野田佳彦代表は12月20日、国会内で記者会見を開き、臨時国会について発言しました。

 野田代表は、この半年を振り返り「9月23日に党の代表に就任した直後に解散総選挙となり、50議席を増やし一定の躍進は果たした。しかし、目標であった自公の過半数割れはできたが、比較第二党に甘んじた。完全に目的を達してはいない。政権前夜」と今の状態を表現しました。

 この臨時国会について「与野党伯仲国会が生まれ、委員長のポストを獲得することにより、『熟議と公開』を旨とする国会は手探りでスタートしたが、補正予算で28年ぶりに修正ができた」「野党7党で提案した旧政策活動費の廃止も自民党にも理解をいただき実現」と指摘し、「一定の成果は上がってきた」と評価。今後も「手探りの中、来年の国会に臨んでいきたい」と意気込みを語りました。


野田佳彦代表記者会見

2024年12月20日(金)10時30分~10時58分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/8HLGfDhoP-Q


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○本年最後の定例記者会見に当たって

【代表】
 定例会見としては、ことし最後の会見になるかと思います。
 この1年を振り返ってというよりも、私、党の代表に就任したのが9月23日でありますが、代表就任直後に、すぐ解散・総選挙となりました。議席自体は50議席を増やすという形で一定の躍進を果たすことができましたが、目標であった自公の過半数割れ、これは実現できましたが、比較第2党に甘んじましたので、全て完全に目的を達成できたわけではありませんでした。
 政権交代前夜が続くことになりましたが、そうした環境の中で、与野党伯仲国会が生まれて、そして、幾つかの常任委員会・特別委員会等の委員長ポストを獲得することによって、「熟議と公開」を旨とする国会運営を目指した臨時国会が、この国会から本格的にスタートいたしました。
 手探りで始めさせていただきましたが、補正予算で、予算案の修正を28年ぶりに獲得することができたこと。あるいは、野党7党で共同提案をした政治改革に絡んでは、いわゆる政策活動費の全廃。これも自民党にもご理解をいただいて可決することができたことなど、一定の成果は上がってきたのではないかと思います。
 手探りの中で、どういう国会運営が可能かを、チャレンジをしてまいりましたが、こうした経験を教訓として、来年の通常国会に臨んでいきたいと思います。
 なお、かねてから準備を進めてまいりました旧文通費の使途の公開については、現在、10月分と11月分、公開に向けた最終作業の詰めの段階でありまして、来週にも事務所のホームページで公開をさせていただきたいと思っていますし、来週は御用納めのときにぶら下がりの会見などがございますので、お尋ねがあれば、そのときにご質問などもお受けしたいと思います。


■質疑

○裏金問題 政倫審での弁明について

【NHK】
 政治倫理審査会について伺いたい。きのうまで3日間、衆議院で行われ、まだ参議院では続くと思うが、3日間聞いてどのような感想を持ったか、まず率直にお願いしたい。

【代表】
 この間の総選挙の際に非公認になったということなどもあって、進んで出席する空気になったことは前進だと思うのですが、お話を聞く限りにおいては、やはり秘書に任せていたなどなどという弁明が多く、新たな事態の解明につながったようなことは少なかったように思います。
 ただ、明確に言えることは、やはり党とのやり取りの中でそうせざるを得なかったようなこととか、あるいは、事務所とのやり取りの中では党主導の下で行われた形跡が強かったので、逆に言うと、今、予算委員会で安倍派の元会計責任者を参考人で呼ぼうとしていますが、この必要性がますます出てきたのではないかなと。一番実態がわかっている人にやはり国会の中でご発言いただくということは、一連のこれまでの参考人招致の中の一つの区切りをつけていくためにも大事なプロセスになるのではないかという印象を持ちましたし、あと、萩生田さんのあの発言なども含めると、もっと遡ったところを知っている人にも出てきてもらわなければいけないのかなというような印象を持ちました。
 まだやっている最中なので、参議院のほうも、非公開を望んでいる人たちというのは、これはもう論外だと思いますが、公開の下で出てくるように要求するとともに、その辺を全体が終わった後にもう一回整理して、更に国会でどういう究明・解明ができるかということをまとめて、それでまた投げかけをしていきたいと思います。

