立憲民主党 外務・安全保障部門長 玄葉光一郎

 本日、防衛装備品移転三原則および運用指針の改定の閣議決定が行われました。このようなわが国の外交・防衛政策の根幹にかかわる閣議決定が、国民への説明や国会での議論がないまま行われたことに違和感を禁じ得ません。

 わが国は憲法の平和主義にもとづき、国際紛争を助長することを回避するとして、武器輸出を慎重に取り扱ってきました。防衛装備移転三原則は憲法の平和主義の精神に則ったものでなければならず、特に殺傷能力のある武器の移転は行なってこなかった過去を踏まえ、移転三原則を維持し、殺傷能力のある武器の輸出については厳しく限定すべきです。

 この度の決定においては、ライセンス生産品については完成品も移転可能とし、アメリカ以外のライセンス元国及び第三国移転も可能としました。国際共同開発についても、完成品のパートナー国から第三国への移転、部品・技術については日本から第三国への直接提供を認めています。また、部品であれば原則移転可能とするなどしています。装備品の高性能化、費用高騰などに対応する必要性は理解するものの、国会が閉会中に、詳細な説明や国会での議論も経ず、移転可能な装備の範囲を大幅に拡大することには疑問を抱かざるを得ません。

 また、被侵略国への装備品支援は、ウクライナなどで民間人が日本製の武器で命を落とすようなことが無いよう、今後とも守りにかかわる装備に特化すべきです。

 立憲民主党は、今後とも、平和国家として国際紛争を助長しないという観点から、個別の移転案件についてもその可否および第三国移転の際の事前同意の徹底、厳格審査など、わが国の平和国家としての歩みを引き続き堅持するという姿勢で検証し、監視していきます。

 殺傷能力を持つ武器を含む装備品の移転可能な5類型の見直しや日本からの国際共同開発・生産した完成品の第三国への直接移転などの議論が持ち越しとなりましたが、政府・与党には国会での説明・議論を求め、わが党としては引き続き慎重かつ現実的に議論していきます。

(コメント)防衛装備移転三原則の閣議決定について.pdf