野田佳彦代表は3月21日、国会内で定例記者会見を行い、(1)代表就任後半年を迎えての所感(2)国会審議日程(3)企業・団体献金禁止法案――等について考えを述べました。
(1)代表就任後半年を迎えての所感
 「立憲民主党の3代目の代表に就任したのが昨年の9月23日だったので、ちょうど明後日で代表就任半年になる」と前置きしたうえで野田代表は、「代表就任直後に助走期間もなくすぐ10月の総選挙になり、以来激動の日々だが、衆議院では少数与党政権に追い込むことができ、手探りではあったけれども、『熟議と公開』を旨とする国会改革を掲げてきた。充分とは言えないが、補正予算の修正、あるいは高額療養費の負担の引き上げの凍結など、一定の成果はあげることはできた」と語りました。「これから予算審議が終わると、4月以降は、個別の法案が中心になるだろう」との見通しを示すとともに、「一致結束すれば議員立法が可決する可能性、成立する可能性が十分あるので、これから一層気を引き締めて、残りの国会の対応をしていきたいと思う」と意気込みを語りました。
 また、現在なるべく参院候補のいる総支部や新人議員の政治活動のお手伝いを行っている旨を報告し、「明日は広島、明後日は茨城に行って県連大会に参加する。これからも精力的に先頭に立って党勢拡大に努めていく決意だ」と述べました。
(2)国会審議日程
 記者から「石破総理大臣の商品券の配布問題もあるなか、野田代表としては審議時間をもっと確保すべきとお考えか、それとも予算と商品券の問題は切り分けていくべきと考えるか」などと問われたのに対しては、「予算審議は徹底した審議を進めたうえで、政治倫理審査会にぜひ出てきていただいてお話を伺いたいと思っている」と述べました。
(3)企業・団体献金禁止法案
 企業・団体献金の議論が山場を迎える中で石破総理の商品券の問題が出てきて、議論への影響があるのではないかとの質問もありました。野田代表は「政治とカネの問題について、真剣に国会で議論してる時に、(総理)ご自身がこれまでの自民党に対する深い反省もなく、ある種、お金で政治を動かそうとしてるように見える1人10万円の商品券を配ったことには極めて失望せざるを得ない」と指摘。そういう反省に立って従来の「自民党のなんちゃって公開法案ではなく、もっと野党案にも向き合う姿勢をぜひ総理のリーダーシップで示してほしい」と注文をつけました。
 立憲民主党が3月19日、日本維新の会、参政党、社会民主党と衆院会派の有志の会との野党5党派共同で提出した企業・団体献金禁止法案の動きについても記者から、「残りの2党も賛成してもらえる高い期待がある状況になっているのではないか。国民民主党にどのようにアプローチをしていく考えか」の質問がありました。野田代表は「粘り強く野党間の協議に入っていただいて、知恵を出していただくように要請をし続けていきたいと思う。個別のところにここに穴があるのではというご指摘をされているようだが、指摘を受け入れる姿勢を持っているつもりなので直接言っていただきたい。野党でまとめたいと思っているので、ぜひそのチームに関わっていただきたいと呼びかけ続けてく」と述べました。


野田佳彦代表記者会見

2025年3月21日(金)10時30分~10時59分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/GadcKu0Al4s


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○代表就任から半年を迎えるに当たって

【代表】
 私が立憲民主党の3代目の代表に就任したのが昨年9月23日でしたので、ちょうどあさってで代表就任半年ということになります。
 代表就任直後、助走期間もなく、すぐ10月の総選挙になり、ずっと以来激動の日々だなと改めて思いますが、少数与党政権に衆議院では追い込むことができ、手探りではありましたが「熟議と公開」を旨とする国会改革を掲げてまいりました。十分とは言えませんが、補正予算の修正であるとか、あるいは、高額療養費の負担の引上げについての凍結など、一定の成果は上げることができているだろうと思います。
 これから、予算(審議)が終わったりすると、4月以降は個別の法案の審議が中心になるだろうと思いますが、野党が一致結束すれば議員立法が可決する可能性、成立する可能性が十分ありますので、これから一層気を引き締めて残りの国会の対応をしていきたいと思います。
 なお、今、ウィークデーは、朝はなるべく都議の候補のいる総支部であるとか新人議員の政治活動のお手伝いなどをしていますが、そして、週末は、あしたは広島、あさっては茨城というように、地方に行って県連大会であるとか参議院の候補者の支援などもしていますが、これからも精力的に先頭に立って党勢拡大に努めていく決意であります。
 ちょうどたまたま半年ということでありましたので、自分の決意を表明させていただきたいと思います。


