10月2日、小川淳也幹事長は就任後初めて、会見を国会内で開きました。

 冒頭、小川幹事長は昨日発足した石破政権について、「出足がこれまで吐いてきた正論、筋論とずいぶん道を違えた形でスタートし、危惧もし憤ってもいる」と批判し、立憲民主党について「党運営が始動し、様々な党運営に全力を尽くしていきたい」と意気込みを述べました。

 また、自民党による裏金議員の公認について、小川幹事長は「関心をもっている」と述べ、「宣誓書で許される話ではない。そんな非常に甘い認識では済まないと言いたい」と訴えました。

 常任幹事会に先立って開かれた役員会で「政治改革を主戦場として国会総選挙対策を進めていく。自らの身を質すために、党執行部はパーティの自粛、政策活動費は支出しないと申し合わせた」ことについて明らかにしました。

 司会は幹事長補佐の中谷一馬衆院議員が行い、幹事長代行の手塚仁雄衆院議員が同席しました。

小川淳也


小川淳也幹事長・大串博志選挙対策委員長記者会見

2024年10月2日(火)15時54分〜17時07分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/5J_K7Zf2vuI


■冒頭発言(幹事長会見)

■質疑(幹事長会見)

■冒頭発言(選対委員長会見)

■質疑(選対委員長会見)


■冒頭発言(幹事長会見)

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、皆様大変お待たせいたしました。こちらから幹事長の記者会見を始めさせていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、小川幹事長、よろしくお願いします。

○新執行部の始動に当たって

【幹事長】
 皆様、改めまして、幹事長を拝命しました小川淳也です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 この会見ですが、進行は中谷幹事長特別補佐、そして幹事長代行の手塚仁雄衆議院議員に同席、また、お支えをいただきながら進めてまいりたいと思っております。
 冒頭、きのうの本会議で相当申し上げるべきことは申し上げましたので、重複は避けたいと思っておりますが、石破政権の出足が、かなり、これまで吐いてきたはずの正論なり筋論と随分道をたがえた形でスタートしているということを非常に危惧もし、また、憤ってもおります。
 きょう初めての執行役員会、そして常任幹事会等々、党運営、新体制が始動いたしておりますが、そういう中で、国会対策、そして選挙対策、様々な党務運営、全力を尽くしていきたいと思っております。
 一点だけ。ちょっとこれはいろいろご意見もあろうかと思いますが、非常に注目しているのは、裏金議員を公認するのかどうか。これについては大きく注目いたしております。何かちょっと、この時点であまり予断を持って申し上げるのはどうかとは思いますが、何でしたっけ、今の報道ベースだと、弁明書、宣誓書。宣誓書って何ですか。「ごめんなさい。もうやりません」と書くんですかね。それで許される話ではないだろうと。ちょっと聞かれる前に申し上げますが、先もって申し上げると、非常にそんな甘い認識では済みませんよということはちょっと先回りして申し上げたいと思っております。

○第111回常任幹事会を開催

【幹事長】
 常任幹事会、役員会でございますが、お手元に資料は行っているのですね。党務役員の構成の決定がございました。
 執行役員の構成案から、「次の内閣」、これは既に公表済みです。
 それから、総合選挙対策本部。本部長代行に小沢一郎先生にお入りいただくことになっております。
 幹事長部局の体制、党務役員、ほぼ留任ですが、過去の経緯も踏まえながら、今後の党務を進めてまいります。
 国会対策委員会、つながる本部、ジェンダー平等推進本部。
 それから、政治改革推進本部。若干補足しますが、これまで政治改革実行本部と政治改革推進本部という二頭立てでございました。政治改革推進本部は党規約に基づく正式な協議機関、意思決定機関であり、政治改革実行本部は中でも裏金問題に特化して対応するための特務機関でございました。この際、ダブルトラックであったものを整理して、今後、政治改革推進本部にて様々な意思決定を一本化して行ってまいりますので、ご承知おきいただきたいと思います。目下のところ、政治改革の更改正、政治改革関連法案の更改正について、党内論議、そして各党との様々なご相談、進めてまいりたいと思っております。
 選挙対策の関連は、この後、大串代表代行が選挙対策委員長として詳細ご報告申し上げますので、詳しくは申し上げませんが、本日の決定をもちまして候補者数は200名の大台に乗るということでございます。詳細はまた、この後、直ちに入れ替わりで大串代行が来られますので、お尋ねをいただければと思います。
 最後に、本日の常任幹事会に先立つ役員会におきまして、政治改革を主戦場として国会あるいは総選挙対策を進めてまいります、まず自らの身を正す意味で申合せをいたしましたのは、少なくとも党執行部はパーティーの開催を引き続き自粛するということ。それから、野田新体制においては政策活動費は支出しない、執行しないということの申合せを行いましたので、あわせて申し添えたいと思います。


■質疑(幹事長会見)

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。そちらのスタンドマイクのほうに発言ある方はお越しいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○臨時国会 石破首相の姿勢について(1)

【TBS】
 新政権について伺いたい。石破総理はきのうの就任会見で、自身の内閣について「納得と共感内閣」と名づけた。ここで、国民のための政治、何よりも第一に国民の皆様に納得していただき共感していただける共感と納得の政治を進めていくと話した。とは言いつつも早期解散を表明していることについて、幹事長のお考えを伺いたい。

【幹事長】
 全く納得も共感も、これに抱いておられる国民はいらっしゃらないのではないかと思います。むしろ、納得と共感というよりも、口約束、空手形。全く中身がない。そのことを危惧もしておりますし、今後のリーダーシップがどうなっていくのか注視をし、しっかり対峙していきたいと思っています。

【TBS】
 改めて、総裁選での発言と言行不一致だという話、本会議の反対討論でもあったが、ここについて就任会見も踏まえてお感じになっていることを改めて伺いたい。

【幹事長】
 これは予算委員会を開くか開かないとか、それぞれ重要な問題です。全閣僚に、新任の特に閣僚には、それぞれの専門家が厳しくその資質や考え方をただす、私どもの立場から言えば権利があり、それは国民も聞きたいことなのですね。ですから予算委員会を開く開かないは極めて重要な問題ですが、それ以上に、これまで自ら吐いてきた言葉に、この総理・総裁がどの程度責任を感じているのかということは、政治家のトップリーダーの資質として極めて重要なことだと。だからこそ、私どもは憤り、怒り、また、疑念を持っているわけです。
 そして、申し上げたいのは、こういう総理・総裁のリーダーシップのあり方、また、信認の強さ弱さは、直ちに今後、政策の推進力に直ちに影響してくるということです。それは経済政策にせよ雇用政策にせよ外交や安全保障にせよ、いかほど総理大臣の言葉が信認を集め、そして期待をされ、それが実行されるんだという確信を国民が持てるかどうか。これは直ちに総理大臣の政策推進力に直結し、それは直ちに国の命運、国民生活の命運を左右することになりますから。
 だから私どもは憤り怒っているわけでございまして、言葉に信認を感じられない、言葉に信認を持てない内閣総理大臣に、何事をも進めることはできないでしょう。厳しくこれは抗議を申し上げ、しっかり対峙していく。重ねてそのことを申し上げたいと思います。

