カジノ問題対策検討WTは5月16日大阪府内で会議を開き、大阪におけるカジノ問題について、関係団体等より話を聞きました。

 日本初のカジノを含む統合型リゾート(IR)について、国は4月27日、大阪府及び大阪市が、大阪IR株式会社(日本のオリックスと米国・カジノ大手のMGMリゾーツ・インターナショナルが合弁で設立)と共同して作成し申請した「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」を受理。国は今後、計画の審査に入ります。

 冒頭、WT座長の櫻井周衆院議員は、「これから政府の手続きが進んでいくが、問題点をしっかりと指摘していきたい。今ならまだ間に合う」とあいさつ。同WT顧問で参院大阪選挙区特命担当の菅直人衆院議員(党最高顧問)は、「カジノ問題は、日本全体の問題であると同時に、すでに申請を出している大阪が焦点になる」と述べ、大阪で会議を開催する意義を強調しました。

 会議では、NPO法人AMネット・「夢洲の都市計画変更を考える市民懇談会」事務局長の武田かおりさんから大阪でのカジノ誘致をめぐる動きや、問題点についてヒアリング。国に申請した区域整備計画では、2019年の基本構想と比べてIR施設の総床面積や展示場の面積が大幅に削減されている一方で、年間の経済波及効果や、年間収入見込み額、年間来場数者数などは楽観的な数字が示されていると指摘しました。埋立地の土地改良については、大阪市の売却・賃貸の過去契約では、すべて「事業者負担」であるにもかかわらず、3月市会で「土地汚染・液状化・地中埋設物」対策の790億円の債務負担行為を可決、790億円を超えたとき、大阪市会は断れるのかどうかも分からないとして、「夢洲は『開発』するほど、お金がかかる。商業地ではなく『物流拠点』なら不要な費用」だと説明。今年2月22日に大阪府、大阪市と大阪IR株式会社と結んだ「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備等基本協定書」では、MGMオリックスは実質的にいつでも撤退可能であるなど不平等な協定になっているとも指摘しました。

 こうした状況の中、大阪市の市民団体は3月25日、IR誘致をめぐる住民投票の実現を求める署名活動を開始、5月25日まで住民投票実施に必要な数を上回る20万人分以上を目指して活動しているとも話しました。

osaka.jpg

 会議ではまた、横浜市がIR誘致撤回を表明したことについて、経緯や党神奈川県連の活動などについて中谷一馬衆院議員(神奈川7区)が報告、共有しました。

 菅最高顧問は、今後の手続きについて、「参院選挙前には終わらないとの見通し。大阪の選挙結果が最終的な認定のなかで大きな判断材料になる」との見方を示し、参院選の意義をあらためて強調。大阪維新の会が圧倒的多数を占める大阪府議会、大阪市会での取り組みが難しい中、参加した自治体議員らと連携して取り組んでいくことを確認しました。