小川淳也幹事長は22日、国会内で会見を開き(1)参院選の振り返り(2)ガソリン暫定税率廃止法案――等について発言しました。

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(1)小川幹事長は「極めて過酷な参議院選挙だった」として、東京都選挙区の票の出方、候補者擁立からのプロセスの重要性、浮動票が立憲民主党以外に流れたこと等について発言しました。

 課題としては、「その時のブームの政党があるが、基礎的に野党第一党で受け止められるか。浮動票を他に奪われた。野党第一党として、常に批判的立場としての基礎的な仕事がある。今の社会問題を、どう解決していくのかを指し示す責任がある。物価高に焦点をあて、より消費税減税を訴えたところもあるが、多方面にわたる将来の社会像をクリアに生活に実態を踏まえながら訴求することが、積極的に魅力につながる一つの鍵」と考えを述べました。

(2)ガソリン暫定税率廃止法案について小川幹事長は「ただちに共同提出を行いたい」と述べ、前通常国会において7党で提出した法案がある。重徳政調会長が提出に向け準備をしている。丁寧にやらないといけない」と述べました。

 同席した大串選対委員長からは、女性比率について「堅調だった。選挙区当選のうち8人が女性で53.33%。比例においては、7人が当選し57.14%。合わせると22名のうち12名が女性で55%に至った。多様性のある政治の具現化に寄与できた」と発言がありました。

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大串博志代表代行・小川淳也幹事長記者会見

2025年7月22日(火)15時35分~16時13分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/oWDFsi8Zr-M


■冒頭発言(小川幹事長)

■質疑(小川幹事長)

■冒頭発言(大串代表代行)

■質疑(大串代表代行)


■冒頭発言(小川幹事長)

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、定刻となりましたので、本日のまず幹事長記者会見を始めさせていただきたいと思います。冒頭、幹事長よりご挨拶をいただきます。よろしくお願いします。

○第131回常任幹事会を開催

【小川幹事長】
 大変暑い中の、極めて過酷な参議院選挙でございました。それぞれ各社各局の立場でいろいろとお世話になり、ご指導いただいたことと思います。この場をおかりして感謝を申し上げます。結果等については、また応答、(質問を)いただきながらと思います。
 まず、常任幹事会のご報告を申し上げます。
 代表のご挨拶は冒頭のとおりでございまして、直ちにガソリン税(暫定税率廃止)の関連法案、野党共同提出に向けて準備に入りたいと思っております。
 選挙の総括が行われましたといいますか、概要を確認いたしました。結果はご案内のとおりでございますので、全体についてそれぞれ所感を申し述べ、意見交換したということでございます。内容等についてはまた応答をいただければと思います。
 現在、けさ連合に出向きましたが、残念ながら議席に届かなかった方々、これは現職のみならず、党の方々との個別の様々なコミュニケーション、支持団体とのコミュニケーション等に努め、いわゆる戦後処理、選挙が終わった後の丁寧な対応に努めているところでございます。
 もし報道で言われているように、この後、与野党の国対委員長会談が現在行われているのかもしれませんが、仮に8月1日の国会召集だとしますと、その日を目途に両院議員総会・両院議員懇談会を開催し、様々全党的な討議を行いたい。これに前後する形で全体としての選挙総括を進めていきたいと思っております。
 些事でございます。些事と言ったら怒られるな。実務的な報告でございますが、8月の7日から8日にかけては自治体議員に全国から集まっていただいて研修会の名目で様々議論いたしますので、今後の党運営や今回の選挙についても話題になるのではないかというふうに想像いたしております。


■質疑

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○参議院通常選挙の結果を受けて(1)

【フリーランス】
 全選挙区というわけではないが、都議選に比べて東京都の票の出方が悪い。手塚先生もいらっしゃることですから、それについてお答えをお願いしたい。

【小川幹事長】
 都連の立場から手塚先生からも一言いただければと思います。
 私もそのことをちょっと考えていたのですが、やはり都議選は各選挙区ごとに選挙区調整を行って、各選挙区ごとに選挙事情が異なったということが非常に大きかったと感じており、今般は東京都全体が選挙区ですから、そういう中でのいわゆる支持層、党支持層・候補者支持層はもとよりですが、無党派層の票の出方に一つ特徴が見られ、結果として、都議選には都議選なりの結果、参院選には参院選なりの結果が出たというのが私の所感です。