■質疑

○予算審議について

【NHK】
 予算の審議日程の関連で伺いたい。与党側は年度内に予算を再修正し成立することを目指しており、来週以降、審議が大詰めを迎えると思う。こうした中で、石破総理大臣の商品券配布問題もあるが、野田代表としては審議時間をもっと確保すべきとお考えか。それとも、予算と商品券の問題は切り分けていくべきとお考えか。代表のお考えをお願いしたい。

【代表】
 きょうも予算委員会が開かれていて、参議院の予算委員会の中で石破総理にお尋ねする機会がありますので、それはそれとして進めながらも、別として、政治倫理審査会で、予算審議などが終わった後にはぜひ出てきていただいてお話をお伺いしたいとも思っております。
 予算は予算として、きっちりと徹底した審議が必要だと思っています。

【NHK】
 更問いで。なので、予算のほうはもう年度内成立に向けて。

【代表】
 年度内になるかどうかというのは、これは今、参議院で審議しているので、参議院でのその動き次第だと思います。私が枠を決める話ではありません。

○企業・団体献金禁止法案について(1)

【日本テレビ】
 今、商品券の問題があったが、企業・団体献金をめぐる議論が山場を迎える中で、改めて今回商品券のことが出てきた。これが企業・団体献金をめぐる議論にどのような影響を与えるとお考えか。

【代表】
 企業・団体献金の禁止については、我々は、野党5党派が案を出し、加えて、残りの2党派も賛成をしていただく環境までつくりました。自民党は、いわゆる公開法案と言いながらも、なんちゃって公開法案ですのでね。その年度内決着が迫ってきていると思います。
 という、このタイミングで、3月3日に首相公邸で新人議員を集めた懇親会を開いていたという、脇の甘さといいますかね。政治と金の問題について真剣に国会で議論しているときに、ご自身は、それについての、これまでの自民党に対する深い反省もなく、ある種、お金で政治を動かそうとしているように見えるではありませんか、1人10万円の商品券というのは。というようなことを行ったことについては極めて失望せざるを得ないと思いますし、当然のことながらそういう反省に立って、今のなんちゃって公開法案ではなく、もっと野党案にも向き合う姿勢を、ぜひ総理のリーダーシップで示してほしいと改めて思います。

【産経新聞】
 今の企業・団体献金に関連して。先ほど言及もあったように、野党5党派で提案し、残りの2党派も賛成してもらえる高い期待があるというような状況になっている。残り国民民主党が賛成に回れば衆院は可決するというような状況になってきたが、国民民主党の賛同を得るためにどのようにアプローチをしていくお考えか伺いたい。

【代表】
 粘り強く、野党間の協議に入っていただいて知恵を出していただくように要請をし続けていきたいと思うのですね。個別のところに、ここが抜け穴があるのではないかというようなご指摘を今もされているようですが、では抜け穴を防ぐためにどうしたらいいか、アイデアを具体的に出していただければ受け入れる姿勢は持っているつもりです。そうすると野党が全部まとまりますのでね。何かここが問題ですよというのではなく、直接言っていただければ改善しようとするところは改善したいと思っていますので、野党をまとめたいと思っていますので、ぜひそのチームに加わってほしいと呼びかけ続けていきたいと思います。
 独自のお考えがあるとするならば、今の議論をしている特別委員会のほうにご提示をいただいて案をお示ししていただくならば、それも議論の俎上に上ると思うのですが、今のところはまだ出てきていないと思うので、最後は、もう時間がなくなってきたので、野党案に乗るのか、なんちゃって公開法案に賛成するのかということになるので、だから、今のうちに態度を明らかにしていただきたいと思います。

○年金制度改革法案について

【産経新聞】
 別件で、年金制度改革法案について伺いたい。19日から自民党内での議論が再開したが、改めて、この法案の立憲民主党としての問題意識と、どのように対応していくのか、お考えを伺いたい。