【NHK】
 参議院だが、会期が終わった後に非公開でというところもあったが、会期の終わった後にやることについてはどうお考えか。

【代表】
 会期が終わって非公開なんていうのは論外ではないですか。論外だと思います。

○税制改正大綱について

【NHK】
 別件で、自民党の税制大綱ができ、「103万円の壁」のところが123万円ということで先ほど了承されたようだが、これについて受け止めをお願いしたい。

【代表】
 報道で見る限りにおいては、123万円で了承されたと。178万円を目指すというのも何か書いてあるのでしょう。など、ちょっと最終決定するものがどうなのかを見定めて判断をしていきたいと思いますが、「103万円の壁」を越えていこうという方向性については我々も理解をしているつもりでありますが、そこがどこまで行くのかは、国民民主党も注視しているでしょうけれども、我々もその動きを注視していきたいと思います。
 ただ、税制改正大綱で大事なところは、例えば防衛増税が具体的に入ってきましたよね。これは明らかに、復興のときに我々は所得税増税をいたしましたが、それの流用に関わるようなことであって、2027年からと明記されていると思いますが、これは断じて容認することはできないと思いますし、「1億円の壁」に関わるようなものについては全く触れていないのではないでしょうか。
 個別の項目をよく洗い出していきたいと思いますが、いずれにしても、これをもってよしとはとても思えないので、「熟議と公開」の精神の下で、国会の中できちっとした税制改正を我々は実現していきたいと思います。

○ダボス会議について

【NHK】
 最後に一点。国民民主党の役職停止中の玉木代表がダボス会議に出席すると聞いているが、野田代表は招待とか出席とか、今の段階でもし言えることがあれば。

【代表】
 会長からのご招待はいただいております。おりますけれども、国会がどうやら1月24日召集になりそうなんでしょうかね。そこを見定めなければいけませんが、日程的には、ちょっとそことかぶると、代表質問もあるでしょうし、その他のいろいろ政治日程があると難しいかなと思いながら、まだ確定はしていませんが、ご招待はいただいています。

○参議院通常選挙に向けた取組について

【日本経済新聞】
 来年夏の参院選について伺いたい。きのう連合が、自民・公明の与党を改選定数の過半数割れに来年夏の参院選で追い込むことを必達目標とした。連合の目標を受けて、野党全体としての目標と、立憲民主党としての現時点での参院選での目標を伺いたい。

【代表】
 連合の方針と我々の目指している方向というのは完全に一致していると思います。野党が一本化して、特に1人区できちっと勝利を積み上げるということを、ぜひ実現していきたいと思います。

【日本経済新聞】
 維新は1人区での調整について予備選という話もしている。代表もそれを一つのアイデアとして受け止めるとおっしゃっているが、具体的にそういった1人区での調整に関して、国民民主党はそんなに立てる予定もないのでという形で積極的な様子は見られないが、何か具体的な取組とか、そういった進捗などはあるか。

【代表】
 1月、来年に入ってから具体的に予備選をどうやるかについては提案をしていきたいというお話は聞いていましたので、それをよく見てからと思います。今、維新の新しい幹事長がそれを任されてつくっている最中と聞いていますので、策定されれば、よくお話は聞いてみたいと思いますし、一本化をしていくという方向については方向感は一致していますので、具体的にどうするかはよくお話を聞いてみたいと思います。
 国民民主も、1人区にそんなにたくさん立てるということはないと思いますので、これは我々とよく調整をしていきたいと思います。

○世論調査の結果について

【朝日新聞】
 政党支持率の関係で伺いたい。先週末にあった朝日新聞を初め各社の世論調査で、立憲民主党の支持率は国民民主党の支持率を下回った。こうした事態は初めてだが、先ほど冒頭おっしゃったように、臨時国会では「熟議と公開」を掲げ、一定の成果も上げられたが、なかなか支持率が伸び悩んでいる現状を、理由も含めてどう捉えていらっしゃるか。

【代表】
 それは残念というか、よく我々も分析をして対応を考えなければいけないと思います。
 とは言いながら、やっていること自体に間違いはないと思っていまして、国会という我々の職場できちっと成果を出していくことによって政党に対する信頼感が出てくると思いますので、冒頭で臨時国会の総括的なことを申し上げさせていただきましたが、この教訓を生かして来年の通常国会で頑張っていきたいと思います。
 我々の場合はリングに上がって勝負だと思っていますので、その戦う姿で正当な評価をいただけるように、やってきたことをわかりやすくメッセージを伝えるようにということは工夫を大いにしなければいけないなと思っています。学ばせていただきたいと思っています。

