参院決算委員会で6月12日午後、令和3年度の決算外2件に関する締めくくり総括質疑が行われました。「立憲民主・社民」を代表して質疑に立った小沼議員は、(1)自公連立政権10年間の目標達成状況(2)国会開会中の予備費使用(3)マイナンバーカードをめぐる諸課題――等について取り上げ、岸田総理ら政府の見解をただしました。

 小沼議員は、政権交代時10年間で1人あたり名目国民所得150万円増を掲げながら、実際にはいくら増えたのかと岸田総理に質問。「75万4千円」との答弁を受け、「2020年にはGDP600兆円、名目成長率3%という目標も達成できず、今や1人あたりのGDPはG7で最下位、購買力のGDPで見ても韓国に追い越されてしまった。(2015年に政府が掲げた政策目標)希望出生率1.8引上げも達成できず、かつてワクチン供給国だった科学技術力無残なものになってしまった。その総括をしなければいけない」と求めました。

 ワクチン確保事業をめぐっては、通常基金管理団体に基金を積み上げて必要に応じて資金を付与するべきところ、2022年3月29日まで過去17回にわたって毎回厚労省から交付金を受領した日に、それと同額の助成金をワクチン販売事業者に公布していたことに言及。その上で、3月30日、31日に一括交付した9920億円のなかには、3月29日に使った予備費のワクチン確保事業も含まれているのではないかと問題視し、「それによりワクチン確保の購入事業に加えて別途費用負担、信託手数料が発生しているのではないか」と迫りました。鈴木財務大臣は「ご指摘のあった通り。受け取った基金はどこかに預けないといけないが、当時日銀のマイナス金利の影響で引き受けてくれる金融機関が存在せず、やむなく信託した。結果信託報酬を支払うこととなったと理解している」と認めました。

 加藤厚生労働大臣は、令和4年度(2022年度)において18億9千万円の支払いが発生していると答弁。小沼議員は、年度内にやらざるを得ず信託手数料という別途の負担が発生したことには、「例えば繰越明許費にして令和4年度に繰り越していいようにする、数日待って新年度に入ってから令和4年度の当初予算で執行すれば余分な費用負担は防げたのではないか。安易に予備費に頼るのではなく、国会での予算審議でこういったことをやっていく、政府における予算編成でこんな改善を考えていくと答弁してもらえないか」と提起しました。

 これに対し鈴木財務大臣は「ご指摘のオプションがあるということであれば、今後しっかりとその時の状況を踏まえて対応したい」と述べました。

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