厚生労働省の2022年国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢者世帯のうち51.5%が単独世帯であり、33.0%にあたる約560万人が高齢者女性の単独世帯です(※1)。

  民間会社の行った「おひとりさまに関する調査2022(※2)」によると、56%強が生活に「満足している」。「1人で楽」「自分の時間がある」といったおひとりさまの良さを上げる声がある一方で、「病気の時につらかった」「1人の外食は寂しい」といった声もあります。将来の不安については「老後の生活費」「自身の病気」「親の介護」等が上がっています。

 さまざまなライフスタイルにあわせて、おひとりさまが病気になった時、高齢になった時に生じる問題への対応や、孤独・孤立に陥らないように予防的な対応も必要になります。

 立憲民主党は、「一人ひとりが個人として尊重され、多様な価値観や生き方を認め、互いに支え合いつつ、すべての人に居場所と出番のある共生社会(綱領)」を作っていきます。おひとりさまが、現在も将来も安心して過ごせるよう制度や環境を整えていきます。

※1「2022(令和4)年国民生活基礎調査P5

※2 「おひとりさまに関する調査2022」ジブラルタ生命保険株式会社

◆立憲の考え方

〇多様な人生の尊重
・夫婦・子どもの世帯を標準として設計されてきたこれまでの税・社会保障制度を見直し、単身者も老後の不安なく、尊厳を持って人生を送ることができる社会制度の構築を目指します。

〇「幸せな在宅ひとり死」へ
・介護の社会化を進め、サービスを拡充し、「おひとりさま」でも、病院や施設でなく、慣れ親しんだ自宅で自分らしい最期を迎えられる「在宅ひとり死」も幸せな最期とされる社会を目指します。

〇多様な住まい方の支援
・ひとり暮らしのお年寄りや老夫婦などが、気の合った仲間と助け合いながら共同生活をするグループリビングやシェアハウス、子育て世帯・ひとり暮らし・大人だけの世帯がともに暮らすコレクティブハウス等を支援します。

〇高齢単身者の住まい確保の支援
・「高齢者の居住の安定確保に関する法律」など関連法制度を拡充し、単身者が高齢になっても安心して賃貸住宅に住み続けられる仕組みをつくります。

〇医療・介護・住まいの連携
・地域包括ケアシステムを構築し、まちづくりのなかで高齢者の居住の安定を図るとともに、サービス付き高齢者住宅の供給を促進するなど、医療・介護・住居が連携した施設の拡大を図ります。
・リバース・モーゲージの拡充・活用促進などを図ります。

〇単身者の入院
・保証人のいない単身者が必要な医療を受けられないということがないよう、「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」の普及とフォローアップを図ります。

〇単身者の葬祭
・それぞれの人の生前の意思が尊重され、尊厳を保ちながら、わかりやすく公正なルールで墓地の確保・供養を受けられるよう、必要な法制度の整備・事業などを促進します。

〇終活支援
・単身者の認知症・ひとり死に対する不安を取り除くため、成年後見・身上監護・死後事務の委任(デジタル遺品の処理、ペットの引き取りあっせんなど)等の「おひとりさま」「終活支援」事業を支援するとともに、事業の適正さをチェックする仕組みをつくります。
・エンディングノートを活用し、自分らしく生きるために必要な公的サービス・民間サービスを適切に利用できるようにします。

〇孤独・孤立の視点に立った政策全般の見直し
・自殺・貧困・格差といった社会問題全般について、孤独・孤立という視点から問題の所在を見直し、就業支援のほか、政策・法制度・社会システムの見直しにつなげます。
・高齢者も含めた孤独(独居・寡婦等)対策を強化し、社会的包摂を進めます。

〇相談体制の拡充
・「身近な相談員」である民生委員(特別職の地方公務員・非常勤、給与なし)の処遇を改善するとともに増員し、現場の実態把握を進めます。
・孤独・孤立を余儀なくされた人々への民生委員による寄り添いサポートを拡充します。
・自治体の把握する個人情報を民生委員と共有する仕組みを構築し、個人の事情に応じたきめ細かいサポート体制をつくります。
・電話、メール、SNSカウンセリングなど、多様な相談手段をつくります。
・孤独を理由に自死する人が絶えないなか、自殺統計原票の調査項目を増やすなどして、自殺の原因・動機の究明を進め、対策を講じます。

◆相談窓口

お住まいの市区町村の社会福祉窓口 独立行政法人福祉医療機構が運営する福祉・保健・医療の総合情報

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