泉健太代表は1月19日、定例の記者会見を国会内で開き、(1)能登半島地震(2)自民党裏金問題——について発言しました。

 能登半島地震については、18日に被災地を視察し、「被災者に寄り添う政治」「トイレの問題」「いまだに続く断水、水不足」など、視察を通して現場で伺った問題点等を述べた上で、「官邸、政府全体も被災者の声をどこまで聞くことが出来ているのか。意思決定をする立場にある政治家には、現地の生の声を聞いてもらいたい。われわれ立憲民主党も被災者に寄り添った生活再建支援に取り組んでいきたい」と述べました。

 自民党の裏金問題については、岸田総理が岸田派の解散に言及したことについて、「派閥を離脱した岸田総理がなぜ派閥の解散権を握っているのか。自民党総裁の立場であるなら、全派閥に向けて言わなければいけないことだ。派閥離脱は表向きのことだったのか」と厳しく指摘しました。また、「自民党内で役職停止処分を下しても、すでに無役の人には効果がない。さらに岸田派では3千万円、安倍派は6億円、二階派でも2億円もの裏金があるというが、このお金の処理については言及していない。つまり何の責任も取ったことにはならない」と指弾し、汚れた政権を許さない。政権交代をして日本の政治を取り戻さなくてはならないと話しました。


泉健太代表記者会見

2024年1月19日(金)10時30分~11時26分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/-CR4tIpzHrg


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○能登半島地震 被災者支援について

【代表】
 おはようございます。
 まず、きのうは石川、能登半島、各地を訪問しました。今回は金沢から、前日の夜に金沢に入りまして、きのうの朝から、渋滞も予想されましたので早めに出発しましたが、まず金沢市郊外の内灘、そこから北上して、かほく、そして七尾というふうに行きました。それぞれ各自治体の首長の方とも意見交換をし、状況を伺いました。
 三つ、特に感じたことは、まず一つは、やはり被災者に寄り添うということが極めて重要な政治の役割であると感じます。どうしても、おそらく官邸も政府全体もそうだと思いますが、役所から情報が上がってくるということがほとんどであると思います。そういった意味では、被災者の生の声をどこまで聞けているのかということについて、ぜひ政府には再考していただきたいと、特に意思決定をする立場にある政治家は被災者の生の声をぜひ聞いてもらいたいと感じます。
 例えば、夕方に私も避難所に行きまして膝詰めでお話を伺ってまいりました。1次避難から1.5次避難、あるいは2次避難ということで、みなし仮設の住宅を見つけて移り住みたいと思って問い合わせをしてみたら、せっかく一生懸命選んで、ここだったら家賃の範囲内、要は助成の範囲内で入居できるのではないかと思って確認をしてみたら、その物件は対象外ですというふうに言われて、非常に徒労感というか、また一から探し直さねばならないと感じたというふうにおっしゃっていました。
 なぜそういうことが起こるのかとか、どのようにしたらそういった被災者に苦労をかける状況を変えることができるのかということにきめ細やかに寄り添わなければいけないというのが政治の役割でありまして、制度をつくったらきっとこれでうまく運用されるだろうという前提に立ってばかりいると、実際には現場でワークしていない。特に一番困るのは、一生懸命その制度を使おうとしている被災者ということになりかねません。
 これは内灘の事業者の方から話を聞いたときもそうでした。どんな補助金があるんですかと。そもそも、これは七尾の和菓子屋さんから聞いたときもそうでしたが、そもそもこれまでの能登半島の震災や、あるいは(新型)コロナで、補助金をさまざま活用して今に至っている中で、もうこれ以上借りられない、あるいは、もう返済が始まっているという状況の中で今回の震災が起きていますので、そういう中でしっかりと経営再建の足取りを確保できるのかということをやはり心配しています。
 和倉温泉の経営者からも、そんな声をやはりいただいています。コロナで、コロナの間に何とかお客様を迎え入れる態勢をつくって高度化資金を投入したけれども、ようやくというところでまた事業が完全ストップして、そこから更に修理費を、多額の再建費を要するという環境の中でどうするかと。
 そんな生の声を聞いてまいりましたので、改めてですが、決して制度だけつくれば政治の役割が終わりということではないということを、まず一つ、私は大変強く感じました。
 もう一つは、やはり各地を回って、トイレの問題というのが本当に大きな、今でこそちょっと収まったくらいかもしれませんが、発災当初から数日間の、特にこのトイレ事情が厳しいということを感じました。これは今も続いております。
 私も、きのう能登半島の中を回っただけでも、やはり自分自身の食べるものや飲むものをある程度制限しないと、その後々の日程で困るなと思うことが何度もありました。その意味では、現地では、被災地では皆さんが日々そういう生活を送っている。制約を受ける生活を送り続けているということですよね。
 我が党の近藤和也衆議院議員の七尾事務所にも訪問しましたが、七尾事務所でも、5、6名の仲間たち、スタッフが情報収集したり、それを政府につないだりという作業をやっていましたが、いまだに水が流れないということで、そういった意味では携帯トイレを使って何とか業務を維持しているということで、そこには精神的な苦労や物理的な苦労が今も伴い続けている。
 そういう状況では、おそらく断水地域では、やはり飲食店ですとか、普通の商業や工業でも、事業の再開、本格再開というのは非常に難しい環境であるということで、このトイレの問題はこれからもっともっと、よく救助の72時間ということが強調されて、とにかくそれが最優先だからということで、その後の被災者の環境整備というものが一歩二歩出遅れてスタートされてはいないだろうかということに我々としては着目をして、72時間の体制は万全にこれからも警察・消防・自衛隊で取り組んでもらいながら、一方では、その直後から発生している被災者の生活衛生という面が同時進行でなければいけない。これは時に震災関連死を引き起こすものだと思っていますので、このトイレの問題は本当にしっかり解決しなければいけないと考えています。
 もう一つは、やはり水ですね。どこに行っても、水、水、水です。もう何をおいても、この水がないことで、飲料水は何とか確保できたけれども、風呂に入れないとか、さまざまな生活、これは牧場に酪農家を訪問したときもそうでしたが、牛の飲み水はもちろんのこと、牧場の衛生環境を整えるためにも多量の水が必要で、それすら確保できていない状況だという話がありました。
 今、各自治体からも水道工事を鋭意進めているという話は伺ってはいるものの、もっともっと全国の事業者にもご活躍をいただいて、その工事を、工期を短縮することができないだろうかということを強く感じております。
 今聞くと、七尾の辺りでも、1、2カ月更にかかるということが県から発表されて、希望ではあるものの、相当、これからまた1カ月以上その断水の状況が続くのかということについては、徐々に不満、怒り、そういった声も高まっているという状況でありました。  こういった被災者への寄り添いと、トイレ、水ということが特に今回感じたものでありましたので、政府に対しても、これは24日の質疑も含めて、被災者生活再建支援ということも含めてですが、我々としてやっていきたいと思います。