【テレビ朝日】
 解散・総選挙について伺いたい。このタイミングでの解散の実施は、能登の被災地に大きな負担をかけるのではという指摘もあるかと思う。改めてになるが、この石破総理の解散のタイミングの判断、これは適切なのかどうかお聞きしたい。

【幹事長】
 全く適切と思いません。一連の自民党総裁選を含めて、この行き詰まった裏金問題に、きのう申し上げましたが、本当に煙に巻いて逃げ切ることしか考えていない。
 被災地(選出の)、この度、近藤和也さんに災害局長をあえてお願いしました。ご自身の地元のみならず全国の災害に目くばせをしなければならない立場ですから、非常に私自身も重荷を感じながら要請申し上げたわけですが、近藤和也さんに限らず、本当に被災地からの悲痛な声や叫びは、それこそメディアの皆さんのおかげさまもあって、多くの国民に届いていると思います。そこに対する想像力や共感力があれば、まさかこんな政局最優先の、逃げ切ることしか考えていないような解散・総選挙を含めた対応をするはずがないということは強く申し上げたいと思います。

【テレビ朝日】
 野田代表や近藤議員からも、選挙準備が被災地にとって大きな負担になるという話はあったかと思う。今、幹事長からも話があった被災地の悲痛な叫びというのは総理の元に届いているとお考えになるか。

【幹事長】
 届けようと一生懸命だと思います、被災地の方々は。しかし、肝心の受け止める側に、それだけの感性や感受性や謙虚さや、そういうものが欠けているとすれば、全くこれは届かない。
 おそれながら、私も国会が閉じてすぐ珠洲市に行きまして、倒壊家屋・倒壊ブロックを解体して撤去するボランティア作業に行ってきました。半年たっていましたが、もう元日の風景そのままかというあの風景が今でも目に浮かび、そして、そこにあの豪雨が追い打ちをかけたのかと思うと、もう本当に胸の張り裂けるような気持ちです。
 それこれを含めて、本当に新総裁には、国民の特に弱い立場にあったり困っていたり悩んでいたりという声に本当に寄り添ってほしいと思いますが、現状、残念ながらそれは期待すべくもないということを痛切に感じていますので、私たちの立場から言えば、これに取って代わると。交代をいただくということを強い決意を持って臨んでいきたいと思っています。

○党人事について

【共同通信】
 総合選対本部の、小沢一郎さんの人事について2点伺いたい。小沢さんといえば過去の政権交代で大変大きな役割を果たした方だが、この人事にした経緯、狙い、期待することについて、お願いしたい。

【幹事長】
 様々な評価をされる方だと私も理解・自覚しておりますが、小沢一郎先生の積み重ねてきた政治経験と、あるいは、時に人脈と、そして政治感覚。これはなかなか類いまれな実績と資質をお持ち。今よわい80歳を超えられてなお、私は尊敬と、非常に畏敬の気持ちのような、大変大先輩として心からリスペクトしております。
 ということは何ですが、総合選対本部でこれから選挙対策を総合的に進めるに当たり、様々な角度からご助言、そしてご指導を存分にいただき、叱咤激励いただきたいということである一方、通常の党務運営におきまして過重なご負担とか過重なご労苦をお取りいただくわけにもいかないわけでございまして、総合選対本部で本当に大所高所の様々なご指導をいただく、ご活躍をいただく一方、党務運営におきましては、代表のご意向も受けて私ども中堅・若手が、これは私ども問われていると思います、非常に試されているという自覚を持っていますが、党務運営におきましては私ども中堅・若手が、もちろん先輩方のいろいろなご指導をいただきながら、全面的に担っていかなければいけないと。そういう自覚の下におります。

【共同通信】
 関連して。その役割には他党との交渉の前面に立ってもらうということも含まれているのかという点と、それから、今回の代表選では野田佳彦さんをグループを挙げて支援し野田代表誕生に大きな役割を果たした方だと思うが、党内ではもしかしたら論功行賞だという批判もあるかもしれない。こういった批判にはどうお答えになるか。

【幹事長】
 それは小沢先生の人事に関連してですか。そうじゃなくて。それに関連して。
 あらゆる角度から大所高所ご指導いただきたいと申し上げたことに、何かを排除する趣旨は含まれておりませんので、実務として、これから時間のない中で何がどうできるかは、予断を持って申し上げられる状況にはございません。しかし、何かの役割を排除するとか何かの役割は含まれないとか言うつもりは毛頭ありませんので、様々なご経験やご見識を存分にご活用いただきたいというのが私の願いでもございます。
 また、論功行賞という批判の、そのそしりについては、この総合選対本部の構成は、様々、党務役員を含めて、全体バランスを考えた構成ですので、むしろ皆様ご存じのとおり執行部形成に当たってそういうご批判なり様々なお声があったことは事実で、これはかねてから公に、また非公式に、私自身も全身で受け止めながら、とにかく丁寧に、いい仕事をすることが半分。そして、極めて低姿勢で、謙虚に、党内の様々な立場や利害や考えや感情に十分配慮し尽くした党運営を進めていくことが半分。これはむしろ小沢先生云々ではなく私どもが背負うべき課題であり、結果を出していくべき責任を背負っていると理解しています。

○「政治改革」「衆院総選挙に向けた取組(1)」について

【NHK】
 政治改革の関連で伺いたいが、政治改革法案について、日本維新の会が立憲民主党などと共同で政策活動費の廃止を含めた法案を出したいという意向を示されているが、これに対して立憲民主党としてどのようなスタンスで臨むお考えか。

【幹事長】
 それぞれ、政治改革本部の現場、それから、場合によっては党代表と党代表、党幹事長と党幹事長、重層的に様々なコミュニケーションを取っております。
 現状、もちろん国会の会期が極めて限られていますので、今のままでは、どこまで合意に達し、どのような手続化に至れるかは、あらかじめ見通しを持って申し上げられる状況にはありませんが、私どもが目指している姿を申し上げれば、様々な論点がある中で、なかなか各党意見が合わないとか考え方が違うという部分を抱えていることも事実です。しかし、大きな部分で最大公約数を得られるはずであると、この政治改革に関しては。そういう希望的な見通しも持っておりますので、1日も早く、1日も早く野党各党で合意をし、そして、共通の理解、最大公約数にできる部分を骨子に据えた共同の立法、法案提出を目指したいというのが現状の私どもの考え方です。

【NHK】
 もう一点。維新に関連して、次の衆議院選挙、時間が迫る中で、候補者調整に関連した発言だが、現状では難易度が高いという発言をされている。野田代表を初め、これまで裏金議員の空白選挙区については前向きな候補者調整ができればという発言もあったが、実際問題これをどこまで党としてやるお考えがあるのかということと、具体的に窓口はどういう方が中心になってやっていくお考えか。