【代表】
 5年に一度、長期的な財政の見通しの更新を行い、その上で年金の議論をするというのは、これは通例でありましたので、前からわかっていることで、年金については2022年の審議会からもう議論をスタートしたはずです。24回、議論していたはずです。だから与野党で合意して重要広範議案に指定をしたはずなのですが、漏れ聞くところによると、まだ法文ができていないというレベルらしいんですよね。これでは何をやっていたのかと思います。
 我々は、やはり基礎年金の底上げの問題とか、在職老齢年金の問題とか、遺族年金の問題も含めて、いろいろ論点はあると思うので、これは責任ある政党はみんな議論しなければいけないと思っているはずなので、早く案を出してほしいと思います。5年に一度というのをわかっていたことを出さないなんていうことはあり得ないと思いますので、早く政府・与党として案をまとめてご提示をいただきたいと思います。

○参院通常選挙に向けた取組について(1)

【日本経済新聞】
 冒頭、代表就任半年ということで、一定の成果を上げてきたという評価をなさっていたと思うが、夏の参院選に向けて、更なる飛躍を目指していると思うが、公約作成の現状の状況について伺いたい。

【代表】
 公約作成については、政調会長から、今月に入ってから各部門に、夏の参議院選挙の目玉政策になるようなものを提示するように、策定するように指示をし、4月中までにはそれが上がってくるという状況になっていますが、そういうプロセスを、今、経ているというところであります。

【日本経済新聞】
 公約に関して、党内では減税を公約に盛り込みたいという動き、勉強会が二つほど立ち上がり、活動が今週もあったが、そういった減税を求める党内の動きや意見に関してどのようなお考えでいらっしゃるか。

【代表】
 今、各部門から上がってくるというところの、議論の俎上にのせていただければいいのではないでしょうか。全ていろいろな議論を否定するつもりはありません。真っさらな気持ちで聞いていきたいと思っていますので、党内いろいろ勉強会がありますが、財金の部門があったり、経済財政の部門があったり、税調があったり、いろいろな部門があるので、そのつかさつかさから上がってきて、それを丁寧に議論していきたいと思います。

○石破首相の10万円商品券配布問題について

【フジテレビ】
 商品券問題について伺いたい。今、予算委員会などで追及が続いているかと思うが、現在までの総理の説明や姿勢に対する受け止めと、また、現時点での内閣不信任案の扱いについてお考えを伺いたい。

【代表】
 現在の説明だと、少し一貫性がないのではないかなと。最初の頃は、複数回にわたって商品券を配布するようなことをやってきたとお話ししていましたが、必ずしも10万円の商品券みたいな話ではなく、いわゆるお菓子みたいなものも含むみたいな話であって、何か一貫性がないまま、よくわからない答弁が続いていると思いますので、引き続き丁寧に質問を続けていきたいと思います。
 加えて、先ほど言ったように、衆議院ではいずれは政倫審でもお出ましいただいてご説明をいただく機会が必要ではないかと思います。
 直接これだけの問題で不信任ということではなく、総合的にどこかの段階で、どう判断するか。可能性はもちろん否定はしませんが、現段階で、今は決め打ちしているわけではありません。

【フジテレビ】
 内閣不信任案の扱いについてもお願いしたい。

【代表】
 不信任案については、今から決め打ちしているわけではありません。

【朝日新聞】
 商品券の関係で伺いたい。先日野田代表は、総理在任中に商品券を配布したことがあるかという質問に対して、ないと即答されていた。一方では、自民党の歴代総理大臣経験者の方々に報道各社が質問状などを送付したところ、法令に従って適正に対処しているとか、ノーコメントとか、質問に対してなかなか正面から答えていないケースが散見されるが、自民党の歴代総理のこうした説明の姿勢についてどうお感じになっているか伺いたい。

【代表】
 きのう鳥取で、あした広島なんですよね。何かわざと狙って行っているように見えますが、これは前から入っていた予定ですので、そういう意図はないのですが。
 現総理については、少なくとも、15人の議員に対して商品券を3月3日に渡したということは明確なファクトとして明らかになっていますし、もらった側もそういう対応をされていますので、これについてはもうファクトがはっきりしているので、それを踏まえて「なぜなのか」とか「法令に違反しているのではないか」という質疑をすることができますが、その遡った話はまだ、報道ベースではいろいろ出ていますが、では具体的に誰がどういうふうにもらったなどなど、そこまで詰まっている話ではないので、現時点でそれについてどうするという話を具体的にお一人お一人に我々が確認するということはできないと思いますけれども、だからこそ、総理に一回、今の石破総理にお出ましをいただいて、そういう伝統とか慣例があるのかどうかなども含めて、しっかりお聞きすることが順番ではないかと思います。

