野田佳彦代表は12月6日、国会内で定例記者会見を開きました。
冒頭、昨日行われた予算委員会での質疑について「印象としては先般の衆院選の結果を受け止める姿勢を感じられなかった」と述べ、(1)改革の本丸である企業・団体献金について、自民党では「年内に決着」という全体方針を示しているが明らかに先延ばししていること(2)政策活動費も『廃止』と言いながら実態としてはこれまで同様に使途不明のお金が今後も使われる可能性があること(3)新事実(旧安倍派の会計責任者の裁判での証言と、政倫審での自民党のいわゆる裏金議員の弁明が食い違っていること)が出てきたにもかかわらず新事実ではないと石破総理が言い切ったこと――など、「かなり後退した姿勢が見られた」と石破総理の答弁を問題視しました。こうした観点から「残念ながらトータルで見て、「『政治と金』を巡る問題が大きな論点であった総選挙の民意を踏まえた対応が見られない」と指摘し、来週から始まる政治改革特別委員会で「立憲民主党の改革案をしっかりと提示し、自民党の案も出てくると思うので比較しながら審議を深めていきたい」と意気込みを語りました。
また、紙の保険証や選択的夫婦別姓制度に対する石破総理の見解についても、「従来の(総理)ご自身の主張とはかけ離れた答弁が多かった」とし、「全体的に残念な印象を持った」と質疑をふり返りました。
質問の冒頭で、野田代表自身が総理を務め、石破総理が予算の筆頭理事を務めていた頃をふり返るところから質問を行ったことにもふれ、「かつて『現』職の総理として、安倍政権の時には『前』総理大臣、そして少しの間『元』総理大臣、昨日の質問時は『次』の総理大臣としての立場だった」と述べ、感慨深く質問に立ったと語りました。
野田佳彦代表記者会見
2024年12月6日(金)13時00分~13時31分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/sefpw4_T9NM
■冒頭発言
■質疑
- 国民民主党との「共通政策協議会」立上げについて
- 外交・安全保障政策について(1)
- 韓国情勢について
- 「年収の壁」引上げに関する議論について(1)
- 政治改革 企業・団体献金について(1)
- 前原議員の日本維新の会共同代表就任について
- 次期参議院通常選挙に向けた取組について
- 所信表明 石橋元首相の演説引用について
- 公選法改正に関する議論について(1)
- 予算委員会・集中審議を振り返って
- 憲法審査会について
- 公選法改正に関する議論について(2)
- 北陸新幹線延伸のルート選定について
- 「年収の壁」引上げに関する議論について(2)
- 政治改革 企業・団体献金について(2)
- 外交・安全保障政策について(2)
■冒頭発言
○予算委員会・集中審議を振り返って
【代表】
きのう予算委員会、私も含めて立憲民主党、質問をいたしましたし、きょうも参議院で質問が行われていますが、印象としては、さきの総選挙の結果に対して、しっかり受け止める姿勢を残念ながら石破総理に感ずることができなかった。
一番改革の本丸である企業・団体献金については、自民党としては年内に決着と、全体的には方針を示している中で、明らかに先延ばしをしようとしていること。
あるいは、政策活動費についても、これも廃止とは言いながらも、実態としてはこれまでと同様に使途不明のお金が今後も使われる可能性があること。
それから、(裏金問題に関する)新しい事実が間違いなく判明したということは、前回の党首討論でもそれを踏まえた議論がありましたが、それは新しい事実ではないと言い切ったということなど、かなり後退した姿勢なども見えましたので、残念ながら、その意味からも、トータルで見て、この度の政治と金をめぐる問題が大きな争点であった総選挙の民意というものを踏まえた対応が残念ながら見られないと思います。
来週から政治改革特別委員会も始まりますが、しっかりと我々の案を提示して、自民党の案も出てくると思いますので、しっかり比較をしながら審議を深めていきたいと思います。
政治改革だけではなく、紙の保険証の問題、選択的夫婦別姓なども委員会で取り上げられていましたが、従来のご自身のご主張とは随分とかけ離れた答弁が多かったと思いました。朝鮮半島情勢については認識が一致するところがありましたが、全体的には、その意味では残念な印象を持ったということであります。
