参院本会議で3月9日、木戸口英司議員が登壇し、「令和4年度地方財政計画」、「地方税法等の一部を改正する法律案」及び「地方交付税法等の一部を改正する法律案」について(1) 統計不正(2)固定資産税(3)住宅ローン控除(4)トリガ一条項(5) 震災復興特別交付税――等について質問を行いました。
冒頭、木戸口議員はロシアの侵略を厳しく非難し、国連で採択された決議にあるように、ウクライナからの「即時完全無条件撤退」を訴えました。
(1)統計不正
地方税財政に係る政策立案はもとより、地方交付税の算定などにも用いられ、「合理的な意思決定を行うための基盤」として、国の根幹を支えている公的統計の不正を厳しく批判。
さらに、山際大志郎経済再生担当大臣が、建設統計不正によるGDPへの影響について、「現時点においては軽微」と繰り返し答弁していることについて、「現在、国土交通省において、統計の復元が行われていますが、復元を待つことなく『軽微』と言い切ってしまうことは、統計の軽視に他なりません」と批判しました。しかし、山際大臣はあいかわらず、「軽微である」との答弁を繰り返しました。
(2)固定資産税
土地に係る固定資産税の負担調整措置について、令和4年度に限り、商業地等に係る課税標準額の上昇幅を、本来評価額の5%のところ2.5%にとどめる「特別な措置」が購じられ、地方は2年連続で減収を余儀なくされると指摘。
新型コロナウイルス感染症により厳しい経営環境にある事業者等への支援については、予算措置等できめ細かな対応を行うべきと提案するとともに、「地方税、とりわけ市町村の基幹税である固定資産税を用いるべきではない」と批判しました。
(3)住宅ローン控除
住宅ローン控除については、「家を買うことのできる中・高所得者層の税負担を、 低所得者も含めたそれ以外の者が納めた税金で賄う仕組みである」と指摘し、住宅手当や住宅確保の支援、空き家の有効活用など、本当に困っている人への支援を強めていく方向での「住宅政策の転換」を提案しました。
(4)トリガ一条項
トリガー条項の凍結について、現在の原油価格の著しい高騰を踏まえれば、速やかな解除が求められると指摘。その上で、トリガー条項の凍結解除により地方公共団体は年間で約5000億円以上の減収が見込まれるため、立憲民主党が提出した法案を踏まえ、減収分を補填すべきと提案しました。
(5) 震災復興特別交付税
震災復興特別交付税が令和4年度地方財政計画では、昨年度からの繰越分も含め、約1069億円計上されているが、年々縮小する現状と指摘。「復興は道半ばで現場でのニーズもさらに多様化していることから、息の長い取組が必要」で、引き続き万全の財源措置が必要だと訴えました。
その上で今後も、震災復興特別交付税制度を堅持し、地方公共団体において必要な復興経費の確実な確保とともに、今後の復興に係る多様な財政需要に対応した柔軟な制度が求められると指摘しました。