○裏金問題 「岸田派を解散」首相発言について

【代表】
 さて、被災地で記者団からの質問も受けましたが、残念ながら、この被災地のことに関する以外の質問も受けるような、今の岸田政権、自民党の状況でありました。まさにこの裏金をめぐって、総理がその後に岸田派の解散ということに言及したということで、それに対してのコメントも求められましたが、いろいろなおかしい点がありますよね。
 まず、岸田総理、派閥を離脱したのではなかったでしたか。派閥を離脱したはずの人間が、なぜ派閥の解散権を握っているのですかね。どんな立場であなたはおっしゃっているのですかと。自民党総裁の立場であれば、これは全部の派閥に言わなければいけないです。しかも、何か私たちの政策集団はなんていう表現をどうもしていたようですが、どこかで大きな勘違いをしているか、それとも、派閥離脱というのはあくまでこれはまやかし、表向きの話であって、実質経営者、実質のトップは岸田総理そのものであったということを示したというふうにも言えるのではないでしょうか。
 現に皆さん、岸田派、宏池会のホームページを見てください。いまだに会長挨拶に写真つきで、岸田文雄というのが署名つきでというか、挨拶文が載っていますので、全く岸田派は岸田派でしかなかったのだなと。全く派閥離脱なんていうのはうそであったんだなということが今回明確になったのではないかと思います。
 そして、繰り返しになりますが、裏金という形で、何となく誰が何をやっているかわからないようなことになっていますが、会計責任者だけで終わるというのは、これは世論が許さないということだと思うし、そして、検察が仮に、東京地検がそうであったとしても、自民党自身がそれでよしとするのかといえば、これは絶対に許されないですよ。裏金に関与した議員は、この際、一掃すべきだというふうに私は言っていました。それは野党の追及によって一掃されるということではなく、そもそも自民党自身がけじめをつける話でありますよね。
 どうも聞こえてきたのは、裏金に関与した議員を党則に基づいて自民党内でも処分することも検討し始めたかに聞いているが、どうもそれは役職停止。何を言っているんですかという話ですよね。そんな軽い処分があるのかと。信じ難い軽い処分ですよね。そもそも、辞めた、裏金問題である種任を解かれた官房長官、国対委員長、政調会長、今は何の役職にも就いていないではないですか。もう既に何の役職にも就いていない人間に、役職停止が何が処分なんですかということですよね。こんなものはもう本当にまやかしでしかないと思います。
 そして、先ほどの宏池会、岸田総理の派閥に戻りますが、3000万円ものお金が収支報告書記載漏れだったことが全て「事務処理上の疎漏」という、わざわざ難しい言葉をひねって使ってきているようですが、事務処理上のミスだったかのように言っていて、しかも、総理はそれを承知していないと。これはもう、かつての「ノーコメント」とか「記憶にございません」と同じくらいの言いぶりだなと感じました。言い逃れ、ごまかし、逃げ切りということで、他人事のように、自分の岸田派の収支報告の記載漏れということについて他人事のようにしゃべっている。しかし、どうやら派閥の解散権限はなぜか持っている、派閥を離脱した総理大臣だということで、おかしなことだらけであると思います。
 今回、岸田派で3000万円の記載漏れということですが、岸田派を仮に解散するなんていう話だとしてもですよ、これは自民党における裏金疑惑の1合目でしか私はないと思います。
 そして、では、その3000万円、持ち逃げする気ですかということですよね。それは(収支報告書を修正して)載せたらセーフだと考えているのかという話ですよね。ここまで数年間裏金状態にしておいて、そのお金について、そのまま岸田派の資金にするつもりなのか。そういった道義的な責任も問われるのではないかと思います。
 その意味では、安倍派もそうです。6億円、これは判明しているだけということであって、過去を遡ればもっと多いかもしれない。二階派、2億円、これだってそうです。判明している分がそうだということですが、この裏で隠していたお金について、何らそのお金の処理については言及していないわけですね。  今も派閥で持ったままなのか、どこかに分配されたのかわかりませんが、その自民党の議員たちがこの裏金を有したままであると。持ち逃げしているような状態であるということですよね。3000万円、岸田派でいえば持ち逃げしておいて、解散ということは、これはあり得ないのではないですか。何の責任も取ったことにならないし、むしろこれは許されないことだと思います。
 そういったことで、司法や検察ができることというのはもしかしたら限られているのかもしれない。しかし、司法ができないということであれば、国会で明確にたださなければいけないと思うし、国会でといっても、自民党内の国会議員が幾ら質問をしても真相・核心には触れられないでしょう。政治刷新本部にしたって、実際にはその中に裏金議員がいっぱいいるわけですから。派閥のボスもいるわけですから。そういった意味では、全く機能できない、機能しないと思っていますので、その意味で、野党がやらなければいけない。司法ができないならば国会、国会ができないならば野党、そして、やはりそれでも自民党が変わらないのであれば選挙で答えを出さなければいけない。
 選挙で答えを出さなければいけないと思っているので、立憲民主党としては、今言っている「ミッション型内閣」「ミッション型政権」ということで、他の野党とも協力をして、抜け穴のない、きちんとした政治資金規正法の改正ですとか一連の政治改革を野党ベースでしっかりつくり上げていくということをしたいし、そして、それを自民党がのめるのめないということもあるでしょうが、こういう長い間、体質を持ったまま政権を維持してきたわけですから、これはもう汚れた政権であるということは明白でありますから、この汚れた政権を許さないということで、政権交代をなさなければいけない。これは野党のためではなく、日本の政治の信頼を取り戻すための政権交代をなさなければいけない。このように考えているところです。