【朝日新聞】
 関連で。参院の予算委員会の審議の中で、自民党の法務大臣から、過去の例として野党側にもスーツの仕立て券などを配っていたと聞いたことがあるという趣旨の発言があった。野田代表は、民主党時代も含め、そうしたケースをご自身も含めて見聞きされたことがあるのかどうか、受け止めがあればお願いしたい。

【代表】
 これは、スーツの何とかって、自民党からいただいた(という)話なのか、野党の国対でやっていたのかとか、ちょっと判別しない話なのですけれども、私は国対委員長を2回やっていましたが、自分の党の議員にスーツを渡すとかということをやったことは全くないですね。記憶にないです。
 全体を全部掌握しているかどうかはわかりません、全体を掌握する立場ではないので、ずっと国対委員長をやっているわけでもないですし、わかりませんが、私の知る限りでは、あまりそういう話を聞いたことはない。あまりというか、聞いたことがありません。
 だから、何をもっておっしゃったのか、よくわからないと思います。

【朝日新聞】
 今の点で。国会審議で憶測も含めてそういう発言が出てくることについては、どう受け取っているか。

【代表】
 子どもがお父さんお母さんに叱られたときに、「あの子だって、やっているよ」と、よく言うではないですか。何かあの種の感覚で、潔さがないなと。もっと深く反省する点はないのかと思わざるを得ません。

○参院通常選挙に向けた取組について(2)

【読売新聞】
 先ほど話が少し出た、参院選の公約づくりの件で重ねて伺いたい。先日代表は自ら衆院の農水委員会で質疑に立ち、今後の政策の頭出しをというご発言もあったかと思う。これから情報が各部門から上がってくる、それを基に参考にというお話だったが、現時点でどういったことを重視してテーマづくりをしていきたいか教えていただきたい。

【代表】
 おととい農水委員会で質問をいたしまして、ある種これからの参議院選挙の目玉政策にしたいなと思っている、令和版の戸別所得補償といいますか、農地に着目した直接支払制度についての頭出し的な質問をいたしました。めったにないことをやったので雪が降ってきてしまいましたが。その種の、部門で煮詰まってきているものもあるのですね。そういうものをきちっと出してもらって整理していくというのが一つの流れだと思います。
 それから、もう一つは、「熟議と公開」の下で、この国会の中で重要テーマとして挙げながらも、仮にですよ、残念ながら実現できなかったことも、これも参議院選挙の公約になるのではないかと思うので、幾つかそういうものがあると思います。
 どちらにしろ、柱になるのは、残念ながら引き続き物価高の問題というのは争点になるだろうと思いますので、この物価高に関わるようなことは必ずしっかりと位置づけていかなければいけないだろうとは思っています。

【読売新聞】
 今後も自ら委員会に立って頭出しをしていくというような、こういうことは可能性としてはあるのか。

【代表】
 チームプレーヤーがいっぱいいますので、私が何でもとは思いません。たまたま部門からのご要請があったので今回は受けましたが、老壮青、いいメンバーがいますので、それぞれの皆さんには頑張ってほしいと思っています。

○「米政府が在日米軍強化計画中止を検討」報道について

【東京新聞】
 在日米軍について、トランプ政権が在日米軍の強化方針を撤回して中止を検討しているという報道があった。野田代表はかねてから日米同盟・日米関係は日本の外交の基軸だと位置づけているが、日米関係への影響や日本の外交への影響についてどのようにお考えになっているかお聞きしたい。

【代表】
 報道ベースでしかちょっと掌握していませんので、何とも言えませんが、もしそういう動きがあるならば、これは外交ルートを通じてしっかりその意思というか、アメリカ政府の意思、アメリカ政権の意思というのをよく確認することが前提ではないかと思います。
 私は日米同盟というのは日本の外交・安全保障の基軸だと思っていますので、基本的な枠組みにぶれがあってはいけないと思うのですが、こちらがそういう気持ちがあったとしても、相手側に何らかの動きがあるとするならば、これは大きな影響がありますのでね。日米首脳会談自体は、2月7日、非常に短い時間ではありましたがかみ合った議論ができたと思っておりましたので、そういう事態が起こってくるならば直ちに確認をするのが政府の役割ではないかと思います。

