立憲民主党は1月10日、1月1日に石川県能登地方で最大震度7を観測した能登半島地震が発生し、甚大な被害をもたらしていることを受け、東日本大震災時に官房長官として災害対応に当たった、前代表の枝野幸男衆院議員をゲストに迎えて「災害対応」をテーマに配信。広報本部長の逢坂誠二代表代行が司会進行を務めました。

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 冒頭、逢坂代表代行、枝野議員は、このたびの能登半島地震により犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆さまに心からお見舞いの意を表明。枝野議員は、「寒さと雪が厳しい時期に向かっていくなか被災地のことを思うと心が痛む。こうした厳しい状況の時にこそ政治が役割を果たしていかなければならない。そうした役割を果たしていける『まっとうな政治』を取り戻していく一年にしていきたい」とあいさつ。逢坂代表代行は、地震発生即日に党として対策本部を設置したことなどこれまでの党の取り組みや、被災地域を含む石川県第3区(七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、かほく市、津幡町、内灘町、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水町、能登町)を地元とする近藤和也衆院議員が日々地域を回って声を聞いていることなどを紹介し、与野党力を合わせて被災者のために取組んでいくと強調しました。

 今回の地震の受け止め、課題を問われた枝野議員は、これから最も寒い時期を迎えることとともに、がけ崩れ等により広い範囲で道路が寸断されていることを早い段階で把握できなかったことを挙げ、「今も、これからの復旧復興に向けても大きな障害になってくる」と指摘。初動段階で空撮の写真があまり出てこず、マスメディア等でも報じられなかったことも問題視し、今後検証すべき課題だと述べました。また、約10年前、近藤議員と一緒に能登地方を回った経験から、平時でも森林の手入れをする人がいなくなり木が倒れたり、土砂崩れで道路が封鎖されたりすることがあったと思うと指摘。だからこそ非常時の連絡手段として、例えば集落単位での衛星電話の備えが必要であり、今回それが十分であれば2、3日早く孤立集落を発見できたのではないかと悔やみました。

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 枝野議員は「一度、故郷を離れても冬を乗り越えてもらって、そのあいだに最低限のインフラを整えて地域を再生する。これは自治体ではできないので政府、国が強い意思で主導して、その代わりしっかり責任をもつ。そういう決断が必要だと思っている」と発言。一方で、視聴者からの「東日本大震災の対応で最もストレスに感じたことと、教訓として忘れられないことは」との質問には、逢坂代表代行、枝野議員ともに、放射線の影響等から逃げるため、故郷の町を離れて避難を求めるつらさに言及。枝野議員は「一種の板挟みだった。心苦しいが命あっての物種」と述べ、今回も災害関連死などを考えると一度離れることも検討が必要だとの見解を示しました。

 「志賀原発の情報が二転三転した。こうした災害時の原発の情報公開はどうなっているのか教えてほしい」との質問には、枝野議員は「実際の検証はこれからだが、すべての原子力発電所と原子力規制委員会と総理官邸とがつながるラインを、東日本大震災の経験を踏まえて民主党政権のときに作った。すべての情報を共有しているはずなので、正しい情報が共有されていたのか、ある段階で検証しなければいけないと思っている」とコメント。この他、政府の初動対応や、予備費の在り方・使われ方、枝野議員が提唱する「危機管理庁」等について寄せられた質問に答えました。

 また、今回の番組テーマとして地震発生前の段階で予定していた自民党の裏金問題について枝野議員は「一気に出口の話に進んでいることに違和感を覚えている。まだ全体像が見えていない。そうしたなかで、法改正や制度改正の話をするのはまったくピントが外れている」と指摘。例えばロッキード事件は内閣総理大臣の職務権限に属する行為かどうか、リクルート事件は未公開株、値上がりが確実なものが賄賂に当たるのかという論点があったとして、「今回は堂々と違法な行為がされているので、どんなルールを作ろうと守らなければこういうことが起こる。法改正の前に違法なことをやめさせることを徹底させなければいけない。どうしてこういうことをしたのか、何に使ったのかという全体像が見えて、初めてどこをどう直すのかという話が出てくるはず。制度上使途を明らかにしなくていいお金と、制度として出入りをはっきりさせなければいけないものを裏金にした話とでは本質が全然違うのに、そこを一緒に議論している。いったん仕切り直さないとずれた議論になると思う」と述べました。逢坂代表代行も同様に、「問題の本質を隠す気すらする」と懸念を表明しました。