【幹事長】
 これは、どこまでやるかというよりも、あえてちょっと理想的なことを申し上げますが、どこまでもやれるに越したことはないわけで、どこまでやるつもりかというよりも、どこまでやれるかということだと思います。それには、各党が持っている様々な思いや思惑もあれば、また、この間たどってきた経過・経緯もありますので、加えてこの短期間・短時間ですから、そう簡単なことではないと私も認識しております。
 しかし、それは維新に限らず野党各党で、とにかく繰り返し申し上げるのですが、自民党と公明党は1人区を必ず一本化してきますから、野党各党がいかほど様々なことを乗り越えて一本化の努力をできるかというのは常に我々問われていると私は認識をしておりまして、とはいえ、いろいろな経緯や、きょうの常幹決定も含めてですが、ところどころやはり選挙区がバッティングしたり、また、総体でいえば、ところどころというのは新たにですね、新たにバッティングしてくるところも当然出ざるを得ない状況も一方にあるし、現状、既に多数、党によっては重複しているところもあるし、結果を見据えていかほどだと聞かれれば、それはなかなか容易ではないと申し上げざるを得ません。
 しかし、職責上、どういう状況であれ、各党の責任あるしかるべき方々と、相当なコミュニケーション、そして、仮に時に利害が対立してなお成立する信頼関係、これをどこまでつくれるかということも私は相当大きな責任を感じておりまして、チャンネルはというご質問に対しては、それは各党に代表がおられ、そして各党に幹事長がおり、各党に選対委員長があり、それを補佐する様々な方々がいらっしゃるわけですから、まさに重層的に、責任ある態度で、特に私どもの立場から言えば、こちらが野党第1党ですから、やはり謙虚に、そして丁寧に、真摯に各党と向き合っていかなければいけない。そのことを決意しています。

○裏金問題 自民党の対応について(1)

【時事通信】
 自民党の裏金事件の関連でお尋ねしたい。石破総理はきのうの記者会見で、裏金事件の再調査について、新しい事実が判明すれば必要だが、そういう状況にあるとは承知していないと、慎重な考えを示した。これについてどう受け止めるかと、今後自民党にどう迫っていきたいかということをお願いしたい。

【幹事長】
 麻生派で新しいことが少なくとも報じられているのではないですか。報道機関の皆様も責任を持って報じられているはずですから、何らの裏づけなくああいう報道が出ているとはとても思えません。したがって、石破さんには、ここでも自らの言葉の責任を取っていただきたい。責任ある態度で、真相究明と、国民に対する、国会に対する説明責任を果たしていただきたい。それは昨日国会でも申し上げたとおりです。
 対峙の仕方ということですが、とにかく政治改革が、いずれにせよこの国会、そして、もし来るのであれば来る総選挙の大きな争点になります。私どもの本気の姿勢、先ほど政策活動費の支出停止なども申し上げましたが、とにかく、できるところからしっかり備えを取って、「この人たちは本気だ」と、本気だと思っていただくことがまず大事だと思っていますし、同時に、野党各党との連携、これはハードルが高いということは率直に認めた上で、しかし、真摯な努力を積み重ね、最終的に野党各党も裏金議員のところでぜひ大きな強いプレッシャーをかけて、「責任を取ってもらおうではないか」という声にはかなりポジティブな各党の反応をいただいていると私は受け止めていますので、そうした選挙戦術論も含めてしっかり。
 これはつまり国民にボールが返ってきているわけですね、一連の裏金事件で。一時は検察の手が入り、それが必ずしも十分と思っている国民はおそらくいないと思います。本当は国税に入ってほしいと思っている国民もいるでしょう、「税金を払え」と。しかし、あらゆる状況を見て、最後、これは国民(から政治)にボールが返ってくるわけですから、その国民のボールを投げ返すべき相手は、裏金議員なのか、それとも、それに相対する人たちなのか。答えは明らかだと思うのですね。
 私たちの本気度と、そして野党各党とのあたう限りの連携とで、しっかりとした代替選択肢といいますか、もう一つの選択肢に私たちがなることが最大彼らを追い詰めることだと、やってきたことの責任を取ってもらうことだと考えています。

○衆院総選挙に向けた取組について(2)

【東京新聞】
 今の関連で伺いたい。野田代表は代表選の過程で、裏金議員の選挙区に1対1の構図をつくり出すことが大事だということをおっしゃっていた。今の関連だが、1対1の構図をつくり出すために立憲民主党が既に立っている候補者を降ろすというようなこともあり得るのか。そこら辺も視野に入れているのかお聞きしたい。

【幹事長】
 これはなかなか軽々に申し上げられません。きょうの常任幹事会の決定も含めて、新たにバッティングする可能性が芽生えるというようなことも含めて、非常に情勢は単純ではない。複雑ではあるということは率直に認めたいと思います。
 その上で、私どもは、なかなか、これは共産党さんの組織力というのは、本当に日頃ある種の敬意、あるいは時に驚きを持っておりますが、場合によっては中央からの号令一下で候補者を擁立したり、あるいは、時に撤退ということが号令一下でなされる様子というのは、時に驚いたり感嘆したりという部分もございますが、我がほう、本当にそれぞれが地域に様々な、時にしがらみを乗り越えて、それこそ人生を懸けて戦っている候補者が多数いるわけでございまして、なかなか党中央の一存をもって直ちにという状況にないことも率直に認めたいと思います。
 ただし、繰り返し申し上げているように、1人区が一本化するに越したことはない。それが最も望ましい姿だという、この普遍の原理は変わりませんので、これは他党との様々な協議の中で、どういう調整が可能なのか、あるいは難しいのか、もう本当に時間がありませんが、とにかく誠意を尽くしてコミュニケーションのチャンネルを太くしたい。
 結果として、今のご質問に、当方が降ろす降ろさないの可能性なり結論を今直ちに申し上げられる状況にはないことはお許しをいただきたいと思います。

【朝日新聞】
 候補者擁立のことでお聞きしたい。きょうの発表をもって候補者数200人の大台に乗った。まず、それをどう受け止めているかということが一つと、泉前代表時代に、200人に達した段階で単独過半数の233人に切り替えることも考えたいと泉さんはおっしゃっていた。もう残り少ない時間だが、ここから先、どれくらい上増しを目標とするのか。もしくは、時間がない中で、実際の見通し、ここからどの程度まで上積みする見通しがあるのか。その辺りをお願いしたい。

【幹事長】
 定数が465。過半数が233。そして、きょう我が党の候補が200名の大台に乗ったということで、もちろん理想はこの233ないし4、過半数を単独で擁立するということが理想であるということはよく理解をしております。
 一方、かつて政権を共にした仲間たち、関係性の強い友党等も含めますと、既に230、ちょっとごめんなさい、詳細はあれしたいと思いますが、私の記憶の範囲で言うと234、既に過半の擁立に至っている状況です。
 それから、重ねてご質問いただいているように、維新さんや共産党さんを含めて、重なっている選挙区がそれぞれ3桁に達していると理解しています。
 そういう状況の中で、理想は過半数、単独過半数をようする候補者。しかし、これから、仮に言われている公示が15日だとすると、もう本当に10日余りという状況の中で、きょうこの発表に至るまでも長年様々な地域の利害調整や様々なことを乗り越えてここに至っていますので、直ちにその目標を今引き上げますとか、あるいは、かくかくしかじかの水準には到達できる見通しですとかいうことを、大変申し訳ない、今明確に言い切れる状況にはありません。