また、冒頭に、私がかつて総理をやっていて石破さんが予算の筆頭をやっていた頃を感慨深く思い出した発言から申し上げましたが、もっといろいろ感慨がありましてね。現職の総理大臣だったなと、かつては。その後、安倍政権が長く続いて、前内閣総理大臣が長かったなと。ほんのしばらく元内閣総理大臣になったなと。で、きのう質問に立ったのは次の内閣総理大臣という立場ですからね。「現」「前」「元」「次」と、不思議な運命だなと思いながら、いろいろな感慨を持ちながら質問に立たせていただきました。
■質疑
○国民民主党との「共通政策協議会」立上げについて
【産経新聞】
まず、国民民主党との基本政策の協議について伺いたい。重徳政調会長が、国民民主党と、連合の議員懇談会を踏まえた、基本政策の協議を立ち上げると発表された。11月5日の党首会談で合意していたが、今回その立上げに至ったことに対するご所感と、国民民主党との間では、例えば原発をめぐる政策や、改憲、憲法に対する姿勢などで違いも見られるが、どのように協議を進めていきたいとお考えか。
【代表】
11月に玉木代表、当時の玉木代表と党首会談をやって、こういう連合を介した会談を進めていくということ、これについては合意しておりましたので、政調会長の下で、先方は浜口さんでしょうか、政調会長レベルで具体的にこういう話合いが持たれて枠組みが決まってまいりました。
粛々と進めてほしいなと思いますし、今度5分野になりましたよね。意見のなかなか一致点を見出せない部分もこれまではありましたが、できるだけお互いの考え方、背景を理解できるようなことにはしていきたいと思いますし、「経済」とか「多様性」の分野においては、むしろ一致点をたくさん見出せるのではないかなと思いますし、「多様性」の中には選択的夫婦別姓などもあるので、その意味では一致点を見出せるような協議内容も含まれてきたということは大きな前進ではないかと受け止めています。
先ほど申し上げたように、粛々と進めていただければと思います。
○外交・安全保障政策について(1)
【産経新聞】
別件で、代表質問と予算委員会での野田代表の質疑について伺いたい。代表質問と予算委員会の質疑では、外交・安全保障の問題について石破首相に問いただす、どちらも共通して問われる場面があった。そういうふうに外交・安全保障について質問された狙いと、その答弁を経て、石破首相の外交・安全保障政策についてどのように評価しているか伺いたい。
【代表】
ウクライナも中東も、これは外交課題では大きな課題なのですが、身近なやはり朝鮮半島情勢が、私は、極めて、かつてないレベルの危機感を持たざるを得ないと思っていますのでね。韓国の今の政局もありますし、北朝鮮の最近の動きなど、相当緊張感を持って注視していかなければいけないということがありましたので、代表質問や、あるいは予算委員会のテーマで取り上げさせていただきました。これからも機会があれば取り上げていきたいと思います。
【フリーランス】
12月2日の代表質問に関する質問だが、12月10日に予定されている被団協のノーベル平和賞の授賞式に関連して、核兵器禁止条約の締結国会議へのオブザーバー参加を求めるご質問をされた。石破首相は、従来どおり、条約には核兵器国は一国も参加していないと、NPT体制が唯一の実戦的・現実的な取組だという回答だった。公明党も実はオブザーバー参加を求めているが、このような石破首相の答弁に対する野田代表のご所見をお願いしたい。
【代表】
極めて残念ですよね。被団協がノーベル平和賞を受賞したという意味はとても意義深いと思っていますし、残念ながら核兵器を使用するぞというような威嚇が中東でもウクライナでも行われているときですので、非常に意義のある受賞だと思います。
ということは、唯一の被爆国である日本が、そこで頑張ってきた団体が評価されたわけですから、今度は政府のほうが核廃絶に向けて一歩前へ進めなければいけないときなので、ぜひ、核兵器禁止条約の締約国会議、来年3月に3回目が開催されるということでございますので、ぜひオブザーバー参加と。オブザーバー参加することによって、核保有国と、持たない国、廃絶を目指している国々の橋渡しを、ぜひ、まずそこからしてほしいという願いを込めて質問しました。
これからも、公明党も同じ主張でございますので、逆に、連携できる政党とは連携をして、ぜひ石破さんに動いてもらうように働きかけを強めていきたいと思います。