【朝日新聞】
 今あったが、わかりやすいメッセージというのは、国民民主党は「103万円の壁」のように一つ大きな政策や目的を掲げ、それに対する支持を集めたという面もあると思うが、立憲民主党として何か大きなものを掲げ、そういう手法というか、そういう世論の注目の集め方というのを何かやっていく予定というか、お考えがあったりするか。

【代表】
 当然、来年夏の参議院選挙で何を打ち出していくかということが、日々の国会活動に加えて大事なテーマになってくると思いますので、きのうのNC(次の内閣)でもそういう議論がありました。執行役員会でもそういう議論がありますので、その辺の整理はぜひしていきたいと考えています。

○食料品の消費税に関する議論について

【朝日新聞】
 関連で伺いたい。昨日、立憲民主党の江田憲司さんや吉田はるみさんらが党内で勉強会を立ち上げ、食料品の消費税0%を掲げた勉強会を立ち上げた。かつて野田さんも記者会見で検討課題として挙げたこともあると思うが、こうした考え方についてどうお考えになるか。

【代表】
 9月の代表選のときにも吉田はるみ当時の候補が主張されていましたし、その吉田さんを応援する形になった江田さんたちもそういう主張をされていましたので、党内で食料品に対するゼロというお考えを持っていらっしゃる人たちがそれなりの数いるということは私も承知をしています。
 これまでの議論の到達点が給付付き税額控除だったので、還付法案を出すということで対応してまいりましたし、還付法案は若干時間がかかるならば給付で対応するという、そういう対応でこれまで一貫してきたつもりでありますが、いろいろなお考えがあることはよくわかっているし、私もそういうお考えについては勉強させていただきたいと思います。

【朝日新聞】
 来年の参院選に向けての検討課題になるという感じか。

【代表】
 どのテーマにどうするかということは、まだ確定的なことは申し上げられませんが、お考えを持っていらっしゃる方が複数いることは承知をしていますので、よくお話も聞いてみたいと思います。

○当選無効議員の歳費返還に関する議論について

【中国新聞】
 選挙違反などで当選無効となった議員の歳費返還を義務づける部分についての歳費法改正について伺いたい。まず、この部分の改正についての重要性など、野田代表の考えを伺いたい。

【代表】
 元々公明党さんなどもそういうご主張をされているし、よく理解できる課題であるし、テーマだと思っています。
 今回も政党助成金の絡みでは同じような返還の話になりましたが、引き続き政治改革関連でいろいろな関連法の審議を来年もしていくことになりますので、我々の党内でもその議論を深めていきたいと思います。

【中国新聞】
 公明党の斉藤代表は、17日の定例会見では、水面下でも表でもこの議論をしているが全党一致になかなか至らないとおっしゃっている。今も重要性についてお話しいただいたが、どこの部分がネックになっているとか、議論の進み具合など、話せるところがあれば伺いたい。

【代表】
 ネックというか、やはりいろいろなテーマがあるではないですか、政治と金をめぐる問題。しかも、一番不正の温床になっていた大玉の政策活動費についてはようやく決着がつきましたが、企業・団体献金などの問題もあるではないですか。その大玉の問題に隠れてしまっているということではないのですが、ほかのいろいろな大事なテーマもあるのですが、その大玉を何とか対応しながら、その他の大事なテーマについても続けざまに決着をつけていけるようにしなければいけないと思っています。

【中国新聞】
 これまで過去7度、与野党でこの点を協議されているが、見送りになっている。その中でネックとなっていた部分が憲法との整合性というのがよく言われていたが、その点については今回議論としては何かあるか。

【代表】
 いや、そこまで議論がされていたかどうかは承知していません。

○通常国会に向けて(1)

【産経新聞】
 まず、野党間の協力について伺いたい。一つ前の質問の中で、臨時国会の教訓を生かして通常国会に挑んでいきたいというようなお話もあったが、この臨時国会では野党が結束して政策活動費の廃止を成し遂げた一方、野党の足並みがそろわない場面もあった。通常国会において野党間での協力をどのように構築していきたいとお考えか。

