岡田克也幹事長記者会見

2022年11月29日(火)15時34分~15時49分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/u4fuhmT5NhI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○防衛力整備に関する議論について

【幹事長】
 きょうの朝刊を見ますと、いろいろとニュースが載っておりますので、そのことについて少しコメントしたいと思います。
 まず、防衛費について。2%という数字を言われて、年末までに財源と規模を同時決着というふうに(首相が)指示されたと報じられております。
 総理は今まで2%という数字は、総選挙の期間を通じても、その後も、発言していなかったと思います。むしろ規模ありきではなくやはり中身という趣旨で言われていたと思いますが、突然数字ありきになったというのは非常に唐突感があるということです。
 あわせて財源についてまで同時決着ということですが、これは何を意味するのか。財源と言うには基本的には税あるいは歳出削減ということになると思うのですが、その年末までに同時決着という意味は、どの税をどれだけ上げるのか、あるいは、どこをどのように削るのかということまで含めた、きちっとしたものが出てくるのかどうか。それだけの時間があるのかということも明確ではありません。
 そういう意味で、きのうの発言は発言として、しっかりとしたものが果たして出てくるのか、疑問が募るところであります。
 やはり基本は、防衛費、今の安全保障環境に鑑みて増やさざるを得ないというふうに判断するのであれば、何をどのぐらい増やさざるを得ないのかということを明確にして、そして、そのための財源をしっかり示す。そのことをお願いしておきたいと思います。できればこの国会開会中に明らかにしてもらって、そして、国会でもしっかり議論できるようにしてもらいたいと思っております。

○「廃炉原発の建て替えを推進」政府方針について

【幹事長】
 原発について、廃炉原発の建て替えということを言われました。今までは言っていないことで、これは総理の発言ではなく経産省の方針ということでありますが、技術開発とかそういうことは言っていたと思いますが、廃炉原発について建て替えを行うということであります。
 ということは、新しいものを造ると。建て替えということは要するに新しいものを造るということですので、そうすると、最終処分場の問題についてどういう方向性を持ってめどをつけるのか。それがないままに新しい原発をどんどん造っていくということになると、それは少なくとも私たちが考えている、立憲民主党が考えている考え方とは違うということは明確に申し上げておきたいと思います。
 あわせて、原発のリスクの問題。我々は福島第一原発(事故)でそのことを身をもって経験したわけですが、実際に核エネルギーというものが止まらない、人間の力によっては止めることができないということも経験したわけで、幾ら新しい原発だといっても、そこのリスク、安全性というものについて、きちんと納得いくような答えが出せるのかどうか。
 採算性の問題もあります。自然エネルギー、再生可能エネルギーのコストが次第に安くなってくる中で、原発のリスクが高まってきて、原発の採算性というのは必ずしも優位なものではなくなってきています。
 そういうことについて、あの大震災を踏まえて一緒につくった全体のルール、これを変えるということであれば、これはしっかりとした議論が必要だと思っております。

○東京五輪・パラ談合事件について

【幹事長】
 3番目に、東京オリンピックについての疑惑が報じられております。
 今回は特定の人間の話ではなく、組織委員会全体が談合をしていたという話でありまして、そういう意味ではより問題が深刻だと思います。国民の税金で成り立っている、かなりの部分が成り立っているオリンピックで、談合をして自らの利益を貪っていたという企業が、たくさんその疑いをかけられているわけであります。
 これから捜査当局の捜査が進むと思いますが、なぜそういうことが起こったのか。組織委員会というものがどう機能したのか。トップである森さんや、あるいは橋本さんは、どう責任を取られるのかということも、あわせて問われなければならないと思います。
 東京都はもちろん、会計検査院も含めて、しっかり事実の解明に努めてもらいたいと思っております。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について

【幹事長】
 あとは、ご質問が出ると思いますが、旧統一教会の関係の協議というのは、与野党で今やっております。先般6幹事長が消費者庁から説明を聞いたところであります。その後も協議は非公式にやっておりますが、なかなか、まだ先が見えないという状況ではないかと思います。
 きょうの総理の答弁もありました。山井さんの(質疑の)ほうで、最初に一定の行為があって、いわばマインドコントロールのような状況になって、そして、自ら進んで献金をしたような、寄附をしたような、そういう場合について全体が取消しの対象になり得るのかということについて、総理の答弁は取消し可能な場合があるという答弁で、必ずしもクリアには言われていないのですね。
 もし全体が取消し対象だということであれば、では、今示されている政府案の条文のどこで読むのかということも示されなければならないと思います。今の政府案条文を読む限りはそういうふうには読めないわけで、だからこそ私たちはその部分について修正を求めているわけであります。
 あしたも参議院の審議があります。あしたは弁護士さんも参考人として出られるというふうに聞いていますが、しっかりとしたクリアな答弁、そして、その根拠になる条文が示されるということが必要だと思います。弁護士の皆さんは(政府案では)つくったけれどもほとんど意味はないということを言われているわけで、そういう法案であればつくる意味がありませんので、しっかり、残された時間、政府と協議していきたいと思っております。