【手塚幹事長代行(東京都連幹事長)】
 幹事長がお答えになったところだと思いますが、これはちょっとつぶさに分析をしなければいけないなと思っていまして、塩村候補と奥村候補と2人擁立をし、基本、23区が塩村さん、杉並・練馬・中野と三多摩が奥村さんという形で、20名を超える国会議員、それから150名を超える自治体議員、総力戦で戦いましたが、全選挙区をしっかり見ているわけではありませんが、多摩のほうでも奥村さんよりも塩村さんのほうが票が出ているところが多くありました。ですから、いわゆる選挙運動としてやることがどれだけ票に結びついたのかということは改めて検証させていただいて、今後の選挙にしっかり備えていきたいと思っています。

【フリーランス】
 特に例えば八王子などにしてみたら、細貝さんを擁立したのが遅かった割には完全に国民系の須山を無事倒したわけだが、そういったところが東京全体に見受けられなかったということについて、ご所見を。

【手塚幹事長代行(東京都連幹事長)】
 国民民主との対比という意味ではちょっとお答えしづらいところがありますが、候補者擁立の段階からやはりしっかり考えていかなければいけないなということは、改めて今回の選挙を戦って今痛感をしています。
 塩村さん、これ3年しか任期がないわけですから、3年後も改選ということになるので、それを一つベースに参議院選挙については考えていきたいと思います。

【NHK】
 参議院選挙について、先ほど代表のほうから複数区の落選と比例の伸び悩みという発言があった。今回こういう結果になったことに対して、幹事長としてはどういうところに課題があると受け止めているか伺いたい。

【小川幹事長】
 衆議院選挙のときも感じたことですが、とにかく自公に対する信任が失墜しているのは明らかなのです。それの受け皿に野党第1党が一定基礎的になったことは間違いないと思いますが、その政権批判票の、時によってブームの政党というのは必ずどの選挙もあるわけですが、どの程度その基礎的に受け止めるべき野党第1党で本当に受け止め切れるかということが問われた結果として、ぜひ競り勝たなければいけなかった1人区を幾つか落とし、そして、何としても確保しなければならなかった複数区で幾つか落としたと。比例が伸び悩んだのも、まさにその固い支持層、固い固定層を上回って浮動票から積極的な魅力としていただくべき部分を他に奪われた、流れたというふうに私なりには総括しています。

【NHK】
 その浮動票、無党派層が立憲に行かずにほかの党に流れたというところについては、どう見ていらっしゃるか。

【小川幹事長】
 これは、野党第1党として、常に政権勢力に対する批判的立場からの検証という、基礎的な存在感、基礎的な仕事があります。加えて、今の社会問題に対して私どもであればどう解決していくのかと、何を課題と考え、どう解決していくのかということを指し示す責任があると。私なりに野党第1党の役割を定義するとその二つなんですね。
 その後者のほう。今回は物価高に焦点を当て、食料品の消費減税を含めて政策を訴えたつもりですが、例えば所得減税を訴えたところもあれば外国人との関係性を訴えたところもあればでありますが、より多方面にわたる将来の社会像。これをもう少しクリアに、そして、生活実感を踏まえながら訴求することが、無党派層を含めたその積極的支持、積極的魅力につながる一つの鍵だというのが私の考えです。

○ガソリン暫定税率廃止法案について(1)

【NHK】
 あと一点。ガソリン税の暫定税率廃止法案、政調会長に指示をして、これから法案成立に向けた動きをするということだが、共同提出の時期をいつ頃に考えているかと、野党第1党として呼びかけをどのように今後していくか、お考えを伺いたい。

【小川幹事長】
 まず政調会長が、既に前国会で野党7党で、これは参政党も含めて提出していますので、その起動スイッチを政調会長が押すということになると思います。丁寧に呼びかけを行っていくのだろうと思います。
 私としては、早ければ、間に合うのであれば、8月1日に仮に召集されるのであれば即という思いがありますが、一方で、丁寧にやらなければなりませんので、ちょっとそれを確約できる状況にはおそらくないと思います。これから政調会長が丁寧に作業を進められるのではないかと思います。

