西村智奈美幹事長は2月23日、党の女性候補者公募がスタートしたことを受け、辻元清美さん(参院比例第20総支部長)とオンラインで対談しました。

 冒頭、旧立憲民主党立ち上げ直後の2017年10月から2019年9月まで、約2年にわたり野党第1党女性初の国会対策委員長を務めた辻元さんが、女性初の幹事長となった西村幹事長を激励。5歳の男の子を子育て中の西村幹事長は、「女性は横のつながりや人間関係で物事を解決していくことができる。日々の国民生活の中での問題に共感する力とそれを調整して解決して行こうという力は優れていると思う」と話しました。一方、国会活動では突然夜中の会議や委員会質疑が入るなど、家庭的な責任を背負っている女性にはなかなか対応ができず、そうしたことが女性と政治との距離を作ってしまっている背景の1つではないかと指摘。「幹事長としてはそういったところも変えていきたい」「今回党として、一人でも多くの女性が政治に関わること、政治を変えて世の中を変えようという気持ちを持っている方々を後押ししたいと思って公募を始めた。女性候補者支援チームも作って政治活動や選挙後の個々の活動をサポートする体制をとっていきたい」と力を込めました。

家族のケアをしながら活動できる環境に

 女性候補者活動サポートの具体例として、子育て中の女性に対するキッズ・ベビーシッターサービスの費用負担を挙げた西村幹事長は、介護など家族のケアをしながら議員活動ができる、みんなが仕事をしやすい環境に変えていきたいと表明。今回、参院選挙への立候補を決めるにあたって西村幹事長の存在が背中を押したという辻元さん。「女性の幹事長になったことが政治の有り様や政策、党の体質を変えていくことにつながっていくのではないか」と期待を寄せました。

 女性議員の多い国では子育てや介護といった暮らしの基盤を支える制度がしっかりしているため、男性も女性も働きやすい、能力を発揮しやすい社会となり経済成長率や賃金が伸びていると辻元さん。「単に社会政策、人権の問題だけでなく、社会の閉塞感を打ち破る経済成長、ひいては国の財政赤字を減らすことにもつながると思う」と、その重要性をあらためて提起。世界の196カ国中118カ国がすでに導入しているクオータ制をはじめ、女性議員の比率を高めると政党助成金を多く配分(アフリカ)、政党助成金の3%を女性の能力強化に充てる(メキシコ)議会内に託児所をつくる(オーストリア)、あらゆる場面での平等をチェックする「女男平等高等評議会」を設置(フランス)など各国の取り組み事例を紹介し、「男女同数の候補者擁立にトライすると同時に、各国の制度を研究して具体的な政策として発表していこう」と呼びかけました。

女性の仲間を増やしダイバーシティの実現を

 辻元さんは、いわゆるリベラル勢力と言われる人たちが30年以上も前から気候変動問題に取り組んできたことを一例に挙げ、「その時はバッシングされたり、大きな力を持てなくても、そういう『変革していこう』という力が社会を動かしてきていると思う。立憲民主党はそういう、本当の意味での草の根の改革政党として頑張っていきたい」と表明。参院選挙に向けて、「ずっと『日本の分かれ道』と言っているけれど、多数の声、大きなものが小さな声を切り捨てていくような政治になっていくのか、それとも踏みとどまれるのか。女性の議員を本当に増やすことができるのか。ここが勝負だと思っているので、一緒に戦いたい」と決意を語りました。

 西村幹事長も、「ダイバーシティの面では、日本は残念ながら相当後れをとっている。それがいろいろな意味での技術革新や経済成長の足を引っ張っているのではないか。格差があることは成長の足を引っ張ると、OECD(経済協力開発機構)も言っている。ここに目を向けることは経済成長にも必ずつながっていくと私も確信している」と応じ、参院選挙を通して、一人でも多くの女性の仲間を増やし、ダイバーシティの実現につなげ、政治を変える、日本をいい方向に向けていくために一緒にがんばろうと締めくくりました。