参院決算委員会は6月9日、総理出席のもと締めくくり総括質疑を行い、立憲民主党から横沢高徳、塩村あやか各参院議員が質問に立ちました。

■横沢高徳議員
20250609_141048-_01.jpg
 横沢議員は、「食べることは生きることです。国内外の安定供給が人類、そして日本において命の源」と述べて(1)米をめぐる問題など(2)水田等、今後の農業政策(3)農業の担い手について(4)トイレの設置基準について(5)障害年金不支給問題――等について質問しました。

 横沢議員は「日本の食であるコメ、不作でもないのに、備蓄米を無制限に放出しなければならない事態。何時間も並んで買わないといけない事態になっている」と指摘し、これらの事態に至った国が進めてきた農政の責任を問いました。石破総理は「政治の責任」と述べました。
 横沢議員は今の米をめぐる事態を「緊急事態か」と問いました。小泉農水大臣は「そういう認識」「あらゆる選択肢を持ちながら、価格高騰を抑えていく」と述べました。
 横沢議員は、実態を「把握していかないと、政策を打つ手段が変わっていく」と指摘しました。

 農業の担い手の問題について、横沢議員は「20年後には今の4分の1に減ると想定されている」と懸念を述べました。小泉大臣は「農業次世代人材投資事業の年齢制限ついては、49歳を50歳以上に挙げるべきとの議論もある。就農者の平均年齢70歳代を考えると、若い人の支援に傾斜すべき。幅広い意見が届いている」と述べました。
 横沢議員は「食糧を作ってくださる現場の声に真摯に耳を傾けて良い政策を作ってほしい。水田交付金のように強い懸念があった政策もあった。水田政策の見直し、持続可能な農業政策」の必要性を訴えました。

■塩村あやか議員
20250609_143716-_01.jpg
 塩村あやか参院議員は、(1)年金改革法案(2)消防団の応援(3)介護人材の公務員化――等について取り上げ、政府の見解をただしました。

 塩村議員は、「まもなく47歳になる、就職氷河期ど真ん中の世代。就職氷河期は今40代から50代で、これから高齢期に入るなか年金改革は喫緊の課題。就職氷河期の視点から年金改革について取り上げたい」と切り出し、立憲民主党が提案した修正により今回の年金改革法案では50歳で基礎年金のみの女性の受取額がどれだけ増加するかと質問。石破総理は、令和6年財政検証の実質ゼロ成長を見込んだケースに基づき、基礎年金のみを平均余命まで受給すると仮定して機械的に試算をすると受給額は320万円増加する見込みだと答弁しました。塩村議員は、あわせて50歳女性の厚生年金の場合は、月額20万の年金を受け取る場合の受給総額の増加が約52万円、50歳以下の厚生年金加入者のうち、95%以上の方々の年金額が増えることが見込まれること、男性では62歳以下、女性では66歳以下の方で生涯の年金受給総額が増えることなどを確認。「若ければ若いほど増える、世代間格差、男女間格差の是正にもなる」と意義を強調しました。 

 今回、年金改革法案に対し真実と異なるバッシングがSNS上で起きたことに、反省や今後の対策を尋ねると、石破総理は「ためにする批判もあったのかもしれない」と述べ、厚生労働省のウェブサイトをはじめ広く周知に努めること、街頭での説明でもいかに分かりやすく伝えるか、スキルの向上に努力すると答えました。

 消防団員については、元消防団員の立場から、平日も休日も昼夜を分かたずさまざまな活動があるなか、家族の理解を得ながらやりがいをもって活動できる環境づくりに取り組んでほしいと要望。

 また、介護人材の不足が深刻化するなか、山間部の方からは介護人材の公務員化の必要性を指摘する声があるとして、総理に検討を求めました。

 乳がん検査をめぐっては、日本の女性はマンモグラフィー検査に不向きだという専門家の話を紹介。今、痛くない、胸を触れることもなく見せることもないMRIドゥイブス法が人気で、彦根市の無料検診には応募が殺到したと述べ、「女性に求められている乳がん検診、痛くない乳がん検診を総理に応援してほしい」と要請。石破総理は、「女性の死亡率のトップが乳がんであり、今の受診率47.4%を60%に上げることは急いでやりたい」と応じました。