【代表】
 野党といっても、幅広いんですよね。中道的なところもあれば、何党という名称は挙げませんが、右側、左側、随分端っこのほうにいる野党もあるので、それを束ねながら進めるというのはものすごい大変な作業だと思いますが、ただ、今回、政策活動費については、政治改革推進本部あるいは特別委員会のメンバーが、非常に粘り強く野党をまとめて意見を聞きながらという対応をして、結果が出ました。
 それがやはり一つの成功事例だと思いますので、今回も被災者生活再建支援法(改正案)などは立憲と国民と維新とで3党で共同提案になっています。これもやはり裾野が広がっていく可能性があると思いますよね。
 こういうやはりテーマをうまく絞って、できるだけ多くの野党を巻き込んでということが大事だと思っておりますので、そういうチャレンジを来年は教訓として生かしながらやっていきたいと思います。

○党外交について(1)

【産経新聞】
 別件で、立憲民主党の外交について伺いたい。野田代表は就任以降、ウクライナやイギリスの大使、あとは中連部とか、そういった各国の大使や外交関係者と会談を行っている。こういったことの意義と、そういった党の外交を展開している狙いについて伺いたい。

【代表】
 政府の外交、首脳外交もあるし、外務省の外交もありますが、やはり議員外交というのも大事、政党間外交というのも大事だと思いますので、その意味では我々なりに外交を推進していくということも努力していかなければいけないと思います。しかも、政権を担おうという覚悟があるならば、やはり外交・安全保障に無関心であることはできないわけなので、その意味からも、いろいろな経験を積んでいきたいと思います。
 お訪ねをいただいている大使たちとはなかなか充実した意見交換ができていると思いますので、それらを我々の政策にも生かしていきたいと思います。

○通常国会に向けて(2)

【読売新聞】
 冒頭で、臨時国会について、一定の成果があったとご発言された。これを踏まえて、通常国会でどのような姿勢で臨むかと、通常国会で取り組みたいことや注力したいテーマがあれば教えていただきたい。

【代表】
 まず、一つには、大きなテーマというのは、来年度の予算ですよね。その予算に対してどういう姿勢で議論をしていくのか。我々の考え方も早く整理をして、予算案が出てきたら厳しくチェックをしながら、例えばどういう形で修正を獲得できるようなものがあるのかどうかなどなど、戦略的に対応していきたいと思いますし、今回の修正も、能登の復旧・復興については増額する形で成功しましたが、これはほとんどの野党が賛成をしてくれているし、自民党も評価した内容だからできたんだと思いますよね。そういうものをどうするかということをよくチェックして、調べて、見つけて、対応していきたいと思います。
 予算以外は、企業・団体献金の禁止法案についての対応というのは、年度内に決着ということは、これはもう約束されたわけですので、このテーマもできるだけ多くの野党のご賛同をいただける形で与党に迫るような構図に持っていきたいと思いますし、選択的夫婦別姓についても同様に、野党のみならず、与党の公明党も含めて連携できるように、そして、自民党に対して理解を求めるというようなことをやらなければいけないと思っています。

○政治改革について

【読売新聞】
 別件で、文通費改革に関する歳費法が衆院で先日可決された。この受け止めと、党としてこれに関してどういう姿勢で対応するか伺いたい。

【代表】
 ようやく、これもね、我々は歳費法の改正というのはずっと打ち出していましたが、ようやく自民党が動いたのかと。やはり与野党が伯仲するという、この国民の力によって一歩前進できたテーマの一つだと思います。
 参議院のほうで最終的にこれが成立するかを見て、おそらく8月くらいまでにガイドラインがつくられると思いますので、党としてはそのガイドラインに沿って皆でそれに従っていくということになると思います。

○通常国会に向けて(3)

【「FACTA」】
 少数与党に野党第2党・第3党が直接折衝して、果実をもぎ取ると。野党第1党はさすがに責任野党だから、横綱相撲だから、そういうことをしないと。結果的に埋没しているようにも見える面がある。年末最後なので伺いたいが、来年の通常国会で立憲としてこれはどうしてもやるんだというのは、たくさんあると思うが、今、野田さんの思いであるのがあれば。例えば西村さんが委員長をやる夫婦別姓とか、あるいはノーベル賞をもらってもあまり盛り上がらない核禁条約へのオブザーバー参加とか、こういうのはやはり野党第1党が横綱相撲で押し切るネタだと思うが、それ以外にも、来年の一丁目一番地の、野田代表のマストの政策があれば教えていただきたい。