■質疑

○政治と金 裏金問題について(1)

【NHK】
 今ご発言のあった政治資金をめぐる事件だが、会計責任者だけの責任で自民党がよしとするのは許さないということであったが、派閥幹部の関与と責任について、改めてどのようにお考えかお聞きしたい。

【代表】
 普通に考えたら、会計責任者が勝手に決めるなんていうのはあり得ないですよね。どうあったって、運営しているというか、本来の母体は、政策集団と彼らは呼ぶかもしれませんが、政治家たちが集まってグループをつくろうというわけですから、派閥を。ということは、その政治家たちが運営方針を決めているのが当たり前で、しかも、ひどいですよね、今、亡くなっている2人の案件だかのように、そこに罪を着せようとしている。亡くなった方はもうしゃべることはできませんから、安倍元総理と細田前議長に、あたかも会長案件だったかのように言っている。
 会長案件というのが自民党の文化ならば、岸田派はやはり岸田さんが決めていたということですかね。ぜひその辺も明らかにしてもらいたいし、会長案件だというならば、政治刷新本部で最高顧問に就かれている麻生さんについてもそういう側面があるのではないかというふうにも思うし、いずれにせよ政治家の関与というのは絶対にあったはずで、そこを言い逃れをされることは許されないと思います。

【時事通信】
 関連で。今回、検察から会計責任者のみの立件で派閥幹部等が不起訴というような報道もあるが、これによって真相がわからなくなってしまう可能性がある。自民党の刷新本部の中でも改革案というのが出てくるが、では、何があったかという、それをきちんと調べて公表しようという動きになっていないと思う。きょう安倍派の総会も予定されていて、会見を予定している元幹部の方もいらっしゃるということだが、この真相を明らかにするということについて、どのように求めていくか。

【代表】
 やはり東京地検には、捜査権限があるわけですから、国民が納得する、そういった捜査結果をきちんと出していただきたいですね。正直者がばかを見るような結果にはしたくないということをかつて検察幹部がおっしゃっていたと思うのですが、このままだと、4000万円や5000万円だと逮捕され立件されるけれども、1000万円だったら大丈夫。そんな理屈ありますかね。そこはこれまでの国民の感覚も私はそういう感覚ではないと思うし、許されないのではないかと思いますよ。
 ですから、検察には改めて、こういう理屈では通らないよということは、我々自身も物を申したいなとは思います。あくまで検察は検察のさまざまな考え方に基づいてのことだと思いますが、それは世の中から見たときに果たして納得されるものかといえば、到底納得できないという方がほとんどではないですか。

【時事通信】
 自民党自身も派閥を解消してこれで逃げ切りみたいな形になるかもしれないが、そこについてはいかがか。

【代表】
 先ほど言ったように、派閥を解消したら、これまでの裏金は雲散霧消、皆さんの懐に収まってしまう、でいいんですかと。解散したら、その財産は分配するんですかと。では、どこにどういうふうな分配をするつもりなのでしょうかねということも含めて、まだまだ岸田総理だって実は言ったようではっきり言っていないようなところがたくさんあるし、自身にも責任がかなりあることですからね、目先のその自民党の動きに絶対だまされてはいけない。それはマスコミの皆さんもそうだし、国民もそうだし、我々野党もそうですね。目先の自民党の動きにだまされてはいけない。そういうことは世の中に呼びかけていきたいです。