○参議院通常選挙の結果を受けて(2)

【朝日新聞】
 選挙の関係で伺いたい。まず、きょうの会議の中で、いわゆる比例区で現職の方が落選したり、一部産別の擁立した候補が落選したということについて、意見とか執行部に対する求めとか、何か発言があったらご紹介いただきたい。

【小川幹事長】
 比例区に限らず、現職の仲間を失ったということに関しては、特に参議院の役員から、非常に痛切、痛恨の極みだという趣旨の発言があり、それは執行部も同様であるという応答がございました。
 比例区の擁立過程については、個別の指摘はありませんが、プロセスの丁寧さ等においては全体の総括の中では様々振り返っていただきたいという趣旨の発言がありました。

【朝日新聞】
 今のプロセスのというのは、どういうことを指していらっしゃるか。

【小川幹事長】
 おそらくですが、最終盤、いわゆる公認候補の追加が比例のリストの中でございましたが、そのときに特に参議院を中心に慎重意見が相当数あったことは事実でありますので、そのときのプロセスのことを含めてという趣旨だと受け止めました。

【朝日新聞】
 あと一点伺いたい。先ほどのNHKさんの質問ともかぶるが、今回比例の票を見ると、国民民主党と参政党に次いで、比例だけを見ると立憲民主は野党で3番目の得票に落ち込んだ。この野党第1党として3番目になったということについてはどう受け止めているか。

【小川幹事長】
 極めて深刻に受け止めております。
 今回の総括、非常に、みんなそうだと思うのです、メディアの皆さんの受け止めもそうだと思うのですが、なかなか単純に言い切れない部分があって、いただいた議席数は野党第1党なんですね、いただいた議席数は。そして、全議席、現有議席との比較でいえば横ばいなんですね。そして、比例は僅かとはいえ他党が野党の中では第1党になった。非常に複雑な要素で結果を突きつけられており、いずれにしても多くの無党派層を積極的支持取りつけに必ずしも成功しなかった。結果として、ただいまのご指摘も含め、非常に深刻に受け止めています。

○ガソリン暫定税率廃止法案について(2)

【共同通信】
 先ほどのNHKさんの質問で、ガソリンの暫定税率の話で伺いたい。先ほど幹事長は可能であれば8月1日に見込まれる国会で共同提出できればというお考えを示されたが、審議・成立まで持っていくスケジュールとして、8月は委員の構成を決める短い国会、通常はそうだと思うが、そこで長めの日程を要求して成立まで持っていきたいと考えるのか。もしくは、提出自体は先にして、秋に見込まれる本格的な国会での審議・成立を求めていくのか。どちらのお立場か。

【小川幹事長】
 一般論として、選挙に勝った側は極めて国会運営を含めて慎重かつ丁寧であることが求められると思います。仮にも乱暴なことだと受け取られるような進め方は、かえって逆効果であると。今のご質問に対してはそう思います。

○参議院通常選挙の結果を受けて(3)

【共同通信】
 もう一点、別件で。今回の参院選で、与党のほうは参院でも過半数割れ、少数与党となった。石破総理は今は続投を宣言されているが、自民党の中からも国会議員・地方組織を含めて辞任要求が上がっている状況だ。先ほど代表は冒頭の挨拶で国民に信任されていない政権であるとおっしゃったが、幹事長は石破総理続投についてはどのようにお考えか。

【小川幹事長】
 極めて困難な、イバラの道を自ら選択されたというふうに受け止めています。
 それから、かつて、たしかご自身が党内で在野におられた頃にも極めて選挙の結果に関する執行部の責任は重いということを公言されていた方だということを前提にいたしますと、この期に及んでといいますか、この状況を前提にといいますか、政権を運営していくということ自体が非常に多難苦難で、まず、どこまで正統性があるのか。そして、どこまで持続可能であるのか。この二つについては相当懐疑的に見ているというのが正直なところです。

【TBS】
 今回の選挙結果を受けて、数だけでいえば野党側の政策が実現できる環境が整ったと言えるかと思うが、今回立憲民主党が選挙で大きく掲げた物価高対策について伺いたい。まずは足下の2万円給付というところを実現させるべく、給付をうたっている石破政権と交渉していく用意があるのか。あるいは、消費税減税のほうで野党をまとめて、野党多数という力を使って消費税減税を実現させるほうに軸足を置くのか。その辺りはどのように考えていらっしゃるかお聞きしたい。