○政治資金パーティーの開催自粛について

【朝日新聞】
 別件で、もう一点伺いたい。冒頭発言の中で、政治資金パーティーの執行部の自粛の申合せというお話があった。これはいつまで自粛を続けるということなのかという点と、あわせて、これまでもこのパーティーの自粛をめぐっては、自民党のほうはもうやっているわけで、なかなかこの自粛を続けるということについても党内賛否いろいろあったと思う。改めて、このタイミングで確認した理由をお願いしたい。

【幹事長】
 これは、本日、事実上新執行部が始動したわけです。役員会初めですね。ですから、この始動の最初のしょっぱなでこの申合せはしたいということで代表にもご相談を申し上げ、申合せに至ったわけです。いつまでというご質問に対して言えば、通常当面とか当分の間とかいう言い方をしますが、無期限。期限は切りません。とにかく自粛をするということです。
 ただ、後半のお尋ねは、より本質的なお尋ねで、自民党が何億、何十億と集めて、そして、その半分ポケットに入れて、税金も払わず、それを何に使っているのかわかりませんが、しかし、表に出ている資金だけでも相当これは政治活動に、片やクルーズ船に乗り込み、片やゴムボートを手漕ぎで漕いでいるという、非常にアンフェアな状況の中で政治活動が行われていることは事実で、これをどうしていくかというのは、より本質的・根本的な問題として、当面ちょっと総選挙対策が党運営の骨格になりますが、これは総選挙後も含めて、ちょっとより根本的な議論、本質的な議論をしなければいけない課題だと、極めて重要な課題だという受け止めです。現状ちょっとそれ以上のことを申し上げられる状況にはありません。

【朝日新聞】
 今の確認だが、無期限というのは、野田代表、野田執行部の間は無期限で。

【幹事長】
 正確に言うと、現状、期限を定めていないということです。もし何らかの、先ほど申し上げた大幅な本質的な議論や本格的な方向性で、納得感のある、例えば軌道修正や例えば新たな提案ということを否定するものではありませんが、少なくとも、あらゆることを含めて、説得力のある状態、あるいは国民に納得感のある状態。石破政権にありませんから、納得も共感も。
 私どもは仮にこの政治資金の問題を何らか本格的な改革議論をするとすれば、これはそれこそ国民の納得と共感を前提にした、新たなアイデア、新たな提案、新たな行動原理、これを生み出すべきであって、その期限も、現状、今、明確に定めるわけにはいきませんから、少なくともそうした納得感のある状態ができ上がるまでは、この自粛の申合せというのは極めて重いと私自身は考えています。

○兵庫県知事選について

【朝日新聞】
 最後に一点。きょう、兵庫県知事選をめぐり、日本維新の会のほうから清水参議院議員を擁立するという報道が出ている。現状の立憲民主党として兵庫県知事選の対応状況がどうなっているか教えていただきたい。

【幹事長】
 これはぜひ、後ほど大串選対委員長・代表代行が参られますので、詳細はまた言える範囲で言えることもあると思いますが、きょう常幹でもその点は議論になり、役員会でも議論になりました。
 元市長として、極めて仕事ぶりや、あるいはお人柄を含め、非常に期待のできる、信頼のできる方を軸に党としての支援態勢を考えていきたいというのが、本日現在の役員また常任幹事の共有している感覚です。

○裏金問題 自民党の対応について(2)

【日本テレビ】
 話題が裏金問題の公認について戻ってしまい恐縮だが、幹事長は冒頭で触れられていたが、一部報道で、自民党内では当該する議員の非公認を見送り比例代表での重複立候補を認めない方向で調整が進んでいると出ている。実際にそのとおりになった場合に、このような処分が適切、不適切、どちらとお考えになるか。また、自民党内ではこうした方向性について当該議員から反発が出ているが、こちらについてもどうお考えになるか、お願いしたい。

【幹事長】
 自民党内でどういう議論が出ているか、知ったこっちゃありません。大いにやってください。
 ただし、党公認って重いんですね。公式に認定し、その人に投票してくださいと呼びかけるわけです。党が責任を持って、石破さんが最終責任者として、公式に認定するわけです。
 比例の重複するのかしないのか、これも知ったこっちゃありませんが、それは内部の話ですから、勝手にやってくれと。国民には関係ないと。
 ちょっとやや厳しめに申し上げますが、言語道断、感覚ずれているんじゃないかというのが私の率直な感想です。

○マイナ保険証について

【フリーランス】
 石破総理の正論撤回、総裁選で言っていた発言を次々と撤回していることに関連して、マイナ保険証について石破さんは総裁選中に、一本化に納得しない人が多ければ紙の保険証との併用も選択肢だとおっしゃっていたが、きょう平デジタル担当大臣の会見で聞いたら、今までの方針を堅持すると。今までどおりマイナ保険証一本化を進めて紙の保険証は12月以降は使えないという方針をはっきりさせ、石破政権が「納得と共感」を掲げているにもかかわらず国民が納得しているかどうかの世論調査さえしない、拒否したということなのだが、これの受け止めをまずお伺いしたい。

【幹事長】
 ほら言ったこっちゃないという感想ですね。つまり、総理大臣の言葉の重みや責任が、どの程度閣内に浸透し、そして党執行部に浸透するかということが直ちに問われていると、冒頭申し上げたとおりでして、こういうことがいろいろなところに出てくるわけです。
 まさにこれは閣内不一致の問題であり、石破総理ご自身のリーダーシップの問題であり、そういうことがあちこちに出て、結局脅かされるのは国民生活の安心感と安定感だということで、強く苦言を申し上げ、こうしたことをぜひ国会で審議させてください。一体、総理は何のつもりでそう言ったのか。平さんならば平さんは、一体、何のつもりでそう言っているのか。国会でぜひ審議させていただきたい。改めてそれを強く要求したいと思います。

【フリーランス】
 総選挙で大きな争点の一つと、対立軸になると捉えられているか。

【幹事長】
 私どもはデジタル化はこれから先必要なことだと基本的に思っているわけですが、その準備整っていますかという問いをずっと投げ続けてきたわけで、その政権の体面と引き換えに、政権のメンツと引き換えにこの保健医療に係る国民の安心感を奪うことは、まさに本末転倒、言語道断だという立場を取ってきました。
 これは当然選挙で問われるべき。保険証の問題一つというよりも、それも含めて、繰り返し申し上げますが、政治姿勢といいますか、言葉の責任といいますか、政権が何を優先しているのか、何を大事にしているのかという、政治姿勢そのものと絡めながら、これは大きく問うていきたいと思います。

