衆院予算委員会で2月26日、令和7年総予算に関する集中審議(教育・社会保障等)が開かれ、立憲民主党から黒岩宇洋、岡本あき子、井坂信彦、おおつき紅葉、本庄知史各議員が質疑に立ち政府の見解をただしました。

■黒岩宇洋議員

20250226_105212.JPG

 黒岩議員は、(1)旧安倍派の松本元事務局長の参考人招致(2)自民党政治資金法再改正案(3)企業・団体献金の禁止(4)給食費無償化(5)地方創生交付金事業――について質問。

 自民党政治資金法再改正案については、「禁止より公開」と言いながら公開対象(公開項目)も公開基準(金額)も拡大しない内容だと指摘。「看板倒れで何も公開強化されていない。裏金防止として企業・団体献金の禁止法案」を成立させるべきだと主張しました。

 小学校の給食費無償化が令和8年度から実施になったことには、立憲民主党はかねてから重要な柱として訴えてきたと述べ、「当然わが党の主張も受け入れてもらったという認識でよいか」と確認。石破総理は「主張に耳を傾けるのは当然」だと答えました。

■岡本あき子議員

20250226_111632.JPG

 岡本あき子議員は、高額療養費上限引き上げについて、「現役世代への負担を増やすものだ」として厳しく政府の方針をただしました。

 岡本議員は、例として「同じ年収、同じ治療であっても、2年後に発症すると約13.6万円を毎月支払い続けなければならない。今、治療中であれば約4.4万円の支払いが継続する」と指摘し、「これは制度として公平か」と問いました。

 福岡厚労大臣「その時々の所得に応じて見直しを行っているので不公平ではない。今、療養している方の負担は変わらないようにする。今後、病気になる方は新しい制度の元の負担でやっていただく。制度上そういうこと」と述べました。

 岡本議員は「過去の制度改正で、一人あたりプラス1万円くらいはあったと思うが、今回は毎月、3倍の差を負担しつ続けることになる。全く納得できない。不公平そのもの」と強調しました。

 岡本議員は「日本乳癌学会 高額療養費制度上限額引き上げに関する緊急声明」に触れ、「治療と仕事と家庭を長く両立されている方が増えている。引き上げによって、治療を諦める現役の方が増えるのではないか。治療を諦めると言うことは、現役にとっては経済的な困窮、命につながる」「乳がんや子宮がんで30-40代の子どもを持ちながら、子どもを持ちたいと戦っている患者さんが仕事と家庭と治療をがんばっている」「不妊治療だって高額医療費制度があるからチャレンジしている方々いる」「自己負担の引き上げは少子化にも逆行する」「皆さん凍結を求めている」と強く訴えました。

■井坂信彦議員
20250226_113332_01.JPG

 井坂議員は、(1)立憲民主党の予算修正案(2)租税特別措置(3)介護・障害福祉職員と保育士・幼稚園教員の処遇改善――について質問しました。

 立憲民主党は、「本気の歳出改革」の成果としての3兆7935億円の財源確保に加え、同委員会で議論した令和8年以降の安定財源候補として日銀ETF(※2024年3月の時価で保有額74.5兆円)や租税特別措置(年2.3兆円)、外国為替特別会計(※2025年1月の時価 外貨準備186兆円)等を提示。その上で、立憲民主党が令和7年度予算案で実現したい政策のうちガソリン減税について、この1カ月でガソリン価格が過去最高値になった県が宮城、滋賀、鳥取、島根、愛媛、高知の6県もあることも確認し、確保した財源でガソリン税をやってもらえないかと要請。「足りないのは財源ではなく政府、自民党のやる気ではないか」と迫りました。

 租税特別措置をめぐっては、賃上げ促進税制の廃止や、研究開発税制を中小企業に絞るといった大企業向け減税を見直すべきではないかと指摘。自民党は研究開発減税額1位の企業から巨額の献金を受けていることを問題視し、「補助金を受けた企業の献金は禁止だが、巨額の減税を受けた企業の禁止はされていない。百歩譲って減税を受けた企業からの献金は禁止すべきではないか」と指摘しました。

 介護・障害福祉職員の処遇改善については、その必要性をあらためて説き、来年度予算にも入れるべきではないかと主張。石破総理は「問題意識は共有している」と述べ、さらなる改善に向けて取り組んでいくと応じました。井坂議員は、「来年度予算に処遇改善を追加するようご決断を」と求めるとともに、予算修正が仮に成り立たなかったとしても、野党が提出している処遇改善法案の審議を求めていく考えを明示。「自民党は審議拒否をせずに応じてもらえると明言を」と迫ると、石破総理は「審議拒否をわが党がするとは思わないがいろいろな判断が現場においてなされているもの」と答えました。

 井坂議員は、保育士・幼稚園教員の・処遇改善にも言及、「(3党協議で)お互い損得を離れ、国民生活と介護・福祉、保育の現場を救うための予算修正が行われることを願って質問を終わりたい」と締めくくりました。

■おおつき紅葉議員

20250226_133057 .jpg

 おおつき議員は、(1)高校無償化と公立学校の施設整備(公立高校の質の維持・向上、私立高校授業料の便乗値上げ防止、公立高校等の洋式トイレ整備)(2)米政策・食料安全保障政策(民間在庫量と需要見通しについて、備蓄米放出の決断から実施まで時間がかかる理由と対策について、廃止された減反政策と適正生産量について、コメの輸出を視野に生産を後押しする政策と価格競争力について)(3)寒波・大雪対策(除排雪費の補助等の財政的支援について)--等について質問しました。

■本庄知史議員

20250226_134142 .JPG

 本庄議員は(1)高額医療制度の多数回該当(2)ウクライナ和平に関する日本の姿勢(3)自公維3党合意(4)立憲民主党の予算修正案、特に財源確保――等について質問しました。