【小川幹事長】
 国民からの信任を失っていると思われる石破政権との協議・協力を優先することはありません。
 消費税に関しては、それぞれ減税を主張しているものの、内容において相当な調整といいますか、協議が相整わなければなりませんので、これは時間を要すると考えております。
 したがって、申し上げているように、まずは野党7党で既に提出し衆議院を通過したガソリンの暫定税率の廃止。そこから起動スイッチを速やかに押していくというのが適切ではないかと考えているところです。

【TBS】
 つまり、消費税減税を野党でまとめるということについては、何らか立憲民主党が主導して動いていくつもりというか、用意があると考えてよろしいか。

【小川幹事長】
 当然です。

【産経新聞】
 国民民主党との選挙協力について伺いたい。本日、国民民主党の玉木代表が連合の芳野会長と面会した後に記者団に対して、次期衆院選で積極的に候補者を擁立する意向を示した。今回の参院選では一部の選挙区などで候補者調整を行ったが、今後の国民民主党との連携のあり方について、どのようにお考えか。

【小川幹事長】
 今回、私も香川選挙区において相当辛抱強く対応しました。それなくして香川選挙区で国民民主党の候補が勝つということはなかったと思います。
 お互い積極的に候補者の擁立に励み、自公に代わり得る選択肢をつくるという責務がありますので、一般論として玉木代表のご発言はそのとおりだというふうに受け止めており、それを実質化しようとしたときに初めて、様々な調整や、党利党略を乗り越えることや、お互いの譲り合いや、お互いの立て合いが必要となる。それこそが政治である。それが私の受け止めです。

【産経新聞】
 参院選の結果に関連して。逢坂誠二衆院議員が今回の選挙結果に関して自身のブログの中で「改選前と同じ議席を確保できたのだから、負けではないとの評価もあります。しかし自公が議席を減らし、国民と参政があれほど議席を増やした中での現状維持ですから、明らかな負けと言わざるを得ません」と述べ、その上で「党のあり方も含め大きな決断をすべき時かもしれません」とブログに記されている。このような党内の意見をどのように受け止めるか伺いたい。

【小川幹事長】
 申し上げたように、今回の結果は一義的に判定しにくいほど多角的で、いただいたのは比較第1党。しかし、伸びは横ばい。そして、比例は僅かとはいえ他党が第1党。この評価は様々で、マイナス面を大きく評価される方々が、もし党内外、支援者・支持者を含めて、いらっしゃっても当然だと思います。
 「大きな決断」というのがどういう意味かはちょっとよくわかりませんので、これ以上の言及は控えますが、極めて多角的な答えをいただき、その解釈はそれぞれ立場によっても、あるいはこの間の取組によっても、あるいは置かれている地域によっても、様々ではないかというのが私の受け止めです。

【産経新聞】
 今回の参院選の結果をマイナス面を評価する方々がいる中で、党の執行部として、この参院選の結果の責任をどのように取るのか、お考えを伺いたい。

【小川幹事長】
 常に責任を負っており、それこそ石破さんではありませんが、究極、それは常に進退が懸かっているという緊張感の下、仕事をするのは執行部として当然のことであります。
 ただ、今回の結果を受けて直ちに具体的に何を誰がどうするかは野田代表の専権事項であるということで、私が何か言及するつもりはありません。

【読売新聞】
 先ほど少し話題になった給付金のことで確認させていただきたい。仮に石破政権が今後消費税減税と給付付き税額控除をセットの上で給付金と言えば、これは当然立憲としては賛成になると思うが、石破政権がこのまま給付金だけ進めようとした場合、それは立憲としては反対になるのか。その辺り、党としての考え方を改めて教えていただきたい。

【小川幹事長】
 ただいま申し上げたように、政権の信任と持続可能性、正統性そのものが根底から大きく問われている中で、個別政策に賛否を申し上げる気にならないことは現時点ではご理解をいただきたいと思います。