○臨時国会 石破首相の姿勢について(2)

【フリーランス】
 最後に。石破政権を例えるとすれば、敵前逃亡、口先内閣というのがぴったりなような気がするが、幹事長の捉え方を教えていただきたい。

【幹事長】
 いいアイデアだと思います。先ほどちょっと、口約束、空手形と申し上げましたが、同種の趣旨で、いいアイデアだと思います。

○衆院総選挙に向けた取組について(3)

【「FACTA」】
 きょうの常幹で、共産党のここ1週間ばかりの大量擁立、220、230立てるとおっしゃっているが、かなりの動揺というのか、これについて幹事長はどういうご説明をして、どういう受け止めをされているのか一番伺いたい。先ほどコミュニケーションとおっしゃったが、共産党のパイプは、岡田幹事長であり、穀田さんの関係を含めて安住さんだったと思う。現執行部で共産党首脳部とこういう問題についてどこまで話し合えるかというと、おそらくそういうものがないのではないか。これから東京を含めたところでどんどん立てられたら、これは容易ならざることになるが、その辺、きょう常幹でどういう話があって、幹事長としてはこの問題をどうお考えになっているのか率直に伺いたい。

【幹事長】
 常任幹事会で直接討議の対象にはきょうのところはなっておりませんが、繰り返し申し上げるように、1人区で野党が一本化が望ましい、越したことはない。もうこれは何度申し上げても申し上げ足りません。
 それから、情勢がさほど単純ではなく、容易ではなく、厳しい状況にあるということを率直に認め、執行部を預かる以上、そのことにある種の責任を感じながら状況と向き合っていきたいと思っております。
 そして、お尋ねの、様々なコミュニケーションのチャンネルですが、当然前体制下で泉代表そして岡田幹事長を初め様々ご努力をされてこられたことは事実だと思います。しかし、そこだけではないか、あるいは、そこにしかないのではないかという仮にお尋ねだとすれば、私は、例えば2016年、まさに前年の安保法制に対する国民的な猛抗議を踏まえて、あの頃からでした、例えば野党共闘という言葉が語られ、共産党さんが選挙区調整に応じる構えを見せていただき、私どもも歩み寄り、そのときの一つの象徴区が参議院香川選挙区で、私の地元でした。私の地元で、当方が擁立した候補を取り下げることとし、そして、結果として32の1人区で、全1人区で野党候補が一本化され、その前の参院選で二つしか勝てなかった1人区が11勝したというのが2016年の参議院選挙の歴史でした。
 当時小池先生初め関係の皆様と本当に真摯な協議に臨んだことは今でも忘れ難い思い出ですし、その後、折に触れ様々な話合いを続けてきたことも事実ですし、そして、きょうここにいる誰とは申し上げませんが、あらゆる角度で、あらゆる努力を継続して、いろいろな人間関係。時にこれ利害は対立します、別の党ですから。しかし、それでも、そういう状況下にあってなお一定の対話のチャンネルや人間としての信頼関係を築き上げてきたことは、繰り返し申し上げますが、重層的ですから。
 この重層的なパイプ、チャンネルで、しっかり対話を継続していく。諦めずに、責任感を感じながら継続していくというのが基本だと思っております。

【「FACTA」】
 今後の共産党のパイプはおそらく小川先生になるのだろうなと。16、17年のことを私もよく覚えているが、あの当時、小川さんや安住さんが共産党大会に行ったりしていたが、ただ、その小川さんのところに共産党は候補を立てた。それもリアリズムだ。それから、もう一つ、私がよくわからないのは、立憲の方に聞くと、立憲共産、あるいは閣外協力という、このレッテルが剥がれてよかったんじゃないかと、そう言う人も実はかなりおられるみたいだ。だから、その難しさというのはよくわかるが、そこのところは幹事長としてはどういうふうに考えるのか。やはりそれが剥がれてよかったという選挙区もたぶんあるのだと私は思う。その辺のところは新執行部は、野田さん、幹事長の小川さん、やはり共産立憲のこれは重たかったから剥がれてよかったと思っているのか、これは率直に伺いたい。

【幹事長】
 剥がれてよかったということを言っている人もいますよというお尋ねであれば、それはいるのかもしれません。
 ちょっとここを誤解なく慎重に申し上げたいのですが、あえて言います。あえて、政治的立ち位置を、よく右だ左だと言いますよね。あえて右だ左だと言います。そうすると、例えば左は右が嫌だとか右を切れとかいうことを時に言いがちだということがあり、逆に右は左が嫌だとか左を切れとかいうことを時に言いがちであるというのが、経験上、感じたことがあります。しかし、野党第1党は、私ども野党第1党は、常に野党のど真ん中に立って、もちろん右からこう言われたり左からああ言われたり状況は様々です。しかし、あらゆることを受け止めながら、謙虚に、そして、真摯に対話を重ねていくということに尽きるわけです。
 ですから、剥がれてよかったなという人がいるのかもしれませんが、それに同調する気持ちはありません。野党第1党は、常に辛抱強く、野党のど真ん中に立って、右左、あえて言えば前後ろ、いろいろですが、あらゆる声を受け止め、いずれからも信頼され、時に利害が対立してなおです、どんなときも信頼され確固たる存在感でいるという責任を負っていますから。
 その上で、ちょっと一言だけ言わせてください。よく「立憲共産党」「立憲共産党」というレッテルを貼りたがる方々がいらっしゃいますが、立憲共産党という政党はこの世に存在しませんからね。ただただあるのは立憲民主党という政党と日本共産党という政党があるだけですから。時に協力したり連携したりすることもあり、時に利害の一致を見出せないこともあるだけですから。立憲共産党という政党は存在しませんから。それはちょっとこの場をおかりして。
 もう一つだけ。その言葉を、悪意なく、意図なく、故意なく使っている人に私は会ったことがない。立憲共産党という言葉を使いたがる人は、分断をあおり、そして、何だか知りませんが、ある種の、ちょっと侮辱という言い方が当たっているかどうかわかりませんが、嫌なんでしょう、そういう野党の協力態勢ができることを嫌がっている人たちがいるんでしょう。そのある種誹謗中傷だったり、私はこの言葉を悪意・故意なく使っている人に会ったことがない。
 繰り返しますよ。立憲共産党という政党は存在しませんから。あるのは、ただ立憲民主党と日本共産党という政党がある。その政党の名前を勝手にもじったり何だりしながらやゆするのは、その後ろにいる何百万人、何千万人という有権者の存在に対する想像力とか、そういうことに欠けた極めて失礼な態度だということを私は申し上げたいと思います。
 それも含めて、いろいろなことをいろいろな方が言いますから、あらゆることを謙虚に受け止めたいと思っています。

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。質問が尽きないところなのですが、幹事長はそろそろ次の日程がございまして、ずっと手を挙げていらっしゃったので、最後、端的に1問だけ伺いたいと思いますので、幹事長も端的にお返しいただければ。

