柴田かつゆき東京16区総支部長に、弁護士から政治家を目指すことになったきっかけ、実現したい社会像について話を聞きました。

柴田かつゆきホームページ https:// k-shibata.jp

 困っている人を助けたいと思い弁護士に

 困った人を助けたい、特に刑事事件で無実の人を助けたいと思い、26歳で弁護士になりました。実際の刑事事件では自ら罪を認めている人が大部分でしたが、そういう人からどうして罪を犯したのかを詳しく聴く中で、日本社会の問題点を認識するようになりました。罪を犯す人は「悪い人」といわれたりするが、私から見ると、それよりも心が弱い人か心を病んだ人です。社会の問題点やゆがみが、心の弱い人や病んだ人のところに表れてしまう。それが犯罪という現象だと考えています。

 国の社会保障と罪を犯した人への社会復帰支援が十分であれば、私が弁護した人の半分以上は罪を犯さずに済んだのではないかと、今でも思っています。その悔しい思いが政治を志す原動力になりました。

 日本の人権意識の低さを痛感

 日本では刑事手続の対象となっている人の人権が、驚くほど軽視されています。「ある国の人権意識のレベルを知るには、その国で最も人権を制約されている人を見ればよい」という言葉があります。私は20年前の名古屋刑務所事件を担当しましたが、最近も同じ名古屋刑務所で受刑者に対する暴行事件がありました。入管施設でのスリランカ女性死亡事件を見ても、日本は人権意識がまだまだ低いことが分かります。

 大切にする視点

 故アントニオ猪木さんの「元気があれば何でもできる」に同感です。私が目指すのは、すべての人が明るい気持ちで生きていける社会です。そして自分の経験から、人の元気が最も失われるのは「存在価値がない」と自分自身で思ってしまうこと、つまり『誇り』を失うことだと考えています。人の誇りを大切にした政策を展開したいです。

 もう1つは、基礎的なことを大切にすることです。特にこの10年ぐらいの間の日本は、表面的・短期的に成果が出そうな政策ばかりを追い求めて、民主主義を採用した近代国家としての基礎的なことをおろそかにしているように感じます。すぐに目に見える効果は出なくても民主主義国家の基礎となる政策にはしっかり取り組んでいきたいです。

 取り組みたい具体的テーマ

 「社会保障」と「公正な民主主義社会の実現」に取り組みたいです。

 資本主義は弱肉強食で強い者がより強くなる収奪の仕組みがあります。弱い人に対しても社会保障という助け船があるからこそ人間らしい社会が成り立つと考えます。すべての人が誇りをもって元気に生きていける社会保障制度の構築をめざします。それによって犯罪も減り誰にとってもより生きやすい社会になるはずです。

 公正さも社会を発展させるための基礎です。人間は誰でも間違えることを前提に、間違った時にはそれをきちんと正していくことが民主主義では大切です。また「100人いれば100の正解がある」ことを認めるのが真の民主主義だと考えています。多様な価値観がありうることを認めて、多数派の考えだけで政策を決めるのではなく少数派の声も反映していくことが大切です。