【読売新聞】
 ただ、立憲としては少なくとも給付金だけでは認められないという、そういう立場ということでよろしいか。

【小川幹事長】
 政策的に説明すると、私どもも同様の「食卓おうえん給付金」を掲げ、それは消費税食料品ゼロ実現までの半年間のつなぎであると定義し、その後、(最大)2年間食料品はゼロ。その後、更に公平な、あまねく恩恵の行き渡る給付(付き税額控除)に移行させると。一連の哲学の下に制度を設計してきているので、政策論議を仮に始められる環境が整う場合、それが前提になります。

【読売新聞】
 別件で、参政党について伺いたい。今回参政党が躍進したが、トランプ大統領の共和党はもちろんとして、ヨーロッパでも極右的なポピュリズム新興政党が数年前から伸長する傾向があるかと思う。日本もそういったヨーロッパと同じような状況になりつつあるのではないかという、こういう声も一部で聞かれるが、幹事長はその辺はどのようにお考えか。

【小川幹事長】
 ここは私見ですが、アメリカの10年遅れ、ヨーロッパの5年遅れ。非常に、自国、今回は自国民ファーストという言い方をされたようですが、自国ファースト、ナショナリスト、国粋主義的傾向というのは、やはりこの国でも強まっている。
 ここはぜひちょっと主張も含めてお答えに代えたいのですが、これは確実に、各国の国内における格差の固定化と貧困の拡大、そして、今に安心感を感じず将来の見通しを持てない、そういう国民が増えている。そういう人々が増えている。したがって、見直されるべきは経済政策であり、社会政策である。そこを本当にさじ加減を間違えると、人類は繰り返しこれは暴力によって解決してきていますので、革命や内戦や紛争や暴動や、この格差の固定化と貧困の拡大を暴力によって解消してきているので、極めて注意を要するべき歴史的局面にあるというのが私の私見ですが認識です。

【日本経済新聞】
 参院選の結果について伺いたい。常任幹事会の冒頭で野田代表も、1人区の勝利については一定功を奏した部分があったとお話しされていた。与党の過半数割れに追い込んだ目標というのは達成できた部分があるが、主に国民民主党と参政党の功績、伸長によるものという部分も大きいのではないかと思う。立憲民主党としてはこの部分に関してどのように考えていらっしゃるか。

【小川幹事長】
 ちょっと質問の趣旨を確認させてください。参政が立候補したことで有利に働いたのではないかという質問と、国民民主が立候補したことで、それも有利に働いたのではないかという質問だと理解していいですか。

【日本経済新聞】
 全体の与党過半数割れに対しての貢献度合いとしては、議席の伸び具合から参政党や国民民主党が大きいのではないかというふうに考えられるのではないかと。

【小川幹事長】
 とにかく、申し上げているように、いただいたのは比較第1党ですが、伸びは横ばいですから、減らした分は他党に行っているわけですから、結果として、全体として言えばそうだと。それは否定できません。
 ただし、一つだけつけ加えたいのは、我が党はなぜ最初から立憲単体で何議席だという目標を立てなかったか。それは野党全体を最大化し与党全体を最小化することを初めから目標に置いていたからであって、現に、大串代行が相当最前線に立たれましたが、現に滋賀では候補者を引き、そして和歌山では本当に候補者に涙をのんでもらって引き、引く作業をしてきて今日に至っているんですね。そのことも含めて、我が党が目指していたものが何だったのか、それはなぜだったのか、そういうことも含めて答えとして受け止めていただきたいと思います。

【日本経済新聞】
 立憲民主党中心の政権交代を目指す野党第1党の役割としては、その責任においてはどう受け止めるか。

【小川幹事長】
 常に果たしたいと思っており、今も果たしたいと思っています。
 果たしやすいかどうかは、その比較第1党の比較ぶりが大きければ大きいほどやりやすいわけで、やりやすい状況に直ちに至ったとは、今回のこの結果を踏まえれば直ちには少なくとも言いやすい状況にはない。そう判断しています。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほかはいかがでございますか。よろしいでしょうか。

【小川幹事長】
 それでは、ちょっと恐縮ですが、私が言及できなかった今回の候補者の擁立状況、そして当選者、特に女性の割合が多かったり、その辺りのファクト、事実関係については、ぜひ最前線に立たれた大串代表代行から補足をしていただきたいと思いますので、もう少々お時間をいただきたいと思います。