【幹事長】
 はい。ご指示どおりに。

【京都新聞】
 衆院の滋賀選挙区のことでお尋ねしたい。本日2区で平尾さんの公認内定が出た。この選挙区は、自民党の候補者、そして、元立憲民主党で現在教育無償化を実現する会の徳永さんが立候補する予定だ。その徳永さんは維新に合流するという報道があり、あす正式発表される見込みだが、こういう選挙区で平尾さんに期待することをお尋ねしたいのと、公認内定が出た当日に聞くのも何だが、徳永さんと選挙区調整のような余地はあるのかどうか、これもあわせてお願いしたい。

【幹事長】
 選挙対策に関して、詳細、大串代行のほうから後ほど必要があればお聞きください。
 ちょっと全体を拝見する立場から、非常にこれは難しい判断だということは、新体制になって最初の公認作業ですので、よく自覚をしております。それから、野田代表がかねてから、あるいは就任後も、幅広く野党間の連携に対して真摯な態度で臨みたいということを申し上げている、その言葉に偽りも他意もありません。ただ、いろいろなことを積み上げてきたり、また、いろいろな経緯があったり、それから、地元県連含めて様々な声や要請のある中で、一つ一つ重い判断、苦しい判断をしていかなければいけないという側面があることもこの際率直に申し上げ、ご理解いただきたいと思っております。
 候補者ご本人に期待することは、これは特に誰にどうということはありませんが、ここで野党を名乗って、野党第1党を名乗って国政選挙に向き合うということの責任感ですよね。これは政治改革の問題もあり、そして、停滞した社会をどう変革、正しく変革していくのかという、最も大きな課題もあり、それらを、候補者なりに様々な人生経験を積んでこの度の決断に至っているわけですから、共有をしながら、全国各地域の候補者共々に奮闘していただくことをご期待申し上げ、また、それを全面的にバックアップしていきたいと思っています。

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは、質問が尽きないところなのですが、本日の会見はこれにて終了させていただきたいと思います。全員指せずに申し訳ございませんでした。また引き続きよろしくお願い申し上げます。

■冒頭発言(選対委員長会見)

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは、続きまして大串代表代行・選対委員長より会見をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○衆院総選挙に向け新たに8名を公認内定

【選対委員長】
 きょうの常任幹事会において、皆さんの手元の資料にもあると思いますが、8人の次期衆議院選に向けた候補者の内定を決めました。
 山形県3区、石黒覚さん。
 千葉県6区、安藤じゅん子さん。
 東京第24区、有田芳生さん。
 東京30区、五十嵐えりさん。
 静岡県5区、外山和之さん。
 滋賀県2区、平尾道雄さん。
 鳥取県1区、朝倉浩之さん。
 島根県2区、大塚聡子さんです。
 計201名、200選挙区になりました。やっと200選挙区を超えました。
 あわせて、きょうは北海道の道議会補欠選挙についての候補者の公認もしました。
 とにかく衆議院選に向けて、やっと200まで来ましたので、更なる上積みを目指してしっかり頑張っていきたいと思います。
 きょうは一応、常任幹事会はこれ以降、通常2週間に1回なのですが、そういう開き方は今後しないので、今後の選挙の公認、それから選挙に関する様々な承認事項に関しては、代表に一任をもらいました。こういった中で速やかに200以上に向けた積み上げをしっかりやっていきたいと思います。


■質疑(選対委員長会見)

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは質問をお受けさせていただきたいと思います。質問 ある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○衆院総選挙に向けた取組について(1)

【京都新聞】
 先ほど幹事長にもお聞きしたが、滋賀2区選挙区のことで、この選挙区は自民党の候補者と元立憲の徳永さん、今後維新に合流されるようだが、その中で平尾さんに内定がきょう出たわけだが、改めて選対委員長として平尾さんに期待されることをお願いしたい。あと、徳永さんとの候補者調整の余地はあるのかもあわせてお願いしたい。

【選対委員長】
 まず後者からお話ししますと、徳永さんが1年半前に離党されて、県連において、そして党本部において、除籍処分という形になっています。それ以降、候補者を絶対に擁立するということで作業を県連と本部でやってきました。その結果として米原市長の平尾さんという方に白羽の矢が立ったわけでございます。この経緯からして、徳永さんが今回教育の会として維新と合流されるという状況があったわけではありますが、この流れの経緯からして、私たちは候補者を立てると、滋賀2区は戦うんだということでやってきた経緯がありますので、候補者調整というのにはなじまない。私たちは私たちで独自の戦いをしていくということになります。
 平尾さんは米原市長として手腕をこれまで発揮してくれました。その立場から、最近においては大雨災害等々、地方自治の大変な問題もございます。非常にリベラルな立場から人に寄り添った行政をやってきた方です。そういった方ですから、今の自民党の金としがらみにまみれた政治ではない、一人一人に寄り添った政治をやってくれるものと期待しています。

【京都新聞】
 滋賀1区についてもあわせてお聞きしたい。この選挙区は自民党の候補者と共産党の候補者がいて、元国民民主党で今現在教育の斎藤アレックスさんが立候補予定だ。この斎藤さんも、あす正式発表があるようだが、維新に合流するという報道がある。そうなると国民も立憲も候補者がいない状況で、連合が支援する候補者というのはいない状況なのかと思うが、滋賀1区に候補者擁立をするお考えはあるか。

【選対委員長】
 滋賀においては、実は、国民さん、連合さんとは、非常によく話をして今までやってきました。その中で、ざくっとしたイメージで言うと、やはり1区においては国民さんの候補擁立への検討を私たちは見守ろうと、正直言って思っています。2区・3区においては私たちとしてしっかり立てていくと。こういうふうなざくっとしたイメージで、実は連合を中心として国民・立憲でこれまで長く話し合ってきた経緯がございます。ですから、まず1区に関しては国民さんの動きを見守りたいと思います。
 様々野党の連携に関して話を皆さん言われますが、このように事実上国民さんなどと話をしながらいろいろやっているところはあります。そういったものの積み上げの上に今200選挙区まで行ったわけであって、これらが選挙のときに力を発揮してくれればいいなと私は思います。

○7条解散めぐる議論について

【西日本新聞】
 選挙実務のちょっと前段階のことで、先ほど幹事長にお伺いしようと思っていたが、今回の衆院の解散のあり方について、石破総理ご自身が従来否定的な態度を示していた明らかな7条解散ということになり、御党の野田代表も非常に批判をされているが、3年前も同じような選挙を自民党側が仕掛けるというような形になった。この3年の間に、立憲民主党として解散権のあり方を制限するために手続法案など準備をされていたこともあったかと思う。これまでの、特にこの3年間の、立憲民主党として首相の解散権についてどういう制限をかけるべきだという議論をしてきたか、わかる範囲でご紹介いただいて、態度を教えていただきたい。

