岡田克也幹事長は10月10日、国会内で会見を開き(1)補欠選挙(2)トマホークブロックⅣの購入(3)埼玉県の虐待禁止条例案――等について発言しました。

(1)長崎4区の補欠選挙が告示されたことについて、岡田幹事長は週末に長崎入りしたことに触れ、「歯車がうまくかみ合って回りだしたという感じがした。高知・徳島も厳しい選挙だが、全力をあげて臨みたい」と意気込みを語りました。

(2)先週、訪米した木原防衛大臣が国防長官と会談し、1年前倒しでトマホークブロックⅤの一世代前のブロックⅣを半数の200発を購入することになったことについて、岡田幹事長は「首をかしげる。一年急がなくえればならない理由、古いブロックⅣを購入する理由がきちんと説明されていない」と述べました。

(3)埼玉県の虐待禁止条例案が撤回されたことについて、岡田幹事長は「根強い考え方が反映されていたと言える。撤回されてよかった」と述べました。



岡田克也幹事長記者会見

2023年10月10日(火)15時35分~15時51分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/0sPOUIklksQ


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第86回常任幹事会を開催

【幹事長】
 私からは、まず、常任幹事会の報告です。
 きょうは代表がおられませんので、私のほうでお話をいたしました。
 ご報告することは、選対委員長のほうから、補選の状況について、きょう(告示)の長崎(4区)、そして高知・徳島について、ご説明がありました。
 その上で、決定事項として、新たに候補者4名が衆議院選挙に向けて公認内定となりました。お手元に資料が行っていると思います。静岡1区・高橋美穂さん、静岡7区・日吉雄太さん、広島3区・東克哉さん、山口1区・坂本史子さんの4名であります。いずれも了承されたところであります。

○国政補選について

【幹事長】
 私からは常幹以外のことで2点申し上げたいと思います。
 一つは、長崎4区の補選がきょうからスタートいたしました。代表はそのためにきょうは常任幹事会欠席ということになったわけであります。私も先般長崎に行ってまいりました。金曜日・土曜日、特に土曜日は候補者と一緒に街宣車に乗りまして、平戸の、平戸(市)は細長いのですが、5か所で街頭演説をしながら、一緒に、ほぼ一日近く回ったところであります。平戸が一番厳しいところだというお話でございました。歯車もうまくかみ合って、しっかりと回り出したなという感じがいたします。投票日まであまり時間もないので、全力を挙げて臨みたいと考えております。
 高知・徳島のほうも、厳しい選挙ですが、いずれにしても両方現職は自民党ですから厳しい選挙が予想されますが、しっかり結果を出していきたいと考えております。
 これが一点。

○日米防衛相会談 トマホーク調達の1年前倒しについて

【幹事長】
 もう一点は、先週訪米した防衛大臣が、国防長官と会談して、トマホークミサイルの取得を1年前倒しする、2025年度からということで一致したという発表がありました。これまでは2026年から「ブロック5」を400発購入する予定であった。そのうちの半分、200発を1世代前の「ブロック4」の旧型で購入するという発表がありました。
 事態は急がれるので1年前倒しが必要だという説明ですが、私はかなり首をかしげております。1年急がなければならない理由が十分に説明されていないと思います。
 そして、この「ブロック5」が「ブロック4」になるわけですが、「ブロック4」もいろいろあるのかもしれませんが、最初に出てきたのは2006年。かなり前のものであります。こういう技術は日進月歩ですから、当然4と5の間では能力の違いは相当大きいと思われるわけで、1年前倒しする必要があったとはいえ、かなり昔のものですよね。2006年というと、20年とは言いませんが、17年くらい前のものを入れる理由がきちんと説明されていないと思います。
 なお、「ブロック5」についても、もう既に2021年から開発が済んで(米軍に配備されて)おりますので、「ブロック5」の「a」とか「b」というものは2023年ということでありますが、2021年のものがなぜ入れられないのか。どうして2006年まで戻ってしまうのかというところも十分な説明を聞きたいものだと思っております。
 税金を使って導入するということであれば、やはり効果のあるものを入れるというのが一つの考え方で、1年急ぐ必要性、それから、それだけ年月のたったものを入れることの意味というものはしっかり説明してもらいたいものだと思っております。

