衆院本会議で4月26日、「福島復興再生特措法案」(福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案)についての趣旨説明・質疑が行われ、福島県から選出されている金子恵美衆院議員が質疑に立ちました。
金子議員は、福島県の状況について、「東日本大震災、令和元年東日本台風、昨年の福島県沖地震、そして先月の福島県沖地震に加え、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、復旧・復興への気力を失いかねない大変厳しい」と訴えました。その上で、政府が4月8日にとりまとめた支援策では、「被災地からは十分ではないとの声があります」と指摘。他方、二之湯智防災担当大臣は、「被災自治体からも一定の評価をいただいた」と福島県の実態を踏まえない認識を示しました。
また金子議員は、「帰還困難区域全域の避難指示解除や廃炉・汚染水対策については、まだ長い年月を要することが見込まれる」として、「中長期的な対応が必要であり、引き続き国が前面に立って取り組まなければなりません」と訴えました。
本法案で、福島の復興・再生を一層推進するため、新たに設立されることになる「福島国際研究教育機構」の研究分野について金子議員は、「既存の研究機関が研究している分野と重なっているように見え、新鮮味が感じられません」と疑問視。2020年6月の有識者会議の最終とりまとめでは、研究分野に「廃炉・廃炉技術応用」が記載されいたが、2020年12月、2021年11月の政府決定、本年3月の「福島国際研究教育機構基本構想」では、研究項目から「廃炉」の文字がなくなってしまったと批判しました。その上で、「東京電力福島第一原発の廃炉は、福島の復興の大前提」だとして、「廃炉こそが福島でやらなければならない研究分野ではないでしょうか」と西銘恒三郎復興大臣の姿勢をただしました。
さらに金子議員は、福島県で「世界最先端の研究を実施するためには、長期にわたって十分な研究資金の確保が不可欠」と述べ、福島県も十分な予算確保を求めており、復興庁と同様に、復興特別会計の設置期限でもある2031年3月末以降についても、「世界に冠たる創造的復興の中核拠点」にふわさしい規模の予算確保が必要だと求めました。
最後に金子議員は、「我々立憲民主党は、県外避難者を含めた被災者の方々が真に安定した生活を取り戻すことができるよう、最後の一人に至るまで支援を継続し、若者たちが未来に希望を持てる故郷の復興・再生を果たすまで、全力でお支えすることを誓います」と述べ、質疑を終えました。
また、質疑の冒頭に金子議員は、知床半島沖での観光船海難事故に触れ、「現在懸命な救助活動が行われておりますが、一人でも多くの人命が救助されることを願います。また、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、このような事故が二度と起こることがないよう、早急に原因究明を図り、再発防止の徹底を」と述べました。