【談話】2022(令和4)年度補正予算の成立にあたって
立憲民主党 政務調査会長 小川淳也
本日31日、2022(令和4)年度補正予算が成立しました。
今回の政府の補正予算は、一言で言えば「遅い、小さい、中身がない」ということに尽きます。立憲民主党は、4月8日の時点で、21兆円規模の経済対策を取りまとめて、補正予算の編成を求め続けてきました。一方で、政府が補正予算を編成して国会に提出したのは先週のことで、しかも中身は、既に支出した当初予算の予備費の埋め戻しに充てる分を除けば、わずか1.2兆円の原油価格高騰対策のみです。これでは物価高騰とコロナ禍で苦しむ国民生活を支えることはできません。
また、当初予算に計上した予備費について、予算成立後わずか1か月、しかも「予備費の使用は、国会開会中は、これを行わない」とする閣議決定を反故にして、国会開会中に支出し、それを補正予算で埋め戻すという異例の対応は、財政民主主義を軽視し、国権の最高機関である国会を愚弄するもので、極めて遺憾です。憲法第87条は、予備費について「予見し難い予算の不足に充てるため」に設けるものと定めています。裏を返せば、今回の異例の対応は、政府の予見能力の低さを自ら証明しているということに他なりません。
加えて、今回の補正により予算総則が改正され、これまでコロナ対策に使途が限定されていた「新型コロナウイルス感染症対策予備費」については「新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費」に改められることになりましたが、これではほとんど使途の制限なく支出することが可能となってしまい、財政民主主義がますます形骸化しかねません。
今回の補正予算は、参院選を前にして、予算委員会を開きたくなかった自民党と、選挙目当てで大規模な補正予算を編成したかった公明党との妥協の産物に過ぎず、そこに物価高騰とコロナ禍に苦しむ国民の暮らしを守るという視点は存在しなかったのだと断ぜざるを得ません。このような国民不在の補正予算には到底賛成できるものではありません。
立憲民主党は、引き続き、物価高騰とコロナ禍から国民の暮らしを守り抜くため、「生活安全保障」の理念の下、「物価高と戦う」ための政策を訴えてまいります。