泉健太代表は3月22日夜、米国のアメリカ進歩センター(The Center for American Progress: CAP)主催のオンライン講演会で、立憲民主党の安全保障政策について講演しました。
泉代表は、ロシアによるウクライナ侵略について「国連憲章違反であり、民間人の殺りくは国際人道法に反する」と断固抗議し、ウクライナ全土での軍事行動の停止とロシアの即時撤退を求めました。
ロシアの核兵器による威嚇を強く非難した上で、安倍元首相が「日本は同盟国との核共有を議論すべきだ」と主張し、それに相当数の国会議員が同調していることに対し、「ウクライナ危機に乗じて、『核共有』や『核保有』が日本で突発的に提起されることに強い危うさを感じる」と表明しました。日本は非核三原則を有し、世界の核不拡散、核兵器廃絶の先頭に立つ国で、「日本の核共有や核保有は、国際的な正当性を失い、同時に東アジアの軍事的緊張を高めることにもなるだろう」と話しました。また、日本にどのような核決定権や手続を付与するのか、周辺国にどのように受け止められるのか、かえって先制攻撃を誘引する可能性があるのではないか等の懸念を挙げ、「わが国にとって非常に危険な選択肢だと言える」と述べました。
また、軍事的に強力な国の横暴を制御できないと国際秩序は崩壊してしまうと主張し、ロシアの方針転換を促すために、国際社会と連帯して、効果的なあらゆる経済制裁を続けていくと表明しました。日本では台湾有事への示唆という視点で今回のウクライナの事態が見られていることを紹介し、「国際社会は大国の暴挙を許さなかった」という先例を作ることが極めて重要だと強調しました。
さらに、ウクライナ情勢をめぐる中国の役割の重要性に触れ、『ロシアへの武器供与を止めることとともに、中国からのプーチン大統領への停戦呼びかけが重要と考える』と述べました。
北朝鮮の頻繁なミサイル発射、ミサイル技術の開発について「深刻な平和と安定への脅威」と危機感を表するとともに、「拉致被害者全員の一日も早い帰国はわれわれの一致した思い。他国の市民を拉致することは明白な犯罪行為であり、人権侵害であり、主権侵害」と話し、北朝鮮の諸問題の解決に向けてアメリカとの連携を深めて行きたいと呼びかけました。
沖縄に在日米軍基地が集中していることから生じている様々な問題を取り上げ、安定した日米関係の維持・発展という観点からも、解決をしてかなければいけないと主張しました。普天間飛行場の辺野古移設工事を中止し、その上でアメリカの政府、軍、専門家など各分野の皆様と意見交換を行い、「日米関係や米国の安全保障戦略に悪影響を与えない」「辺野古新基地を建設しない」「普天間基地を廃止する」という3条件を満たす戦略を、アメリカの皆様と実現していきたいと表明しました。
泉代表は、アメリカでは市民が声を上げ、高校生でもデモを組織することを取り上げ、「市民社会の厚さがアメリカの力強さであり、また、CAP(キャップ)に集まるような専門家がその市民社会の声を具体的な政策へと変える手伝いをし、実際の政治が変わっていく」と社会全体で政策作りをする意義に触れました。そして、安全保障をはじめ、気候変動やパンデミック等、日米協力があってこそ解決が可能な問題がいくつもあると語り、「皆様と手をつないで、ぜひ一緒に取り組ませてください」と呼びかけ、講演を終えました。