【フリーランス】
もう一点だが、石破首相の所信表明演説は外交・安保の問題から始まったが、この中で、沖縄などの基地負担の軽減についても一言触れた。ただ、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指すためには辺野古への移設が唯一の解決策で着実に工事を進めていきますと、従来からの説明だった。立憲民主党としては政策集の中で辺野古移設の中止を含む基地負担の軽減についても触れられていると思うが、野田代表は石破首相の所信表明をお聞きになってどのようなことを感じていらっしゃるか。特に沖縄・南西諸島の基地強化とかミサイル配備とか、その強化については何か取組が必要だというふうに、石破首相の所信表明演説を聞いて何かお考えになったことがあれば伺いたい。
【代表】
辺野古中止も含めてということの、党の基本方針どおりの考え方でありますので、その意味では、石破さんのお考えもいわゆる従来どおりの発言でしかなかったことは残念に思いますし、もうちょっと、日米地位協定の問題も含めて、しっかりと米国には物を言っていくという姿勢が見えてもよかったのではないかという印象を持ちました。
○韓国情勢について
【NHK】
先ほどの質問の中で触れられたが、韓国の情勢について。けさもちょっと情勢が変わってきて、与党からも大統領は辞めるべきではないかという声も聞こえ出した。こういった情勢をどうご覧になり、どのような危機感を持っていらっしゃるか、改めてお願いしたい。
【代表】
これまで尹大統領との間では、日韓関係に限っては、かつてないほど良好な関係になってきましたが、今回の、なぜこのような判断をされたのか、行動をされたのか、よくわかりませんが、弾劾をされる可能性が十分高まってきて、与党の中からも厳しいご意見が出てきたということですので、韓国のこの政局の混乱というものが、先ほど北朝鮮の動きなどを注視しなければいけないと申し上げましたが、まさにそういう危機感を持ちながら、今後の韓国がどうなっていくかということをまさに我々も注視していかなければいけないと思います。
来年は国交正常化60周年という、大変本来は喜ばしい大きな節目の年でありますが、大変心配な状況が生まれてきていると思います。日韓のみならず、きのうも質問しましたが、日・韓・米も含めて、ちょっと枠組み自体が保てるのかどうか、憂慮すべき事態だと思います。しっかり注視していきたいと思います。
少なくとも言えることは、邦人の安全確保はやはりしっかりと、何が起こってもおかしくない状況だと思いますので、邦人の安全確保はしっかりと政府には要請していきたいと思います。
○「年収の壁」引上げに関する議論について(1)
【NHK】
別件で、他党のことになるので大変恐縮だが、きょう自民・公明・国民の間で税調の会議が行われ、注目されている「103万円の壁」について引き続き協議が行われた。意見に違いが見えたのが、来年から始めるのか再来年から始めるのかというところで、国民と自公の間でちょっと違いが見られたが、このような議論をどのようにご覧になっているか。
【代表】
今、議論が行われているプロセスにありますので、いつからなのかとか、中身がどうなるかについては、注視していきたいという立場であります。
○政治改革 企業・団体献金について(1)
【共同通信】
2点伺いたい。まず1点目が、企業・団体献金の廃止法案だが、共同提出を今目指している状況かと思うが、いつ頃までに、何党の共同提出となりそうか。調整状況を伺いたい。
【代表】
調整中でございますので、何党になるのかなどを含めて、まだ現時点では申し上げることは差し控えたいと思いますが、火曜日から政治改革特別委員会が開かれ、最初は各党の考え方を示すような場面ではないかと思いますので、月曜日にはやはり法案を提出したいと思いますので、それまでの間、様々な努力をやっていきたいと思います。
○前原議員の日本維新の会共同代表就任について
【共同通信】
もう一点。日本維新の会の国会議員団の代表に前原誠司さんが選出された。この受け止めを伺いたい。
【代表】
これからまたよろしくというふうに思います。まだ正式にはお会いしていませんが、どこかでそれぞれの役員同士で挨拶をする場面があると思いますので、まずはそういうメッセージを発したいと思います。