■冒頭発言(大串代表代行)

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは、続きまして大串代表代行・選挙対策委員長よりご報告をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○参議院通常選挙等の結果について

【大串代表代行】
 私のほうからの選挙結果等の報告ですが、資料が後ほど届くと思いますが、参議院議員選挙においては私達の候補は選挙区においては当選15、比例においては当選7ということでありました。これはご案内のとおりです。
 女性比率が顕著でありまして、選挙区においては当選者のうち8名が女性、7名が男性ということなので、女性比率53.33%。比例においては当選者7のうち女性が4、男性が3なので、女性比率57.14%なんですね。これを合わせると、全22名の当選の中で女性が12なので55%。当選者の5割を超えて女性だということで、前回選挙のときには5割に到達したということが話題になりましたが、今回は約55%に至ったということで、多様性のある政治を具現化することに寄与できたのではないかと思います。
 加えて、今のは公認候補の数でありますが、推薦候補で私達、鹿児島の尾辻朋実さん、これは我が党単独推薦です。それから、沖縄の高良沙哉さん、ここは「オール沖縄」の枠組みで他党(と共同)での推薦ですが、この方々も女性であることを踏まえると、多様性のある候補の躍進を我が党が支えたということが言えるのではないかと思います。
 それで、ちょっと戻って、先ほど日経さんから質問のあった、与党が減るということに対して我が党がどれだけ貢献したかということなのですが、公認候補においては私達は横ばいです。ただ、入り繰りを細かく見ていただくと、例えば茨城などで私達は落としたんですね。ただ、それは参政党さんが通って、つまり野党が通って私達が落ちているんですね。自公の入り繰りにこれは変更ないんです。つまり参政党さんが伸びられたことが与党を減らすことに働いていないということになっています。福岡もそうです。福岡は私達は落としましたが、福岡においては自公参が通られて、私達の立憲民主党の候補と入れ替わった形になっているのですね。だから、ここも与党を減らす効果には寄与していない。
 それこれを差し引くと、実は私達、推薦も含めていうと22から24になっているわけですが、自民党を減らす効果としてはもう少しあって、4名ほどは私達が自民党を減らす効果に寄与しているんですね。ですので、野党第1党として、ボディーの大きい党ですから、一気に2倍増、3倍増というふうにしていくことは難しいです、正直申し上げて。ただし、その中で一歩ずつ議席を増やすことによって、野党第1党として与党の数を減らしていくということに関しては寄与ができたのではないかと私は思っているところであります。
 あとは、京都の補欠選挙、府議会議員選挙の補欠選挙がありまして、定数2、補欠数2ですが、立憲民主党の新人さんがトップ当選したということの報告をしておきました。


■質疑(大串代表代行)

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○参議院通常選挙の結果について

【産経新聞】
 今回の比例代表の得票数について伺いたい。今回の比例代表の中で、連合の組織内候補の得票は152万から132万と減らしていて、それぞれの産別の候補も減らしている中で、立憲全体としては60万票増となった。そういった中で、今回、私鉄総連の森屋さんが落選される結果となったが、立憲全体として組織内候補を当選させるために票を集める、議席を増やすということにどれだけ寄与することができたというふうにお考えか。

【大串代表代行】
 もう一回、質問のところだけ、ごめんなさい。

【産経新聞】
 連合の産別自体の集票が減っている中で、立憲全体としては得票を伸ばすことができたと。その点において、立憲が連合の組織内候補を当選させるためにどれほど貢献することができたかということについて伺いたい。

【大串代表代行】
 全国比例候補、全国比例選というのは、それぞれ手を挙げていただいた比例の候補の皆さんがいわゆる党の枠の中で切磋琢磨していただくという、当人同士にとってみれば大変厳しい選挙戦であります。我が党においてもそれぞれの候補者の皆さんが切磋琢磨していただきました。その結果、伸びたところ、伸びていないところがあるわけでありますが、私としては、全体の候補者擁立を通じて全体の比例票が増えるという、その目標に向けて候補者擁立に励んでいったつもりです。その結果が今回の22名の候補擁立に至っています。
 結果として、60万票、3年前に比べると増えたということでございますので、一定の進化はあったわけでありますが、ただ、投票率が6.5%上がるという中で、すなわち600万票ぐらい新しい投票した方がいらっしゃるわけです。それの中で60万票を取ったということが割合としてはまだ多くなかったのではないかということがありますので、更にもう少し伸ばせなかったかということは、よく総括しながら次に向けて学んでいきたいと思います。

