立憲民主党は18日、「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案」(通称:介護・障害福祉従事者処遇改善法案)を衆院に提出しました。
政府は、介護・障害福祉職員を対象に月額9千円の処遇改善を行っています。しかし、介護・障害福祉職員の賃金は全産業の平均と比較して8万円程度低い水準にあり、政府の処遇改善では不十分です。また、政府の処遇改善の支給対象は、現行の処遇改善加算を取得している事業所に限定され、支給金額の算定には事務職員や調理員が含まれず、対象範囲も不十分です。
さらに、介護・障害福祉の現場は、新型コロナウイルス感染症の感染対策が難しい環境の中で、感染対策の継続、クラスターが発生して職員も感染する中での事業の継続など、非常に厳しい状況に置かれています。ただでさえ人手不足の現場で働く職員の負担は大きく、十分な処遇改善を緊急に行う必要があります。
そこで、立憲民主党は、政府の処遇改善に加えて、全ての介護・障害福祉事業所で働く全ての職員に対し、月額1万円の処遇改善を行う本法案を提出しました。
法案提出後のぶら下がり会見で、筆頭提出者の早稲田ゆき衆院議員は、政府が行っている介護・障害福祉従事者に対する処遇改善について金額が低い、対象が狭いと問題点を指摘した上で、立憲民主党の法案について月額1万円上乗せするとともに、事業所で働くすべての職員に分断することなく処遇を改善させるものであると説明しました。また、早稲田議員は、コロナ禍で介護施設、障害福祉施設で働く皆さまが「懸命に高齢者の方、障がい者の方の命と安全を守るために働いていらっしゃることを考えれば、ぜひこれを成立させたい」と意気込みを語りました。
地元の長崎で13の障害福祉事業所を経営する山田勝彦衆院議員は、政府の月額9千円の処遇改善について「13の事業所でどこの事業所も9千円には届かなかった。長崎の同業者の方に確認したが、9千円には到底届かない。現場で職員を手厚く配置する事業所ほど9千円から遠ざかっていく。6千円や5千円になっていくという制度」と問題点を説明しました。
厚生労働部会長の山井議員は、政府提出の児童福祉法等改正案に、障がい児支援の内容が含まれているため、政府提出の法案と立憲民主党の法案を並行して審議するよう、与党に求めていると述べました。
本法案の立憲民主党の提出者は、早稲田、山井、山田各衆院議員のほか、原口一博、牧義夫、小宮山泰子、柚木道義、金子恵美、中島克仁、森山浩行、坂本祐之輔、野間健、森田俊和、道下大樹、堤かなめ、吉田はるみ、荒井優各衆院議員です。
20220412介護・障害処遇改善法案(説明ペーパー).pdf