【読売新聞】
 自民党の岸田派は解散することを決めたが、総理は本日午前の記者団へのぶら下がりで。

【代表】
 岸田派は、もう完全決定なんでしたっけ。

【読売新聞】
 解散する方針と。

【代表】
 方針ですよね。

【読売新聞】
 総理は本日午前の記者団へのぶら下がりで、ほかの派閥のありようについて何か申し上げる立場にはないとして、岸田派以外の派閥をどうすべきかは言及を避けた。代表はかねてから自民党の派閥は解体すべきだとおっしゃってきたが、こうした総理の発言をどのように受け止めているか教えていただきたい。

【代表】
 ちょっと待てと。あなたは何派ですかと。あなたは何の権限で岸田派の解散を言っているんだと。それを皆さんも聞いてくださいよ。だって、離脱したのではないの、岸田さん、派閥を。離脱した人が何を、岸田派の解散を決定しているんですか。おかしいではないですか。
 というように、離脱というのはあくまでフェイクだったし、実際の経営権・運営権は岸田総理にあったということが、むしろ今回の岸田派解散宣言で明らかになったということですね。ああ、なるほど、自民党の派閥というのはそういう体質も持っていたんだということが明らかになったので、むしろ、そういう体質をマスコミの皆さんにもよく取り上げていただきたいと思いますし、岸田総理が今は自派のことしか言わず他派のことは言わないということであれば、総裁としての責任は全く果たしていないということです。
 自民党の中に各派閥があり、その各派閥の中で億円単位の裏金が発覚してもなお、その党内サークルの取り潰しをしようとしないわけですから、それは指導力も何もないですね。責任感もないですね。むしろ、それが今回明らかになったということですよ。

【共同通信】
 関連で。そのぶら下がりで総理は、党内処分については捜査の結果を見た上で適切なタイミングで考えたいと述べた。代表はかねてから、すぐにでもけじめをつけなければならないとおっしゃっていたかと思うが、この辺りをどのように受け止めているか。

【代表】
 捜査の結果を見て処分だったら、池田何がしと変わらないではないですか。何も新しいことを言っていない。むしろ、いまだに古いことしか言っていない。全部、後追い。しかも、金はそのまま。もうおかしいことだらけですよ。全くけじめをつける認識がないということですよね。もうこれが本当によくわかった。
 だから、岸田総理には政治刷新の意思はないということですよ。全て後追いと、逃げ切りと、これまでの裏金の持ち逃げ。今はその姿勢が明らかになっていますね。こんな政治は本当に変えなければいけない。

【朝日新聞】
 代表は先ほど、この政治と金をめぐる問題を受け、国民も選挙という形で自民党に対して姿勢を示せるという言及があったが、一方で、自民党は今回の解散などを受けて、逃げ切って、そのまま解散総選挙まで行くのではないかという見立ても一部ではあるようだが、こういった逃げ切りだとか自民党が何か一つ打ち上げて解散するような姿勢についてどう思われるか。

【代表】
 もう自民党って何をしてくるかわかりませんからね、それも十分あり得ますよ。うやむや、ごまかし、そして、ぽーんと例えば新しい誰か目立つ人を持ってきて過去を一掃しましたかのようにして解散・総選挙というのは、これまでの自民党の常套手段ですから。
 ですから、そこに皆さんがだまされないように我々も言っていきたいと思いますし、訴えていきたいと思うし、野党もより強い危機感、それは野党の危機感ではなく、政治、日本の国政に対する危機感、こんなことをしていたら本当にいい人材は日本の政治に集まらなくなるし、政治は劣化していくし、どうしようもない体たらくで、日本の衰退を助長してしまうと思いますから、政党によって政権を取るビジョンが、ずっと先とか、10年後とか、いろいろあるかもしれませんが、もう今、本当に救国政権をつくらなければいけない。
 ミッションを明確にして、自民党の政治をとにかく変えて、新しい政治、きれいな政治、あるいは教育の無償化を必ず実現する政治、そして賃上げを必ず達成する政治、そういうものをつくらなければいけないと思うので、そこには共通項目をそろえて、そして、自民党のこれまでおかしな体質に染まってきた議員たちを、もしかしたら次の総選挙、何か自民党の大量の議員が元何々派だったけれども無派閥を名乗って総選挙をしてくる可能性だってあるではないですか。そんなことに国民の皆さんだまされますかと。あとは、きちんと野党が候補者をそろえて、1人でも多く、その自民党のなんちゃって無派閥候補と戦って勝利して、新しい政治の幕開けをしなければいけない。そんなふうに強く決意をしていますので、その流れを野党の側としても強めていきたいです。

○共産党の新指導部人事について(1)

【日本テレビ】
 話が少し変わってしまうが、共産党の新しい人事について伺いたい。約23年間委員長を務めていた志位和夫氏が退任して議長となり、新たに田村智子氏が新しい委員長に就任した。こちらの受け止めをお願いしたい。

【代表】
 田村新委員長、ご就任おめでとうございます。そして、各政党どこも党運営というのは大変なことの連続ですが、お体に気をつけてぜひ頑張っていただきたいと思いますし、初の女性委員長ということですから、そういった意味でも新しい時代を切り開いていただきたいと思います。
 また、これまで委員長を務められた志位委員長については議長になられるということで、これまでの党運営の労いを申し上げて、そして、さらにこれから議長として引き続き党をさまざまな形で指導していかれるのかなと思いますので、そういった意味で、新たな船出をまずはお祝い申し上げたいと、このように考えています。

