長妻昭政務調査会長は3月23日、国会内で定例記者会見を開き、(1)放送法の解釈に関する高市大臣の発言(2)袴田事件の再審開始確定(3)LGBT法案――等について発言しました。

 長妻政調会長は冒頭、日本維新の会と協議を重ねている小中学校の給食費無償化法案について、他の野党にも呼びかけて来週にも国会に提出する考えを示しました。

 放送法の「政治的公平」に関する行政文書をめぐる高市大臣の問題については、「本丸は、1つの番組をターゲットに、放送法を盾に強権的に圧力を加えることができかねない解釈が政治のおかしなプロセスでできあがってきたことを撤回させ、元の解釈に戻すこと」とした上で、(高市大臣には)「その根拠となる行政文書を『ねつ造』だと発言していることを撤回してもらわないといけない」と主張。総務省は22日、高市大臣に対し放送関係のレクがあった可能性が高いとの調査結果を公表したことから、「ねつ造でないと示されているにもかかわらず、いまだに撤回、謝罪していないのは大きな問題。政府与党もけじめをつけてもらわないと政治のタガが緩みっぱなしになってしまうと懸念している。きちんと対応してもらいたい。(高市大臣には)責任を取って辞任していただきたい」と述べました。

 1966年、旧清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件で死刑判決を受けていた袴田巖さんの再審、裁判のやり直しが確定したことには、「長きにわたり、いつ死刑が来るのかと怯えながら過ごした歳月について、国は痛烈な反省をしてもらわないといけない」と指摘。東京高裁は、検察側が証拠としていた衣類について、捜査機関の者によるねつ造の可能性を指摘していることから、「そうであれば大変な問題。司法制度の崩壊につながる、民主主義を根幹から揺るがす問題であり、再審とは別に国に調査を強く求めていきたい」と表明。現在の日本の法制度に不備がある、証拠の全面開示の制度化や、再審手続き規定の整備の必要性に言及、「制度を整備しなければいけない。今後進め方を検討していく」と力を込めました。

 LGBT理解増進法案をめぐる議論を自民党が先送りしたことを受け、経団連の十倉会長が20日、欧米と比べての遅れを「恥ずかしい」と発言したことに触れ、「立憲民主党は昨年6月にLGBT差別解消法案を国会に提出している。その前の理解増進法ですら、総理の指示があったにもかかわらず自民党はやらない。統一地方自治体選挙で大きな争点の1つとして訴えていきたい」と述べました。関連して、記者から選挙の争点を問われると、「最大の日本や社会の問題は、自ら変革する力が失われてしまったことに尽きる。これを取り戻していくことが大きな論点であり、そのためにどのような環境にあっても一人ひとりの持ち味が発揮できる社会、自分が希望する生き方を選択できる社会を大きな柱として政策を組み立てている」「旧統一教会との関係についても、自民党は決別する覚悟があるのか疑問。こうしたこと、放送法などをめぐる自民党との体質の違いも強く訴えていきたい」と述べました。