党旧統一教会被害対策本部(本部長:西村智奈美衆院議員)は8月10日、内閣部会、文部科学部会、消費者部会と合同で第5回会合を国会内で開催。文化庁が平成27年(2015年)、旧統一教会から現在の「世界平和統一家庭連合」への名称変更を認めた経緯等、これまでの会議で出た質問への回答について警察庁、消費者庁、文科省から説明を聞きましたが、「確認中」を連発するなど不十分な内容でした。

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 冒頭、厚生労働部会の山井和則部会長は、「旧統一教会の問題では多くの被害者がいる。一過性の問題では済まされず、真相究明はもちろん、被害者の方々の救済、支援をどうしていくのか、また霊感商法など再発防止につなげていきたい」とあいさつしました。

 警察庁、消費者庁からはそれぞれ、「旧統一教会および関連団体に関する特定商取引法違反事件、詐欺等刑事事件の相談・検挙件数の資料を平成18年(2006年)にさかのぼって提出してほしい」「過去5年だけではなく、平成22年(2010年)以降など過去にさかのぼって被害事態を明らかにしてほしい」「旧統一教会および関係団体に関する相談があったときにどのような手続きで対応しているか。マニュアルはあるか」といった質問に対し、「警察では受理した相談について団体等による区分は行っていないため、件数を答えるのは困難」「(20日の会合で提出した資料)『旧統一教会関連の検挙事例について』は、警察庁が契約している新聞・雑誌記事の検索ベースを用いて検挙事例を検索し、その結果表示された報道記事の内容を確認し、各事件を担当した都府県から聴き取りを行い、事実関係を確認することにより作成したもの。上記資料に記載の事例以外の事例について、平成18年までさかのぼって網羅的に捜査するのは困難であるが、他に方法があるか否かについては、引き続き検討中」(警察庁)「霊感商法に関するマニュアルはないが、過去の事例集で対応している」などと説明。質疑応答では、岸田総理が6日に「悪質商法などの不法行為への対応、被害者の救済に万全を尽くす」と発言しながら、警察庁、消費者庁いずれに対しても具体的な指示を出していないことが明らかになりました。

 旧統一教会の名称変更の経緯をめぐっては、旧統一教会から平成9年(1997年)に相談があった際に申請をさせなかった理由や、平成27年の申請前後の下村文科大臣(当時)とのやりとりに関する資料、決裁後に旧統一教会に渡した認証書の写し等、さまざまな資料の提出や確認を求めていましたが、文科省は「(大臣との応答記録、経緯)確認中」「(確認書の写し)保存していない」「(申請を認めるにあたって)運用が変ったとの認識はない」など不十分な回答に終始。なぜ確認にそれほど時間がかかるのかを問題視する声も上がり、急ぎ回答するようあらためて要請しました。