○埼玉自民「児童虐待禁止条例改正案」撤回について

【幹事長】
 あとは、埼玉県の虐待禁止条例改正案、これは撤回されたということですので、よかったなと思います。しかし、なぜこんなものが自民党から出てきたのかというのは非常に首をかしげるところであります。県議会の話とはいえ、もう少し常識に沿った議論が自民党の中でもなされることを期待したいと考えております。


■質疑

○埼玉自民「児童虐待禁止条例改正案」について

【東京新聞・大野記者】
 冒頭で言及いただいた埼玉県議会の条例改正案について伺いたい。野党の議員の中には、これは埼玉の地域的な問題ではなく、自民党の体質だとか子育ての考え方がまさに端的に表れている条例ではないかとの見立てもある。御党も子育てしやすい社会づくりを重要な政策に掲げていらっしゃる中で、対自民党として見たときに、この条例に対して抱かれた違和感などを伺いたい。

【幹事長】
 もちろん、もう既に撤回されましたので、それをとやかく言うのはいかがかなというふうには思います。ただ、そういうところに自民党の根強い考え方というものが反映されたものというふうには言えるかもしれません。

【東京新聞】
 御党としては、こういう、親が子どもから目を離したときに、例えば罰則はないにしても、そういったものを条例で禁止するであるとか、市民に通報を頼むであるとか、こういったような法制度・条例などは御党の立場から見てどのように思われるか。

【幹事長】
 具体的な中身をしっかりと見ないと一般論としては言えないと思いますが、今回のことは非常に論外だと思っています。

○国政補選について(1)

【読売新聞】
 冒頭発言があった補欠選挙について、重ねての質問だが、今回、長崎の補欠選挙は、まだ告示を締め切っていないが、与野党一騎打ちの対決の構図になる見通しだ。この点で、春の補欠選挙はなかなかその構図もつくれなかった面もあるが、今回この構図で戦う意義、選挙戦の位置づけをお聞きしたい。

【幹事長】
 もちろん春も大分は一騎打ちという形だったと思います。千葉5区は非常に残念なことでした。いまだに、なぜこうなったのか、我々は話合いをする用意があったわけですが、いち早く、特に国民民主党が候補者を擁立されたことは大変いぶかしく思っております。
 今回そういうことがなかったことは非常に幸いだったと思っています。地元としては国民民主党もしっかりと応援していただいていることを感謝したいと思います。

【読売新聞】
 衆議院の解散・総選挙もいつあるかわからないと言われる中で、その前哨戦とも言えるのではないかと思うが、この点についてはいかがか。

【幹事長】
 解散・総選挙が近いというふうにも言われていますし、私もその可能性は高いと思っています。そういう意味でも、この補選は非常に重要だと考えています。

【毎日新聞】
 今の件に関連して。今回の補選が非常に重要であるということは、この結果は今後の党勢にどのように影響するとお考えか。

【幹事長】
 結果が出てから。今の段階でなかなかお答えするのは難しいと思います。

【毎日新聞】
 結果次第では執行部の責任につながることもあり得るとお考えか。

【幹事長】
 そういう質問をよく記者の方は言われるのですが、私、それにお答えする必要ありますか、そういうことに。

【毎日新聞】
 現執行部になってから、今回の長崎の選挙でもし議席を獲得できないということになれば、公認候補が4戦全敗ということになるが、この結果は執行部に対しては責任は伴わないということか。