少なくとも非自民という意味ではずっと政治人生を貫いていますので、その点では一致できると思います。
【共同通信】
きのうの代表と石破首相の予算委員会の質疑、前原さんは予算委員会の委員という背景もあるかと思うが、ご覧になっていた。それはいかがお考えになるか。
【代表】
委員でいらっしゃった。
【共同通信】
認識が間違っていたら、すみません。委員でいらっしゃる上で、お二人の質疑をご覧に。
【代表】
それは委員だったら見ていますよね。そこで別にコメントはないです。予算委員だったら、それは当然やり取りを見ていたと思います。
○次期参議院通常選挙に向けた取組について
【産経新聞】
前原さんの質問に関連して。前原さんは立憲民主党の源流である民主党で同じく活動されていたが、今後の参院選に向けた選挙協力などで期待するところがあれば伺いたい。
【代表】
吉村新代表も、野党候補の一本化、予備選導入という具体的な提案も含め、1人区などの調整は積極的にお考えのようですし、先ほど申し上げたように前原さんも非自民という意味では筋金入りの人なので、この選挙区調整についてはしっかりと話合いのできるパートナーになると思います。
【産経新聞】
関連で。国民民主党とも参院選に向けて基本政策の協議も行うということで、野党全体として参院選に向けてどのように選挙協力を進めていきたいとお考えか。
【代表】
先ほどの国民民主のほうは政策の協議がこれから進んでいくということですので、これらも含めて、来年の夏に向けての準備を着々とやって、1人区はなるべく候補者調整をして、そこでできるだけ勝つということが劇的な変化を起こすという意味で大事だと思っていますので、今からその準備をそれぞれ各党との間でやっていきたいと思います。
○所信表明 石橋元首相の演説引用について
【フリーランス】
この度の首相の所信表明で2か所、石橋湛山の施政方針演説が引用された。私はこれは大きな、安倍政治というかアベノミクスというか、そういったところの、昔で言う大日本主義の転換ではないかと感じている。石破さんはかつて新進党で代表と同じ政党でいらしたが、私もそのときにちょっと新進党に関係していたが、接点はあまりなかったような感じはする。根っこというか、そういうところで共通する部分は多いと思うが、この石橋湛山の施政方針演説を2回も引用したことについて、どういうふうに感じておられるか。
【代表】
石橋湛山先生は、私は早稲田大学出身ですが、早稲田大学出身の第1号の内閣総理大臣なので、早稲田マンとしては常に意識している、目指すべき頂上なのです。今おっしゃったような小日本主義という考え方を貫いた人生だったので、そこも私は尊敬している大事なポイントであります。そこを、勉強会に石破さんは入っていらっしゃるということなので、湛山先生のお話、お言葉を使ったのだろうと思います。
その意味では心の琴線に響くところもありましたが、新進党の頃にそんな深いおつき合いがあったわけではありませんが、でも、約30年来この世界におりますので、いろいろな場面で議論をしてきたりしてきましたのでね。たまには一致点もあるので、たまには見つかる一致点をこれからの国会の中でも見出していきたいなと思います。
【フリーランス】
石橋湛山が小日本主義を主張したのは、まさに第2次世界大戦に入るときの、日本がものすごく歴史的な選択を迫られていた時代だったと思う。そのときに小日本主義というのを貫かれたということと、1956年に総理になったというところで、これもまた歴史的な転換期だったと思う。そういったところをやはり石破さんは意識しているのではないかという印象を持ったが、代表はどういうふうにお考えになったか。
【代表】
石橋湛山先生は、やはり戦前・戦中・戦後と、小日本主義を含めて、非常に筋を通した人生だったと思います。大きな時代の転換期でも考え方がぶれないという意味で、すばらしい政治家だと思いますね。だから歴史にも残るし、いまだに勉強している人たちが多いと思うのですけれども。
その意味では、石破さんは従来おっしゃってきたこと、自民党総裁選でおっしゃったことと、今、国会で総理大臣として言っていることでは、随分一貫性がないなと。筋が通っていないなというのが多過ぎるので、もっと湛山先生を学んでほしいと思います。
○公選法改正に関する議論について(1)
【読売新聞】