○政治と金 裏金問題について(2)

【日本経済新聞】
 立憲民主党の党内グループについて伺いたい。新政権研究会やサンクチュアリなど、党内には幾つか政治団体として届出を出しているグループがあるかと思う。今回、岸田首相は岸田派を解散するという方針を出しているが、立憲民主党の党内グループへの影響はあると思われるか。また、党内グループに関して何か規制やルールをお決めになる考えがあるかお聞きしたい。

【代表】
 日本国内でというか、国会で最大の議席を持っている政権与党の動きですから、政権与党の中で何か動きがあれば、それは野党各党に何らかの影響だって私はあるかもしれないとは思っています。
 ただ、悪いことをしたのは自民党であり、ルールを破ったのは自民党であり、裏金をつくったのは自民党ですからね。本来はそこ自身が何らかの制裁を受け、そして、そこ自身が行動を改めるということが必要なのであって、実は政治団体があるかどうかの問題ではないということですよね。その中で悪いことをしたのが自民党であるということに過ぎないということです。
 ですから、例えばですよ、中学校でも高校でもいいかもしれませんが、タバコを吸った生徒がいたとして、では、普通に生活をしていたタバコを吸っていない生徒たちまでどんな制約・処分を受けることになるんですかといえば、普通はそんなことはないですよね。やはり悪いことをした人間が行動を改めなければいけないし、悪いことをした人間が何らかの処分を受けなければいけないということであって、同じそこの学校に通っているからということだけで処分はやはり受けないわけです。
 そういった意味では、政治団体であることをもって悪ではないということは、今の時点では明確に言っておかなければいけないです。その政治団体の中で、いつしか大きなパーティーをやり、しかも、その大きなパーティーをやることそのものが問題だったというよりも、明確に、今回地検が入っているのは、裏金をつくったということですよ。何年にもわたり意図的に裏金を、巨額の裏金をつくったことで捜査を受けているのであって、政治団体であることをもって捜査を受けているわけではないですからね。
 ですから、そういうおかしな改革案みたいなボールは間違って受け止めてはいけないということは言っておきたいです。

○能登半島地震(1) 万博への影響について

【「FACTA」】
 石川、奥能登のほうを含めてご覧になったそうだが。

【代表】
 今回は奥能登までは行きません。七尾まで。

【「FACTA」】
 七尾まで。どちらにしても、3.11のことを考えたら、やはり本格復旧は冬があれする4月以降と。すると、やはり大量の土砂の整理とか、がれきとか、万博は急ぐ必要があるのかどうかと。それは現実問題としてさっさと延期したらいいという、そういう人が増えてくると思うが、立憲としては、これはもう大阪は維新が全てだが、その辺の感度というのはどういうふうにお考えになっているのか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 能登半島の復興、あるいはインフラの復旧、復興の前の復旧ですら相当大変です。きのうも避難所で七尾から穴水に通勤をされている女性の方にお話を聞いたのですが、今、奥能登はぐるっと一方通行で、離合がもう大変なので当面の間は一方通行にしているループがあるのですね。そうすると、通勤するときに行きはぐるっと回らなければいけないので、もう2時間半とか平気でかかるというのです。そういう状況がおそらく今後も、半年、1年、続きかねないくらいのダメージを受けているということで、ここには相当な時間がかかります。
 その意味では、私は、この万博、では仮に延期と言ったとして、いつまで延期をすれば妥当なのかという線はなかなか見えないのではないかと思っていて、今、立憲民主党としては延期ということよりも、むしろ言っているのは、党としてはやはり規模を、この経費の拡大だとかに合わせてそのまま従来計画どおりやるのではなく、やはり(当初の)予算内に収まる範囲、規模としては縮小ということですね、これはやるべきだと言っています。
 予算内に収めるということであればいろいろな手法があるし、「いのち輝く」ということをうたっている万博であるならば、被災地に寄り添うというのは何も相反する話ではなく、むしろ、リングであれば360度造るのではなく3分の2でいいではないかと。それはなぜ3分の2なのですかと、本来360度であるはずのリングがなぜ270度なのですかと問われたときに、いや、それは被災地に寄り添って、被災地のために例えば工事の負担を軽減させるんですと、それが一つの姿ですということが示されれば、むしろ私は国民や世界の共感を得るのではないかと思います。そういうものであれば見に行こうという、そんな空気もむしろできるのではないかと思います。
 ですから、万博は万博で、これまでの計画と変わらず、ただ規模を追い求めて、人がたくさん入ればいい、経済規模がこうなればいいということで進めていくというのは、私はむしろ共感を呼ばない万博になってしまうのではないかと思うので、ぜひ被災地に寄り添った配慮のある姿勢というのはやはり協会なり大阪に示してもらいたいと、そんな考え方を持っています。

○「ミッション型内閣」の呼びかけについて(1)

