参院予算委員会は3月21日に集中審議を行い、立憲民主党から打越さく良、熊谷裕人、石川大我各参院議員が質問に立ちました。

■打越さく良議員

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 打越議員は選択的夫婦別姓等について質問しました。
 打越議員は「選択的夫婦別姓が認められないため、結婚を機に姓を変えざるをえず、自分が自分でなくなったと相談を受けてきた。選択的夫婦別姓訴訟の弁護団事務局長として2011年訴訟を起こし、2015年には最高裁の『国会で解決すべき』との最高裁の判決を受け、立法府に球を投げ返した。それから10年。国会で解決すべき」と訴えました。
 パスポートの旧姓の併記等の弊害についての認識を問われ、石破総理は「これで問題が解決したとは思っていないという方が多くいることは承知している」と答えました。
 外務省は「外国での出入国の際にパスポートの旧姓併記によって、色々な質問をされる。なかなか大変」との声が届いていると述べました。
 打越議員は、アジアで支社長として働く女性を例に挙げ「労働許可書は戸籍、ある銀行では(旧姓)表示、ある銀行では2つの名前を併記と3つの氏名を使い分け、トラブルが起きるたびに、戸籍をもって説明に行ってきた。現地で改姓の手続きをとったが、許可が下りなかった」と、旧姓併記によるトラブルを具体的に説明しました。
 岩屋外務大臣は「その種の話は聞いている」「国会で議論し結論が出たら、それを踏まえて適切に対応していきたい」と述べました。

 また、打越議員は、預金口座における旧姓使用について「旧姓による預金口座からの海外送金は旧姓のみでは完了しない」「2022年の金融機関対応状況についての調査では、対応していない金融機関は銀行3割。理由は、マネーロンダリング、テロ資金の懸念が生じるため」と説明しました。

 打越議員は「改姓を強制する法律が婚姻の自由を侵害していると言えるのでは」と改めて選択的夫婦別姓制度の必要性を指摘しました。石破総理は「これが婚姻の自由の妨げになるのかは法律論としてさまざまな議論がある。そういう方がおられることを事実として認識すべき。女性が姓を変えるのが圧倒的に多い、日本の伝統、社会の在り方、そういう中で、旧姓のまま生きたいという方々の思いをどうやって生かすかが、政治の課題だ」と述べました。
 そして、石破総理は、選択的夫婦別姓制度の「論点を提示していきたい」と述べ、それに対して打越議員は「今から29年も前に、法制審議会で論点は出し尽くした」と反論し、早急に結論を出すように求めました。

■熊谷裕人議員

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 熊谷議員は、(1)租税特別措置(2)高額療養費の見直し凍結をめぐる財源に予備費を充てる問題――などについて質問しました。

 資本金10億円以上の大企業の収益(利益剰余金)が右肩上がりで増える一方、従業員の給与に「還元されていない」として、熊谷議員は租税特別措置である「賃上げ税制」を問題視しました。また、大企業の役員がストックオプション(自社株購入権)を得ているとして、金融所得課税の強化を求めました。さらに、自民党が企業・団体献金について「禁止ではなく公開」が重要だと強弁している一方、租税特別措置を受けている「企業名は公表しない」としていることについて、論理的に矛盾していると疑問視しました。

 高額療養費制度をめぐり、本年8月分を含めた限度額引き上げを凍結し、その財源105億円を来年度予算案再修正案の予備費からねん出すると報じられていることについても熊谷議員は問題視。加藤勝信財務大臣は、「与党の中の議論でございますので、その理由は申し上げられません」として明確な答弁を避けました。
 また、熊谷議員は、埼玉県八潮市の道路陥没を踏まえたインフラ強化や児童虐待防止と養護施設の子どもたちへの支援を政府に要求しました。

■石川大我議員

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 石川議員は、(1)政治とカネ、商品券配布問題(2)森友文書の公開についての受け止め(3)被選挙権年齢の引き下げ(4)地方消費者行政の財政措置、交付金等(5)婚姻の平等(同性婚法制化)(6)同性パートナーを事実婚として各社会保障を適用することについての所感--等について石破総理をはじめ政府の見解をただしました。

■杉尾秀哉議員

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 杉尾議員は、(1)商品券配布問題(2)杉田水脈氏公認問題(3)選択的夫婦別姓問題(4)SNSと選挙、政治--等について石破総理はじめ各所管大臣に質問しました。