枝野幸男代表は14日、立憲民主党宮城県総支部連合会が開催する党員・サポーター&パートナーズ集会に出席しました。集会には、宮城県連代表の岡本あき子衆院議員、同代表代行の鎌田さゆり衆院宮城県第2区総支部長、顧問の安住淳国会対策委員長が出席、司会は石垣のりこ参院議員が務めました。

 枝野代表は、親に進学を反対されながらも、奨学金を借りて働きながら学校に通っている学生から聴いたエピソードを紹介。その学生がコロナ禍で仕事がなくなり、学校の授業もなくなり、国からの給付金も実家の口座に振り込まれるので親に言えない状況で苦しんでいることを説明し、「政府はこういう人間がいるのがわかっているのか。本当に辛い立場の人はコロナ前にもいたが、コロナ禍で一気に増えた。もうこれ以上、こういう状況を放置する政治を続けてはいけない。国民にもう1つの選択肢があるんだと示す。安倍さん、菅さんしかいないとあきらめている人に、もう1つの選択肢があることを示さないと何のために政治をやっているんだろうなと思う。かなり早く選択肢を示さなければいけないと思いこのような合流をした」と今回新しく立憲民主党を結党した理由も示しました。

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大会で講演する枝野幸男代表

 県連代表の岡本議員は、「立憲民主党は過度な規制緩和、自己責任、その結果の格差社会の是正のために声をあげる。若い人が夢をかなえる環境を宮城から整える。あなた方お一人おひとりのことを私たちのこととしてとらえるのが、政治の役割だと思っている。想いを受け止めて、声を反映し続けていきたい」と決意を述べました。

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岡本あき子 宮城県連代表

 顧問の安住議員は、GoToキャンペーンで人出が増えたことに触れ、「やはりクラスターも出た。人が動けばそうなる。医療を充実しちゃんとPCRをすべきとさんざん言ってきた。『ブレーキとアクセルの踏み方を間違えると感染爆発が起きますよ』と。しかし、その声に耳を貸さずにこうなってきたんじゃないんでしょうか。これから2カ月、本当に国民の暮らしや生活を守るために菅政権がどういうことをするのか厳しくチェックしたい」と政権チェックへの意気込みを見せました。

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安住淳国対委員長

 集会の最後に鎌田総支部長は、「誰だって、いつも強く生きられるわけでありません。倒産にあってしまう人、介護が必要になる人。弱ったときに頼りになる政党として、立憲民主党はこれからの日本を変える覚悟があります」と強調しました。

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鎌田さゆり衆院宮城第2区総支部長
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石垣のりこ参院議員

 枝野代表は、集会後に記者団からの取材に応じました。新型コロナウイルスの新規感染者が過去最高になっていることについての受け止めと政府に求める対応を問われると、「残念ながら危惧したとおりになった。GoToキャンペーンで経済活動を増やせば感染リスクが高まるのは当たり前。だからこそ先立って、検査を拡大させることや医療体制の整備など進めないといけない。それをせずに検査拡大なきGoToキャンペーンをやってきた。完全な人災だと言わざるを得ない。一刻も早く、検査体制の大幅な拡大と医療機関に対する支援を急がないといけない」と述べました。
 立憲民主党が来週、ひとり親世帯への給付金を年内に支給することを求める法案を提出することについて問われると、「本来法律を作らなくても、予備費の活用で政府が判断すればできること。われわれは繰り返し求めてきた。全く応じる姿勢のない中で、本当に年を越せない人がたくさん出てくる。そうしたことへの危機感から法案を提出する。何のために7兆円の予備費を積んだのか。本来は早い段階で3次補正予算を組んで対応すべきだが、予備費を積んだ以上、なぜ出せないのか理解できない」と政府の姿勢に疑問を示しました。
 枝野代表はその後、参加者全員が弁護士である「樹の会」主催「鎌田さゆりさんとの懇話会」に出席し講演をおこないました。さらに、東日本大震災の際に地割れがおこり崩れてしまった傾斜地に立っている住宅地(仙台市太白区)の復旧した様子を視察。そして復興住宅を視察し、集会所を使ってふれあいを多くすることで孤立を防ぐコミュニティづくりについて関係者と意見交換をしました。

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住宅地の復旧状況を視察

 視察終了後にも枝野代表は記者団の取材に応じました。視察を通しての感想を問われると、「最初の傾斜地の話は、約10年前官房長官の時に仙台で住宅地が傾斜地にたくさんあると知っていたから、復旧支援をプッシュした話。決して災害全体からは大きくないことかもしれないが、1つの結果につながっているのを見たのは政治家冥利に尽きる。引き続き地味なことでも、1個ずつやれることをやっていくのが必要だと思った」と説明しました。災害復興住宅におけるコミュニティについては、高齢化や孤独死の問題が深刻で、さらに家賃も災害当初に比べて上がってきて住めなくなる状況も出てきているので、「形式的基準だけで家賃が上がっていることが本当に良いのか。自治体の範囲のことだが、国としてもプッシュして、きめ細かいソフト面の支援を充実しないといけない」と述べました。
 社民党大会で一部議員が離党して、立憲民主党と合流を認めることを可決したことについて受け止めを問われると、「議案が可決されたことは、立憲に加わる方が円満に加われることが決まったと受け止める。社民党に残る方ともしっかりと引き続き円滑・円満な連携を取っていくことに向けて相談したい」と述べました。

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あすと長町でコミュニティのあり方を意見交換
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福島県樽葉町収穫の日本酒「夢の香」を復興の証として贈呈される
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「樹の会」主催の懇話会で質疑に応じる枝野代表