは本当に国民の皆様の応援があってのことですが、立憲民主党としては非常に成果のある臨時国会だと思っています。
 本当に、その迫力不足だの何だのというのは、何を求めているのですかという話ですね。そんな、プロレスではないですから。真剣勝負ですから。何もプロレスで派手な技を出してくれということではないと思います。

【読売新聞・北村記者】
 今のと関連して、岸田総理の答弁姿勢について、野党の提案に一定耳を傾けた面もあったかと思うが、どのように評価されているか。

【代表】
 今お話ししたような点については、そういう意味で政府のほうも世論を気にしているということではないかと思います。当然野党の側からの要求、政策提案としてよいものがあれば、それは、岸田政権もまだ発足して間もないですから、あまり世論の反発を受けたくないということもあるのかなと思います。
 一方で、例えばこの認諾の問題、「赤木ファイル」の問題ということですとか、先ほどの文書通信費の問題については、そこは前進がない。ある意味、国民世論には反しているところですので、岸田政権が多少柔軟な姿勢を示したからといって政権がよいかというと、決してそんなことはないと思います。まだまだ国民の声を聞かねばならぬ点は存在しているし、特に文通費、そしてこの「赤木ファイル」の問題などについては、全く国民の世論に反していると思います。

○参院比例「特定枠」について(1)

【朝日新聞・神澤記者】
 参院選の特定枠について伺いたい。立憲は今までこちらの創設自体に反対してきたと思うが、今後、泉執行部の中ではどのように対応していくのか。また、廃止を求めたところで次の参院選ではたぶんそのまま続くと思うが、それをどのように活用するようなお考えがあればお聞きしたい。

【代表】
 現時点ではまだ決めておりません。

○「衆院総選挙の総括」「次期参院選」について

【東京新聞・井上記者】
 きのう連合が衆院選の総括をまとめた。共産党との関係が一丸となって戦うことを困難にしたなどとする内容だが、受けとめをお聞きしたい。また、総括の中では、国の目指す方向が大きく異なる政党同士が連携したり政策協定を結ぶことは有権者の理解を得ることが難しいなどとしているが、改めて立憲として参院選ではどのように対応するのか。最後に、立憲としての総括は今どういうふうになっていて、いつごろ出せる状況なのかお聞きしたい。

【代表】
 総括は、前執行部で取り組むという可能性もあったのですが、最終的には新執行部になってから取り組むということになりましたので、今、鋭意取り組んでいる最中になります。たぶん、ちょっと年明けは難しいかなと、来年にその結果なりが出てくることになるのかなと、このように思っています。
 そして、この連合の中央執行委員会の中での総括ですね。さまざまな点に触れられていたと思いますが、やはり総括というのは何のためにあるのかということで言えば、次の選挙に向けてという面もあるでしょうから、そういったところで来年の夏に向けて立憲民主党・国民民主党と連合の3者が十分に政策を共有し連携して力を合わせることが何より重要だというふうに芳野会長も発言しているということでありまして、そういった意味では私のほうからは、まだ何か具体的に決まっているわけではないですが、やはり国民民主党には何らかの形で協議というのを呼びかけをしてみたいと思っております。そのほかの政党の皆様については、まだ何か方針を決めているという状況ではないというのが現状です。

【産経新聞・澤田記者】
 国民民主党と都民ファーストの会が勉強会をしているが、これは選挙等での連携含みと見られている。泉代表は国民民主党は兄弟政党とおっしゃって、希望の党にも参画したかと思うが、都民ファーストとの連携や、旧民主党、希望の党再結集に関連して、お考えがあればお聞きしたい。

【代表】
 まずは、繰り返し言ってきましたが、立憲民主党の再生。これに取り組まなければいけないと思っておりますので、これが最優先です。そして、立憲民主党の本来の力や魅力を取り戻しながら、私が今まず視野に入っているのは国民民主党でありますので、その他の政治勢力のところについて、今、何か持っているものがあるということではないのですね。都民ファーストについてもそうです。

○森友公文書改ざん問題について

【NHK・佐々木記者】
 財務省の改ざんの件で、赤木さんの奥様の件だが、部会のほうでもいろいろヒアリング等をされているかと思うが、立憲民主党として改めてどのようにこれに取り組んでいくか。問題点も含めてお聞きしたい。

【代表】
 先ほどもお話ししましたが、今回の認諾に至る経緯、ここをさらに詳しく明らかにしていかなければいけないということ。また、その目的も、改めてこれも明らかにしていかなければいけないと思います。
 そして、この認諾の問題だけではなく、根本的に我々は再調査が必要だと言っているわけですから、この改ざんに至る経過・経緯、そこについて客観的に第三者の調査というものをやはり実現していきたいと思っておりますので、そういった面から可能な限り我々としては真相に迫っていきたいと思います。

○参院比例「特定枠」について(2)

【朝日新聞・神澤記者】
 先ほどの特定枠の件で、今決まっていないということだったが、どんなことをポイントとして今後議論していくようなお考えなのか。スケジュール感というとちょっと大きいかもしれないが、現時点でのお考えを少し教えていただきたい。

【代表】
 ですから、現状、そこはまだありません。まだその検討をしていないということです。

○政府からのヒアリングについて

【読売新聞・北村記者】
 前執行部で行われていた野党合同ヒアリングについ改めて伺いたい。以前見直しの必要性について述べられていたが、共産党などからは、閉会期間中に行政監視機能を果たす上で重要な役割を果たしてきたという声も上がっている。来週で臨時国会が閉会する中で、今後の運用について改めて現時点でどのようにお考えか。また、従来のような形の開催を見送るとなった場合に代替策のようなもののお考えは現時点ではあるか。

【代表】
 皆さんにぜひ勘違いをしていただきたくないのは、立憲民主党の監視力は下がっていません。そして各部会等々でヒアリングを次々と今も行っています。野党合同ヒアリングというものがヒアリングの唯一の形態ではないということですね。当然党としては部会を開いたり調査会を開いたり、そこに役人が来て説明をし、そしてさらに我々から具体的な質問をし、真相に迫っていくということを日々やっているということは、改めて知っていただきたい。これは国会閉会中でも一緒です。何か課題・問題が起きれば我々としては政府からヒアリングを行う。これは今後もそうです。
 ただ、これまで挙げられてきた問題点というのは、政治家の側は公人ということで、どんな形でも露出されていくことについての問題はないかもしれませんが、中央省庁とはいえ、その役所に勤める公務員の皆さんというのは、ずっと公開の場で国会議員とやりとりをするということが想定されている職種ではないということがありますので、やはりそういった課題は向き合わなければいけない課題です。ですので、そういったことにも配慮しながら、我々としては行政監視機能を果たしていきたいと思っています。閉会中も。