○企業・団体献金禁止法案について(2)

【毎日新聞】
 企業・団体献金について伺いたい。先ほど国民民主とも受け入れる必要がある議論はしていくということだったが、一方で、なかなか企業・団体献金禁止に前向きな姿勢というのは見えていないようにも思う。この点、その姿勢についてはどのように代表は見ているか。

【代表】
 私が直接確認したわけではありませんが、でも、従来から野党がまとまるのだったら自分たちもその戦列に加わってというお話をされていたと思うので、野党がまとまりましたので、環境が整ったので、その上でなお注文があるならば、ぜひお聞かせいただいて、それを生かしていきたいと思っているという構えであります。その構えは堅持していきたいと思います。

【毎日新聞】
 企業・団体献金を温存しているようにも見えなくない動きだと思うが、この点についてはどのように見ているか。

【代表】
 抜け穴に対して厳しくご指摘があるので、抜け穴はなるべくなくしたほうがいいと思っていますから、ぜひ知恵を出してください、というか具体的に言ってくださいと。この間は何か6000万円のところでブログで何か書いていらっしゃったみたいなので、6000万円が駄目ならば、では3000万円ならいいのかとか、2000万円ならいいのかと、言ってくれれば対応しますので、言ってくださいということです。それだけです、申し上げたいのは。

【毎日新聞】
 関連で。今回野党が多くがまとまっている中で足並みがずれている部分というのもあり、今回の結論いかんでは今後のほかの案件での野党共闘に影響が出てくる可能性があるのかなとも思う。こういった点については、代表はどのように考えているか。

【代表】
 一つのことで全体にあまり影響しないことが望ましいとは思っているのですが、大きなテーマなので、そうならないように。
 少なくとも、年度末までに結論と言って、野党案も自民党案も通らないで何も通らなかったというときに、喜ぶのは誰なのか。自民党なのではないですか、結局。企業・団体献金を温存できて、そのままもらい続けることができる。政治と金をめぐる不祥事が続いている中でも何の改正もしないで終わっちゃった、でいいのかどうか。その責任をやはりそれぞれの党が考えていただきたい。
 最後は、野党案がいいのか、あのインチキ公開法案がいいのかが問われるんですよ。だったら、どちらにつくのかということが逆に迫られてくるのではないでしょうか。

○「企業・団体献金禁止法案(3)」「選択的夫婦別氏制度」等について

【フリーランス】
 今の質問にも関連して。選択的夫婦別姓でも国民民主は慎重な姿勢を示し、与党にすり寄っている印象がある。こういう国民民主党に対して、企業・団体献金に乗ってこない国民民主党に対して、維新の幹事長は、しがらみを断つ気がないのではないかと批判しているが、そういうふうに国民民主党をご覧になっていないのか。

【代表】
 しがらみが云々で批判をするということではなく、ぜひ一緒にやりましょうというのが今の私の立場で、そこまで言ってしまうと来なくなってしまいますので、一緒にやりましょう、同志ではありませんか、野党ではありませんかということを言い続けて、まだまだ時間が若干ありますので言い続けていきたいというのが基本的な姿勢です。
 選択的夫婦別姓については、まだどういうお考えなのかがよく正確には出てきていないと思います。ただ、選挙公約では選択的夫婦別姓の実施のお立場だったと思いますので、その選挙公約自体を変えるようなことはないだろうと信じて、これも一緒に協議していければと思っています。

【フリーランス】
 ただ、実際は国民民主党が公明党との協議を優先し、公明党との案を前面に現時点では押し出しているが、そういう姿勢については、与党にすり寄っているのではないかと、いずれは自公と連立を組むのではないかという布石にも見えるが、そういう姿勢についてはどうご覧になっているか。