与党が選挙ポスターに品位の規定を設けるなどの公職選挙法改正案を提出する見通しとなっている。立憲民主党としては9月に合意する野党の中に入っていたかと思うが、今回改めて改正法についてどのような姿勢で臨まれるかお聞きしたい。
【代表】
都知事選挙のときのあのポスターは、ちょっと子どもたちには見られたら困るようなものも含めて、たくさんありましたのでね。これはやはり公選法を改正して、そういうことが起こらないようにするというのは、これは与野党の知恵の出しどころだと思いますし、この国会でそういう法案が出てきて議論すること自体は私は大事なことだと思います。
品位の解釈のところはちょっといろいろ問題があるかもしれませんが、目に余る現実がいろいろありますので、ぜひこれは知恵を出して進めていかなければいけないことだと思います。
○予算委員会・集中審議を振り返って
【北海道新聞】
代表は先ほど冒頭で、予算委に立たれたときのご所感として、内閣総理大臣として「現」「前」「元」「次」ということを非常に感慨深く振り返られたとお話しされていたが、そのお気持ちをもう少し伺いたい。「次」となったことが、ようやくという思いがあるのか。それとも、例えば、次、政権交代に向けてという気持ちを新たにされたのか。そういった、もう少しお気持ちをお聞きしたい。
【代表】
一番長かったのは「前」なものですからね。いろいろ経験させていただいたなと思いながら、「次」が来るとは思っていませんでしたが、ああいう予算委員会でも党の先頭としてバッターを務めるようなことになりましたので、改めて、逆にその自覚を持って役割を果たさなければいけないと思うし、今度は早く「次」を取って頑張らなければいけないと、政権交代を実現しなければいけないという思いを新たにいたしました。
○憲法審査会について
【毎日新聞】
先ほど衆院の憲法審査会の幹事懇が開かれた。臨時国会中の開催という方向で話が進んでいくことになったが、この受け止めをお聞きしたいのと、通常国会の際には自・公・国など5会派が起草委員会の設置も含めて求めていた部分があったかと思う。これから進んでいく中で、こういうことについてどのように話を進めていくべきと代表は考えているかお聞きしたい。
【代表】
開催自体は、それはもう審査会のご判断だと思いますので、チャンスがあれば開いていくということでよろしいだろうと思いますし、会長に枝野さんをご承認いただいたので、枝野さんの下でいい議論ができることを期待したいと思います。
【毎日新聞】
起草委員会を設置してほしいということについては。
【代表】
そういうことも含めた議論が行われるのではないでしょうか。
○公選法改正に関する議論について(2)
【フリーランス】
先ほどのポスターの品位の公選法改正に加え、本人が当選を目指さない立候補、いわゆる2馬力選挙について、辻元さん、小川幹事長が質問したが、これも公選法改正の項目に加えるお考えはないか。
【代表】
今、公選法をすぐ直ちにということでは、これはまだそこまでは議論が進んでいないと思いますが、問題意識を持っている方が随分いらっしゃると思うので、いろいろな場面の議論は進めていったほうが、特に党内でもそういう議論を進めていければと思います。
【フリーランス】
辻元さん、小川幹事長が質問した経緯、党内での議論というのはどういうものがあったのか。
【代表】
経緯は、私は詳細に全部知っているわけではありません。質問の背景まではわかりませんが、ただ、やはり、極めて、最近の選挙における大きな影響を及ぼしたことと思われますので、当然のことながら議員が関心を持って、それについて質問したりするということはあり得ると思います。
○北陸新幹線延伸のルート選定について
【フリーランス】
前原代表が、北陸新幹線延伸について、米原ルートを再評価、見直すべきではないかと、今の小浜ルートは問題があるという指摘を代表質問や会見でなさっているが、立民としての考え方はどういうことなのか。連携して米原ルート見直しを一緒に求めていくか。
【代表】
そこまで連携できるかどうか、ちょっと私はまだ把握しておりません。党内のよく意見は聞いてみたいと思います。
【フリーランス】
能登半島の震災復興にも小浜ルートだとマイナスになるのではないかと。建設費がかなり増加して、公共事業の限られたパイを奪い合うのではないかと。だったら、より予算が安い米原ルートのほうが優れているのではないかというような議論は、まだ党内では進んでいないか。
【代表】