【代表】
 どうしてもやはり3月までは、特に衆議院の場合は2月末くらいから3月初めにかけてはやはり予算委員会中心ですので、その予算への対応というのが、いいスタートを切れるかどうかというところだと思います。そうすると、巷間110兆円を超えるような予算になりそうだということでありますので、それをやはり野党として厳しくチェックをして、また基金のようなものが積み増されるのかどうかなどなど、しっかりチェックして、我々の案を示すと。今回のように政府案と立憲の案が同時並行で議論されるような、そういう中で我々の姿勢を明確にするということが第一歩だと思います。
 その上で、今ご指摘あったような選択的夫婦別姓であるとか、企業・団体献金の禁止の問題など、同時並行で進めなければいけないテーマが出てきますので、これについても我々らしさというものを出していきたいと思います。やはりリングの上で結果を出していきたいと思います。
 加えて、夏の参議院選挙があるので、暮らしに関わることで、もう一つ何か大きな柱を打ち出すことによって、自民党との違いというものを出していきたいと思います。
 外交では、今の核禁条約の対応なども、そのとおりだと思います。

【「FACTA」】
 その二つのことを申し上げたのは、これは与党が割れている。だから、逆に野党第1党が与党第2党を籠絡するぐらいの、それくらいのことをしてでもこれはやっていただきたいと思うくらいだが、その辺、要するに今、2党、3党から第1党は飛ばされているわけだが、やはり公明党というのもこういうハングパーラメントでは野党にとって対象になると思うが、その辺はどうお考えなのか伺いたい。

【代表】
 これは全くそのとおりで、野党をまとめると同時に、もう一つ、物事を前に進めるには、与党からも支持をもらえるようにすること。その連携も大事だと思いますし、元々考え方は、中道という意味ではよく根幹が似ているところがありますので、選択的夫婦別姓、核禁条約、これらを含めて、先ほど中国新聞さんからお話のあった歳費法の問題なども含めて、そういうことも視野に、連携できるものは連携するというやり方は、大きな方向性としては考えていきたいと思います。

○渡辺恒雄氏の逝去を受けて

【「FACTA」】
 もう一つ、野田さんは弔辞の名人ですから、ナベツネさんともいろいろ関係があったと思うが、何か一つ取っておきの話があったら教えていただきたい。

【代表】
 これはきのうも少しお話ししましたが、2012年8月に総理公邸で会食をさせていただきました。そのときは、初めて公邸に入ったと。歴代総理とは本当に親しくおつき合いをされていた大先輩でしたが、公邸で食事したのは初めてだということで、大変笑顔でずっと対応していただきました。
 ご相談したのは尖閣の国有化に関わることでありまして、もう国有化をすることを決めて、その後に国内でハレーションが起こらないようにしたかったのですね。要は、当時の石原都知事との競争だったではないですか。我々が勝てそうな状況の中で、ご相談をいたしまして、一番石原さんを何とか静かに収めることができるのは誰かと考えたときに、渡辺主筆でございまして、会食を始めて、要件は何だというので、3分で説明したら、わかったと言って受けてくれました。その後どうなったかのご報告はなかったのですが、見事に収まったんですよね。非常に約束をしっかり守ってくれる方だと思いました。
 そういう印象が強烈に残っています。

○党外交について(2)

【毎日新聞】
 先ほど党外交の話があったので関連で質問したい。衆院選で議席が増え、政権交代というところがある意味現実的になっていたところがあるが、これまでも議員外交というところは力を入れてきたとは思うが、政権交代というところが見えてきて、先ほども安全保障関係に無関心ではいられないという話もあったが、党外交に向けて、ここにはより力を入れるとか、そういう部分が代表としてあれば、少しそこを補足してお聞きしたい。

【代表】
 いや、特にというか、1月20日にはアメリカ・トランプ大統領が正式に就任するわけですので、日米関係についても、これは石破さんも早めに会うことになるでしょうけれども、日米はやはり大事な2国間関係ですので、この関係性とか、中国も逆にトランプさんを意識して日本に対して極めて接近をしてきている動きがあるので、逆にそれを奇貨として日中間の関係構築をより強固なものにしていこうという気勢ができるかどうかなどなど。あとは、やはり北の問題というのは極めて不透明な動きなので、韓国の政局がどうなるかを見定めながらも、東アジアの安全保障は極めてリスクが高まっていますね。そういうことなども意識しながら、中東では日本で独自の動きができるはずですので、そういう模索なども含めて、幅広く、特定の国というよりも幅広くやはり外交感覚を磨いていきたいと思います。

(以上)