【「FACTA」】
 いわゆる旧民主党の京都4兄弟というか京都グループというか、前原さんが維新の中に入られて、私はあまり評価のしようもないが、前原さんはまさに泉さんにとってメンターというか、そういうこともあったと思うし、目標にしていたと思うが、率直にどんなふうに受け止めておられるか。また、彼が維新で入ったことで、何か野党のつながりというのが、国会での闘争も含め、何か少し化学変化が起こるという期待感があるのかどうか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 京都市長選挙では、ある種、前原さんや維新が支援をしようとしていた陣営から全て撤退をするということで、そこはまた大きく局面の変化があったなと思います。ただ、国政においては統一会派を組んで、教育無償化を実現する会と維新が統一会派ということですから、かなり一緒にやるという路線であります。
 前原さんには前原さんのさまざまな考え方、今後の方向性があると思います。それは何となく薩長連合という言い方をしようとしたり、いろいろなことを前原さん自身が考えているのではないかと思います。
 一方でというか、当然私は今「ミッション型政権」ということで、各党全ての政策で一致・合意をしなければ政権を組まないとか組めないということを言っていたら、これは自民党の今の政治を正すことも変えることもできないと思っているので、憲法から何からを全部俎上にのせて合意をせよというやり方ではなく、まずは国民の皆様が望む改革を、そして、その一つには教育無償化も入っているわけですから、全部の党が100点を取ろうと思って「ミッション型政権」をつくるというふうに向かっていくのではなく、それぞれの政党が、特に国民が優先的に成し遂げてほしいと思うことについて、それを共通して成し遂げるという政権をつくるべきではないかということを私は申し上げたいし、そういうことへの理解を維新の中にももし広げていただけるのであれば、これは大変ありがたいと思いますし、それは私は十分可能ではないかと思っています。
 そういったことも含めて、さまざま、前原さんにも今後動きはあるのではないのかと考えています。

【読売新聞】
 共産党大会の話に戻るが、大会では野党共闘の再構築を目指す決議も採択された。代表はかねて「ミッション型内閣」を野党各党に呼びかけているが、共産党とはどういった向き合い方をしていきたいとお考えか教えていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 私が言う「ミッション型内閣」「ミッション型政権」というものは、これまでも説明したことがありますが、どの党を名指ししてということでは現時点ではないということと、例えば、自民党に対抗したり自民党の政治を正すために各野党がさまざまな形での役割の果たし方というのがあるので、今私が言うこの「ミッション型政権」に例えば全ての野党がその内閣を構成するということが頭にあるということではありません。いろいろな形の関与の仕方があるのではないかと思っています。
 ですから、そういった意味では、各政党がそれぞれどういう国民の声を得て、そして政権をつくろうと目指すのかというのは、考え方はそれぞれあって当然のことだろうなと思います。そういうそれぞれの考え方を持ちながら、私としては最大公約数ででも国民の皆様に納得いただける政策項目をつくり、それで自民党と対抗することができればと考えておりますので、引き続き我々の考え方を伝えながら、各政党の思いというものももしあれば、それはやはりお伺いする機会もあるのかなと思っています。

○政治と金 裏金問題について(3)

【毎日新聞】
 政治改革の関係だが、昨日、立憲民主党の政治改革実行本部が開かれた。この本部でどのような議論をしていきたいかというところと、昨日は公明党と国民民主党も改革案をまとめて発表している。各党がまとめている内容が似ている点も多いが、野党第1党として、いつ頃、どのような改革案をまとめたいのか、お考えを教えていただきたい。

【代表】
 各党、改革案をそれぞれ出していて、似通っているところも多いと。いつ頃ということは、もちろん各政党の考え方もありますから、我々だけで勝手に決めるという考えはもちろんありません。
 ただ、本当に気をつけなければいけないのは、改革案のほうに話を振り向けようとしている自民党の姿もあるということです。  元々裏金です。裏金の問題があるから、この改革案なるものが各党から出ています。繰り返しになりますが、パーティー券を買った、そのパーティー券をどこが買ったという買った先の公開基準を20万から5万に下げたところで、裏金をつくっている人たちの今回の罪が防げたかといえば、それは防げません。防げません。それくらい悪いことをしたということなのです。
 ですから、各政党が政治改革をするということで前向きなイメージを打ち出したいということは、それはそれで私はありだと思うし、実質そう変わっていくのは全くもって正しいことだと思いますが、それでも防ぎ切れないくらいの悪いことを自民党がしてきたということについて、金は返していない、裏金を返したわけでもない、裏金を被災地に寄附したわけでもない、裏金に関与した議員を処分したわけでもない、そんな状態の中であれがいいこれがいいという話ばかりするというのは、これは彼らの逃げ切りを許しますよ。裏金議員たちの逃げ切り、持ち逃げを許す。
 そうは絶対してはいけないわけですから、私たちとしては改革の議論、当然会計責任者と、関与した政治家というか、そのトップにいる政治家の連座制、これは強めていかなければいけないと思うし、公開基準(の厳しさ)も高めなければいけないと思うし、(政治資金収支報告書の)ネット公開もやらなければいけないと思っています。
 そういった意味では、他の政党と非常に、どの政党が考えても今より厳しくしようと思えばそういう案が浮かんでくるのはある意味当然ですから、それはそれなりのものが私はつくられていくのではないかと思いますが、とにもかくにも、何か過去を水に流して改革案さえつくればいいという話にしてはいけない。ここはぜひ気をつけていただきたいですね。

【毎日新聞】
 改革のほうに流されてはいけないというところがある中で、ご回答の冒頭に、私たちで勝手に決めるものではないというふうにおっしゃった。

【代表】
 そうですね。私は自民党には語る資格はないと思っていますが、各野党、特に今回はもしかしたら公明党だって入るかもしれませんが、自民党以外で合意を得るということがもし可能であれば、それも一つの姿かもしれません。

