参議院予算委員会で5月30日、令和4年度補正予算総括質疑が行われ、森ゆうこ参院議員が質問に立ち、(1)安倍政権の閣僚の不祥事5人の有罪判決(2)サル痘(3)「値上げの夏、異次元の物価高、岸田インフレ」(4)エネルギー安全保障(5)拉致問題――等について質問し、政府の姿勢をただしました。

(1)安倍政権の閣僚の不祥事5人の有罪判決
 5月26日に、大臣室などで賄賂を受け取った罪に問われた吉川貴盛・元農水大臣に東京地裁で有罪判決が言い渡されたことを踏まえ森議員は、「安倍長期政権による権力の私物化」を批判。岸田総理は、「国民の不信を招くことがないよう、襟を正して職務に努めていきたいと思ってます」と述べました。

(2)サル痘
 「サル痘」についてWHOから菩鐘が鳴らされていることを踏まえ森議員は、コロナ対策では「政府の初動が遅れた」として、水際対策の強化や対策本部の設置など「政府の対応が後手後手にならぬよう」注意を促しました。

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(3)「値上げの夏、異次元の物価高、岸田インフレ」
 立憲民主党は「当初予算の審議の時に、すでに状況を見越して、予算の組み替えを要求してきた」と森議員は指摘したうえで、政府・日銀の経済政策について「値上げの夏、異次元の物価高、岸田インフレ」にならぬよう、「楽観的な見通し」を転換すべきと迫りました。

(4)エネルギー安全保障
 「口シアによる原発攻撃を受けて、原発への武力攻撃が発生した場合のシミュレーションや避難計画の策定は行ったか」と森議員が質問したところ、更田豊志・原子力規制委員会委員長は「施設の設計や運用によって対処するということは事実上不可能」と答弁。森議員は新潟県の研究者が、柏崎刈羽原発にミサイルが着弾した場合のシミュレーションをしていることも踏まえ、避難計画もなく「原発再稼働ありき」に突き進む岸田政権を批判しました。
 その上で、ドイツ政府が発表したエネルギー載略「イースターパッケージ」を紹介し、エネルギーの安全保障の観点も踏まえ、「再エネこそ成長戦略」になると訴えました。

(5)拉致問題
 拉致問題の解決のために森議員は、せめて家族会にだけでも「具体的な行程表」を提示すべきと要求しましたが、岸田総理は「現状において、具体的なことを申し上げることは控えたい」と述べるにとどめました。

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