立憲民主党は12月8日、「刑法及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案」(通称:人身売買厳罰化法案)を衆院に提出しました。
本法案は、人身売買等の人身取引被害者数が近年増加傾向にあり、とりわけ多くの児童がわいせつ目的の人身取引の被害者となっている現状を踏まえ、刑法および児童買春・児童ポルノ禁止法の法定刑を一段階引き上げるものです。
筆頭提出者でネクスト国務大臣(こども政策担当)の酒井なつみ・衆院議員は、先月報じられた12歳のタイ人少女の事案に触れ、「1カ月間違法に働かされ、61人に性的サービスを強いられていたという、国民にも大きな衝撃を与えた事件の再発を防ぐため、厳罰化は喫緊の課題だ」と述べ、「昨年の政府発表では、人身売買などの被害者は66人で、そのうち児童が41人と児童被害が62%を占める現状を、こども政策担当として看過できない。法案成立に向けて全力を尽くす」と決意を語りました。
ネクスト法務大臣の黒岩宇洋・衆院議員は、「日本の人身売買に対する刑罰は海外と比べて極めて軽く、国際社会からも警鐘を鳴らされてきた」と指摘。そのうえで、「法定刑を一段階引き上げることで、一般予防効果を高め、犯罪を未然に防ぐことを狙った改正だ」と説明しました。
ネクスト国務大臣(ジェンダー担当)の塩村あやか・参院議員は、「厳罰化によって警察の取締りを促し、特に子どもと女性が人身売買の被害者となっている実態をきちんと摘発・処罰につなげていきたい」と述べました。また、「人身売買がトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)の重要な資金源となっている実態も見逃せない。最近摘発された性風俗店グループでは年間40億円もの売上があったと報じられている。厳罰化によってこうした犯罪ビジネスの資金源を断ち切ることが不可欠だ」と強調しました。
提出者は、酒井なつみ(筆頭提出者)、山井和則、寺田学(欠席)、黒岩宇洋、有田芳生、鎌田さゆり、岡本あき子、吉田はるみ、柴田勝之、藤原規眞各衆院議員で、打越さく良、塩村あやか各参院議員が同席しました。

【概要・要綱・法案・新旧】刑法及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案.pdf
