福山哲郎幹事長は25日午後、参院予算委員会での質疑後に国会内で記者団の取材に応じました。

 福山幹事長は冒頭、安倍前総理側が主催した「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、ホテルに支払った費用総額の一部を補てんしていたと安倍前総理側が認めたことを受け、同日の質疑では安倍総理(当時)の国会での虚偽答弁の問題に時間を取られ、他にやりたい課題について時間がなくなってしまったと発言。あらためて集中審議の開催を求めていく考えを示しました。

 その上で、安倍前総理の前夜祭の問題については、「菅総理は、捜査だと言いながら、一方で、『仮定の話、一般論で言えば」と言って、政治資金規制法の違反に言及した。秘書官や安倍(前)総理から何も報告を聞いていないと言う。7年8カ月総理と官房長官の立場で行動し、(問題発覚後)この1年間、『桜を見る会』の問題について虚偽答弁を共にしてきた者の対応としては非常にまずいのではないか。1年間虚偽答弁をされてきた立法府の立場で言えば、行政府の長であった安倍前総理と菅官房長官は立法府を蔑ろにする行為をし続けてきたわけで、そのことについてただしたが明確な答えはなく、非常に憤りを持って質疑をしていた。いずれにせよ、政治資金規制法違反の虚偽記載、買収罪、寄附禁止の違反も含めて、状況によっては、連座制も適用される可能性も出てくる。またぞろ森友・加計学園問題のときのように、他の人たちに責任をなすりつけて、自分たちが逃れることはできないと考えている」と指摘。ホテル側は明細書も領収書も発行しているのに、国会で総理と官房長官が「発行されていない」という答弁を繰り返してきたことに、「ホテル関係者の思いは一体どういうものだったのか。森友学園問題の赤木さんの自死を含めて、こういう思いをする人が出るのは非常に遺憾であるとともに怒りを覚える。安倍前総理の問題についてはまだまだこれから真相究明をしていかなければいけない」と述べ、安倍前総理の参考人としての国会への出席要求と、集中審議の開催を強く求めるとともに、与党に対しても立法府の人間として責任があると、この要求に応じるよう求めました。

 新型コロナウイルス感染症対策をめぐっては、感染拡大に伴い「社会が壊れ出している」との危機感を表明。子育て世代への臨時特別給付金の再給付をはじめ、予備費7兆円で早急にすべき施策を提案したとして、「菅総理は一定理解を示していただいたような雰囲気が見えたことについては良かったと思う」とコメント。一方で「適切に対応する」という言葉にとどまり、具体的に年内にどのような施策を講じるかが見えないとして、「とにもかくにも国民の皆さんの生活にかかわる。しっかり注視していく。年末から年始、また年度末にかけて失業者やホームレスがより増えたり、自殺者数が増えることがないよう取り組むのが政治の役割だ。そうしたことが起こったとすると菅政権の不作為の責任は非常に重たい」と述べ、喫緊の対応が必要だと促しました。

 日本学術問題の任命拒否問題については、一挙に6人もの任命を理由を明かさずに拒否するのは違法行為であり、過去の答弁と照らしても、政府側の説明は全く破綻していると言わざるを得ないと指摘。

 また、森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、安倍政権が2017年から18年に行った国会答弁のうち、事実と異なる答弁が計139回あることが24日、衆院調査局の調べで明らかになったことについて所感を問われると、「森友学園の問題は、虚偽答弁に加えて文書の改ざん等も行われたわけで、国会審議がすべて嘘だったということになる。こんなことは、憲政史上、ありえないことであり、あってはならないことだ。今回の予備的調査により、それだけ虚偽答弁が行われていたことが分かり、安倍政権の国会議員、ひいては国民に対して真実を語らないという姿勢がより浮き彫りになったと思う」と述べました。

 「桜を見る会」の問題をめぐっては1年以上にわたって追及しているなか、立憲民主党の支持率は上がっておらず、もっと国民が何を望んでいるかを見極めていくべきではないかとの質問には、当時から「桜を見る会」の問題以外も取り上げているにもかかわらず、「桜ばかりやっている」と言われのない批判を受けていたことにも触れ、「では、この問題を放っていれば支持率が上がったのかというと、そうとは思えない。結果としてわれわれの指摘してきた通りだと思う」と主張。「野党は政権のチェック、監視と、政権に代わる新たな政策、提案をするという、両方の機能を持たなければいけない。違法な行為や、何らかの疑惑が起こったときに野党が監視の役割を果たさなければ、逆に日本の立法府は死ぬことになる。野党としてやるべきことであり、ご理解いただけるように努力していきたい」と力を込めました。