与党が後期高齢者(75歳以上)で年収200万円以上の方の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げることで合意したことを受け、泉健太政務調査会長と西村智奈美社会保障調査会長が11日、国会内で記者会見を開き、党の厚生労働部会・社会保障調査会で取りまとめた「一定年収以上の後期高齢者の医療窓口負担2割への引上げについて」を発表しました。

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 泉政調会長は、「コロナ禍で非常に生活や医療提供体制が不安定な時期、先行きの見えない時期でもある。ただでさえ、コロナ禍で受診抑制が起きている。受診抑制の影響がどうなって行くかが見えにくい中で、このような負担増を決めるというやり方には反対である」表明しました。
 また、与党が児童手当について世帯主の年収が1200万円以上の子どもを特例給付の対象から外すことで合意したことについて、「一方で、経済対策全般としては5年で15兆円という国土強靭化の政策を打ち出している。国土は強靭化されても、国民生活は弱体化をしていくということでは絶対にいけない」と予算配分がバランスを欠いていると指摘しました。

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 西村調査会長は、75歳以上の医療費窓口負担の2割への引上げは現時点で容認することはできないと明言し、「消費増税、それからコロナ禍で大変な状況の中、安易な自己負担引き上げが受診抑制による症状の重症化を引き起こし、長期的には医療財政を悪化させるおそれがあると考えている」と反対する趣旨を説明しました。

 また「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の状況の中で、既に受診抑制は起きているが、感染の収束及び社会不安の解消がなされない現時点で引き上げるということは、受診抑制に拍車をかける可能性が高いと考えている。報道によると、引上げの施行は2022年10月以降ということだが、この時に感染が収束しているという目処はなく、収束していたとしても、感染の影響が継続している可能性があると考えられる」と述べました。

 一方で、現役世代の負担が厳しさを増していることを承知していると表明し、「今回の引上げで現役世代の負担が880億円軽減されるとされているが、これは後期高齢者の窓口での負担を増やすことによってではなく、公費によって軽減すべき」との考えを示しました。

 続けて、「とにかくこの間、政府の動きと言えば、社会保障費は社会保障の中で抑制するという考え方が極めて顕著だ。先程も政調会長から話があったが、世帯主が1200万円以上の児童手当を無くして待機児童対策に回す。これは子育てしている家庭に対する罰かというふうに思える。今回の後期高齢者医療制度の窓口負担の問題についても、高齢者の負担を増やして若い人たちの負担軽減をするという考え方では、持続可能な社会保障制度とは言えない。また、支え合いの社会保障制度という意味においても、極めて大きなマイナスではないか」と政府の社会保障制度改革の方向性を批判しました。

 その上で、立憲民主党は「このようなやり方ではなく、ベーシックサービスの充実によって誰もが安心して子どもを持ち、教育を受けさせ、そして医療や介護が必要になった時にはそのサービスが受けられることができるという体制をこれからも追求していきたい」と主張しました。

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