それはちょっと私は把握しておりませんので、確認したいと思います。
○「年収の壁」引上げに関する議論について(2)
【フリーランス】
最後に、「103万円の壁」について、米山隆一さんは、物価スライド分、1割くらいの非課税枠拡大で十分ではないかと、就労抑制だったら扶養の控除の基準引上げで対応できるのではないかということをおっしゃっているが、党内の議論の状況としてはどんな感じか。
【代表】
103万円の話について、そこまで突っ込んだ議論をしているとは思いません。むしろ130万円の対策法案(就労支援給付制度の導入に関する法律案)を出しましたが、103万円については、今、国民民主と自公の動きを注視しているということであって、党内で議論を深めているということではありません。それは米山さんの個人的な、勉強されている中での見解の発表だと思います。
【フリーランス】
178万円まで拡大すると、結果的に高所得者に恩恵が偏るということは、党内ではかなり問題視されてはいないか。
【代表】
党内で特にそのことを議論して何かを共有しているということではありません。
○政治改革 企業・団体献金について(2)
【TBS】
きょうの参議院予算委員会で石破総理が、企業・団体献金に関して新しい発言があった。企業・団体献金に関しては、国益に資すれば政策に反映されると。政策に影響を与える可能性を問われた質問だが、結果として反映されることはあるということで、ただ、それは選挙によってそれがちゃんと適切な関係なのかというのも判断されると。それで政策がゆがめられることもないともおっしゃった。企業と政党の関係性だが、野田代表が考える望ましいあり方というのはどのようにお考えか。
【代表】
今のちょっと午前中のやり取りというのは正確に把握していないので、今の話は初めて聞いたのですが、国益実現のためならいいと。国益、では、何なのかと。それは党益ではないのか。個人の利益ではないのか。その判別はとても難しいのではないでしょうか。
でも、影響を受けるとするならば、やはり影響があるということは認めたということだと思います。それは果たしていいのか。
政策をゆがめる可能性があってはいけないということを、企業(献金)だろうが個人(献金)だろうがと(首相は)言っていました。私は(企業・団体献金は)ゆがめる可能性があると思っているのです。ゆがめるという言葉が妥当かどうかわかりませんが、影響を及ぼすことはあると思う。
例えば、復興財源で、復興のために法人税も所得税も引き上げたけれども、法人税だけ下げたではないですか。あれ説明できるんでしょうかね、なぜ法人だけだったのかとか。(そうした点)などね、どうしても優先的に考えている節があるんです。
それが国益だったかどうか私はわかりませんが、そういうことを考えると、間違いなく、より影響を受けている。それが間違った影響だったら、それはゆがめることになりますので、その辺のお考えはよくこれからも詰めていかなければいけないだろうと思います。
【TBS】
2点目が、企業・団体献金の上限を検討するというのが自民党の中でも考えられていると思うが、このあり方に関して、改めてご見解をお聞きしたい。
【代表】
上限って、どれくらいのことを言っているのでしょうかね。
【TBS】
5000万円とか、そういうのも出ている。
【代表】
5000万円以上を出している企業とか団体って限られていますよ。だから、影響ないんですよ、それ。それで改革をやったふりは、してはいけないと思いますね。
○外交・安全保障政策について(2)
【フリーランス】
先ほど沖縄・南西諸島の基地負担などの問題について、石破首相の所信表明について質問したが、それについて、従来どおりの回答で残念だったというお話、日米地位協定の問題にももっと踏み込んでほしかったというお答えだった。辺野古の建設も今どんどん進められてしまっているわけだが、今後の防衛予算でミサイルの配備とか弾薬庫の設置とかいろいろまた出てくると思うが、そういうことについては今後やはり予算委員会や国会の中で取り組んでいくというお考えか。何かそれについてお考えがあれば伺いたい。
【代表】
補正予算に計上されているものがあるならば、それはやはり、質問者によりますが、委員会で取り上げることもあり得るだろうと思うし、来年の通常国会での本予算の審議でも、そういう予算に関わることならば、当然のことながら審議の対象になると思います。
(以上)