【西日本新聞】
 比例選の関係でもう一つ伺いたい。3年前の同じ参院選に比べると比例の票は増やしているということだが、去年秋の衆院選の比例全体に比べると比例票が減っている。その点に関して、きのう玉木代表がぶら下がりで、一番減らしているのが立憲民主党であるということで、旧民主党系への支持の否定ではないかと、そういった見方を指摘された。昨年の衆院選と比べて減らしているということについて、比べ方、比べる指標を含めてどうお考えか伺いたい。

【大串代表代行】
 選挙戦略を考える際においては、衆議院の比例の票と参議院の比例の票を比べることはしません。通常は参議院選・参議院選・参議院選の比例の数字を比べるというのが、戦略を間違わないで立てるためには必要なことです。そういうことで、私は衆議院の前回選挙と比べることはしません。

【西日本新聞】
 1年前の違う選挙である衆院選と比べることで一番減らしているのが立憲民主党であると、つまり旧民主党の否定という民意の表れであるという、そういう組み立てに関してはちょっとなかなか理解し難いということか。

【大串代表代行】
 私も選挙実務と戦略を構築するに当たって、同じ選挙で比べるというのが基本なので、あり得べき姿だと思いますので、私達はそういう考え方は取っていないということです。

【毎日新聞】
 これまで立憲としても野党としての議席の最大化ということを掲げてやってこられた。その結果、自公過半数割れという結果につながったとは思うが、簡単に連立を組めない思想の違う政党が議席を伸ばしたという結果にはなると思う。簡単に参議院で立憲と思想の同じ考えを過半数に持っていくということにはつながってはいないのが現状だと思う。今回、この目標を立てた時点で、こういった結果になることも想定内でこの目標を立てていたのか、それとも少し想定外の結果になっているのか伺いたい。

【大串代表代行】
 これから様々分析していきますが、無党派層の皆様の動きをよりよく分析していきたいと思います。
 すなわち、一定程度私達とは立ち位置の異なる野党の皆さんが伸びられるであろうということは想定していました。最近報道等でもありますが、いわゆる旧安倍派的な考え方に基づく方々が野党として伸びられる可能性があるというのは私も想定したところでありました。それは現在の自民党を弱める方向に働くという意味においては、時の流れとしてあることだなというふうに思いながら私は見ていたところです。
 そういう中で、私達は中道の立ち位置を占めているわけなので、そこをしっかり固めていくということがより大切になると。先ほど申し上げたように、野党第1党なので、2倍増、3倍増ということはできません。しかし、その中で一歩一歩議席数を増やしていくことによって、今いわゆる右と言われる方々が分派・分裂する中で私達がミドルのところをしっかり固めていくというのは、日本の政治の安定のためには、あるいは日本のこの政治の中で一定の受け皿をつくるという意味においては意味のあることだというふうに思って、今後もそういうふうなことはしていきたいと思います。
 ただ、無党派層の動きの中で私達の想定以上のところがあったのは事実です。すなわち、無党派と一言に言っても様々な無党派の方々が今いらっしゃるように感じているものですから、そういった分析をしながら、本来であれば私達を支持してくださったであろう無党派の方々まで取りこぼしていないかというような分析をしっかりしていきたいと思います。

【毎日新聞】
 現段階で考えていることで構わないが、そういった新しい勢力によって掘り起こされた層を獲得するために、立憲として何か新しいことをしていく必要があると考えるか。

【大串代表代行】
 新しく、現在の政治の不備によって、政治に対して一票を投じるという形で参入していこうといかれる方々で、私達と立ち位置、考え方が等しい方々、近寄った方々をできるだけリーチしていくということは、今後も一生懸命やっていきたいと思います。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。それでは本日の記者会見はこの辺りで終了させていただきます。皆さんご参集いただきまして誠にありがとうございました。

(以上)