参院予算委員会で6月2日、集中審議が行われ、立憲民主党から石垣のりこ、野田国義、奥村政佳各参院議員が質疑に立ちました。

■石垣のりこ議員
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 石垣議員は、コメ価格の高止まりが続いている状況に関し、消費者と生産者が納得する適正価格とは一体いくらなのか、生産量より需要実績が3年間連続上回っているとした主食用米の作付面積・生産量・需要実績の推移(農林水産省資料)について、生産量が不足している認識はあったのか、政府に問いました。

 小泉農林水産大臣は、コメの適正価格について、「平均4200円(5キロ)は適正であるとは思えない。1年間で主食が2.5倍に上がっている実態に動かない政府はない」、コメの生産量については「今までの見立てを誤ったのは事実。需要が多いことにどう応えるか、的確にスピード感のある行政運営をしていく」と述べました。

 石垣議員は、「生産者も含め、コメが足りない・高すぎるという不安を生んできたのは政府の大きな責任だ」と指摘。そして、立憲民主党が進化した戸別保障制度の内容を含めた食糧確保・農地維持直接支払制度を提案しているとし、これを導入してほしいと政府へ要望しました。

 石垣議員はその他、「マイナ保険証」「消費税減税」について質問しました。

■野田国義議員
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 野田議員は(1)物価高対策(2)政治とカネの問題――等について質問しました。

 冒頭、野田議員は、専業農家だった実家の農地の相続の際に「農業では食べていけない」との親族の言葉を引用し、「本当に悲しい思いをした」「111万人農業従事者の人口の土台になっている。米だけでなく、日本にとって非常に大切なこと。しっかりと農業を考えていかないといけない」と述べました。

(1)物価高対策について野田議員は「街頭に立っていると『なんとかしてよ』という言葉を聞く。お聞きすると、年金生活者。年金だけで食べていかないといけない。食っていけないという方の声を聞く。食料品の値上げはひどい」と指摘し、総理の思いを聞きました。

 石破総理は「お米は1年間で倍に上がっている。このような例は見たことがない」「米の生産調整をどう考えるか。どう公平さを担保するか。マーケットインの手法を導入するか」「早急に結論を出したい」と述べました。

 野田議員は、ガソリン減税、中小企業の資金繰りなどの支援策、農地への直接支払制度、中小企業の社会保険料の軽減策、財源として政府の積み過ぎ基金を使うこと等を上げ、「強力に実施していく」と述べました。

(2)政治とカネの問題について、野田議員は「自民党は企業・団体献金をまだまだ温存すると言っていた。これが本丸。政策を歪めている。どのように考えるか」と問いました。

 石破総理は「企業・団体献金は禁止よりも公開」とこれまでの自民党の考えを説明し、「政策を歪めた具体例をあげないと議論にならない」「(事例があったからと)すべて歪めてきたというのは論理の飛躍がある」と述べました。

 野田議員は「もらったらやっぱり人は変わるんです。だからもらってはいけない」と述べ、細川護煕元首相が4月29日の講演で、1994年成立の改正政治資金規正法での企業・団体献金の扱いについて「5年後に禁止と理解していた」と述べたことに言及し、改めて企業・団体献金の禁止を求めました。

■奥村政佳議員
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 奥村議員は(1)年金制度改革(2)少子化問題(3)選択的夫婦別姓制度(4)保育士不足――等について質問しました。

 奥村議員は少子化の要因として、日本総研のレポートから(1)婚姻数の減少(2)夫婦の持つ子どもの数の減少――の2つを紹介。「結婚の障害になるものをできるだけ取り除くことが少子化を反転する要素になる」として、改姓が結婚の障壁となっていることを示す他の調査結果も紹介しながら、選択的夫婦別姓制度の導入を石破総理に迫りました。石破総理は、「(奥村)委員のお考えの1つとして承っておく」と回答するにとどまりました。

 さらに奥村議員は、自身の保育士としての経験も踏まえつつ、保育士不足の問題についても質問しました。奥村議員は、保育士不足が解消しない中で、保育士を保育所に紹介する有料職業紹介事業者の手数料が「暴騰している」と指摘。「子どもや保育士の給料にお金が使われず、(国が保育所に払っているお金が)手数料に取られている。保育士の処遇改善に十分に反映できない状況が続いている」として、福岡厚労大臣に事態の改善を要求しました。福岡大臣は、「4月から職業紹介事業者の手数料実績を、職種ごとに公表することを義務化している。透明化を高めて、サービスの質や実績の良いところが利用される環境を整備することが大切だ」と回答しました。これに対し奥村議員は、「見える化に実効性はない」として、事態の是正を「結果」として示すように求めました。