【代表】
 まだ公明・国民案として固まっていないのではないですか。固まっていれば何らかの案を特別委員会に提示してくるはずですが、そこまで煮詰まっていないのではないかと思いますので、それはよく動きは注視していきたいと思いますし、同じことは、この態度というのは公明党にも最後は問われるのではないでしょうか。
 第三の道を国民と探ろうとしている動きについては承知していますが、間に合わなかった場合にはどうするのか。何も決まらなくてよかったのか。自民党が喜ぶだけではないのか。それに加担することになるのではないかということは、国民民主党だけではなく公明党にも、与党であるけれども問われると思いますので、その動きは、まだ1週間ありますので、どうなるか見ていきたいと思います。

【フリーランス】
 同じようにガソリン減税と「103万円の壁」についても結局国民民主党は自公にすり寄って協議したが決裂した。去年の総選挙のときを思い返してみれば、野田さんと首班指名で書いて連立を国民民主党は組んで政策実現したほうが、より実現可能性が高かったのではないかと見えるが、その国民民主党の対応で、実際に国民民主党が反省して首班指名で去年の秋に野田さんと書けばよかったと、自公にすり寄って失敗だったというようなことは言ってきていないのか。

【代表】
 私の口から首班指名で協力すればよかったのにというよりは、私の不徳の致すところで、そこまで説得する力がなかったというところは、私のほうが反省をしなければいけないと思っていますが、私云々ではなく、首班指名だけではなく、野党がまとまれば物事が実現できるということの基本原則はどの野党も確認をしなければいけないのではないかと。
 政策活動費の全廃に至ったことも、その他、例えば高額療養費の問題で再修正までできたというのは、やはり凍結法案というのがあって、野党がみんなで固まっていたから、それが大きなプレッシャーになったことなどがあるんですよね。
 だから、企業・団体献金についても、あと1党が味方につけば動くと。選択的夫婦別姓だって、維新が、これは残念ながらちょっと独特の路線なので、旧姓の通称使用拡大みたいな形でまとまって、ちょっとほかの野党と違うところがあるので、そういうところを全部なるべく説得して、全野党がそろえば物事が進むという議員立法はほかにもいっぱいありますので、これは諦めずにやっていきたいと思います。

【フリーランス】
 国民民主党のほうから反省の弁はないのか。

【代表】
 反省の弁を私が聞いてはいません。聞く立場ではないと思います。

【フリーランス】
 今後、内閣不信任案が可決され首班指名になった場合に、また国民民主党が玉木雄一郎と書けば自公政権が延命することになる。一部週刊誌では、自民党と公明党と国民民主党が組んで玉木総理擁立計画というのも報道されているが、結局国民民主党は与党のほうにすり寄りたいので政策的にも今妥協しているのではないかというようにも見えるが、その可能性について。

【代表】
 そういう見方でいいかどうかとか、私はそれにコメントする立場ではありません。私は、同じ野党の枠組みで、ぜひ協力してほしいと、丁寧に呼びかけ続けるということです。

【フリーランス】
 次の首班指名では野田さんと書くという。

【代表】
 そんなあさっての話を、今する段階ではありません。

○企業・団体献金禁止法案について(4)

【「FACTA」】
 つい先日の参考人、中北さんや成田さんの話を聞いていても、なかなか、コンセンサスがどこにあるのだろうと。世論調査を見ても、企業献金について、どこに一致点があるのだろうというような感じがある。もちろん特別委員会は渡辺さんが委員長で、まさに立憲が主導でやっておられて、ただ、谷口さんなどがおっしゃっていたが、劇的な変化は作用と副作用があるというようなことを私なども感じるところもある。もちろん年度末に何とかやらないといけないわけだが、果たして、この議論の途中で、月末までにとにかく数を合わせて押し切るようなのが熟議の論議になっているのかというのは、野田さんはどう思うか。何かやはり消化できないものがたくさんあるような気がするが。

【代表】
 昨年の暮れの段階で、国対委員長間で「年度末までに結論を得る」と一つの区切りをつけましたので、区切りをつけているから議論が加速されてきたと。そうでなかったら、このまま、その他の法案審議だけ終わって企業・団体献金については議論もしないで終わってしまう可能性があったので、これは一つの国対間の知恵の出し方だったと思います。それを、区切りを尊重しながら今議論しているので、どこまで合意できるかを最後まで諦めずにやっていきたいと思います。
 問題は、その際に、最後は中途半端な形で採決になるのか。そうではなく、もうちょっと丁寧な議論を続けましょうということになるのか。これはちょっとこれからの議論の熟度を見ながらの判断ではないかと思います。

(以上)