【幹事長】
 伴わないとは一言も言っていません。今までも責任があるということは言っています。

【毎日新聞】
 今回の結果に関しても執行部には責任があるということでよろしいか。

【幹事長】
 当然です。

【毎日新聞】
 もし議席の獲得につながらなかった場合には、どのような対応をされるお考えか。

【幹事長】
 そういう仮定の議論にはお答えしません。

【日本経済新聞】
 補欠選挙の関連で伺いたい。政府・与党は、投開票日2日前の20日に臨時国会を召集し、総理の所信表明演説も当日実施したい意向だ。代表質問などは投開票の後にして、所信表明だけ投開票日の前にしてアピールしたいとの思惑がにじむが、この点についての幹事長のご見解を伺いたい。

【幹事長】
 どうかと思いますね、本当に。せめて代表質問まで終えてからならわかりますが、所信表明で、その中でいろいろな経済対策などをお話しになるのでしょうが、それだけ見せておいて議論・反論も許さずに投票日というのは、私はフェアではないと思います。
 岸田総理も、こういうことを続けていると、「こういうことを続けている」という意味は前回の総選挙のときも予算委員会を開かずに代表質問だけで解散したわけですね、これが岸田スタイルだということになってしまいます。それが総理の基本的なスタイルというか考え方、それがそういうものだというふうに見られては総理としても決してよくないと思います。もっと正々堂々と戦うべきだと思います。

○経済対策について

【NHK】
 御党の経済政策について伺いたい。減税も否定しないお考えも示されていたが、減税や給付など、どのように今後、経済政策全体を含めて議論していきたいとか、ビジョンがもしあれば教えていただきたい。

【幹事長】
 党内で今、議論中です。

○維新・鈴木議員の訪露について

【NHK】
 もう一点、別件だが、維新の鈴木宗男議員がロシアを訪問した。先週の会見では中身を見てからという話だったが、中身もだんだん見えてきたが、改めて受け止めはいかがか。

【幹事長】
 まず、手続的なものは、これは維新の中の問題だと私は基本的には思っておりますが、発言の中身は一方的にロシアに寄り添ったもので、私は適切なものとは思えません。そういったことも含めて維新としてどう判断されるのかということだと思います。

【NHK】
 発言の中身というのは、ロシアの勝利を確信しているというような表現でよろしいか。

【幹事長】
 はい。

○国政補選について(2)

【共同通信】
 補選について伺いたい。補選は投票率が低い傾向にあると思うが、今回、投票率を上げるために取られる、何か考えておられる方策とか、そういったものがあれば教えていただきたい。

【幹事長】
 運動のレベルを上げていくしかないと思います。

【共同通信】
 やはり立憲民主党としては、当然、投票率が上がったほうが有利に働くというふうにお考えか。

【幹事長】
 広田さんは立憲民主党ではないのです、無所属の候補者です。長崎は立憲の公認です。
 いずれにしても、多くの人が投票に行っていただき判断していただくということは民主主義の基本だと思っています。

【共同通信】
 今回の補選では、共産党は自主的な支援というふうなことにとどめられていると思うが、今後、例えば党の幹部に応援を要請するとか、そういった何か求めたい協力態勢や期待することがあれば教えていただきたい。

【幹事長】
 長崎は公認ですから、そういったことは今、念頭にはございません。
 高知・徳島は、これは無所属で出ておられますので、候補者がどう考えるかということだと思います。我が党としてどうこう言うことではないと思います。

○細田衆院議長について

【朝日新聞】
 13日に細田衆院議長が会見され、ご自身の進退なり発言をされるということだが、細田氏について言うと、セクハラの問題であるとか、統一教会の問題であるとか、立憲がこれまで求めてきた会見に応じず今に至っているわけで、この13日の会見をまずどのように受け止め、このタイミングでの開催をどのように受け止められるのか。それと、今後、その内容次第で御党としてどのように臨んでいくのかお聞きしたい。

【幹事長】
 13日の会見は会見として、我々は別に出席できるわけではありませんので、やはり議長のときのさまざまな問題、ハラスメントであったり、(旧)統一教会との関係、それはやはりきちんと国会に対して説明してもらいたいと思います。辞めたからいいというものではないと思います。

【朝日新聞】
 その内容を受け、どのような対応が考えられるかということについてはいかがか。

【幹事長】
 まず会見を見てみたいと思います。