「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」および「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」が24日午後、「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」を都内で開催。またこの集会に先立ち、今年6月に亡くなった横田めぐみさんの父親、横田滋さんのお別れの会も開かれました。立憲民主党から党拉致問題対策本部顧問を務める渡辺周幹事長代行があいさつをしました。また松原仁拉致議連幹事長、荒井聰衆院議員、谷田川元衆院議員らがお別れの会に参加しました。

 体調不良のために欠席した飯塚繁雄家族会代表の代わりに、冒頭、横田拓也事務局長(横田めぐみさん弟)が、主催者代表あいさつに立ちました。横田事務局長は「日朝首脳会談が行われてから18年という歳月が過ぎ、5人の拉致被害者とその家族が帰国されて以降、誰一人戻ることができていないのが実情です」と述べた後、「毎日、自分の娘、母親、姉、妹、兄、弟の帰国を例えようのない苦しい気持ちの中で願っていましたが、再会の夢かなわず有本嘉代子さんが2月に亡くなり、私の父でもあり、前家族会代表の横田滋が他界しました。どれほど悔しい思い出この世を去ったかと思うと、心穏やかに保つことができません。待っている拉致被害者の親世代の多くは、通常であれば経験しなくてもよいはずの重いストレスを抱え、高齢の体に鞭を打ち、最前線で戦っておられます。『残された時間がない』まさにそういうことでございます。日本政府は、その点を改めてしっかり受け止めて頂きたいと思います」とあいさつしました。

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 続いて菅義偉総理、加藤勝信拉致問題担当大臣(官房長官)らによるあいさつや、横田滋さんの妻早紀江さん、飯塚耕一郎(田口八重子さん長男)事務局次長による訴え等が行われた後、各党代表者があいさつに立ちました。

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 立憲民主党の代表としてあいさつに立った渡辺周議員は、「金正恩朝鮮労働党委員長が、とうとう泣き落とし戦術を使って――とにかく情に訴える手段をとった。異例のこと。北朝鮮に対して、あなた方が普通の国として、(北朝鮮)国民の支持を得たいのなら、あるいは国際社会の仲間入りをしたいのであれば、この拉致問題が『なかった』とか『解決した』などと言わずに、この問題についてもう一度、認めて向き合うべきだし、その時は日本は悪いようにはしない、と是非主張すべきです。この臨時国会において、菅義偉新内閣の拉致に対する姿勢はどういうものなのか。これを是非とも国会で堂々と議論をして、そしてその模様を、SNSで発信することを是非とも実現したい。そのためにも、今年に入ってまだ一度も開かれていない国会の拉致特別委員会を是非開いて頂きたい」と述べました。

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 また亡くなった横田滋さんとのエピソードについても触れ、「私の地元の静岡県沼津市で、横田滋さん、そして早紀江さんにお越しを頂いて、シンポジウムを開かせて頂きました。(参加者から)たくさんの励ましを頂いた後、その夜、お送りする時に、新幹線の駅の中のお寿司屋さんで滋さんが、一杯だけコップ酒を口にされました。心配される早紀江さんを横にですね、よほど嬉しかったのか、少しはほっとしたのか、その時は笑顔を見せられていました。娘さんと会えたなら、もっと本当に心からの笑顔を見せることができたろう――それを見せることなく他界されたことに、我々も心から申し訳ない思いでございます。この悔しさを胸に、ぜひ弔い合戦の想いで、全ての関係する方々や鬼籍に入られた方々の思いを胸に受けて、これからこの拉致問題の解決に取り組んで参りたい。そのことをお約束申し上げまして、党を代表する決意とさせて頂きます。共に頑張りましょう」と締めくくりました。

 集会では最後に、北朝鮮に対し、全ての拉致被害者を速やかに帰国させるよう決断を求めるとともに、日本政府に対しても帰国の実現を求める決議文を、松原仁拉致議連幹事長が読み上げ、採択しました。

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