【選対委員長】
 これまで、総理が恣意的に解散を行う、7条解散を恣意的に行うというのは非常によくないという観点から私たちは議論を行ってきて、法律で制限するという考え方の議論をしたこともありますし、衆参の憲法審査会において、7条解散を念頭に置きながら、その憲法のあり方自体を考えるべきではないかという憲法論議にも踏み込んで提起したことがあります。うちの憲法調査会でもそのような議論をしたことがあります。そういった、まずは憲法、そして法律、双方において、やはり7条解散において恣意的にこれは解散が行われることがあってはならないという方向に向けて検討してきました。そういう状況です。
 とにかく今回の状況は、前言を撤回して、国民に判断する材料を提供すると、予算委員会を開くと、あれだけ明言しておきながら、実際権限・権力を握れば、裏金を隠したいと、裏金問題に追及されたくないという一心で7条解散を振りかざす。もう今までの自民党と全く変わらないですね。表紙を変えても自民党は変わらない、この象徴的な例だと思いますので、しっかり、選挙が行われれば選挙で私たちの意思を示していく。その後、新しい国会において、今話があったような、これまで議論してきたような憲法面あるいは法律面での議論を更に深めていきたいと思います。

【西日本新聞】
 確認だが、特に1年前の臨時国会で提出を準備されていた衆院解散の手続法案は、現時点でことしの通常国会が終わるまではまだ国会提出はされてはいないわけか。

【選対委員長】
 ちょっとそれは確認させてください。この場ではよくわかりません。

○衆院総選挙に向けた取組について(2)

【NHK】
 冒頭おっしゃっていた衆院選に向けた公認の更なる上積みの関係だが、公示日まで時間が限られる中で、選対委員長として各野党と候補者調整をどのようにやっていくかという意気込みを改めて伺いたい。

【選対委員長】
 これまでも、この今の政治状況を踏まえれば、与党の議席を一つでも減らし野党の議席を一つでも増やす、その大きな目標のために各野党の皆さんと誠意ある対話を行いながら各野党の皆さんと連携して力を合わせていきたいということをずっと申し上げてきました。その流れの中で、春の補欠選挙を戦い、様々な国政選挙、地方選挙、首長選挙を戦ってまいりました。その考え方は今でも変わりません。時間のない中ではありますが、各党とは誠意ある対話を通じて真摯に向き合って、とにかくできるところまではやっていきたいと思います。
 ただ、相手方のあることでもあり、こちら側だけで決められることではないので、簡単なことではないのはよくわかっています。その上で、やれることはしっかりやっていきたいと思いますし、候補者擁立に関しては、できるところは私たちとしての候補者をしっかり立てていくということをやっていきたいと思います。

【フリーランス】
 ちょっと個別なことで失礼します。東京30区に、現武蔵野にいらっしゃる都議の五十嵐えりさんが、これは決まったのか。

【選対委員長】
 決まりました。

【フリーランス】
 東京30区は新しくできて、自民党の長島さんと、共産党の人が初めから手を挙げていた。五十嵐さんを持っていくというのはどういうことか。

【選対委員長】
 五十嵐さんは武蔵野ですからね、場所が違うということをおっしゃっているのだと思いますが、しかし、これまで五十嵐さんが行ってこられた活動を見てみると、大変有為な方です。自ら働き、働く中、現場の中で様々な思いを抱き、弁護士資格を取り、そういった中で今度は政治にチャレンジして都議になり、大変有能かつ有為な人材だと思っています。
 新設区でありますので、新設区に向けた候補者擁立をしていかなければならないという中で、白羽の矢を立てました。しっかりした人物ですから、しっかり頑張っていただきたいと思います。

【フリーランス】
 ちょっと詳しいことを言うと、彼女は小西さんの秘書をやっていた。それから、武蔵野にある意味で落下傘で、市民の方に育てられた。しかも、まだ1期も終わっていない。そうすると、ここは1人区だから、すぐ補選になる。要するに立憲民主党は都議が少ないわけで、ここは候補者、この前の市長選に自民党の小美濃さんに負けた人が出るらしいということだが、このようにある意味で勝手に動いて、要するに小選挙区というものはどのようにできたかというのは当然大串先生は詳しいから知っているでしょう。田村元さんが中選挙区から分かれないといけないということで田村憲久さんに譲りましたよね。そういったこともわかるが、こんなにぽんぽんといろいろと変わっていいものなのか。

【選対委員長】
 しっかりした候補、勝てる候補を立てるという考え方で、どの選挙区もやってきています。様々な出自、様々なタイプの方々がいらっしゃいますが、とにかく地元の皆さんとしっかり働け、勝てる候補を立てていくと。こういう考え方で今後もやっていきたいと思います。

【フリーランス】
 それと、共産党さんとどのようにこれから、手を組んでやっていくかどうかわからないが、ここでの一本化というものも考えているか。

【選対委員長】
 どこということを申し上げることはありませんが、いずれにしても、与党の議席を少しでも減らし野党の議席を少しでも増やせるように、大きな大義のために連携して力を合わせていきたいと思います。

【朝日新聞】
 裏金議員の選挙区に関係して、先ほど来質問もあったが、維新の馬場代表が、一本化のために立てない協力を考える余地はあるというふうな発言をされた。維新はこれまで立憲との調整にはかなり元々否定的だったが、こうした発言が出たことをどのように受け止めていて、どう調整を進めていくかお願いしたい。

【選対委員長】
 裏金問題を許さないという考え方を野党全体で共有しようという思いからの表れの声だと思いますので、傾聴に値するご意見だと思います。
 もちろん、私たち、各党各党、自分たちの党勢拡大のために候補を出していかなければならないと、最後までその努力をしていかなければならないというのはあります。一方で、裏金の問題に対して、野党がまとまって絶対にこれを許さないということを選挙の候補者擁立において表していくということは大切だと思いますので、頭にしっかり置いていきたいと思います。

【朝日新聞】
 こういう発言を、調整における協議の態度の軟化の兆しと捉えているか。どういうふうに捉えているか。

【選対委員長】
 一つ一つの発言は、私、一つ一つちゃんと見て、いろいろな意味があるものと受け止めておりますので、そういった受け止め方をしながら、個々にお話しするときに話をしていきたいと思います。

○兵庫県知事選について

【朝日新聞】
 先ほど幹事長にも聞いたが、兵庫県知事選の現在の状況を改めてお願いしたい。

【選対委員長】
 稲村和美前尼崎市長へ白羽の矢が立っていると。私たちの県議会派、仲間の議員さんともかなりのつながりのある方です。非常に有為な方で、行政経験も豊富な方です。私たちとしては非常に有為な候補者になられるのではないかと思っていますので、もちろん私たちだけでこれは決められる話ではないので、多くの皆さんと相談しながら、しっかりとした戦いをしていきたいと思います。

○衆院総選挙に向けた取組について(3)