○第63回常任幹事会を開催

【幹事長】
 常任幹事会の報告は、あまりありませんでした。資料もお渡ししていると思いますが、当面の会議予定ぐらいですかね。


■質疑

○議連での連合会長の講義について

【共同通信・恩田記者】
 冒頭発言とはちょっと話が変わってしまうが、先ほど連合の芳野会長が自民党の議連で、リスキリングについて、出席して講義をされた。この受け止めをまずお願いしたい。

【幹事長】
 何かコメントする必要はないと思います。議連で呼ばれてお話しになるということ、それは連合の、あるいは芳野さんのご判断だと思います。

【共同通信・恩田記者】
 今回異例の出席ということで、幹事長は地方行脚では連合を中心に国民民主党と現地でまとまっていきたいというお話をたまにされるが、こういったことへの影響はどうお考えか。

【幹事長】
 それが影響があるというふうには思いません。連合のスタンスははっきりしていると思います。

【共同通信・恩田記者】
 今回、連合の芳野会長のご意思で話をされたと思うが、立民として今回、影響、国民とのいわゆる協力だけではなく立民としてはどうお考えか。

【幹事長】
 いや、ですから、それは連合のご判断ですから、何かそれについて私がコメントする必要はないと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(1)

【産経新聞・大橋記者】
 幹事長は救済法案の概要の段階で、たしか40点というご認識を示されたかと思うが、条文が出て、今、何点か。

【幹事長】
 あまり変わっていないと思います。多少、義務、配慮義務というところが入ったところは新しいと思いますが、まだ50点の合格点には行っていないと思います。

【産経新聞・大橋記者】
 50点が合格点と。

【幹事長】
 普通そうではないですか。

【産経新聞・大橋記者】
 今、現状、被害者弁護団は、ほとんど役に立たないという評価をされているということで、こういう現状だとなかなか、立憲民主党とすると、この出てきた法案に対して賛成するのは難しいというご認識か。

【幹事長】
 賛否は総合的に考えますが、私の気持ちの中では合格点に達していないというふうに思っています。

【朝日新聞・高木記者】
 昨日お昼過ぎに赤坂で茂木幹事長・藤田幹事長とご面会されたと思うが、どういった話があったか、可能な範囲で教えていただきたい。

【幹事長】
 非公式に会ったので。ただ、何かNHKさんの7時のニュースでばっちり出ていましたので、ちょっと戸惑っております。
 中身を言わない約束になっておりますので、法案の中身について議論したということだけ申し上げておきたいと思います。

○秋葉復興大臣問題について

【NHK・岩田記者】
 秋葉復興大臣の国会での答弁に関して伺いたい。去年の衆議院選挙で車上運動員を務めた秘書に報酬を払ったとする、ご自身の説明と矛盾する報道も出ている中で、今回の国会での答弁がまだ説明が十分足りていないという声もあるが、幹事長としては秋葉復興大臣に対してどのような説明を求めていくお考えか。

【幹事長】
 国会で、今、予算委員会が開かれておりますので、あしたからは参議院ですが、そういう場でただしていくことになると思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(2)

【共同通信・恩田記者】
 先ほど朝日さんの質問にもあったが、非公式協議をしたがまだ先が見えないということで冒頭お話があったが、泉代表のほうは少し前向きなコメントを先ほど常任幹事会の挨拶でされていたかと思う。その辺、今後、限られた時間の中でどう落としどころを見つけていくのかという部分は幹事長はどうお考えか。

【幹事長】
 何について。

【共同通信・恩田記者】
 救済法案です。

【幹事長】
 協議を重ねていくしかないですよね。我々の考え方は明確に伝えてありますので、それに対して、これは与党というより政府だと思います、どう考えるのかということですね。
 あとは、委員会の場で総理の答弁もだいぶなされていますので、そういうものもしっかり精査しながら、議論はしっかり詰めていきたいと思います。
 ただ、そういう解釈だけで解決できない問題があるというふうに現時点では私は思っておりますので、やはり今の法文のままだとかなり抜け落ちてしまうのではないかというふうに思っています。

【共同通信・恩田記者】
 救済法案の附帯決議に立民の要望を盛り込む形というのは、幹事長としては納得できるような形か。

【幹事長】
 これは救済の裁判において直接使われる法文ですので、それは附帯決議とかそういう問題は、もちろんないよりあったほうがいいのですが、法文がどういうふうに裁判所によって判断されるかという問題です。もちろん総理が答弁されればそれは一つの判断の要素にはなると思いますが、あくまでも法律に基づいて裁判所は判断しますので、法律でどう書くかということが非常に重要だと思います。