立憲民主党は4月1日、会派厚生労働部門会議を国会内で開催。慶應義塾大学経済学部の駒村康平教授を招き、「年金改革法案の必要性と意義~就職氷河期世代の低年金の放置は許されない~」と題し、 (1)マクロ経済スライド同時停止の意義(2)団塊ジュニア・就職氷河期世代の状況(3)長期的、論理的、横断的な改革ができる「装置」の必要性――等について話を聴きました。
冒頭、あいさつに立った長妻昭代表代行は、「年金は国家の背骨であり、国の安定にとって大切なもの。今起こっている財務省の解体デモなども、いろいろな将来不安が関係しているのではないか」と指摘。「今回なんとしても年金改革を前に進めたい」と述べました。
「次の内閣」ネクスト厚生労働大臣の山井和則衆院議員は、年金改革は負担増などの問題を伴うため、政治的に避けられがちだが、将来のために議論を避けるべきではないと強調。「選挙に不利になるからと放置するのは簡単だが、それによって一番苦労するのは氷河期世代をはじめ現役世代の低年金の方々。その方たちが10年後、20年後、30年後に生活保護や低年金となり老後厳しい状況に追い込まれる。批判を受けるかもしれないが、与野党で協力して将来世代のために解決策を見出していきたい」と述べました。
駒村教授は、2004年の年金改革の問題として特に、マクロ経済スライドが十分に機能せず、年金財政の安定化に至らなかったとした上で、マクロ経済スライドが適用されているうち(2029年前)に停止しないと、2040年に退職(65歳)を迎える団塊ジュニア・就職氷河期世代の年金の低下を抑えることができないと指摘。就職氷河期世代の低年金問題としては、就職難の影響で非正規雇用が多く、十分な年金を受け取れないリスクが高いことに加え、人口が多いこと、単身者の割合が高いことから、その社会的影響の大きさについても話しました。また、政治的理由で、改革が延期されることが賦課方式の年金の最大のリスクだと指摘。少数与党、頻度の高い選挙の恒常化のなかで、「短期的、情動的な議論」ではなく、「長期的、論理的な議論が必要」であり、与野党議員、学識者、担当省庁責任者、労使等が「根拠に基づいて、長期的、論理的、制度横断的」に改革の議論ができる装置が必要だと述べました。
質疑応答では、在職老齢年金の廃止や、厚生年金の適用拡大とそれに伴う中小・零細企業への影響、基礎年金の給付調整の早期終了による国庫負担への対応などについて意見を交わしました。