【毎日新聞】
 立憲民主党としての案をまとめる際に、各党からの協力というか連携を前提に考えていかれるということか。

【代表】
 いろいろな政策課題において、なにも一つの決まった形があるわけではなく、それぞれの政党が案を固めて持ち寄るということのほうがむしろ多いのではないですかね。

【フリーランス】
 裏金議員に関してだが、そういったところで岸田さんは自民党を一致団結したんだなという印象を受けている。立憲民主党としては泥棒たちと今後の相談はできないということで、私たち市民・国民としても脱税の罪をきちんと、それから法律をそもそも破っていることに関してのけじめをつけていただきたいので、やはり議員辞職であるとか離党・除名であるとか、そういった措置を立憲のほうから要求したらどうかと思うが、そのようなところはいかがか。

【代表】
 事実上、今、要求しているような状況ですね。
 本当に、繰り返しになりますが、どのお店で、万引きをした場合に5000円だったら警察に引き渡すが1000円だったら許すという、そんなスーパーが、あるいはお店があるんですかねと。どの会社で、例えば横領・着服をしたときに1000万円だったら許しますよ、4000万円、5000万円だったら処分しますからね、なんていう会社組織がどこにあるんですかと。
 今、いわゆる賀詞交歓会のシーズンで、いろいろな業界の方々からもお話を伺うことがありますが、もう会社では絶対あり得ないという話ですよ。そんなお金を裏金に回していて、計上せずに、罪に問われない、しかも会計責任者だけが罪に問われるなんていうことは、どの組織だって絶対にあり得ないですよね。そういうことを今、自民党がやっているんだということを、ぜひ皆様方も強く発信していただければと思います。

【フリーランス】
 派閥の解消によって、党議拘束のような政策の派閥拘束が解消されるなど、何か柔軟になったり、政策審議に関していい面というのは出てくると思うか。

【代表】
 あまり政策の派閥拘束というのは私も聞いたことがなくて、政策については基本党議拘束であると思いますので、そこが何かというのはないのではないですか。

【フリーランス】
 岡田幹事長の政治改革実行本部のほうで、立憲民主党が法案提出をいろいろと頑張っているにもかかわらず与党が取り上げてくれないという、怠慢によってきちんと議論がされていないというのが問題であるというお話があったと思うが、国会で話し合われる議案の決定について、この時点でニュースにあまり華々しくならないというか、国民の立場から見て議題の取り上げがゆがめられている、公正でないという実態があるにもかかわらず、これが放置されていくことによって立憲の頑張りにちょっと光が当たっていないのかなというところがある。ここをもっと国民にアピールする、もしくは制度改善の道というのはないのか。

【代表】
 いろいろなこと、制度改正を本来したいことも、自民党が選挙で勝ち続ける限りはできないということですよ。それは議院運営委員会から何から全部、残念ながら野党は少数ですから。
 選挙で勝たなければ、よく「国会でもっと頑張れ」というありがたい激励をいただくのだけれども、国会でもっと頑張るためには多数でなければ、それは例えば一人の議員が華々しく質問することはできますよ。一人の議員が世の中に感動を届けることはできるかもしれません。なのだけれども、ルールを変えようと思ったら、それはやはり議会の中で、選挙で勝たせていただいて多数を持たないと、それは与党は言うことを聞きません。多数の議席で押されます。押し切られてしまう。だからこそ、我々はやはり議席をたくさんいただいて、そこで対等に話ができる環境、もしくは、さらに我々が比較第1党、やはり自民党を上回る議席を得て、それによって物を本当に変えられるようになるということですね。
 国会のちょっと細かいルールですが、100議席を持っているときと、120議席、150議席、170議席、200議席を持つときと、委員長ポストもどんどん変わっていきます、与党から野党に。そういうふうに、その運営権限を徐々に徐々に野党側にシフトさせていくことというのはできるわけですね。それでも与党の側は肝となる役職は最後まで譲らないですから、なかなか改革というのは、本当に政権交代が起きない限りはできない改革っていっぱいあるんですよ。だからこそ我々は、本当に政治を変えるんだったら政権交代だよということを言いたいです。

○能登半島地震(2) 被災者支援について

【フリーランス】
 七尾まで行ってこられたということで、そのときに限界集落に泉代表は思いを寄せていらっしゃるが、その限界集落の方々にメッセージか何かお願いしたい。

【代表】
 これまで本当に地域で仲よく、そして長く生活をしてこられて、本来であればことしもそこで楽しく生活をできるということで新年を迎えたところに、これだけの大きな震災が起きて、今は、例えば両側の道路が寸断されて、その集落にたどり着けないというところが数多くあります。あるいは、水が届かない集落もあります。そういったところは、集落の中で小さな避難所をつくって過ごしてきた方々もあるのですが、さすがに物を届けるにしても何にしても余りに労力がかかり過ぎて、集団で避難せざるを得ないという状況で、今、徐々に1.5次避難、2次避難という形になっています。
 そういう方々が、仮にそれぞれ違う場所に1.5次避難、2次避難することになっても、今、デジタル化技術だとかをできるだけ進めて、一人ひとりの被災者がどこに所在されているかということをリアルタイムで把握できるような仕組みを政府だとか県庁のほうで徐々に導入する話が出てきていますので、その集落の方々が自分たちの意思表示なしに勝手に将来が決められるようなことにやはりしてはいけないということですよね。行政と集落の居住者が、それぞればらばらに避難していてもきちんと話合いができる環境づくりというのを、時にデジタル技術を使いながら、あるいはサポートをしながらということを含めて、きちんとそこを整えながら今後について考えていくということが今はまず大事ではないかと思います。