【フリーランス】
 昨今の補選などを見ていると、立憲民主党は、農業政策や護憲姿勢とか、そんな面で地方の方々により誠実に映るという感じで、今、BSのテレビなどでも地方選は立憲勝ってきていますねという言葉が聞こえるようになってきていると思うが、そこにやはりちょっと農業票かなと思われる石破さんと森山幹事長が来たというところで、多少ちょっと引き戻されるようなイメージもあるかと思う。地方選、地方メディアなどを引きつけていくような選挙戦というものに関して、ちょっと拝見していると、不利な立場のところをおもんぱかって遠慮がちな集まりが多いなという印象を受けているが、逆に言うと、マスコミさんのほうに立憲のほうからお願いしたい部分というか、どのような角度から取材とか質問をしてほしいとか、そういったところというのはあるか。

【選対委員長】
 長年の自民党政治・政権の中で地方が衰退する一途であったということは火を見るよりも明らかだと思います。そのことは、私、例えば島根県の1区の補欠選挙のときに痛切に感じました。もちろん当時の裏金問題や(旧)統一教会の問題に対する強い批判の声はあったのですが、同時に、自民党王国と言われた島根県において、何十年の自民党支配の中で、結局、島根県のこの厳しい状況は何なんだという強い声があったのは事実です。
 私は今回、衆議院選挙が行われるとしたら、そのような地方の強い長年の不満の声はかなり存在すると思っていまして、だからこそ政権交代をしていかなければならないんだという根本的なお訴えをしていきたいと思います。やはり大都会や強いところだけに目を向けた、金と一緒にしがらんだ自民党だと、どうしても地方が取り残されてしまう。こういった、裏金問題とセットになった、金としがらみの問題とセットになった、地方への訴えをしっかりやっていきたいと思います。

【「FACTA」】
 選対委員長として、自民党総裁選とこちらの代表選があって、これだけ国民が選挙にというか政治に関心があるから、次の衆議院選挙の投票率は、前回55くらいだったと思うが、これはかなり上がるのではないかと思う。大局観としてその辺をどうご覧になっていて、やはり投票率が増えれば比例ブロックという意味では野党が、自民党と書きたくない人はたくさんいると思うので、すごく勝利するし、そこはやはり立憲のチャンスではないかと思うが、その辺のところを。もうこれから小選挙区で立てる人も結局は比例をかさ上げするためにやっているようにしか見えないが、そういうところに働きかけをどうするのか。その一方で、それをやるためにはやはり基本的に落選運動ということだと思うが、そういう言葉を使って第1党が裏金議員を全部落とすような目標数字を出したり、そういう積極的な取組はまだできると思うが、それはおそらく自民党と書かないということにつながると思う。個人の名前でなければ。その辺の大きな戦略はどうお考えなのか伺いたい。

【選対委員長】
 裏金問題を最大の今回の争点だと位置づけることが一番の鍵だと私は思っています。全国の皆さんの怒りはそこにあると思っています。
 ですから、例えばこの間の選挙に向けた取組としては、裏金議員のところにはとにかくきちんと立てていくと。野党のほうからも先ほど来お話があったような取組を同一化させていくという話も出ているくらいですから、そういった声にも呼応しながら、野党全体で裏金議員をとにかく、落選させるという言葉はよくないのかもしれませんが、野党候補がそれを乗り越えていくというような結果を出せるように頑張っていきたいと思いますし、あわせて、比例票に関しては、これは大事です。大事です。これは候補者を積み増すのみならず、SNSの使い方も含めて、かなり私たち、この最近において学ぶところもありましたので、しっかりこの裏金問題を中心に訴えて、徹底的に今回は、裏金問題をうやむやにした石破氏で本当にいいのかという、徹底的にこの論点で戦っていきたいと思います。

【「FACTA」】
 その視点で、共産党を含めて積極的に動くお考えはあるのかどうか伺いたい。

【選対委員長】
 一生懸命これまでも頑張ってきておりますし、きょうもあしたもいろいろな方とお会いしながら、一生懸命最後まで、できるところまで頑張っていきたいと思います。

【フリーランス】
 野田新代表が就任する前後の言動で、共産党との関係が明らかに悪化したと。選挙の連携関係も後退したということは明らかになっているが、これは選挙対策の立場としてはマイナス要因、困った状況だと思うが、野田新代表に対して、ちょっと言動を気をつけてくださいとか、せめて泉前代表と同じような関係が続けられるように注意とか自覚・反省を求めるようなことはされないのか。

【選対委員長】
 新しい体制になって、代表選のときとは違って様々な発言のあり方も代表として発言していただくことに関して、私は党務総括の代表代行として、もちろん選挙を担当する人間として、野田代表ともしっかり話をしてきています。
 共産党の方々は、その協力がなかなか難しくなった理由として三つおっしゃっていて、これはもう外にも出ておりますが、一つは、安保法制に関する言いぶり。もう一つは、ありていに政権を一緒に組まないと言われると、なかなかそれは駄目だと。もう一つは、維新との距離のことを言われています。
 一番目の、安保法制の言いぶりに関しては、野田さんは、安保法制に関して違憲部分があるというのは明確だということは、もう代表選のときも言っています。なおかつ、安保法制の違憲部分を廃止するということは党の基本方針であると。なおかつ、その際に、それを行っていく場合には、これまで10年たっていますから、様々な現状のあり方を検証して行っていくんだということを言われています。ちょっとそこのところがうまく伝わっていなかった面はあるなと思っています。
 すなわち、安保法制の違憲部分は廃止していくというのは党の考え方であって、これを実現していくという考え方に変わりはないと。足りなかったのは、それを進めていくに当たって、この10年間の様々なあり方をもう一回検証して、やり方を考えていくんだと。それを進めるに当たってという言葉が代表選のときにはありませんでした。
 これは、この間の週末のNHK「日曜討論」などにおいてはきちんと埋め込まれています。ちゃんとロジックがつながるように、安保法制の違憲部分を廃止するということは党の決まった方針であり、これを実行していくと。それを進めていくにおいて、この10年間のあり方を検証するんだというふうに、進める方向には間違いないということをきちんとNHKの「日曜討論」などでも言われるようになってきています。
 もう一つ、政権を一緒に組まないということを直に言われるとどうかということに関しては、これは実は泉代表のときも泉代表本人も岡田幹事長も言われてきた言葉です。そのことは率直にお伝えしたいと思っていまして、これもこの週末のテレビの場でも野田代表のほうから、これは私が初めて言ったわけではなく前体制においても言われた言葉なのでそれを踏襲していますということを言われています。
 こういった言葉足らずの面があったかもしれませんが、そういうところはきちんと発信するにおいては発信して、いずれにしても各野党の皆さんと連携して力を合わせられる方向が進められるように頑張っていきたいと思います。

【フリーランス】
 だったら野田代表と田村さんが近いうちに会って誤解を解くのが不可欠だと思うが、 そういう予定はないのか。

【選対委員長】
 様々なチャンネルでそれができるのではないかと思っています。

【司会(幹事長特別補佐)】
 質問が尽きないところではございますが、そろそろお時間となりましたので、この辺りで記者会見は終了させていただきたいと思います。皆さんご参集いただきましてありがとうございました。

(以上)