石破首相との「党首討論」を終えた野田佳彦代表は10月9日、記者団の取材に応じました。

記者:

 党首討論の受け止めをお願いします。

野田代表:

 討論の途中でも言いましたけれども、裏金問題で新しい事実が出てきても再調査しないなど、早く解散したい理由がよくわかりました。「裏金隠し解散」と感想を申し上げましたが、まさにその通りだったと思います。

記者:

 石破総理が総裁に選出された時のぶら下がりで、野田代表とはお互い逃げるタイプではないとおっしゃっていて、がっぷり四つに組んでどっちに押し切るかという論戦を是非やってみたいとおっしゃっていました。今日はそのあたりの観点からがっぷり四つに組めたと感じますか。

野田代表:

 石破総理は、予備費の話を含めて、苦しい答弁ばかりでしたね。きちっと答えてないものが多かったと思います。代表質問でもそうでしたけど、石破さんじゃない人と議論しているような感じでしたね。

記者:

 国民民主党の玉木代表の質問の中にあったのですけど、石破総理が次の衆院選で政策活動費について適法な範囲内で適宜適切に使うと言っていますが。

野田代表:

 適法の範囲をどうやって証明するかですよね。領収書もいらない渡し切りじゃないですか。ということは裏金の関係で今回は公認しない人に渡す可能性もある。あるいは重複立候補しない接戦の人に渡す可能性があるでしょう。そんなことに使うんですか。それはいくらなんてフェアじゃないですね。そんなことはやっちゃいけないと思いました。

記者:

 今日の党首討論で、代表の方から被災地のことを考えるとこのタイミングで選挙するべきでないというお話もありました。今回の党首討論をもって、どこに解散の真意といいますか、石破総理の中の真意を感じられますか。

野田代表:

 ご祝儀相場で自分たちが勝てそうだという時に解散をすると。やってはいけないことと本人が言ってきたことを、ご本人が総理に就任したら戦後最短でやるという、まさにもう本人が否定したことをやるということですよね。あの言行不一致、極めて甚だしい言行不一致だと思います。政治は言葉と信頼が大事ですから、これでは何言っても信用されなくなると思いますね。

記者:

 そういった総理に対して、衆院選にどういった姿勢で臨まれていくのか教えてください。

野田代表:

 厳しく対決ですね。特に政策活動費までつぎ込んでくるなら我々にそんなお金はないですけど、しっかりといっぱい汗かいて、そして特に裏金議員のところや接戦区で一つでも議席を増やしていくように全力で頑張っていきたいと思います。今日は敵がい心が出るやり取りだったと思います。

記者:

 党首討論の最後に「政権交代こそ政治改革」と述べておられました。衆議院選挙で政権とった暁に、政治とカネの問題についてどのように答えるか、代表のお考えをお聞かせください。

野田代表:

 今国会では時間がなくて、政治改革について野党で全部調整しきれなかったが、方向性は大体一致している。そういう本気の政治改革法案みたいなものをまとめて、自民党に実現を迫っていくという構図を実現していきたいと思います。

記者:

 政権をとったら自分たちでできると思うのですけど、政権とったらどのように出しますか。

野田代表:

 法案は出せますよ。でも衆議院と参議院で与野党がねじれているわけで、そう簡単じゃないですよ。だから迫るということです。

記者:

 党首討論の中で追加公認もあり得るという趣旨の発言を石破首相がしておられましたけど、それについての受け止めをお願いします。

野田代表:

 非公認になった方は、比較的大物ですから戻ってきて要職につけるだろうと。どんどんと要職につけていくということじゃないですか。もっと詰めていこうと思ったのは、離党勧告を受けた和歌山の参院議員が衆院議員に出てきていますよね。離党勧告を受けた人も復党できるんですかね。追加公認になるのかな。そこまで詰めていきたかったですが時間なかったです。

記者:

 「裏金隠し解散」という命名もされていましたけれども、名前を付けた理由を教えてください。

野田代表:

 党首討論のやりとりで全て新しい事実が出てきたじゃないですか。あの安倍派の会計責任者の問題を含めて。あんなに明々白々な事実があっても再調査しないですから。で予算委員会で証人喚問もやらないんだから。全部臭いものに蓋をすると。とっとと衆院選をやってみそぎにしちゃおうと。これほど露骨な裏金隠しはないと今日は答弁を通じて改めて思いました。

記者:

 衆院選で何を重点的に伝えていきたいのかということをお聞かせください。

野田代表:

 本当は分厚い中間層の復活、日米同盟基軸とした安全保障、多様性を認め合う社会とか。いくつもの柱を立ててやっています。もちろんそれは一生懸命訴えなきゃいけませんけど、やはりまずは「信なくば立たず」というこの状況に対して危機感を持って、この裏金問題はまだ決着が付いてないと。自民党では全然進まないということを申し上げて、やはり「政権交代こそ最大の政治改革」ということを一番強く言わなければいけないと改めて思いました。

記者:

 「政権交代こそ最大の政治改革」と掲げていますが、有権者に対して、政権担当能力があるということをどのように示していくとお考えでしょうか。

野田代表:

 それはやはり政策実現性などを含めてご理解いただくということが大事だと思いますし、かつての我々の政権の運営に対して不満を持ってらっしゃる方、不安を持ってらっしゃる方もいらっしゃると思いますけども、政権交代によって高校授業料の無償化とかあるいは子ども手当てとか、その後他の政党や自民党も追随せざるを得ない政策を打ち出した正統性も、これを訴えていきたいと思います。予算哲学の異なる政党が時折政権を変えた時に、政策的に正しい方向が生まれるということがあり得ますので、そういう政策面での自信を持った訴えをしていきたいと思います。

記者:

 今日は解散ということで、衆院選での議席獲得を含めた目標をお伺いできればと思います。

 野田代表:目標は自公の過半数割れとずっと申し上げてきました。その中で私たちは比較第一党を取ろうということなので。これは相対的なものでありますので議席を具体的に言う話ではありません。

記者:

 解散となって事実上の選挙モードに入ります。他の野党との一本化の現在の状況とこれからどう進めていくか教えてください。

野田代表:

 もう解散ですし、公示が15日と限られた時間でありますけれども、それぞれ世論調査もやっていると思いますので、そういうものなど付き合わせながら、可能な限り誠意ある対話はし続けていきたいと思います。時間との勝負かもしれませんが続けていきたいと思います。今日は4党で不信任案を共同で提出しましたので足並みを揃えて総選挙に突入していきますのでね。こういう誠意ある対話もまだ続けることができると思います。