○「共産党の新指導部人事(2)」「ミッション型内閣(2)」について

【「FACTA」】
 今の検察政局は結局「赤旗」を含めた共産党のある種の機能を発揮したというのは高く評価すべきだと思うが、それとはあれして、必ずしも志位さんと泉代表はしっくりしていたのかどうかとは思うが、今度、共産党は明らかに劇的に若返った。田村さん、山添さん、田中さんという人もそうだが、そうした人たちとのパイプというのは今まで泉さんはお持ちなのかどうか。それをまず、どれくらいのおつき合いがあるのか伺いたい。

【代表】
 今、宮嶋さんが言っていただいたとおりです。私もきのう七尾で取材を受けたときに、まさに今回の裏金の問題で高い調査能力を発揮したのは「赤旗」さんだという話もさせていただきましたので、そこは同じ認識です。
 皆さん結構、それは仕方がないです、私も一つ一つのやり取りを皆さんに公にしているわけではないので。ただ、志位さんとはきちんとやり取りしてきていますよ。田村さんにも当然ながら既に先ほど私がここで述べたようなメッセージというのはお届けしています。
 皆さんが思うほど政治家たちというのは党が分かれているから意思疎通ができていないとか断絶しているなんていう話ではなく、これは自民党であっても公明党であっても共産党であっても維新であっても、やはりいろいろな政党の方々とは登る道は違っても国をよくするためだという前提で当然ながらさまざまなやり取りをしているので、そういった意味で、何ら変わることなくこれからもやり取りはしていきたいと考えています。

【「FACTA」】
 京都ご出身だから当然よくわかっておられていると思うが、最近立命館の躍進がすごくて、共産党のいわゆる大幹部というのは常幹というが、今回何人立命になったかご存じか。

【代表】
 そこは知らないですね。もうご存じなのですか。

【「FACTA」】
 5人です。だから、なかなか。これはたぶん、私は全部はわからないけれども早稲田よりも立命のほうが多いのではないかというくらいだ。

【代表】
 私が学生、立命館大学に入ったときには、既に共産党さんが非常にある種強いというか、学内にもという話がありましたし、そこから立命館大学出身で共産党に関わられる方が多かったと聞いたことがあって、ただ、市田さんとか穀田さんとか、京都の共産党の方とかは一定おられると思うのですが、どちらかというと高齢な方々になってきているのかなと思っていたので、その常任幹部会ですか、新しい方などがいるのかどうかも含めて、また教えていただければと思います。

【「FACTA」】
 たしか2人くらい入っている。なかなかなれないんですよね、あそこは結構学歴主義ですから。

【代表】
 最近立命館も、中央省庁、増えてきていますので。

【「FACTA」】
 大躍進だというのが話題になっていたので、そのまま伝えたが。それで、政権とか云々は別にして、国会の戦いという意味では、通常国会が始まるが、やはり共産党の調査能力を含め、野党として、本当は昔のように検察の前にまさに黄色いペンキを投げるような局面だが、そうなっていないのはやはり野党がまとまっていないからだと僕は思うが、その辺でやはり野党の戦いという意味では、ある程度柔軟に、これまで以上にやるというようなお考えがあるのかどうか。共産党だけではないが、その辺を伺いたい。

【代表】
 その一つが「ミッション型政権」というふうにも考えているし、ただ、本当に皆さん気をつけていただきたいのは、自民党の政治が正されないのは野党の責任という理屈は、これまで長年やはり野党を苦しめてきた一つの理屈です。これは我々が責任逃れをしたいのではなく、自民党の中に他の政党がどこまで本当に手を突っ込めますかというところでいえば、これはやはり自民党の不祥事は自民党が批判をされるべき話であって、そんな自民党に不祥事を許しているのはほかの政党が悪いからだとなってしまうと結局根本解決にはならないと僕は思っているので、繰り返しですが、やはりその自民党そのものが世の中からきちんと批判を受け、きちんと正されなければならないということ。
 一方で、国民の皆さんからすれば、では、その自民党政権をなくして、自民党政権を取り除いたときに、日本で政権運営できる勢力があるのかということが私は問われていると思っていて、それはもう十二分に我々政権を運営できますということは鮮明にしておきたいと思います。
 なにも全ての政策をひっくり返して新たな政権をつくるという話ではなく、先ほど話をしたように、「ミッション型政権」ですから、例えば日米安全保障条約は当然前提にして、日米の外交関係を維持しながら当面政権運営を行い、その中で、当面どころか、これはもう我が党、立憲民主党も日米安保は堅持ですから、これは変わらないわけですが、やはり注力するのは政治改革、教育の無償化、子育て支援、消費の活性化、賃上げ、トリガー条項の凍結解除などなど、特に国民生活に関わる分野について私たちは政策合意は可能だし、これを最優先にやっていくことで、まず日本全体の活力を高めていきたい、日本を伸ばしたいと思っておりますから、その意味で、ぜひ、自民党しか政権を担えないとか自民党しか官僚をうまくコントロールできないなんていうことは絶対ないということは明らかにさせていただいて、野党にも信頼をいただければと。改めてですが、そのように感じています。

(以上)