国会閉会日となる12月13日、衆院本会議で立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案が議題となり、泉健太代表が趣旨弁明、神津たけし議員が賛成討論を行いました。各党討論後採決が行われ、賛成少数で否決されました。

 泉代表は、自民党派閥の多額のパーティー券収入の収支報告書不記載問題、いわゆる派閥「裏金」問題を受け、「今こそ自浄作用を働かせねばならない。裏金議員を一掃すべき。裏金疑惑が指摘されている閣僚が存在する岸田内閣は退陣すべだ」と非難。この期に及んでも総理の行動はいたって鈍いと問題視し、「危機意識の乏しさ、危機管理能力の無さ、は致命的。このような内閣に危機管理ができるとは到底思えない」「すでに『適材適所』も崩壊、政策面でも数々の失政、選択の失敗を続けている」と断じました。

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 その上で、岸田内閣不信任の理由として、(1)国民の願いに真っ向から反し策定も遅い経済政策(2)現行の健康保険証の来秋廃止など、「聞く力」を失い、当たり前の判断ができなくなっていること(3)緊要性を欠く内容が含まれる補正予算など、財政民主主義が壊れるのを看過できないこと(4)突然の「所得税・住民税減税」、人気取り減税を強引に進めたこと(5)岸田政権が正当性を失った最大の問題、「派閥パーティー裏金問題」――を列挙。「立憲民主党は公正かつオープンな新たな政権をつくる。国民生活に寄り添った政策を推進する新政権を構成する」と表明しました。

 泉代表は最後に、「一刻も早く内閣総辞職すべき。それをせぬというのなら衆院を解散し、国民に信を問うべきだ。立憲民主党は堂々と受けて立つ」と力を込め、趣旨弁明を締めくくりました。

【衆院本会議】岸田内閣不信任決議案趣旨弁明(泉健太代表)2023年12月13日.pdf

 

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 立憲民主党・無所属を代表して「賛成」の立場から討論に立った神津議員は、安倍派所属議員のみならず岸田総理の岸田派でもパーティー収入の過少記載が明らかになっていることを受け、「自民党における『パーティー収入裏金事件』により、国民の内閣に対する信頼は完全に失墜した」「違法な裏金のチカラで日本の政治を牛耳ってきた『予算配分は金次第、政策も金次第』の自民党政治、岸田政権は内閣総辞職すべきだ」と迫りました。

 今回の問題は、パーティー券を買ってくれるような業界団体や大企業ばかりを優遇し、「誰のために政治が行われるべきか」を忘れてしまったために起きていると指摘。長年にわたる業界団体や大企業迎合の政治のツケを支払わされているのは国民だとして、「政務三役を交代させても、根本的な問題の解決にならないのは明らか。根本的な解決のためには、任命権者である岸田総理が金権政治の責任をとり内閣総辞職をすべきだ」と述べました。

 12日に松野官房長官不信任案が否決されたなか、14日にも松野官房長官を更迭するとの報道があることには、「支離滅裂」だと批判。国民に対し真摯(しんし)な説明を求めました。

 神津議員は最後に、今臨時国会での岸田総理の発言にも触れ、「100年後も後世から評価されるよう、金で動く政治をやめましょう」「少しでも今回の事件に対する反省をしているのであれば、まずはその第一歩のケジメとして賛成票を投じていただきたい」と議場の議員に呼びかけました。